名古屋市守山区の住宅で6月23日午後、年齢や性別のわからない2人の遺体が見つかりました。1人は白骨化していて、警察はこの家に住む60代の夫婦とみて死亡した経緯などを調べています。 警察によりますと6月23日、名古屋市守山区白山の住宅で、近くに住む人からこの住宅の住人を見かけていないなどと民生委員に相談がありました。 警察と民生委員が家を訪ねましたが、応答がなかったため、消防が2階の部屋のガラスを割って室内に入ったところ、午後4時半ごろ年齢や性別がわからない2人の遺体が見つかったということです。 1人の遺体は1階で見つかっていて、仰向けで首まで布団がかぶせられた状態で、白骨化していました。 もう1人の遺体は2階で見つかり、部屋着のような服装で布団のそばで仰向けで倒れていていずれも目立った外傷はないということです。 遺体はこの家に住む60代の夫婦と見られていて、家は施錠されており部屋が荒らされた形跡はないということで、警察は身元の確認を進めるとともに死亡した経緯を詳しく調べています。
埼玉のクルド人らには浸透しない監理措置、仮放免の状態でも「トルコへ帰されるよりはいい」
難民申請中でも強制送還が可能となった改正出入国管理・難民認定法(入管法)の施行から、今月で1年が過ぎた。国外退去を前提に、入管施設に収容せず一時的な就労を認める「監理措置」制度が創設されたものの、埼玉県川口市などに多いクルド人らには浸透していない。(今村錬、徳原真人)
「監理措置になれば、いずれトルコへ帰される。それだけは避けたい」。同市に住むクルド人男性(43)は語気を強める。トルコで拷問を受けたことをきっかけに2013年に来日し、妻と子供4人と暮らしている。難民申請を3回繰り返したが、いずれも認められなかった。今は施設への収容を一時的に解除されている「仮放免」の状態だ。就労や健康保険加入ができないため、次女が骨折した際は60万円の医療費を支払った。それでも、「帰されるよりはいい」と話す。
改正法は、3回目以降の難民申請者の強制送還を可能とする。同時に、監理措置を受けると、強制退去の対象者に示される「退去強制令書」の発行前であれば就労も可能になった。仮放免の人も申請すれば移行できる。
出入国在留管理庁によると、昨年末時点で同市に住むトルコ国籍者のうち717人が仮放免で、監理措置を受けたのは31人だけだった。監理措置への移行は進んでいない。
入管庁は昨年6月の改正法施行後、収容施設外で生活する場合は、原則として監理措置の方針を取っている。一方、法改正以前からの仮放免者に対しては「積極的に移行を求めることはない。監理措置になったからといって強制退去の手続きが早まることはない」(審判課)としている。
クルド人の間には、入管庁への不信感は根強い。
仮放免が長い人の中には、入管施設で長期の収容を経験した人もいる。出頭する度に帰国を促された人もいるという。そのため、監理措置に切り替えると強制送還が早まるのではないかという不安を持つ人も少なくない。
監理措置では、逃亡や犯罪を防ぐために「監理人」を指定する必要がある。監理人は虚偽の届け出などをした場合、「10万円以下の罰金」を受ける可能性がある。なり手の確保も課題だ。
仮放免のクルド人2人と1家族の身元保証人をしている同市の40歳代女性は、「生活の全てを見ているわけではない。罰金があるため、すぐに『監理人をやる』とは言えない」と話す。
クルド人の教育支援などを行っている同市の60歳代女性は、「監督しているという目で見られたくない。頼まれても引き受けるのは難しい」と話している。
監理措置への移行で生活安定
監理措置への移行で、生活が安定した世帯もある。
妻と子供2人と暮らす男性(29)は昨年12月、仮放免から監理措置に切り替えた。現在はさいたま市内の解体業者で働いている。以前から不法就労の状態で働いていたが、就労が正規に認められた。「収容される不安はなくなった」と胸をなで下ろす。社会保険の適用も受けられるようになり、「現場でけがをした時も安心」と話す。
