石破首相、参院選で自民惨敗の責任「適切に考える」…「色々なこと並行しており考え深めていく」

石破首相(自民党総裁)は9日、長崎市での記者会見で、8日の党両院議員総会で臨時総裁選を実施する是非の確認手続きに入ったことを踏まえ、参院選での党惨敗の責任について「両院議員総会での意見や、党で進んでいる(参院選)総括を踏まえて適切に考えていきたい」と述べた。
首相は、米国による関税措置など政策課題への対応に全力を挙げる考えも強調した。党内で首相に対する退陣圧力が強まる中、「色々なことが並行しているので、そういうことをきちんと認識しながら、考えを深めていきたい」と語った。

名古屋城復元のバリアフリー対策巡り、市長が差別発言を謝罪…「生まれながらにして不平等があって平等」

名古屋城天守閣の木造復元計画のバリアフリー対策を巡り、名古屋市主催の市民討論会で差別発言があった問題で、広沢一郎市長は8日、市障害者施策推進協議会で「人権尊重、障害者差別解消を先導すべき行政としては決してあってはならない問題。当事者や多くの方々の心を傷付け、深くおわび申し上げる」と障害者団体代表らに謝罪した。
この問題は2023年6月、車いすの男性が、上層階まで垂直昇降設備を設置するよう求めたのに対し、別の参加者が「生まれながらにして不平等があって平等」などと主張し、差別用語まで使った。出席した河村たかし前市長は「熱いトークもあって良かった」と発言。その後、不適切だったとして謝罪したが、復元計画は今も停止している。
市役所で開かれた8日の会合には、障害者団体代表の委員ら約90人が出席。広沢市長は冒頭に謝罪し、市の担当者が、復元計画全体の総括や差別発言の再発防止策などを説明した。
意見交換の場で、委員からは、河村氏が「昇降設備を設置しない」と表明していたことが、障害者差別を助長したと批判。「謝罪だけではなく、市が先頭に立って差別をなくす方法を取ってほしい」と要望した。
別の委員は「総括では(復元計画と)障害者との対立構造のようになっている」と懸念し、「一人一人が当事者意識を持ち、社会全体でバリアフリーを推進してほしい」と求めた。また、バリアフリー対策だけでなく、石垣の問題など復元計画に関する正確な情報発信が必要との意見も出た。
広沢市長は「貴重なご意見をいただいた。皆さまと一緒に作り上げていくというつもりで、これから取り組んでいきたい」と述べた。
市は今後の木造復元計画について、障害者団体の理解を得て、議会と市民にも説明した上で事業を再開させる方針だが、「丁寧に進める」として明確な時期は示していない。

北アルプス・白馬岳で救助された78歳男性が死亡…75歳男性と65歳女性は無事

長野県の北アルプス・白馬岳の標高約2900メートル付近で登山中の男女3人が動けなくなり、県警大町署は9日、3人をヘリコプターで救助したが、このうち群馬県高崎市上並榎町、無職清水勇一さん(78)が死亡したと発表した。
ほかに救助された同市の男性(75)と同県富岡市の女性(65)にけがはなかった。
発表によると、清水さんらは7日、8人で入山、うち3人は途中の山小屋で宿泊し、残り5人で白馬岳に向かっていた。7日午後6時25分頃、清水さんら3人が動けなくなったと同行者から山小屋を通じて通報があった。悪天候の影響で低体温症になったとみられ、付近の山小屋に収容されていた。

【速報】琵琶湖で「飛び込んだ人がなかなか上がってこない」大阪の50歳男性が意識不明の重体 水深1mの湖底から救助

9日午前、滋賀県高島市安曇川町の琵琶湖で水難事故があり、湖底から救助された男性が意識不明の重体です。
消防によりますと、午前11時40分ごろ、高島市の近江白浜水泳場で、「飛び込み台から飛び込んだ人がなかなか上がってこない」と通報がありました。
現場にいた人たちが琵琶湖の湖底に沈んでいた男性を発見して引き上げ、駆け付けた救急隊が男性を搬送しました。搬送時、呼吸や意識がない状態だったということです。
警察によりますと、男性は大阪府内に住む50歳の会社員で、家族や友人ら計6人で琵琶湖を訪れていました。湖岸から約30メートルの沖合に、水面から高さ約1メートルの台があり、そこから何度か飛び込んでいたということです。
また、水深は約1メートルということで、男性は湖底から救助されましたが、意識不明の重体だということです。

首相進退問題の早期決着を要求 立民・野田氏「政治空白になる」

立憲民主党の野田佳彦代表は9日、自民党が総裁選の前倒しの検討を始めたことを巡り、早期に石破茂首相の進退問題に決着をつけるよう求めた。訪問先の長崎市で記者団に「(総裁選を)やるかやらないかにも時間がかかり、事実上の政治空白になる」と述べた。
トランプ米政権による「相互関税」発動を巡る混乱に触れ「国益を損なうことがどんどん起きている。きちんと政治が機能する努力をしてほしい」と苦言を呈した。

