欠陥温存の「改正」など意味はない。憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案が18日、衆院憲法審査会で賛成多数により可決。19日に午後に衆院を通過、与党は今国会中の成立を目指す。
改正案は自民党と日本維新の会、国民民主党、参政党の4党が共同で提出。改正案は投開票の立会人の要件緩和など、公職選挙法の規定にそろえる内容である。
問題はわざわざ法を改正しながら、2007年の立法時からの「宿題」を放置していること。国民投票の政治運動に関するCMやネット広告への規制が、まったく手つかずのままなのだ。
国民投票法の定めでは、国会の改憲発議から投票日まで運動期間が60~180日もある。この間、テレビ・ラジオCMの禁止期間は投票日の14日前から。改憲を党是とする自民は最大166日、5カ月以上も改憲を呼びかけるCMをガンガン流すことだって可能だ。
■「3年をめどに必要な措置」をスルー
なぜなら同法にはCMの量的規制もなければ費用面の規制もない。その上、ネット広告は完全にノータッチ。規制の「キ」の字もない。そのため、21年の法改正時にこれらの規制について「3年をめどに必要な措置を講ずる」との付則が盛り込まれたが、5年経ってもスルーだ。これでは、資金力に勝る自民はやりたい放題となる。
先の衆院選公示後も、自民は政党の「政治活動」との建前で、2億~3億円とされる大金を投じて高市首相が登場するネット広告を大量投下。投票日までの再生数は約1億6000万回に達した。本紙が追及する複数の自民候補による違法な有料ネット広告疑惑も同じ構図で、今度はカネにモノを言わせて有権者を広告漬けにし、一気に改憲機運を醸成しかねない。
「広告が憲法を殺す日」の共著者で、作家の本間龍氏はこう指摘する。
「今や広告の主戦場はネット。いまだ規制ゼロとは理解に苦しみます。高市陣営の中傷動画疑惑が浮き彫りにしたのは、AIや複数のスマホを駆使するだけで、いとも簡単に世論操作ができてしまうネット工作の怖さです。高市首相は『1年で改憲発議にめど』と宣言しましたが、今の状況だとネガキャンCMやフェイク動画だらけのメチャクチャな展開になりますよ」
この状況にSNSでは危惧の声が高まり、「#国民投票法改正案に反対します」が猛拡散。投稿数は数十万件に達し、19日の夜には国会前でデモも行われる。憲法までカネで買おうとする卑劣さを許してはいけない。
◇ ◇ ◇
高市首相のネット広告疑惑については、関連記事【もっと読む】高市自民が「内部留保200億円」で仕掛けた“SNS金満選挙” 超短期決戦でメッセージ動画再生回数1億5000万超の異常で詳しく報じている。
「ニュース」タグアーカイブ
「社長が椅子を投げて暴れている」下請け会社の社員を殴りけがをさせた疑いで会社役員の男(85)逮捕 香川県警
下請け会社の社員の男性(34)に暴行を加えてけがをさせたとして、香川県坂出市西庄町の会社役員の男(85)が19日、傷害の疑いで現行犯逮捕されました。
坂出警察署によりますと、男は19日午後6時50分ごろ、自宅で男性の顔を複数回殴り、すり傷や切り傷を負わせた疑いが持たれています。
男性が「社長が椅子を投げて暴れている」と110番通報し、現場に駆け付けた警察官が男を現行犯逮捕しました。
警察の調べに対して男は「殴っていない」と容疑を否認しています。警察が動機などを調べています。
北陸地方・東北南部が梅雨入り 平年より10日程度遅い 気象庁発表
今日6月20日(土)、気象台は北陸地方と東北南部の梅雨入りを発表しました。
北陸地方は平年より9日、東北南部は8日遅く、昨年よりは北陸地方では29日遅く、東北南部で3日早い梅雨入りです。
北陸地方は昨年より約1か月遅い梅雨入りに
今日の北陸は低気圧や前線の接近に伴い、西から雨のエリアが広がってきています。また、東北南部は別の低気圧の影響で太平洋側ほど雲が広がりやすくなっています。
気象庁は、今後のこの先1週間程度の天気予報を考慮して、梅雨入りの発表を判断しました。
▼気象庁の発表
北陸地方の梅雨入り 新潟地方気象台発表