懸念は、家族には社会保険が適用されないことで、「子供はまだ幼く、これからが心配」と不安も打ち明ける。
◆クルド人=「国を持たない世界最大の民族」として知られ、多くはトルコなどの国境地帯に住む。1990年代の同国内の混乱をきっかけに来日する人が増え、現在は川口市とその周辺に約2000人が住んでいるとされる。
名古屋城のシカ、“絶滅”危機 56頭→2頭 市が対策へ
名古屋城の内堀に放し飼いされているシカが、最盛期の56頭から現在は2頭にまで減っている。“絶滅”を防ぐため、名古屋市は対策に乗り出す。
市によると、名古屋城のシカは1945年の名古屋空襲で天守や本丸御殿が焼失したことを受け、「来場者の楽しみになれば」と52年に東山動植物園(同市千種区)からヤクシカ3頭を譲り受け、放したのが始まり。繁殖を繰り返し、77年には56頭まで増えた。
その後は野犬に襲われたり、病死したりするなど次第に減少。91年に和歌山城公園動物園(和歌山県)からホンシュウジカ3頭が贈られた。現在残るシカはその子孫とされる2頭で、いずれもメスの親子とみられる母「もみじちゃん」と子「やまむらちゃん」。人間の年齢に換算すると60歳と40歳という。
23日の市議会定例会で、浅井正仁市議(自民)が和歌山県のレジャー施設「アドベンチャーワールド」からオスのシカを譲り受けることを提案した。
広沢一郎市長は「名古屋城のシカは内堀で飼っていること自体が他の城郭と比べても大変珍しく、多くの来場者に親しまれている。シカがいなくなってしまう事態は避けたい」とし、アドベンチャーワールドに担当職員を派遣させる考えを明らかにした。【式守克史】
フジテレビ山本賢太アナウンサー、オンラインカジノ賭博容疑で書類送検 警視庁
オンラインカジノで賭博をしたとして、警視庁保安課は24日、賭博の疑いで、フジテレビ社員の山本賢太アナウンサー(27)を書類送検した。
海外のオンラインカジノサイトに国内からスマートフォンなどでアクセスし、賭博を行った疑いが持たれている。警視庁が今年に入って任意で事情聴取していた。
フジテレビは11日、山本アナウンサーが過去にオンラインカジノを利用していたと発表。山本アナウンサーは「自らの浅はかな判断によって信頼を損なう結果となり、言葉では尽くせぬほどの後悔と恥ずかしさを感じています」などとコメントしていた。
4歳男児が石狩川に転落か、自宅から徒歩圏内の河川敷で脱ぎ捨てられた子ども用おむつ発見
北海道警は23日、北海道旭川市に住む男児(4)が行方不明となり、石狩川に転落した可能性があると発表した。
道警によると、男児の母親が同日午前8時頃、「息子が自宅からいなくなった」と届け出た。旭川中央署が捜索していたところ、昼頃に同市川端町7の石狩川河川敷で、脱ぎ捨てられたような子ども用の紙オムツを発見したという。発見場所は男児の自宅の徒歩圏内だった。
「インタビューできますけど おーい」都議選特番でNHKから排除された、参政党の“半端な録画”
都民ファーストの会の第一党返り咲きと自民党が過去最低議席の更新、という驚きの結果をもらたらした6月22日の東京都議会議員選挙。
それまで議席ゼロだった、国民民主党の9議席獲得と参政党の3議席獲得も話題となったが、その裏で波紋を呼ぶ出来事が。
今回地方選挙の都議選ということで、選挙特番を組んだのは主要地上波でNHK(『東京都議会議員選挙開票速報 2025』)のみだったが、“事件”はそこで起きた。
選挙特番といえば、主要政党の幹部を呼んで独自インタビューをするのが恒例だ。しかし今回のNHKの“やり方”は物議を醸している。
参政党の神谷代表「インタビューできますけど?」
3議席獲得した参政党の神谷代表は生インタビューをせず録画を放送したのだ。