赤沢氏の「ラトちゃん」投稿批判 立民代表「ちゃん付けあきれた」

立憲民主党の野田佳彦代表は9日、赤沢亮正経済再生担当相が日米関税交渉の相手であるラトニック商務長官を自身のX(旧ツイッター)で「ラトちゃん」と称したことを批判した。米関税の影響の大きさに触れ「ちゃん付けしている状況じゃない。いつ大統領令を修正するかなど詰めて来なければいけない。あきれた」と訪問先の長崎市で記者団に述べた。
赤沢氏は5日からの訪米でラトニック氏とベセント財務長官とそれぞれ協議。その後、Xに「#ラトちゃんとの話し合いは割とうまく行きました」と紹介。ベセント氏についても「大親日家の#ベッちゃんとも旧交を温めました」と投稿した。

ロシア代表、長崎式典に4年ぶり参列 被爆者たちは複雑な心情

長崎市の平和公園で9日あった平和祈念式典には、ウクライナ侵攻を続ける核保有国ロシアの代表が侵攻前の2021年以来4年ぶりに参列した。「来るからには、被爆の実相を知って帰ってほしい」「参列は腹立たしい」。式典に参列した被爆者は取材に複雑な心情を吐露した。
市は22年の式典から、ウクライナ侵攻を始めたロシアとそれを支援したベラルーシの招待を「不測の事態への懸念」を理由に見送ってきた。今年は、日本に公館などを置く157の国・地域全てに招待状を送るなどし、鈴木史朗市長は「恩讐(おんしゅう)、国境、思想信条の違いや分断を乗り越え、あらゆる国の代表に集まっていただきたい」と呼び掛けた。
式典会場を訪れた被爆2世で会社員の村里春美さん(60)=長崎市=は「ロシアの参列は意義がある。核兵器を持っている国こそ参列し、原爆の被害を学び、平和について考えるべきだ」と話した。
ストックホルム国際平和研究所によると、25年1月時点で世界には推計1万2241発の核弾頭があり、その9割をロシアと米国が占めている。長崎で1歳の時に被爆した埼玉県行田市の白浜紀子さん(81)も「ロシアの代表は式典に参列するだけでなく、原爆資料館を訪れ、被爆の実相、現実を知って帰ってほしい」と求めた。
一方で、長崎で被爆して両親と弟を失い、現在は東京で暮らす森田富美子さん(96)は式典に参列後、「ウクライナとの戦争も終わっていないのにロシアが式典に来るのは腹立たしい」と思いを打ち明けた。
長崎大大学院2年のアナスタシア・ストラシコさん(26)はロシアの侵攻後、ウクライナから長崎市に避難した。「毎日のようにウクライナを攻撃し、人々やその暮らしを傷つけているロシアが参列するのはおかしい。市としては、戦争や原爆の恐ろしさを伝え、平和につなげたいという考えだと思うが、ロシアにその思いが伝わるとは思えない」と話した。
今年の式典には、昨年招待を受けなかったイスラエルも参列した。長崎で1歳の時に被爆し、現在は東京で暮らす山下和宏さん(81)は式典参列後、「ロシアもイスラエルも含め、世界のリーダーたちは広島、長崎の訴えに向き合い、対話と行動で(平和への姿勢を)示してほしい」と求めた。
【百田梨花、竹林静、田崎春菜、尾形有菜】

台風11号、小笠原近海を西へ=12~13日沖縄接近の恐れ―気象庁

台風11号は9日午後、小笠原諸島近海を西へ進んだ。気象庁によると、12日から13日に沖縄・先島諸島に接近して付近を通過し、14日に中国大陸に上陸する見込み。沖縄接近時は大しけや荒天が予想され、同庁は注意を呼び掛けている。
11号は9日午後3時、小笠原諸島近海を時速20キロで西へ進んだ。中心気圧は994ヘクトパスカル、最大風速23メートル。半径220キロ以内が風速15メートル以上の強風域。 [時事通信社]

70代女性、ネットで投資や入金促され20回振り込み1億7135万円だまし取られる…新潟

新潟県警組織犯罪対策課は8日、県内の70歳代女性が現金1億7135万円をだまし取られるSNS型投資詐欺被害に遭ったと発表した。県内での同種の詐欺の被害額としては過去最高という。
同課によると、女性は2月頃、インターネット上で見つけた海外の投資会社のサイトに接続。同社従業員を名乗る者に暗号資産の投資を勧められてサイト上に口座を開設し、2月20日から5月12日まで11回にわたり計4685万円を指定された口座に振り込んだ。
その後、口座から現金を引き出そうとしたところ、「信用を確認するための入金が必要」などと要求され、さらに9回にわたり、6月13日までに計1億2450万円を振り込んだ。

陸自隊長「許可取れ」迫る、沖縄 抗議活動の市民団体メンバーに

陸上自衛隊宮古島駐屯地のトップで、宮古警備隊長の比嘉隼人司令(1等陸佐)が6日、沖縄県宮古島市内の駐車場で陸自訓練へ抗議活動をしていた市民団体メンバーに「許可取れ、早く」と大声で迫っていたことが9日、団体側への取材で分かった。団体側は「威圧的だった。いきなり怒鳴られて驚き、恐ろしいと思った」と反発した。
駐屯地の広報担当は「市民が拡声器を用いて大きな声を出していて、近隣施設に迷惑がかかると考えた」と説明した。中谷元防衛相は8日の閣議後記者会見で「詳細な事実関係を確認している」とした。
駐屯地などによると、5日から6日にかけ長距離を歩く訓練を実施した。比嘉隊長は駐車場で休憩中だった。