参院選の投稿分析、最も注目集めたのは外国人問題…「消費税」や「給付」が続く

参院選の主な争点に対する有権者の関心度について、読売新聞がX(旧ツイッター)での投稿を基に分析したところ、外国人問題が最も注目を集めていた。
各党首の第一声などから主な争点として八つを選出し、データ分析会社「ユーザーローカル」のSNS分析ツール「ソーシャルインサイト」で、その語句が入ったXの投稿数(リポスト含む)を比較した。
公示日の7月3日から投開票前日の7月19日までの間で、1日の平均投稿数を調べたところ、「外国人」は49万件と突出して多く、次いで「消費税」10万9000件、「給付」4万3000件、「夫婦別姓」4万2000件などの順だった。
「外国人」が入った投稿の数は5月以降、1日約10万~20万件で推移していたが、東京都議選があった6月には連日20万件を超えるようになった。7月3日に約40万件に増え、投開票日まで1週間を切った14日には約80万件とピークを迎えた。「日本人ファースト」「優遇」「差別」などの語句と合わせて投稿され、賛否を含めて注目されていた。
また、2022年の前回参院選と今回で、関心度の変化も調べた。グーグル検索の動向を示す「グーグルトレンド」で、争点となった語句について、投開票日前4週間の総検索数に対する割合の変化を比べたところ、それぞれ「減税」は363%、「夫婦別姓」は268%増加した。
一方、「新型コロナ」は89%減、「円安」は85%減、「ウクライナ」は74%減となった。「外国人」はほとんど増減がなく、X上での投稿の盛り上がりとは傾向が異なっていた。

前川さん無罪確定=検察上告見送り「厳粛に受け止め」―福井中3殺害、逮捕から38年

福井市で1986年に中学3年の女子生徒が殺害された事件で、殺人罪で懲役7年が確定し服役した前川彰司さん(60)を無罪とした名古屋高裁金沢支部の再審判決について、名古屋高検は1日、上告を見送ったと発表した。同日、上訴権を放棄する手続きをした。逮捕から38年を経て、前川さんの無罪が確定した。
記者会見した浜克彦・高検次席検事は、再審の末に無罪が確定した前川さんについて「現時点で謝罪は考えていないが、相当期間服役していたことを厳粛に受け止めている」と述べた。
談話も公表し、「憲法違反や判例違反といった上告理由は見当たらなかった」と説明。判決で証拠の誤りを放置したと批判されたことは「このような訴訟活動が行われるべきではなく、不公正と評価されたのも当然だ。指摘を重く受け止め、真摯(しんし)に反省し、教訓とすべきだと考えている」とした。
福井県警の増田美希子本部長も記者会見し、「重く受け止めている」と繰り返したが、謝罪の言葉はなかった。
7月18日の高裁支部判決は、有罪の柱となった「事件当夜、服に血の付いた前川さんを見た」とする知人ら6人の証言について、捜査に行き詰まった警察による「誘導の疑い」を指摘し信用性を否定。目撃時期の根拠としたテレビの歌番組の放送日について、誤りを検察官が一審段階で把握しながら明らかにしなかった点を「不誠実で罪深い行為」と指弾した。
警察も供述を得るため勾留中の知人に面会や飲食などの不当な利益供与を行うなどしたと認定し、「刑事司法全体への信頼を揺るがしかねず深刻だ」と非難した。
前川さんは87年に逮捕され、一貫して関与を否定した。一審福井地裁で無罪が言い渡されたが、二審高裁支部で有罪とされ、最高裁で確定。服役後の2011年に再審開始決定が出たものの、名古屋高裁で覆された。2回目の再審請求で、高裁支部が昨年10月、再審開始を決定した。 [時事通信社]