「知名度がない政党なので、とにかく認知を上げていこうということで本部の方で色々と企画をしてですね……」
記者会見らしき状況で話し出す神谷代表、質問の内容もよくわからず、終わりも中途半端。
注目されたものの議席数0の『再生の道』、『れいわ新選組』にはそれぞれ石丸伸二代表と櫛渕万里共同代表のインタビューがなされたにも関わらずである。
その録画を流した直後、神谷代表がXで、
《おかしいなあ。私、開票センターにいるのに、なぜ録画を流す? インタビューできますけど? 初議席獲得だから普通インタビューしませんか? おーい》
とポストしたことでNHKの“参政党外し疑惑”が深まることになった。
そんな状況にSNSなどでも、
《NHKにとっては都合の悪い政党なの?》《公平な扱いをお願いします。国政政党ですから》《神谷さんのコメント半ばでブチッ…》
と疑問を呈する声が相次いだ。
「昨日の放送でNHKと参政党の間にどんなやり取りがあったかわからず、政策についても賛否両論あるのかもしれませんが、選挙報道においては議席のある政党はできる限り同じ条件で取り上げることが原則ですから、3議席獲得した参政党に生インタビューなしというのは首を傾げる対応ですね」(全国紙記者)
このNHK選挙特番では参政党については「選挙戦中盤以降で政党名での検索数が多い」と取り上げたものの、同党の「日本人ファースト」というキャッチフレーズについて「外国人は後回しにする排外主義だ」「差別や排除が広がろうとしている」という懸念の声もしっかり取り上げており、同党に対するNHKの“警戒”を伺わせる兆候もあった。編集ができない生インタビューで外国人関連の過激な発言がなされるのではないかと懸念していたのかもしれない。
都議選は7月の参議院選の前哨戦とも称される。参院選ではNHKは参政党をどのように扱うのだろうか。
「G7で”ぼっち”の石破首相」が他人事じゃないワケ
6月15日~17日にカナダで開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)。各国首脳が和やかに言葉を交わすなかで、石破茂首相のあまりにも寂しい姿が静かに映し出された。
【写真】G7の討議でも“ぼっち”に見える石破首相と、物議を醸した佳子夫人の「G7ファッション」
特に印象的だったのは、歓迎レセプション後、各国首脳が自然に1対1の対話を始めた場面。テーブルの周囲では次々と会話の輪が生まれていくなか、石破首相は自席にただ1人、静かに座ったままだった。
会話に加わることもなく、誰とも視線を交わさない姿は、「そこにいるのに、輪の外にいる」という印象を周囲に残した。
発言していないときこそ問われるのが、視線の向け方や身体の向きといった非言語のふるまいだ。そうした沈黙のなかでこそ、「存在感」は明確に可視化されるのだ。
こうした現象は、政治や外交の舞台に限った話ではない。
たとえば、交流会や商談、会議の合間の雑談など、私たちが日々向き合っているビジネスの現場でも、「沈黙の時間」がその人の印象を左右する場面は少なくない。
「発言しない時間」が、あなたの印象を決めている
多くのビジネスシーンでは、「発言してはじめて参加とみなされる」という暗黙の前提がある。しかし実際には、誰もがその場でスムーズに言葉を発せられるとは限らない。発言のタイミングを計っているうちに、適切な言葉を見つけられず、結果として沈黙してしまうこともあるだろう。
発言力を磨くことはもちろん大切だが、それと同じくらい、発言していない時間の“ふるまい”にも意識を向けたい。
視線を合わせる、落ち着いた態度を保つ、相手の話を真剣に聞いていることが伝わる表情を心がける──こうした非言語的なふるまいは、単なる印象操作ではない。
相手に「この人は状況を理解している」「周囲をよく見て動ける人だ」といった印象を与え、無意識下での評価を高める働きがある。