平年差階級:遅い
平年より9日遅く、昨年より29日遅い
東北南部の梅雨入り 仙台管区気象台発表
平年差階級:遅い
平年より8日遅く、昨年より3日早い
・梅雨入り/梅雨明けには平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。
・春から夏にかけての実際の天候経過を考慮した検討の結果、期日が見直しされる場合があります。
曇りや雨のすっきりしない天気が続く
この先は梅雨らしい曇りや雨のすっきりしない天気が続きます。特に6下旬から7中旬にかけては強やに注意・警戒が必要です。
本格的な雨の季節への対策を早めに進めるようにしてください。
東北北部の梅雨入り予想は
まだ梅雨入りの発表がない東北北部ですが、この先は梅雨前線の北上に伴い曇りや雨の日が増える見込みで、近々梅雨入りを迎えると予想しています。
各地の梅雨明けは
平年であれば沖縄や奄美では6月後半に、九州~東北では7月中旬~下旬に梅雨明けの時期を迎えます。
ウェザーニュースによる今年の梅雨の見通しでは、梅雨明けは全国的に平年並かやや早めと予想しています。7月になると太平洋高気圧が北への張り出しを強め、梅雨前線の停滞する位置は北上し、次第に不明瞭になると予想しています。
梅雨入り・梅雨明けの発表は速報値 秋に見直されることも
梅雨は大雨による災害が発生しやすい時期であり社会的関心が高いことから、気象庁では現在までの天候経過と1週間先までの見通しをもとに、速報的に「梅雨入り」「梅雨明け」の発表を行っています。
あくまで予報を用いた速報であるため、平年値等の統計に用いられる確定値は、実際の天候経過を考慮して秋になってから更新されることがあります。
2022年には梅雨入り・梅雨明けの期日が秋になってから大幅に見直され、20日間以上もの大修正となった地域もありました。
いよいよ“詰み”始めた高市首相…中傷動画疑惑めぐる答弁破綻で土俵際、週明け衆参集中審議が見もの
昨秋の自民党総裁選や真冬の総選挙をめぐり、高市首相の事務所がライバル潰しの中傷動画を拡散した疑惑は深まるばかりだ。19日の参院本会議で立憲民主党の打越さく良議員から追及された高市首相は、例の上目遣いで自信満々な振る舞いに徹したが、口から出るのはゴマカシばかり。週明けには衆参両院の予算委員会で集中審議が行われる。ついに土俵際だ。
動画拡散の実務を担った起業家の松井健氏と公設第1秘書とのオンライン会議をめぐり、高市首相は事務所が開催を認めた週刊現代への回答を「秘書は〈事実と違う〉と言っている」と国会答弁で否定後、訂正した。打越議員はそうした対応を問題視。「虚偽答弁だと認め、国民に謝罪すべきだ」と迫り、松井氏と秘書の関係、秘書の動画への関わり、松井氏が開発責任者を務めた暗号資産「サナエトークン」への関与などを再調査して公表するよう求めた。
不敵な笑みを浮かべて答弁に立った高市首相は、問題のオンライン会議について「6月5日の予算委答弁に先だち、深夜から秘書に電話をかけ、未明にようやく出た」「秘書は就寝中で、回答文の一部のみが引用された記事を読み上げて確認した」などと、従来の説明をリピート。「可能性は否定しないが、男性についてハッキリとした記憶はなく、直接お会いしたこともないため『面識がない方』という認識であると報告を受けております」と答弁した。
動画作成や拡散依頼については、「〈そのようなことは決して行っていない〉と聞いております」とし、暗号資産に関しては「〈説明を受けたことはなく、承認をしたこともない〉と報告を受けております」。「可能な限りの事実確認をし、誠実にお答えしてまいりました。今後もそうした考えに変わりはありません」と潔白を強調したが、実態はゼロ回答。予算委理事会で協議要求事項となっている秘書の参考人招致の求めも無視した。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「首相の答弁は二転三転しています。当初は〈私自身も秘書も面識がない〉〈秘書を信じる〉と力んでいたのに、〈直接会って名刺交換していない〉と論点ずらし。〈印象付けは心外〉〈名誉に関わる〉〈週刊誌の記事なので全く信用していない〉とまで国会答弁したにもかかわらず、秘書の発言を訂正した。語るに落ちる感がある。暗号資産の違法性疑惑をめぐっても、立憲議員が金融庁や警察庁から答弁を引き出し、包囲網を狭めている。首相は詰み始めているといっていい」
