日本郵便は地方税を滞納したまま行方が分からなくなっている人を、郵便網を活用して追跡する取り組みを4月から始めた。自治体の照会に限定し、現住所が見つかった場合に開示する。所管する総務省が、公益に資する目的に絞り込んで全国の郵便局ネットワークの活用に道を開いた。個人情報保護が甘くなったり、安易な外部提供につながったりするとの懸念に留意する。
郵便法は原則、郵便の内容や受取人の住所といったデータの外部提供を禁じている。ただ税滞納者は住民票を変更していなくても郵便局に転居届を出している場合がある。提供の可否を議論した総務省の有識者会議は、徴収などを担う自治体側のニーズが大きいと判断。「信書の秘密」保護を前提に「必要な最小限の範囲」に絞った開示を容認した。
手数料は1件当たり千円。照会窓口は本社に一本化し、回答までの期間の目安は1週間程度という。
日本郵便が住所を開示するケースでは、壊れそうな空き家を放置している所有者や、地震、土砂崩れといった大規模災害の被災者に関する場合も対象としている。
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高速道路でバイクが塀に接触→塀を乗り越えた先で16メートル落下か 県道で意識不明の男性見つかり、搬送先で死亡確認
29日午後、神戸市西区の県道で意識不明の状態で倒れている50代とみられる男性が見つかりました。警察は男性が県道の上を通る高速道路から落下したとみて捜査しています。 29日午後1時前、神戸市西区伊川谷町布施畑の県道16号で、通行人の女性から「人が倒れていて意識がない。ヘルメットが落ちている」という趣旨の110番通報がありました。倒れていたのは50代とみられる男性で、病院に搬送後、死亡が確認されました。男性が倒れていた県道の上には高速道路が通っていて、高速道路には転倒したバイクがありました。 警察が高速道路に設置されているカメラの映像を確認したところ、男性の乗ったバイクが高速道路の塀に接触して停止したあと、男性はバイクを降り高さ1mほどの塀を乗り越えていく様子が映っていたということです。高速道路の高さは約16mで、乗り越えたあとしばらくの間、塀にぶらさがっている様子もカメラに映っていたといい、警察は誤って転落した可能性もあるとみています。 警察は男性の身元の確認を急ぐとともに死亡の原因を調べています。
広島・三原市の会社敷地内で男性遺体見つかる警察が土の中から発見 東広島市の男性会社役員殺害放火事件との関連を捜査
きょう午前、広島県三原市で氏名・年齢不明の男性の遺体が見つかりました。警察は、2月に東広島市で発生した男性会社役員殺害放火事件との関連を調べています。
警察によりますと、きょう午前11時40分ごろ、広島県三原市沼田の会社敷地内で男性の遺体が発見されました。遺体は警察が土の中から発見したということです。死亡してから相当の日数がたっているとみられます。
警察によりますと、今年2月に東広島市で発生した男性会社役員殺害放火事件の捜査の過程で発見したということです。
この事件は2月16日未明、東広島市黒瀬春日野の住宅の裏側で、この家に住む会社役員の川本健一さん(当時49)が首を刃物で刺され、死亡しているのが見つかったものです。
また、この住宅では火事も起き、川本さんと2人で暮らしていた妻もけがをしています。
警察では遺体を司法解剖して死因を調べるとともに、事件の関連について調べることにしています。
東京・福生市で殺人未遂事件40代男が逃走中ハンマーで男子高校生2人を殴るなどして自宅に逃げ込み…裏口から逃走か殺人未遂の疑いで逮捕状請求 警視庁
けさ、東京・福生市の路上で男がハンマーで男子高校生2人を殴るなどし、あわせて5人がけがをしました。男は自宅に逃げ込み農薬とみられるものを噴射した後、裏口から逃走したとみられています。警視庁は殺人未遂の疑いで逮捕状を請求していて、逃げた男の行方を追っています。
警視庁などによりますと、午前7時すぎ、福生市加美平の路上で、40代の男が男子高校生2人を次々とハンマーで殴り、自宅に逃げ込んだ後、サバイバルナイフを突きつけたうえで、駆けつけた警察官に農薬とみられるものを噴射しました。