大勢いる場での発言が苦手な人が「存在感を示す」方法
以下では、石破首相ができていなかった「話していないとき」こそ意識したい「非言語的なふるまい」を4つ紹介する。
1. パーソナルスペースを確保する
発言できないときほど、自分の身体の置き方が空間に与える印象は大きい。姿勢が崩れていたり、椅子にもたれていたり、あるいはたびたびスマートフォンに視線を落とすといった関係のない動きをしてしまうと、瞬時に「この場に関心がない人」として扱われかねない。
「私をここから出して」生活保護で“がん末期”の男性、届かないSOS 年間800万円の税金が本人の望まない生活に投じられる不可解
「もうここを出て、自由に暮らしたいけど、出られない」。関東地方の老人ホームに住む安藤照夫さん(69)=仮名=は、そう言ってうつむいた。安藤さんは「末期がん」ということになっているが、再発してから3年以上生きている。自分で歩くことができ、元気だ。 ところが、ホームでは散歩も自由にさせてもらえないという。 このホームは末期がんや難病の人を対象にした「ホスピス型住宅」と呼ばれるタイプ。運営会社は入居者へ訪問看護と訪問介護を提供しているが、安藤さんはほとんど必要性を感じない。生活保護を受けているため、全額が税金で賄われる。 家賃を含めるとその額は年間約800万円に上るとみられる。本人が望まない生活にこれだけのお金が投じられていた。なぜこんな不可解な状況が生じるのか。(共同通信=市川亨)
▽胃がんで入院、紹介された老人ホーム
安藤照夫さん(仮名)が暮らすホスピス型の有料老人ホーム=4月
「まともに外出するのは、ほぼ3年ぶりです」。4月の昼下がり。安藤さんはそう晴れやかな顔を見せた。この日は安藤さんの主治医が車を出してくれて、記者と対面した。 安藤さんが現在暮らしているのは、ある大手の会社が運営するホスピス型の有料老人ホーム。 父親の建設会社で働いていた安藤さんは、50代のときに胃がんにかかり、3年前に再発。入院して治療を受けた。結婚はしておらず、当時は兄夫婦と同居していたが、介護が必要な状態になったため、自宅への退院は難しかった。 そこで「24時間、看護師と介護士がいるから」と、病院がこのホームを紹介。3年前の夏に入居した。当初は体が弱っていたが、徐々に回復し、今は1人でも日常生活が送れる状態になった。経済面で兄に頼ることはできず、生活保護を受けている。
▽訪問看護は30分が原則だが…
このホームは訪問看護と介護のステーションを併設。入居者が末期がんの場合は訪問看護で診療報酬を毎日、1日3回まで請求できる。安藤さんの部屋にも1日3回、看護師が来るという。 ただし、報酬を請求するには原則、30分以上訪問する必要がある。安藤さんに聞くと「30分なんて、いたことない。そんな話、びっくりだよ」。そう答えた。血圧や体温を測ったり、服薬を確認したりするだけで、すぐに出て行くという。 介護についても、毎日のように午前0時ごろに訪問した記録が一時期、作られていた。深夜の訪問には報酬の加算がある。安藤さんはやはり「そんな時間に来たことない」と話す。 共同通信の取材では、この大手の会社は訪問看護・介護でそうした不正・過剰な報酬請求を会社ぐるみで行っていた疑いがある。
▽病院と老人ホームから「末期がん」と紹介された
安藤照夫さん(仮名)の医療費明細。老人ホームは訪問看護だけで月に約49万円、1年に換算すると600万円近くを得ていたことになる
