埼玉県鶴ケ島市の老人ホームで入所者の女性2人が殺害された事件は、22日で発生から1週間が過ぎた。1人に対する殺人容疑で逮捕された元職員、木村斗哉(とうや)容疑者(22)は容疑を認めたが、動機についてはあいまいな説明をしているという。遠方の自宅から自転車で現場に向かい、事件後は周辺に6時間半以上とどまるなど、容疑者の行動には不可解な点が多く残っており、県警が解明を進めている。
県警によると、事件は15日午前3時半ごろ、夜勤中の介護士が自室のベッドで血を流していた小林登志子さん(89)と上井アキ子さん(89)に気づいて発覚。職員が同4時55分ごろに110番した。同8時40分ごろ、施設から約250メートル離れた路上で警察官が木村容疑者を発見し、確保した。
施設内の防犯カメラには、木村容疑者とみられる人物がフードをかぶってマスクを着け、刃物を手にうろつく姿が映っていた。約1時間にわたって施設内にいたとみられる。
県警はカメラの録画時間などから、木村容疑者が午前1時50分~2時5分ごろに小林さんを襲ったと判断。それから6時間半以上が過ぎても、木村容疑者は現場の近くにとどまっていたことになる。
現場から約600メートルの路上では、木村容疑者のバッグが発見された。事件後に遺棄したとみられ、中には凶器とみられるナイフや衣類が入っていた。
この場所では、木村容疑者の自転車も見つかった。直線距離で約20キロ離れた同県熊谷市の自宅から自転車で来たとみられる。確保時には現金をまったく持っておらず、「電車賃がなく、自転車を使った」などと供述しているという。
木村容疑者は「ベッドで寝ている2人の首を絞め、ナイフで胸のあたりを刺した」と殺害を認めているが、動機はまだ不明確だ。2024年7月まで施設で介護職として勤務しており、被害者とは面識があったとみられる。だが、「2人に恨みはない」とも話している。県警は、上井さんを殺害した容疑でも調べを進める。
元職員が逮捕されたことで、介護施設などの安全対策も改めて問われている。木村容疑者は在職時に覚えていた暗証番号を入力し、通用口から侵入したと説明している。暗証番号は4桁で、退職時から変更されていなかったという。
16年9月に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で45人が殺傷された事件では、厚生労働省が福祉施設の防犯対策の強化を求める通知を出した。通知には暗証番号や鍵の変更も含まれていた。
今回の事件後、厚労省は10月16日付で全国の自治体に対し、同様の通知を再度出した。福岡資麿厚労相(当時)は17日の閣議後記者会見で「必要な対策に万全を期したい」と注意を促した。【田原拓郎、板鼻歳也、加藤佑輔】
副大臣・政務官に「裏金議員」7人=木原官房長官「適材適所の人事」
政府は22日の臨時閣議で、副大臣・政務官計54人の人事を決定した。このうち自民党派閥裏金事件に絡んで政治資金収支報告書に不記載があった関係議員は7人だった。高市早苗首相は裏金関係議員の入閣は見送ったものの、党役員人事と閣僚以外の政府人事では起用に踏み切った。裏金事件への世論の反発は根強く、首相の人選に批判が出る可能性もある。
首相は自民党総裁に就任した際、関係議員について「しっかり働いてもらう」と語っていた。木原稔官房長官は22日の記者会見で「全員参加、全世代総力結集という考えの下で適材適所の人事を行った」と説明。関係議員について「既に党で処分(を受け)、政治倫理審査会で説明責任を果たしている」として起用に問題はないと強調した。
起用された裏金関係議員は、堀井巌外務副大臣、根本幸典農林水産副大臣、佐々木紀、酒井庸行両国土交通副大臣、高橋はるみ財務政務官、小森卓郎経済産業政務官、加藤竜祥国交政務官。7人はいずれも旧安倍派所属だった。 [時事通信社]
高市首相「責任ある積極財政」訴え=税・社会保障で国民会議―来年末に安保3文書改定・所信表明原案
高市早苗首相が就任後初めて行う所信表明演説の原案が22日、判明した。国民の所得増に向け「『責任ある積極財政』の考えの下、戦略的に財政出動を行う」と主張。「給付付き税額控除」の制度設計を含め、税と社会保障の一体改革を議論するため「超党派で有識者も交えた国民会議」の設置を提唱する。演説は24日実施で与野党が調整している。
21日の記者会見で改定に意欲を示した安全保障関連3文書については、来年末のとりまとめを目指す方針を説明。防衛費と関連経費を2027年度に国内総生産(GDP)比2%とする現行の目標は、今年度に前倒しして措置すると述べる方向だ。