17歳の男子高校生が重傷を負い、男子高校生1人と警察官3人が軽傷だということです。
捜査関係者によりますと、男は駆けつけた警察官に2階のベランダから農薬とみられるものを噴射した後、混乱に乗じて自宅の裏口から出て逃げたとみられるということです。
警視庁は正午すぎに男の自宅に突入しましたが、男の姿はありませんでした。また、室内からは、男ものとみられるサバイバルナイフやハンマー、噴霧器が見つかっているということです。
男は丸刈りで、身長173センチくらい、上下グレーのスウェット姿だということです。
警視庁は殺人未遂の疑いで逮捕状を請求していて、逃げた男の行方を追っています。
「娘が当て逃げにあった」自転車の4歳女児が軽傷 ひき逃げ事件で捜査 兵庫県警
29日午後3時30分ごろ、兵庫県高砂市北浜町の市道交差点で、乗用車と自転車が接触した。自転車に乗っていた女児(4)が転倒し、腰に打撲の軽傷を負った。車はそのまま走り去り、県警高砂署が道交法違反(ひき逃げ)の疑いで捜査している。
同署によると、現場は信号のない十字路交差点。女児の後ろを歩いていた母親が事故を目撃し、「娘が当て逃げにあった」と110番した。走り去った車は赤色だったという。
ペルシャ湾内の船舶から下船の日本人1人が帰国 残る日本人乗組員は12人に
外務省はペルシャ湾内で日本関連の船舶に乗っていた日本人乗組員1人が帰国し、残る日本人は12人になったと発表しました。
外務省によりますと、ペルシャ湾内で日本関係の船舶に乗っていた日本人乗組員1人が28日に下船し、きょう(29日)帰国しました。出国にあたり現地の大使館が支援し、健康状態に問題はないということです。
ペルシャ湾内の船舶をめぐっては、日本人3人が乗った船も29日にホルムズ海峡を通過して湾外へ退避し、現在、日本に向かって航行しています。
現時点でペルシャ湾内に留め置かれている日本関係の船舶に乗船する日本人乗組員の数は残り12人になったということで、外務省は「今後も状況の推移を見極めながら、邦人保護に万全を期していく」としています。
春の褒章に603人28団体…絆の逆転劇「りくりゅう」、リア王の吉田鋼太郎さんなど
政府は28日付で、2026年春の褒章受章者603人(うち女性137人)と28団体を発表した。29日に発令される。
学術研究や芸術、スポーツなどの分野で活躍した人に贈られる紫綬褒章には、ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートのペアで日本勢初の金メダルを獲得した三浦璃来(りく)選手(24)と木原龍一選手(33)、俳優の吉田鋼太郎さん(67)ら26人(同7人)が選ばれた。
各職業分野で一筋に励んだ人が対象の黄綬褒章は、195人(同18人)、福祉や教育など公益に尽くした人への藍綬褒章は373人(同104人)が受章した。社会奉仕活動に貢献した緑綬褒章は9人(同8人)と28団体だった。人命救助に力を尽くした紅綬褒章の受章者はいなかった。
「あなたのために滑る」に奮起
2月のミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートで、ペアとして日本勢初の金メダルに輝いた。ショートプログラムはリフトが崩れて5位と出遅れ、「もう終わった」と落ち込む木原さんを、三浦さんが「積み重ねてきたものがある」「私はあなたのために滑る」と励まし、フリーで逆転。その絆が感動を呼んだ。
2019年にペアを結成し、カナダを拠点に鍛錬を重ねて世界トップに上り詰めた。受章について2人は「大変光栄に存じます。パートナーとともに歩んできた日々、そして多くの方々の支えがあってこそ、今の私たちがあります」とコメントした。
今後はプロとして活動し、後進の育成にも携わる予定で、「もっとフィギュアのペアを知っていただけるように、様々な活動に2人で挑戦したい」と木原さん。「りくりゅう」の歩みは続く。
点数出ない仕事に合格点もらったよう
「点数の出ない仕事。大丈夫だよという点数をもらったよう。背筋を伸ばし、邁進していこうという勇気をもらえた」と喜びを語る。