そもそも疑問なのは、安藤さんが本当に「末期がん」なのかという点だ。ホームに入居してから約3年、がんの検査は全く受けていないという。「末期がんの状態ではない」と、訪問診療している主治医の桜木敬一さん(仮名)。 では、誰が「末期がん」と診断したのか。 桜木さんは「安藤さんが入院していた病院と、老人ホームから『末期がん』と情報が送られてきた」と説明する。それに基づき、訪問看護の指示書を書いているという。 厚生労働省によると、「末期がん」に明確な定義はない。医師がそう診断すれば「末期がん」となり、訪問看護の事業者は頻繁に訪問できる。 桜木さんはこう話す。「患者が長期入院していると、病院は診療報酬が減るから、患者を早く退院させたい。末期がんということにすれば、こうしたホスピス型のホームが受け入れてくれる」 しかし、だったら桜木さんが「末期がんではない」と診断し、訪問看護の指示書を書かなければ済む話ではないか。そう聞くと、桜木さんはこう答えた。 「となると、ホームは収入が減るので、入居者に『出て行ってください』という話になる。生活保護で身寄りがないといった人たちはほかに行き場はない。行政にとっても、ここにいてくれたほうが手間がかからないのです」
▽「部屋から出ないよう言われる」
安藤さんはこのホームででどんな暮らしを送っているのか。 やることがないため、テレビを見たり、折り紙や数字パズルをしたりして過ごす。筋力低下を防ぐため、散歩したり近所のコンビニへ買い物に行ったりしたいが、「スタッフからなるべく部屋から出ないように言われる」 。
安藤照夫さんが暮らす老人ホーム運営会社について話す別の地域の元スタッフ=4月
筋トレなどのリハビリも受けたいが、利用させてもらえない。ホーム運営会社のある元スタッフはその理由をこう話す。 「自社ではリハビリを提供していないため、外部サービスを利用してもらうことになる。だけど、そうすると、自社の訪問介護の取り分が減ってしまうため、利用させないのです」 安藤さんはこう訴えた。 「退屈でしょうがないし、自由に外出もできない。アパートでも他の老人ホームでもいいから、ここから出たい」
▽「動いてくれない」ケアマネ
安藤照夫さん(仮名)が暮らす老人ホーム運営会社が別の地域のケアマネに送ったファクス。訪問介護の回数や内容が事実上、決められていた
だが、安藤さんはスマホを持っておらず、お金もないので、自分では転居先を探せない。このような場合、本来はケアマネジャーが本人の希望を聞いて、介護保険サービスの調整や住居探しをすることになる。安藤さんには、ホーム運営会社とは別の事業者のケアマネが付いている。 安藤さんによると、ケアマネは月1回、会いに来るが、「私の希望を聞いて動いてはくれない」。ホーム運営会社の元スタッフや介護関係者は理由を次のように話す。 「この運営会社はケアマネに『このように訪問介護に入るので、これでケアプランを作ってください』と依頼する。異を唱えるケアマネとは付き合わない。都合のよいケアマネを本社が探してくるんです」 ケアマネにとっては、老人ホームでまとめて利用者を獲得できれば、時間をかけて一軒一軒訪問する必要がなくなる。ケアプランを作る手間も少なくて済む。運営会社の不利益になるような行動はおのずとしなくなる。
▽「生活保護の人は大好物」
主治医の桜木敬一さん(右)と話す安藤照夫さん(いずれも仮名)=4月
(1)患者を退院させたい病院 (2)自宅での介護や看取りに困難を感じる家族 (3)収入を得たい老人ホームとケアマネ (4)医療ケアが必要な生活保護の高齢者の住まいを確保したい行政
医師の桜木さんは「この全員がウィンウィン。力の弱い人はこのスキームから抜け出せない」と話す。 桜木さんはこうも付け加えた。「ホームへの訪問診療で報酬を得られる私のような医師も、その枠組みに組み込まれている」 ただ、桜木さんはこの運営会社のやり方に納得できず、訪問看護の指示書を書くのをやめた。安藤さんのために動かないケアマネに業を煮やし、転居先も探し始めた。 ところが、その直後、ホーム側は安藤さんに「桜木医師と信頼関係を築けない。主治医を変更するか、退去してほしい」と通告。身元引受人になっている兄は「そのホームにいればいいんだ」と話し、安藤さんはやむなく残ることにした。自由のない生活が続くことになる。 この会社が運営する別の地域の老人ホームで働く看護師はこう話す。「うちの会社にとって、生活保護の人は大好物です。医療・介護費の本人負担がなくて、身寄りがなかったり、家族との関係が疎遠だったりすることが多く、何か言われることがないから」 桜木さんは無念そうにこう漏らした。「これでは監獄同然だ。こんなことが許されていいのか」