相互関税15%の大統領令、石破首相「自動車関税の引き下げも求めていく」…今回は明記されず

石破首相は1日午後、トランプ米大統領が日本への「相互関税」を当初予定の25%から15%に引き下げる大統領令に署名したことを受け、自動車関税の引き下げについても早期実現を目指す考えを示した。
首相官邸で記者団に、「引き続き米側に対し、自動車・自動車部品の関税引き下げを含め、(日米)合意を実施するための措置を速やかに取るよう求めていく」と語った。日米両政府は、相互関税の引き下げに加え、自動車関税を27・5%から15%に引き下げることでも合意しているが、今回の大統領令には明記されなかった。
首相は、引き下げ後の相互関税で影響を受ける国内産業への支援に万全を期す考えも改めて強調した。

岩手の貝養殖施設に津波被害か 状況確認、台風で遅れる見込み

ロシアのカムチャツカ半島付近を震源とする地震で、数十センチから1メートル超の津波が観測された岩手県沿岸では養殖施設に影響が出ている。本州に接近中の台風9号の影響で調査は遅れる見込みで、被害確認に時間がかかりそうだ。
大船渡市漁協は大船渡湾内のホタテ、カキ、ホヤの養殖漁場のうち、防波堤より内側の3カ所を目視などで確認。北側の珊琥島(さんごじま)周辺の養殖施設60台のうち、3台が定位置から移動していた。位置がずれたことで施設同士がからまったり、貝が海中に落下したりする可能性があるという。
南側の2カ所の漁場には計93台の養殖施設があり、影響が懸念されている。
防波堤の外側にも計7カ所の養殖漁場があるが、台風で海が荒れており、船を出せていない。志田千安総務課長は「本格的な調査は海が穏やかになってからだ」と話す。
2月に大船渡であった大規模山林火災で定置網が焼失するなど被災した綾里(りょうり)漁協の佐々木伸一総務課長は「台風によるしけで出漁できないため、被害の調査はできていない」と言う。山林火災後に設置した定置網への影響はないという。
県沿岸では、山田町や陸前高田市などにも養殖施設がある。県農林水産企画室は「出先機関などを通じて被害情報を収集しているが、台風の影響もあると認識している」としている。【奥田伸一】

交際女性への傷害致死容疑で59歳再逮捕 「階段落ちたことに」偽装か

東京都葛飾区の住宅で50代女性が死亡しているのが見つかった事件で、警視庁捜査1課は1日、女性の交際相手で住所不定、職業不詳の斎藤恵介容疑者(59)を傷害致死容疑で再逮捕した。捜査関係者によると、斎藤容疑者は女性の死後、周囲に「階段から落ちたことにしよう」と話していたという。警視庁は斎藤容疑者が女性の死亡の経緯を偽装しようとした可能性もあるとみて調べる。
再逮捕容疑は2月12日午後7時45分~13日午後0時半ごろ、東京都や千葉県内で、飲食店従業員、佐野香代子さん(当時54歳)=葛飾区青戸6=の顔や頭を殴るなどの暴行を加え、14日午後5時ごろ、外傷性くも膜下出血で死亡させたとしている。「やっていません」と容疑を否認しているという。
斎藤容疑者は、2月11日夜~12日夕ごろに佐野さんに暴行を加えて、胸部の骨を折るなどの重傷を負わせたとして、7月11日に傷害容疑で逮捕されていた。東京地検は1日、傷害罪で起訴した。
警視庁によると、事件当時の2月12日夜に、佐野さんが脇腹の痛みを訴えて受診した千葉県内の病院に斎藤容疑者は同行。2人は13日昼まで行動をともにしていたという。佐野さんは14日午後に自宅のトイレで意識を失っているのを管理人に発見され、その後死亡が確認された。
検視や司法解剖の結果、佐野さんには病院の受診時には確認されなかった頭部や顔の外傷が複数確認された。警視庁は、斎藤容疑者が受診後に暴行を加えて死亡させたと判断した。
佐野さんは斎藤容疑者と2024年11月ごろに知り合い、その後交際していたという。交際後に暴力を受けたことを知人に相談しており、「デートDV(ドメスティックバイオレンス)」を受けていたとみられる。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】