大学在学中の18歳の時にシェークスピア劇を始めて、50年。近年は映画、ドラマでも高い評価を受けているが、演出家の蜷川幸雄、出口典雄の薫陶を受けた生粋のシェークスピア俳優だ。演出も多く手がけている。
現在は、5月にさいたま市で開幕する主演舞台「リア王」の稽古中。老境の王を演じるが、「感情の振幅がとてつもなく大きい。体力、精神力、知力がいる」と難役ゆえの魅力を語る。
師匠の蜷川と同じく、「シェークスピアと言えどエンターテインメント。知性を大事にしつつ、涙と笑いと感動がないとやる意味がない」を持論としている。そして、今後の目標も定まった。「リア王を80代でやりたい。やれるもんなら90代、100歳でも」
芸術の枠超えた多角的な視点
「受章の知らせに驚きました。音楽評論家になるつもりはなく、ただ好きな音楽について書きたい一心でやってきただけですから」と驚きを隠さない。
中学生の頃から伊福部昭など近現代の日本の作曲家を好んで聴いていた。「最初は刹那的に耳の刺激を楽しんでいたのが、やがて音楽の形式などに関心を持つようになり、聴く音楽の幅が広がった」と振り返る。
慶応大教授として政治思想史を教えるかたわら、雑誌や新聞で音楽批評や時事コラムなどを担当。歴史的背景や社会情勢などを踏まえた多角的な評論は、ジャンルを超えた博覧強記に支えられ、クラシック音楽評論に新風を吹き込んだ。
音楽を芸術の枠を超えた大きな視点で捉えることで、「これまでなおざりにされていたマイナーな作曲家や作品に新しい光を当てたい。まだまだやるべきことはあります」と話す。
紫綬褒章受章者(敬称略、年齢は発令日の29日現在)
東北大教授 北澤春樹(63)▽音楽評論家 片山杜秀(62)▽東大名誉教授 高薮縁(67)▽東大名誉教授 相澤清晴(66)▽東大名誉教授 荒木尚志(66)▽日本舞踊家 中村梅彌(68)▽東大教授 今橋映子(64)▽フィギュアスケート選手 木原龍一(33)▽スノーボード選手 木村葵来(21)▽映画美術監督 上條安里(64)▽スノーボード選手 戸塚優斗(24)▽KDDI総合研究所会長 中村元(60)▽東大教授 東山哲也(54)▽スノーボード選手 深田茉莉(19)▽フィギュアスケート選手 三浦璃来(24)▽スノーボード選手 村瀬心椛(21)▽小説家 宮部みゆき(65)▽俳優 吉田鋼太郎(67)▽元森永乳業常務執行役員研究本部長 阿部文明(64)▽東京理科大教授 工藤昭彦(65)▽元情報通信研究機構副研究開発推進センター長 隅田英一郎(70)▽京大教授 原田博司(56)▽京大名誉教授 金光義彦(68)▽広島大教授 二川浩樹(64)▽熊本大名誉教授 荒木栄一(68)▽京大名誉教授 松田祐司(66)
“焼却炉遺体” 聴取の男性「妻は東京に行った」…周辺が感じた“異変” 「遺棄」供述も捜査難航の理由は
北海道・旭山動物園の焼却炉に妻の遺体を遺棄したとして任意の聴取を受けている男性職員が、周辺に対し、「妻は東京に行った」などと説明していたことがわかりました。
27日午後、旭山動物園は、今回の件について、初めてコメントを出しました。
旭山動物園HPより
「この度、誠に遺憾ながら、本市職員が重大事案に関与した疑いで警察に事情聴取を受けております。皆様にご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます」
GW初日の4月29日から、夏の営業が始まる予定でしたが、2日間遅らせて、5月1日から開園するということです。
動物のありのままの動きを見せる「行動展示」が魅力の、北海道・旭山動物園。営業開始日が変更されたワケは、30代の男性職員がとったとされている行動です。
旭山動物園 男性職員(30代)
「動物園の焼却炉に妻の遺体を遺棄した」(※趣旨の供述)
男性は、任意の事情聴取を受けていて、26日から2日連続で家宅捜索が行われました。
妻の遺体を遺棄したという趣旨の話をしている男性。殺害についても、ほのめかしているといいます。
捜査関係者によりますと、男性の妻は、3月下旬ごろから連絡が取れなくなっているということで、近所の住民は…。
近隣住民
「(これまで)2人で仲良く(川の)堤防に行ったり」
──今年4月に入ってからは?