財政政策に関し「この内閣では『経済あっての財政』の考え方を基本とする」と宣言。人工知能(AI)や半導体といった先端技術産業に積極投資しつつ、さらなる経済成長に向けた「日本成長戦略会議」の設置を打ち出す。GDPに対する政府債務残高の比率を引き下げることで「マーケットの信認を確保する」との考えを示す。
外国人政策については「一部の外国人による違法行為に国民が不安を感じているのは事実」と指摘。「排外主義とは一線を画しつつも、土地取得ルールの在り方についても検討を進める」とアピールする。
連立政権入りした日本維新の会が掲げる「副首都」構想に関し、「首都および副首都の責務と機能に関する検討を急ぐ」と強調。物価高対策が「最優先」だとし、衆参共に少数与党という状況を踏まえ「国民の暮らしを守る経済対策、(2025年度)補正予算となるよう知恵を結集しよう」と野党に呼び掛ける。
米関税措置に対しては、中小企業向けの資金繰り支援などを用意し「影響の緩和に万全を期す」と表明する。中国を「重要な隣国」と位置付けつつ、「安全保障、経済安保上の懸念事項が存在する」と指摘。首脳同士の対話による「戦略的互恵関係」の包括的推進を求める。 [時事通信社]
小泉防衛相、装備輸出緩和に意欲=「5類型撤廃」合意踏まえ
小泉進次郎防衛相は22日夜、防衛省で就任後初の記者会見に臨んだ。防衛装備品の輸出を「救難」や「輸送」など5類型に限るルールの撤廃も視野に、現行の防衛装備移転3原則や運用指針の見直しを進めたいと意欲を示した。
自民党と日本維新の会による連立政権合意書は2026年の通常国会で5類型を撤廃すると明記している。小泉氏は「わが国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しており、防衛装備移転をさらに推進することが必要だ。自維合意を踏まえ、関係省庁と検討を行っていく」と述べた。
小泉氏は国家安保戦略など安保関連3文書の前倒し改定について「進めなければならない」と言明。作業スケジュールについては「高市早苗首相とよく相談したい」と述べた。 [時事通信社]
公明の連立離脱「妥当」77%、維新との連立「評価」57%…読売世論調査
読売新聞社は21~22日に緊急全国世論調査を実施し、公明党が自民党との連立政権から離脱したことについて、妥当だと「思う」は77%で、「思わない」の12%を大きく上回った。
自民と日本維新の会が連立政権の樹立で合意したことを「評価する」は57%で、「評価しない」は31%だった。維新は当面、閣僚を出さずに連立政権を支える「閣外協力」となったが、大臣を出すべきだったと「思う」は28%で、「思わない」は58%だった。
高市内閣の支持率71%、歴代5位の高さ…読売世論調査
読売新聞社は21~22日、高市内閣の発足を受けた緊急全国世論調査を実施した。高市内閣の支持率は71%で、石破内閣時に実施した前回調査(9月13~14日)の34%を大きく上回った。内閣発足直後の調査(1978年発足の大平内閣以降)としては、第1次安倍内閣を超えて歴代5位の高さとなった。前回調査と比べ、若年層や男性からの支持が伸びており、全体を押し上げた。不支持率は18%(前回54%)。
高市首相が行った閣僚や自民党役員の人事を全体として評価するかを聞いたところ、「評価する」は56%、「評価しない」は24%だった。
自民・N党の参院会派結成に自民兵庫県議団が意見書 「一緒にやることに疑義」
自民党が政治団体「NHKから国民を守る党」の斉藤健一郎参院議員との参院会派「自民党・無所属の会」を結成した動きを受け、自民党兵庫県議団が党の松山政司参院議員会長に対し、説明を求める意見書を近く提出することが22日、分かった。N党の会派入り撤回を求めることも検討している。関係者が明らかにした。
N党を巡っては、党首の立花孝志氏が昨年11月の兵庫県知事選に立候補し、自身の当選を目的とせず斎藤元彦知事を応援する「2馬力選挙」を展開。斎藤氏の疑惑を調査した県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員長を務めた自民県議をSNSで中傷したなどとして、立花氏が名誉毀損(めいよきそん)容疑で書類送検される事態になった。
関係者によると、自民党・無所属の会の結成後、自民県議団は総会を開き、意見書の提出を全会一致で決定したという。ある自民県議は「同じ政治思想を抱けるのか疑問。県知事選とその後も誹謗(ひぼう)中傷された議員もおり、一緒にやること自体、疑義を抱かざるを得ない」と話した。
〈自維連立〉「数ヶ月で終わる“仰天シナリオ”も……」閣外協力の裏にあった維新の“時限爆弾”…高市首相誕生でささやかれる、早期の連立崩壊の可能性