運営会社に取材すると、次のような回答だった。 「入居者の病状などによっては、医療的な見地から必要最低限の範囲で外出を控えるようお願いする場合があります」 「入居者がリハビリの利用を希望した場合は、ケアマネと相談の上、適切に対応しています」 「訪問診療医と信頼関係が維持できない場合、適切な看護・介護を提供できない恐れがあることから、入居者や家族に医師の変更を相談することはあります。ただし、最終的な判断は入居者や家族の意思に委ねられています」
▽江戸川区から200人が北関東のホームに
東京都江戸川区から生活保護の高齢者が多数紹介されていた北関東の会社が本社を置く高齢者住宅=4月
医療ケアを要する高齢者がホスピス型住宅に吸い込まれていくのは、このホームに限ったことではない。 「24時間看護職が常駐」 主に北関東で有料老人ホームや高齢者住宅を運営する別の会社はそうPRする。この会社の老人ホームで働いていた看護師のAさんは、不思議そうに話す。「東京の生活保護の人が入居してくるんですけど、なぜか江戸川区の人が特に多かった」 江戸川区に取材すると、実際その通りだった。2024年度までの3年間で、区が生活保護の人を紹介した老人ホームと高齢者住宅の中では、この会社がトップ。約200人が入居していた。 Aさんは「会社の役員と江戸川区の担当職員がつながっていると聞いた」と話すが、区の担当課長は「その会社と職員が元々知り合いだったり、金品や接待を受けたりしたことはない」と説明。 では、なぜその会社のホームに入居する人が多いのか。そう聞くと「会社の役員が熱心に営業をかけてくるので…」と答えた。 Aさんによると、この会社も訪問看護で不正・過剰な診療報酬を請求しているという。 江戸川区としてはどう考えるのか。「そのような情報は把握していないので、現時点では調査することは考えていない」。担当課長はそう答えた。 会社に質問をメールで送ると、次のような答えが返ってきた。 「個人情報保護などの観点から、報道機関の取材には応じていません。ご指摘の事案は承知していません。法令を遵守した適切な運営を目指していきます」
東京23区の生活保護の高齢者を巡っては、2009年に群馬県の老人施設「たまゆら」で火災が起き、10人が死亡。うち6人が墨田区の生活保護受給者だった。 家賃が高い都心から北関東などに生活保護の人が送り出され、受け入れる事業者の「貧困ビジネス」になっている―。当時もそうした構造が指摘されたが、形を変え、それは今も続いている。
自民が推進”独身税”が日本崩壊を加速させる理由
いわゆる“独身税”が強い反発を呼んでいる。
【画像で見る】独身税の負担額は?高年収だと、年間数万円になる計算だ…
三原じゅん子内閣府特命担当大臣は最近、SNSなどでたびたび批判の声が上がっていることについて、「『子ども・子育て支援金制度』のことで捉えて発言されていると考えますけれども、これを『独身税』と言い換えることも間違っている」と反論した。
「『子ども・子育て支援金制度』によってメリットを享受するのは、子どもを持ち、子育てをしている方だけではなくて、独身の方もそうですし、すでに子育てを終わられた方も含めたすべての世代であるということが言える」と弁明し、かえって火に油を注ぐ結果となった。
子ども・子育て支援金制度が“独身税”として炎上