近隣住民
「1回も見てないです」
また、男性と話したことがある人は。
男性職員を知る人
「夫婦の間ではあまり会話がないと聞いていた」
妻の姿が見えないことについて、男性から、ある説明を受けたという住民も…。
近隣住民
「4月7日にご飯を届けた。母さん(妻は)どうしたのって言ったら『東京に行った』と私に言うから。1週間後にウソついてるんじゃないの?入院してるんじゃないの?と言ったら『入院してないよ』って言うから、違和感はあったね」
男性は「妻は東京に行った」と話していたといいます。
一方、妻は行方不明になる前、相談のメッセージをスマートフォンで関係者に送っていたといいます。
男性職員の妻(行方不明前)
「夫から脅迫を受けていて怖い」
これまでの捜査関係者への取材では、男性が妻に対して、危害を予告するような言動をしていたとみられることがわかっていますが、さらに27日、新たに男性が妻に対して「残らないよう燃やし尽くしてやる」などと脅していたとみられることもわかりました。
ただ、夫婦に関する警察への相談歴は、現時点で確認されていないということです。
男性が「遺体を遺棄した」と証言するなか進む捜査。逮捕に踏み切らない理由について、元神奈川県警捜査1課長の鳴海氏は…
元神奈川県警捜査1課長 鳴海達之氏
「普通に考えれば男性が『(遺体を)遺棄した』と言ってるんだから、それ以上確実なことはないんだろうと。ところがそれは供述だけであって、その供述の裏付けが何もない。焼却炉の中に遺棄したといわれる遺体があったのかというと、今のところない。遺体がなければ、そこに遺棄したということの証明にならない」
「(Q.今後の捜査について)今その男性が任意の取り調べに応じているのであれば、それは取り調べは続けるべきだと思う。もし(遺棄を)やったのなら細かい話、ここに鍵があって、こうやって入ってスイッチを入れて、こうやって燃やしたんですという話ができなきゃいけない。秘密の暴露が多ければ多いほど、その話は信ぴょう性がある」
男性が、妻の遺体を遺棄したと供述する焼却炉。その場所は、園内の東側で、動物が展示されているエリアとは、少し離れています。また、近くにある旧東門は、関係者のみが通行できる場所となっています。
旭山動物園によりますと、この焼却炉は、死んだ動物を燃やすためのもので、火力は、骨が灰になるほどだということです。
元科捜研の雨宮氏は、焼却炉の捜査の難しさを指摘します。
元埼玉県警科捜研 法科学研究センター所長 雨宮正欣氏
「完全に灰の状態に例えばなっていたとすると、これは個人の識別はおろか、人間の骨であるか、動物の骨であるか、それ自体も判断するのはまず無理。 火葬した骨からDNA鑑定すること自体は結構、技術的には難しくて成功率は極めて低いです」
そのため、ポイントになるというのが。
元埼玉県警科捜研 法科学研究センター所長 雨宮正欣氏
「何らか人間についている服装品といいますか、例えばアクセサリーであったりとか歯の詰め物であったりとか、そういう痕跡が残る可能性はあります。金であったり銀であったりとかそれ以外の金属でも、動物の死骸から出る可能性はほとんどないですから、人間のご遺体を焼却したという一つの痕跡という形にはなると」
警察は、先週末には園内で使用している車なども押収していて、引き続き、園内や男性の関係先を調べています。
(4月27日放送『news zero』より)
「麻生氏は食べたのか?」高市首相の「焼き魚定食」の次は進次郎防衛相の「高級焼肉」で大ブーイング、政治家はなぜ食でここまで叩かれるのか…明暗分けた“その瞬間”