高市自民党がゴネたことから、集中審議は衆参で3時間ずつの見通し。高市首相は健康不安を隠さないほど追い詰められている。野党の腕の見せどころだ。
◇ ◇ ◇
高市陣営の一連の疑惑については、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。
政府 「AI基本計画」の改定案を公表 新型AI「ミトス」念頭に外国政府との連携の必要性など指摘
政府は19日、AI(=人工知能)政策の今後の方向性を示す「AI基本計画」の改定案を公表しました。新型AI「クロード・ミュトス」を念頭に、「AIを悪用したサイバー攻撃の危険性が高まる」と指摘しています。
政府は去年12月に基本計画を初めて策定しましたが、AIの急速な性能向上を受けておよそ半年での見直しとなります。
今回の改定案では、アメリカのアンソロピック社が開発した新型AI「クロード・ミュトス」を念頭に、「AI性能が高度化することで、AIを悪用したサイバー攻撃の危険性が高まる」と指摘しています。
その対応策として、▼高性能AIを活用した政府全体の重要システムの脆弱性点検を進めることや、▼外国政府機関やAI開発事業者とのさらなる連携などを挙げています。
また、人間の指示を必要としない「自律行動型AI」が世界各国で急速に普及し、様々な分野で業務を回す基盤になり始めているとして、「自律行動型AI」の活用が「国力に直結するものとなっている」と強調しています。
政府はパブリックコメントで改定案に対する意見を募集し、閣議決定をしたい考えです。
建物の屋上に倒れた女性 隣接するビルから転落か 鹿児島市
20日午前、鹿児島市の2階建てのビルの屋上に女性が倒れているのが見つかりました。
女性は隣接するビルから転落した可能性もあり警察が調べています。
「屋上に女性の足が見える」と通報
消防によりますと20日午前9時前、鹿児島市金生町で「音がして確認すると2階建ての建物の屋上に女性の足が見える」と消防に通報がありました。
消防がかけつけたところ、2階建ての建物の屋上に女性が倒れているのが見つかり、救急搬送されました。搬送時、女性は心肺停止の状態だったということです。
「だーんとものすごい音が…」
(隣接するビルの関係者)「だーんという普段聞きなれないようなものすごい音がした。女性が倒れていた」
女性が倒れていた現場の周囲は、商業ビルなどが隣接しています。
警察が女性の身元や当時の状況を調べています。
救急記録など百件超を永久保存 「やまゆり園」悲劇の教訓後世に
「刃物を持った男が暴れている」。午前3時2分、救急要請を受けた消防隊員らが現場に着くと、「建物内で少なくとも3人は刺されている」との情報を聞いた。警察官と施設に入り多数の傷病者と接触。治療の優先順位を決める「トリアージ」や応急手当てを実施した―。
これは2016年7月26日、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件で、地元消防が発生直後の壮絶な状況を記録した内容だ。市は20年、悲劇を繰り返さず教訓を後世に残そうと、この「特殊な救急搬送事例について」という文書など100件超を歴史的公文書として永久保存することを決めた。
消防隊員らの「惨事ストレス面接経過記録簿」の記述も生々しい。「最先着として現場到着。被疑者確保の情報がない中薄暗い屋内に進入。多量の出血を伴う死者および傷病者を多数確認した」
市は事件前の16年2月、障害者差別の言動を繰り返す植松聖死刑囚(36)の緊急措置入院を決定。退院の4カ月後に凶行に走り、対応を巡り市に苦情が寄せられた記録もあった。
「サイロから転落した者がいる」林業会社で高さ約5メートルの足場から転落か 60代とみられる男性従業員が死亡 北海道陸別町