自民党の高市早苗総裁(64)と、日本維新の会の吉村洋文代表(50)は10月20日、連立政権の合意文書に署名した。10月21日の国会において、両党による連立政権が樹立されるが、果たして“新連立”の行方はいかに。
【画像】党首から“グッジョブ”と言われた自民党会派入りの議員
自民ベテラン議員「閣外協力で落ち着いて、本当によかった」
自民党と日本維新の会の連立政権の樹立に向けた党首会談が20日午後6時過ぎから国会内で行われ、高市総裁と吉村代表が合意文書に署名した。
両党の連立合意文書によれば、食料品に限った消費減税ゼロ%については、2年間限定で行うことも視野に「法制化の検討を行う」とされた。
首都機能を補完する「副首都構想」を巡っては、「来年の通常国会で法案を成立させる」を目指すと明記された。企業・団体献金の廃止については、いまだ両党の隔たりが大きく、高市氏の総裁任期である2027年までの実現を目指し、継続協議をするという。
さらに、維新が重要視してきた衆院議員定数の削減については、「1割を目標」にするとされ、臨時国会で議員立法案を提出することで合意した。
ただ、議員定数削減については「民意の反映を阻害する」といった異論も多く、難航も予想される。
維新から閣僚は出さず、閣外協力にとどまる。馬場伸幸元代表の盟友・遠藤敬国対委員長(57)が総理補佐官に起用されるのみとなる見通しだ。
遠藤氏は維新で国会対策委員長を長く務め、与野党問わず幅広い人脈を誇ってきた。
連立協議を巡っても、「遠藤がいないと話にならない」(自民幹部)と言われるほど、自民党からの信頼が厚い。ちなみに、若い頃から秋田犬のブリーダーとして名をはせた一面があり、今も公益社団法人・秋田犬保存会の会長を務めている。
「維新内部では複数の閣僚ポストを狙うのではないかとささやかれていたが、維新は所属議員の不祥事が多いと指摘されてきた。仮に、大臣をはじめ政務三役を出せば、国会の予算委員会などで追及されてしまい、高市政権の“時限爆弾”となりかねない。そのため安全策をとったという評価もあります」
一連の動きに対して、維新と対峙してきた自民党大阪府連に所属する自民現職は「高市さんが総理になりたいという気持ちはわかるけれども、維新と戦ってきた我々の立場はどうなるのか。地域支部の支部長を辞めることも考えています」と漏らす。
いっぽう、高市氏と近しい自民党のベテラン議員は、こう本音を吐露した。 「閣外協力で落ち着いて、本当によかった」
この議員によれば、両者の関係が「閣外協力」という限定的な関係にとどまったことで、維新との連立は今後、見直しやすくなると指摘する。
「今回一番大事なのは、確実に首班指名選挙で勝ち、高市さんが総理になることです。当然ですが、総理になれば、解散権をとれます。まずは臨時国会で、ガソリン税など物価高対策で協力し、実績をつくったところで解散すればいい。
目玉政策を打ち出した上で、支持率が高いうちに解散。それで自民党の議席を取り戻す以外に政権を安定させる方法はないでしょう。もちろん、維新との合意文書はあるわけですが、選挙後の連立の組み直しの可能性は、ゼロではない」
解散総選挙に立ちはだかる壁
確かに、高市氏の周辺では「来年1月の通常国会の冒頭で解散すべき」との声も出ている。無論、それで自民党単独で過半数を取り戻すことは難しいだろう。選挙後は、いずれにしても、連立のパートナーが必要になってくるとみられる。
「選挙後の議席数次第ですが、そこで、より高市氏と経済政策が近しい、国民民主と連立を組み直すというパターンも考えられる。というのも、高市さんは総裁選で診療報酬や介護報酬の引き上げを主張していましたが、これは財政の考えを転換しないとできない。
“身を切る改革”を信条とする維新と組んでいる限り、こうした政策の実現がなかなか難しくなるという見方もあります」(前出・自民党ベテラン議員)
つまり、維新との連立は数ヶ月で終わるという“仰天シナリオ”もあるというのだ。ただし、解散総選挙をするにしても自民党につきまとうのが、自民党派閥を巡る裏金事件である。
高市氏は総裁選期間中からいわゆる裏金議員の起用に積極的な立場をとってきた経緯がある。実際、新執行部では、旧安倍派幹部の萩生田光一元政調会長(62)が、幹事長代行に起用された。
参院自民党でも、旧清風会(参院安倍派)の山本順三元国家公安委員長(70)が参院政策審議会会長に、同じく岡田直樹元内閣府特命担当相(63)が参院幹事長代行に就任するなど、裏金事件への関与があった面々が執行部入りしている。