最近、永田町で「会食絡み」の話題がつきない。高市早苗総理が麻生太郎副総裁に振る舞った「焼き魚論争」が勃発。さらには「週刊文春」電子版が、三陸沖地震の直後に小泉進次郎防衛相が「2万円焼肉会食」をしていたことを報道。こうした中、危機管理力を発揮し、“難”を逃れた「2人の大物政治家」もおり――。
【画像】会食騒ぎの中、“会食中止”を決断した政治家
焼き魚定食で揺れる永田町
“会食嫌い”を公言する高市総理。党幹部とのコミュニケーション不足が指摘される中、4月上旬に、首相官邸で約1時間、珍しく「ランチ会」を催した。
招待したのは、自民党総裁選で自らの後ろ盾となった麻生太郎副総裁、その義弟・鈴木俊一幹事長、そして萩生田光一幹事長代行である。
高市総理が3人に振る舞ったのは、官邸の食堂から取り寄せた「焼き魚定食」という庶民的なメニューだった。
ただし、党内からは、戸惑いの声も出ていた。
気心知れた相手とは別にして、自民党では先輩政治家との会食の場合、相手のキャリアや好みに合わせて、メニューやお店を決めるのが通例だからだ。
伝統的に政治家にとっての会食は、信頼関係を醸成する目的があるとされてきた。会食のメニューや、もてなしは、相手への感謝や重要視していることを示すメッセージにもなり得る。
志公会(麻生派)の派閥領袖として君臨してきた麻生氏は、まさにそうした気配りを重視してきたとされる。
「その意味では、麻生さんに “焼き魚定食”を出すのは、ちょっと……。通常なら、少なくとも、それなりのお弁当などを用意すると思います。高市さんにはそういう発想がない。
よく言えば、庶民的ですが、ビジネスマナーとしてはどうなのか。結局、高市さんが、あまり気配りや人心掌握が上手ではないことの現れでしょう」
4月13日に「集英社オンライン」が、そんな自民党の副大臣経験者の声を報道した後、にわかに勃発したのが「焼き魚論争」である。
「毎日新聞は4月20日に、麻生氏が運ばれてきた切り身の『焼き魚定食』に手をつけることはなかったと報道しました。麻生氏周辺が、焼き魚定食というメニューに、総理の気遣いが見えないと、イラだっていると伝えました」(全国紙政治部記者)
「政策最優先」の高市総理は、古典的な人間関係重視の政治スタイルとは異なると指摘されている。
この毎日新聞の報道に対して、“カウンター”に打って出たのがフジテレビだった。
「FNNオンラインは4月23日に、高市総理がランチ会を定例化する意向だとした上で、“焼き魚会食”を巡っても、麻生氏は定食に『手をつけていた。何も問題ない』という同席者の証言を報じました」(同前)
かように、麻生氏が焼き魚に手をつけたのかどうかは未だはっきりしないが、高市総理の「焼き魚会食」は論争の様相を呈したのだった。
官僚出身の自民元職議員は筆者の取材に対して、こう語る。
「霞ヶ関の官僚は昔、政治家との会食や、返礼品のマナーを徹底的にたたき込まれたものです。
いいか悪いかは別にして、そうした永田町・霞ヶ関の“常識”からすれば、麻生さんに官邸の(食堂の)焼き魚を出すという、高市総理の振る舞いは“型破り”なのは間違いありません」
災害時対応ににじむ政治家の資質
こうした中、焼き魚定食とは対照的な“高級会食”も注目されている。
「週刊文春」電子版は、4月20日に最大震度5強を観測した三陸沖地震の直後、小泉進次郎防衛相が港区の高級焼き肉店で「高級カルビ」を堪能していたと報道した。
「政府として災害対応に動いている中、自衛隊などを所管する防衛省のトップとして、あまりに危機感のない対応だと問題視する報道でした」(前出・全国紙政治部記者)
実はこの日、小泉氏とは異なり、会食を予定していたものの、中止した2人の大物政治家たちがいた。