20日午前、北海道陸別町にある林業の会社で、60代とみられる男性従業員が高さ約5メートルの足場から転落し、死亡しました。
20日午前8時半すぎ、陸別町陸別基線の林業の会社で、「サイロから転落した者がいる」と警察に通報がありました。
警察によりますと、60代とみられる男性従業員は、約5メートルの高さの足場で機械を交換する作業をしていましたが、作業中に足場の床に穴があき、地上に転落したとみられています。
男性は、病院に運ばれましたが、搬送先で死亡が確認されました。
男性は、当時、2人で作業をしていて、命綱やヘルメットを付けていなかったということです。
警察が、足場の床に穴があいた原因を調べています。
家事支援・ベビーシッター利用に「税制支援」明記、「女性版骨太の方針」原案…理工系人材「倍増」も目標に
政府は近く決定する「女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針)2026」の原案で、家事支援サービスやベビーシッターの利用に「税制措置を含む支援策を検討する」と明記した。高市内閣が重視する「戦略17分野」への女性進出を後押しするため、「理工系人材の倍増」を目標に掲げた。
高市内閣で女性版骨太の方針を策定するのは初めて。原案では、人工知能(AI)・半導体や航空・宇宙など戦略17分野で女性の進出や活躍が「総じて進んでいない」と指摘し、その改善を重点施策に位置づけた。
具体的には、共働き世帯などが利用しやすくなるよう、家事支援やベビーシッターのサービス利用に対して「税制措置」など支援策の検討を盛り込んだ。利用代金の一部を納税額から差し引く税額控除などが念頭にあるとみられる。サービスの「品質・信頼性の向上」を図る必要性も強調した。
戦略17分野で「特に不足している」理工系人材については、大学の工学系学部の女子学生の割合を、2025年の18%から40年に36%へと倍増することを目指す。女性パイロットの比率を世界トップレベルに引き上げるため、「航空大学校の入学要件・試験の見直し」も進める。
造船や防衛産業などの分野では、「体力・筋力面で不安を招く業務が含まれる」ことから、ロボット開発や遠隔操作の導入などで女性も働きやすい環境を整備する。
スーパーエルニーニョの可能性 温暖化との相乗効果で台風接近増や食料価格高騰のリスク
気象庁が今月発表したエルニーニョ監視速報によると、この春からエルニーニョが発生しているとみられます。
今回のエルニーニョは強度の強い「スーパーエルニーニョ」に発展する可能性も示唆されています。その影響について解説します。
スーパーエルニーニョとは?
エルニーニョとは、季節を問わず赤道付近の太平洋を吹いている東風・貿易風が弱まることで、海面水温の暖かい領域が東へ広がり、世界各地の気候に影響を与える現象です。
その強さには段階があり、基準海域(Nio3.4)の海面水温の平年との差(偏差)が3ヶ月平均で+2°C以上に達した状態が、俗に「スーパーエルニーニョ」と呼ばれています。過去に確認されたのは1982~83年、1997~98年、2015~16年の3回のみという稀な現象です。
世界各国の予測では、今秋以降の海面水温偏差が+2°C~最大+3°Cを超えるシナリオを示すものが増えてきています。スーパーエルニーニョの発生を断定できる段階ではありませんが、その可能性は着実に高まっているといえそうです。
「エルニーニョの夏は日本では冷夏」とは限らない
「エルニーニョが発生すると日本は冷夏になる」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。実際にこれまでの統計では、エルニーニョの夏は西日本で気温が低い傾向、東日本や北日本では平年並か低い傾向になっています。ただ、気候変動による気温の底上げ効果が加わった今、この傾向が崩れる可能性があります。
実際に、エルニーニョが続く見通しの今年6月~11月にかけての日本の平均気温予測は、全国15地点平均で平年より+0.75~+1.2°C高い予測となっていて、エルニーニョの影響を加味しても暑い夏になるとみられています。