演芸・演劇評論家の矢野誠一さん死去、90歳…読売新聞で「落語のはなし」連載

演芸・演劇評論家で文化功労者の矢野誠一(やの・せいいち)さんが7月23日、心不全で死去した。90歳だった。告別式は親族で済ませた。喪主は長男、敦氏。
東京出身。麻布中学・高校を経て文化学院を卒業後、新劇系の劇団の裏方の仕事や落語会のプロデュースを行った。演芸や演劇に関する豊富な知識と交友をもとに、温かく軽妙な評論や随筆を数多く執筆した。1996年に「戸板康二の歳月」で大衆文学研究賞。主な著書は「女興行師 吉本せい」「志ん生のいる風景」「荷風の誤植」など。
読売新聞で2004年から16年まで「落語のはなし」を連載したほか、03年から現在まで読売演劇大賞の選考委員を務めた。
演劇評論家の大笹吉雄さんの話「文章に一種の俳諧趣味があり、ユーモアあふれるエッセーを楽しませてもらった。朗らかな人柄で次々と出会った人との人脈が広がり、様々なジャンルで花を咲かせた方だった」

再審無罪の前川彰司さん「結果的に浮かばれていない」…殺害された女子生徒について語る

1986年に福井市で起きた中3女子生徒殺害事件を巡り、殺人罪の再審無罪が確定した前川彰司さん(60)が1日、福井市内で記者会見し、「これでよかったと終わらせてはいけない」と述べた。
被害者の女子生徒について「結果的に浮かばれていない」と語り、「初動捜査に大きな問題があった」と述べ、警察、検察に謝罪を求めた。

電車内で20代女性に下半身を押し付けた大阪市課長を逮捕 「何の弁解もありません」

電車内で下半身を20代女性に押しつけたとして、大阪府警淀川署は1日、府迷惑防止条例違反の疑いで、大阪市都市交通局監理担当課長、岡田雅(まさし)容疑者(51)=高槻市花林苑=を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は1日午前8時45分ごろ、大阪市内で走行中の電車内で20代女性に、服の上から自分の下半身を押しつけたとしている。調べに対し、「何の弁解もありません」と容疑を認めている。
同署によると、同じ電車に乗っていた府警鉄道警察隊員が岡田容疑者の不審な動きを目撃し、取り押さえたという。

東北新幹線はやぶさ61号がイノシシはね停車、64号は鳥と衝突

東北新幹線は、東京発新青森行きの「はやぶさ61号」が1日午後3時33分頃、古川―くりこま高原駅を走行中、異常な音を感知したため停車し、32分後に再開した。JR東日本によると、同社の係員が周辺を改めて確認したところ、イノシシの死骸をトンネル内で発見、異音の原因はイノシシをはねたことによるものと発表した。
また、同8時25分頃には、新青森発東京行きの「はやぶさ64号」が仙台―白石蔵王駅間を走行中にやはり異音を感知したため停車。25分後に再開したが、その後、同社は鳥との衝突が原因だったと発表した。
東北新幹線は61号の停止で仙台―盛岡駅間で一時運転を見合わせ、計3本で約1900人に影響。64号については小山―仙台駅間で見合わせが起こり、計2本で約1000人に影響が出た。

野田氏「対決姿勢は秋だっていい」、玉木氏「なぜ今ではなく秋なのか」…内閣不信任案提出巡り

立憲民主党の野田代表は1日の記者会見で、石破内閣不信任決議案について「対決姿勢は秋だっていい」と述べ、今国会での提出を見送る考えを示唆した。「参院選の総括をして(次期衆院選で)勝つ準備をすることが、今は急がなければいけないことだ」と強調した。
これに対し、国民民主党の玉木代表は同日、「なぜ今ではなく秋なのか。考えを聞いてみたい」と疑問を呈した。国会内で記者団に語った。