「林芳正総務相と、武田良太元総務相です。2人は都内のイタリアンレストランで会食を予定していましたが、三陸沖地震を受けて、中止したのです」(自民党関係者)
政策通として知られる林氏は、自民党総裁選にも出た、旧宏池会(旧岸田派)の重鎮だ。
一方の武田氏は、旧志帥派(旧二階派)の実力者として知られた。4月には、事実上の“武田グループ”となる政策集団「総合安全保障研究会」も立ち上げた。
「党内での立ち位置が異なる2人ですが、陽気な性格が共通しており、実は仲がいいのです」(同前)
会食の中止をいち早く提案したのは、武田氏だったという。
「総務省は外局に、消防庁を抱えており、災害対応に関係します。武田氏は林氏と同じく、総務大臣経験者ですから、林氏の立場がよくわかる。
また、第二次安倍政権で、防災担当の内閣府特命相として、千葉県を直撃した台風15号の対応などを担った経験もあり、初動の重要性を実感していた。
そのため、武田氏から会食の中止を林氏に提言したといいます」(同前)
政治家にとって、会食は切っても切れないコミュニケーションツールで、もはや仕事の一つともいえる。店選びやメニューには、人柄や価値観が出る。そして時には、その実施を巡り、危機管理能力が問われる局面もある。
取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班
「メディアは沈黙」は本当か…辺野古転覆事故を1か月追って分かった、沖縄2紙と産経新聞の決定的な違い
あの痛ましい海難事故から1か月以上が経った。辺野古(沖縄県名護市)で修学旅行中の高校生を乗せた船が転覆し、生徒と船長の2人が死亡した事故である。
「メディアはこの事故をあまり報じていない」は本当か
この事故を巡っては発生直後から気になる言説がある。「メディアはこの事故をあまり報じていない」というものだ。SNSやネット上でよく見かける。地元紙の琉球新報や沖縄タイムスも同様だ、という声もある。
転覆した「平和丸」と「不屈」の2隻はともに、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する市民団体「ヘリ基地反対協議会」に所属し、普段は海上での抗議活動に使われていた船だった。だから基地問題を報じる沖縄2紙は今回の事故や背景に触れたがらないのではないか、という見方につながっていると思われる。
果たして本当にそうなのか。確かめるため、国会図書館で1か月間の紙面を確認してみた。
結論から言えば、沖縄2紙は連日大きく報道していた。検証企画は事故直後から早々に始まっていた。琉球新報は『検証 辺野古沖転覆事故』、沖縄タイムスは「なぜ 辺野古船転覆」。いずれも3日連続の企画(3月18日~20日)だ。
その内容も、「学校側「船使用料5000円」 反対協「無償」説明と矛盾」(琉球新報3月19日)や、「安全管理の認識甘く 船の出航基準 明文化なし 乗船名簿も把握せず」(沖縄タイムス3月19日)など、市民団体と学校双方の責任を厳しく問うものだった。
さらに、旅行を担当していた会社が学校側に直接手配させており、旅行会社を通じた安全管理が十分に機能していなかった点も問題にしていた(沖縄タイムス3月31日)。
これらの記事を読んでまず感じるのは、海という大自然を相手にしながら、子どもを預かる側の安全管理が極めて脆弱だった可能性だ。「平和学習」とは究極的には命の話だろう、なのになぜ、と痛切に感じた。二度とこのような事故を起こさないために何が問題だったのか。