「萩生田氏の起用は、公明党の連立離脱の一因になったとも指摘された。だが、高市氏もさすがに危機感を持ったのか、参院自民党からの閣僚人事について『今回は旧安倍派の方々を大臣にするのは難しいわね……』と周辺に漏らしていた。
裏金問題の再発防止策を含めて、もう一度何らかの整理をつけない限り、解散総選挙が難しい面があるのは事実です」(高市氏周辺)
そもそも維新と連立を組んだとはいえ、与党が衆参で過半数を占めるまでには至っていない。首班指名選挙を巡っても、高市氏自身が日本保守党の百田尚樹代表(69)や、参政党の神谷宗幣代表(48)と面会し、協力を呼び返るなど、多数派工作はさまざまなかたちで続いている。
その一環が、NHKから国民を守る党(NHK党)の齊藤健一郎参院議員(44)が自民党会派に入ったことだ。
「もともと齊藤氏と自民党の西田昌司参院議員(67)は個人的に親しかったそうです。齊藤氏も行き場がなくなっており、2週間ほど前に、西田氏に会派入りの相談をした。その後、西田氏が、石井準一参院幹事長(67)に相談し、松山政司参院会長(66)が了承して決まったという経緯です。
一応、会派入りに際しては西田氏が齊藤氏に『(N国の)立花孝志党首のような無茶なSNSの使い方はしてないな?』と確認したとのことでしたが、一部では物議を醸しています」(参院自民党関係者)
自民・公明両党の蜜月は野党時代も含め、実に26年にわたり続いた。果たして、今回の“自維連立”はどれだけ続くのか。その先行きは、いまだ流動的と言えそうだ。
取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班
「赤色灯かっこいい」…20歳の大学生、不正改造の車でパトカーみたいに職質から逃走
赤色灯を付けた軽乗用車で緊急車両のように走行したとして、石川県警白山署は20日、野々市市の男子大学生(20)を、道路運送車両法違反(不正改造)などの容疑で書類送検した。
発表によると、大学生は9月2日午後3時20分頃、小松市木場町の国道8号で、車の上部の赤色灯を点灯し、サイレンを鳴らしながら速度超過をした疑い。調べに対し、「パトカーの赤色灯がかっこいいと思った。違法だと思いながらもインターネットで部品を買って改造した」と供述している。
大学生は8月頃から改造車で県内を何度も走行したといい、同月4日に白山市で同署員から職務質問を受けた際には、赤色灯を付けてサイレンを鳴らしながら逃走したという。
民家にクマが居座る湯沢駅周辺、消防本部の玄関にも侵入…秋田県で1日に男女6人が襲われる
秋田県内で20日朝、湯沢、横手、由利本荘の3市で、男女6人がクマに襲われ、重軽傷を負った。このうちJR湯沢駅周辺では、半径500メートル圏の近い場所にいた男性4人が約1時間15分の間に相次ぎ襲われた。6人とも命に別条はないが、今年の県内のクマによる人身被害は43人に上り、収まる気配が見えない。
小中学校に屋外活動自粛要請
湯沢市では午前5時5分以降、同駅周辺でコンビニ帰りの男性(63)やアルバイト中の男性(70)が次々に襲われた。同じ個体かは不明だが、同6時20分に自宅玄関先で太ももをかまれた男性(65)の自宅にはクマが入り込み、同市が箱わなを仕掛けて捕獲を試みている。
4人が被害を受ける直前の同4時15分頃、クマが入った民家から約600メートルの距離にある湯沢雄勝広域市町村圏組合消防本部(同市表町)の玄関の防犯カメラに、クマが自動ドアから入る様子が記録されていた。20秒ほど風除室をうろつき、外に出ていった。クマを目撃した職員はいなかったが、敷地内にクマのものとみられるフンがあったという。
同市教育委員会は、現場周辺の小中学校計4校に屋外活動の自粛などを要請した。湯沢東小は保護者の迎えが遅れた児童を教員が付き添って校内に待機させた。黒沢進校長は、「子どもの安全を最優先にした。早くクマが捕獲されてほしい」と話した。また、湯沢北中の菊地至教頭は「災害と同じだ。親の負担や外で部活動ができなくなると子どもたちの影響も大きい」とした。
市民からは相次ぐ被害を危惧する声が出た。
同市の81歳男性は「気軽に散歩もできない。クマへの警戒を呼びかける放送が流れると、最近では『またか』と思うようになった」と話した。
同市の73歳男性は「最近は出かける時、いざという時に吹けるように、ホイッスルを首からさげるようにしている」と話した。
同市の主婦(73)は「街中なのに、いつクマと遭遇するかわからないのは怖い。さらにひどいことが起きるのではと心配になる」と表情を曇らせた。
横手市では庭木の剪定(せんてい)をしていた80歳代女性が背後から頭を引っかかれた。由利本荘市では川に仕掛けた網を確認しに行った80歳代男性が襲われ、顔などにけがを負った。