台風の発生数が増加?日本への接近も警戒を
ウェザーニュースの発表では、2026年の台風発生数は28個程度と予測されていて、平年の約25個を上回る見込みです。
背景には、インド洋方面からの西寄りの風が強まっていることがあります。この西風が貿易風の東風とぶつかる「熱帯低気圧が発生しやすい領域」がフィリピンの東に形成されることが、発生数増加を予測する理由のひとつです。
秋にかけてエルニーニョがさらに強まると、貿易風の弱まりに対応して、熱帯低気圧の発生しやすい領域がさらに東へ移ることが予想されます。台風の発生場所が東寄りになると、太平洋高気圧の張り出し具合によっては日本に直接接近・上陸するルートをたどる台風が増えるリスクがあります。
気候が別のステージへ移行するリスクも
スーパーエルニーニョが注目される理由はこれだけではありません。2025年にNature Communicationsに掲載された研究では、スーパーエルニーニョが「気候のレジームシフト」を引き起こすトリガーになる可能性が示唆されています。
気候のレジームシフトとは、気候システムが「今までの通常の状態」から「別の安定した状態」へと一段階移行してしまうことを指します。今まで当たり前だった気候のバランスが崩れ、十数年に渡り元に戻らなくなるイメージです。
過去3回のスーパーエルニーニョはいずれも、地上気温や土壌水分が大きく変化したタイミングと重なっていることが分析から明らかになっています。現在は気候変動による気温の底上げ効果も重なり、スーパーエルニーニョが起きるとこれまでとは異なる気候の状態にシフトチェンジすることが起こりやすい状態になっているとみられています。
東南アジアの干ばつと食料価格への影響
前回のスーパーエルニーニョ(2015~16年)では、東南アジア全域で記録的な干ばつが発生し、食料供給に広範な影響が出ました。
ベトナムでは過去90年で最悪とされる干ばつにより地下水位が低下し、海水の侵入による農地の塩害でコーヒーや胡椒の生産に甚大な被害が生じました。インドネシアやマレーシアではパームオイルの生産が落ち込み、日本の揚げ物やカップ麺、チョコレートなどに使われる植物油の調達に影響が及んだほか、インドやタイでは熱波と干ばつによるサトウキビの不作が世界的な砂糖不足を招き、国際砂糖価格が一時2倍近くに上昇しました。
スーパーエルニーニョは世界各地で極端な大雨や干ばつなどの異常気象を引き起こすことが知られていて、今後発生・発達した場合には、日本が輸入に依存する食料品をはじめ、さまざまな物資への影響も懸念されます。
パナマ運河の航行リスクにより物流への影響も
スーパーエルニーニョは物流にも影響します。
太平洋と大西洋を結ぶ大動脈にパナマ運河があります。エルニーニョが発生するとパナマの降水量が減少し、運河の水位が低下します。水位が下がると通行できる船舶の数や積載量が制限されて渋滞が生じ、輸送の遅延につながります。やむなく迂回する場合はアフリカ南端の喜望峰を回るルートをとることになり、いずれの場合も輸送コストの増加は避けられず、日本が輸入に依存する食料品や日用品の価格上昇につながりかねません。
エルニーニョの強さや継続期間を注視
現時点では、今回のエルニーニョは発達のピークが冬にかけて訪れると予測されていて、来年にかけて影響が続く可能性があります。
スーパーエルニーニョの影響は遠い海外の話ではなく、私たちの食卓にも直結するおそれがあります。食料品価格の変動に注視が必要です。また、もしも研究結果のように気候のレジームシフトが現実に起きた場合、その後も気温が平年並みに戻りにくくなることになり、監視とともに引き続き温暖化対策が急務です。
エルニーニョの強さや継続期間によってもこれらの影響度合いが変わります。今後の情報にご注意ください。
ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、みなさんと一緒に地球の未来を考えていきます。まずは気候変動について知るところから、一緒に取り組んでいきましょう。