運航していた市民団体は海上運送法に基づく事業登録をしていなかった。2022年4月に北海道・知床半島沖で起きた観光船沈没事故を契機に、従来の届け出制から登録制に改正されている。今回の修学旅行生を乗せる活動が「事業」なのか「ボランティア」なのかという認識は曖昧だった。そもそも登録制への移行はどこまで周知されていたのかという疑問も残る。
産経新聞を追っていると気づくことがある
地元紙を読むと、あの日は実は海上保安庁の船も転覆していた。それほどの天候変化もあった。「過失」かどうかを巡り、専門家の間でも見解が異なることを3月23日の沖縄タイムスは伝えている。出航時の判断で防げたという声もあれば、海保元幹部は出航時の天候が即座に取りやめる判断要因にはならないのでは、という見方も示す。いずれにしろ捜査は長期化しそうという。だとしたら今問われるのは経緯であり、長年の油断はなかったのかという点もあるだろう。
辺野古転覆報道は全国紙もしている。知床の事故当時と比べても社説などの本数もあまり変わらない。今回、目立つのは産経新聞だ。
『危険出航 ずさん管理 「知床の教訓」生かされず悲劇』(3月23日)
『辺野古抗議団体 生徒に座り込み「お願い」 高校、過去のしおりに掲載』(3月28日)
『抗議団体 事故・違反10件超 平成26年以降 海保が実態調査』(4月24日)
沖縄の地元紙に劣らぬ勢いで連日報じている。そんな産経新聞を追っていると気づくことがある。事故原因の究明もさることながら、沖縄の平和学習に対する視点だ。
産経は事故翌々日、初めての社説で『辺野古沖で転覆 「平和学習」はき違えるな』と書いていた。抗議船に生徒を乗せることが「平和学習」になるという学校側の姿勢もおかしいとし、「教育に求められる政治的中立を逸脱している。(略)文部科学省も指導を強めてもらいたい」としている。
いつの間にか、修学旅行で沖縄に関する平和学習や基地問題を学ぶことに問題があるというような「イデオロギー」や「思想」の問題に比重がおかれていることに注目したい。こうした論調がネットでも広まっているように思える。つまり「メディアは辺野古転覆を報じていない」を言い直すなら、「メディアはなぜ産経新聞ほど報道をしないのか」なのだろう。
「イデオロギーではなくアイデンティティー」
平和学習がイデオロギーまみれという批判に対しては、沖縄タイムスで川満彰氏(沖縄国際大学非常勤講師)が、沖縄の根強い基地に反対する思いは「イデオロギーではなくアイデンティティー」という歴史を書いていた。
沖縄戦には「基地があるところから戦争はやってくる」「軍隊は住民を守らない」「命どぅ宝(命こそ宝)」という教訓がある。県民にとって反対運動は沖縄戦を踏まえた沖縄人としてのアイデンティティーを取り戻すための行為であり、平和学習とは本土とは異なる沖縄のいびつな歴史の過程を知ることだと解説していた。
これを読むと、沖縄の平和運動や平和学習は「命こそ宝」から出発したと理解できる。だからこそ今回の事故は絶対に起きてはいけない事故だった。ただ、事故原因の検証と「思想チェック」のようなものが平気で混同されてしまえば、本来必要な再発防止の議論は見えにくくなるのではないか。
しかし産経の追撃は止まらない。一面コラムでは「こんな偏向教育をする私学にまで血税が使われるのは、とんでもない」(3月30日)、「家族思いの生徒の人生は、左派活動家らによる独善的で無謀な平和学習とやらに奪われた」(4月4日)。
那覇支局長は「近年まれにみる人災」というコラムを書き、「移設工事の進む辺野古を見学することが、どうして『平和学習』になるのか。何かはき違えてはいないか」(4月4日)。これらからは沖縄そのものに対する激しい感情すら感じた。
ここまで読んで、新聞好きなら「産経と沖縄」の因縁を思い出すだろう。知らない方のために少し振り返っておきたい。
その「事件」は2017年12月、沖縄で起きた。沖縄自動車道を走行中の米海兵隊曹長の男性が、意識不明の重体となる人身事故があった。産経新聞は「曹長は日本人運転手を救出した後に事故に遭った」という内容の記事を掲載した。救出を報じない琉球新報や沖縄タイムスについて「報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と書いたのだ。かなり強烈な紙面である。
産経新聞の記事はデマだった
ところが、琉球新報が米海兵隊や警察に取材をするとそのような事実はなかったのだ。産経新聞の記事はデマだった。
ここでのポイントは誤報という点ではない。新聞にも間違いはあるからだ。問題は、沖縄2紙を罵倒したいがために、真偽不明な情報に飛びついて裏取りもせず発信した姿勢である(どうやら元ネタはFacebookだったらしい)。
当時の琉球新報は、検証した理由を次のように書く。
《産経新聞が不確かな「救助」情報を前提に、沖縄メディアに対して「これからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と書いたことが大きい。産経新聞の報道が純粋に曹長をたたえるだけの記事なら、事実誤認があっても曹長個人の名誉に配慮して私たちが記事内容をただすことはなかったかもしれないが、沖縄メディア全体を批判する情報の拡散をこのまま放置すれば読者の信頼を失いかねない》
記事の最後は、
《産経新聞は、自らの胸に手を当てて「報道機関を名乗る資格があるか」を問うてほしい》
基地問題でいろいろな考えがあるのは当然だろう。しかし相手を罵倒したいために事実確認が不十分なまま批判して騒ぐ。これは「なぜ沖縄2紙は辺野古転覆にダンマリなのか」という今回のネット上で溢れる言説の構図にも似ていないだろうか。
最後に重要な発見も書いておこう。今回の件で報道量の多い沖縄2紙と産経新聞を読み比べると決定的に大きな違いがあることに気づく。
産経は転覆事故を「人災」と書いたが、それでいえばデマ被害も酷い。沖縄タイムスは事故翌日の社説で「事故を巡る誤情報や誹謗中傷がインターネット上などで広がることがないよう注意したい」と書いた。しかし『転覆事故巡り誤情報拡散』(沖縄タイムス4月9日)などデマや誹謗中傷を伝える記事が後を絶たない。これも「人災」だろう。
高校には「責任を取って死ね」という言葉が
例を挙げるなら「高校生に基地への抗議活動をさせた」「県の予算で実施している」「定員オーバーだった」「宿泊先(民泊)の思想が極端すぎる」「旅行社とオール沖縄結託」や、亡くなった生徒の尊厳をおとしめるコメントや生徒・学校への誹謗中傷・デマが多数あったという。高校には「責任を取って死ね」という言葉が電話やメールで投げつけられた。
ところがである。産経新聞にはこうした誤情報や誹謗中傷の拡散そのものを問題として扱った記事は見当たらないのである(4月27日時点)。京都・南丹市の事件での誹謗中傷には警鐘を鳴らす記事を書いているのだが沖縄はスルー。今回の沖縄に関してあれほどの報道量があるにもかかわらずである。
辺野古転覆事故で「メディアはなぜ産経新聞ほど報道をしないのか」にもう一つ付け加えるならば、「産経新聞はなぜ沖縄へのデマや誹謗中傷問題を報じないのか」という問いも浮かび上がってくる。
今回の事故で大事なのは、誰かを罵倒することではない。沖縄戦の惨禍を知り、ここまでの歴史や現状を学ぶ重要性があるのは間違いない(それは修学旅行生に限らないが)。だからこそ問うべきは、校外学習としての安全管理をどう徹底するかという原点の問題ではないだろうか。
(プチ鹿島)