“独身税”とは、2026年4月から導入される「子ども・子育て支援金制度」のことで、SNSなどでは昨年末頃から「なぜ子どもがいない独身者も負担しないといけないのか」「まるで独身税ではないか」という反発が上がっており、批判的な投稿には数百万のインプレッションが付くものがあるほどだ。
炎上する理由は簡単だ。そもそもこれまで行われてきた施策の大半が子育て支援であり、少子化の根本の問題である経済状況にほとんど手が付けられていないからだ。
急激な少子化の進行には、「失われた30年」における実質賃金の低迷が関係しており、それが結婚の減少→出産の減少→子どもの減少という負のスパイラルにつながっている。
経済学者の藤波匠は、国内外のさまざまなデータを示したうえで、「日本では、バブル崩壊以降の長期にわたる低成長が若い世代の暮らしぶりを悪化させ、少子化に拍車をかけたと考えるべき」と指摘し、現金給付や社会保障ですべてを解決することは難しく、適度な経済成長と安定的な賃金の上昇が何よりも重要とした(『なぜ少子化は止められないのか』日本経済新聞出版社)。
そのうえで「30年にわたって低成長に有効な手を打てなかった歴代政権や、抑制的な賃金水準で良しとしてきた国内事業者の責任は免れない」「人手不足であれば賃金が上昇するという当たり前のことを、官民が否定し続けてきたことに主因がある」と厳しい見方をしている。
つまり、子育て環境とか若者の意識とかが直接的な要因ではない。収入がないから結婚ができず、子どもも生めないという単純な話なのだ。
「収奪的な社会」に向かいつつある
『成長の臨界』(慶應義塾大学出版会)で、長期停滞の元凶が、収益を上げてもため込み、実質賃金の引き上げも人的資本投資にも消極的な大企業であることを明らかにした経済学者の河野龍太郎は、日本の場合、実質賃金が上がらないのは生産性の問題ではないと主張した(以下、『日本経済の死角 収奪的システムを解き明かす』ちくま新書)。
河野は、四半世紀にわたって実質賃金がまったく上がっていない国は、近代以降、先進国では前例がないと述べ、「過去四半世紀、生産性が3割も改善しているにもかかわらず、実質賃金がまったく増加していない」「その結果、個人消費が低迷を続け、国内での売り上げが増えないために、企業は採算が取れず、国内の設備投資を抑えている」とそのカラクリを説明した。
この間、増大したのは非正規雇用と利益剰余金であり、河野は、日本が「収奪的な社会」に向かいつつあるとの懸念を示している。
にもかかわらず、政府は2014年と2019年に消費増税を行い、ただでさえ低い所得から「収奪」を進めた。要するに、わたしたちは、企業と国家というエージェントから「二重に収奪」されてきたといえる。
現在はなおのことこの状況が悪化の一途をたどっており、物価高騰や円安に伴って収入の上昇が物価の上昇にまるで追い付かず、実質所得の減少による購買力の低下が進んでいる。
もはや結婚どころではなく、今の生活をどのように維持していくのかが目下最大の関心事になっている。
こども家庭庁のちぐはぐな政策
けれども、特にこども家庭庁の取り組みに典型的なように、「マッチングアプリ」の安全性確保や、婚活支援策を効果検証する枠組み構築などを立案したり、性や妊娠に関する正しい知識を身につけて健康管理に生かす「プレコンセプションケア」を普及するため、5万人のサポーターを養成する計画を立ち上げるなど、ちぐはぐな政策を進めている印象がある。
要するに、そもそもの根本原因である経済状況の困難には目もくれず、男女の出会いの機会を効率的に増やすことや、性や妊娠についてポジティブな考え方を広めることなどの意識改革によって、どうやら成婚数の底上げを図ることができ、少子化に歯止めがかかると思っているようなのだ。
こども家庭庁によれば、児童手当の拡充をはじめとする給付の財源の一部にあてられる「子ども・子育て支援金」の2028年度負担額の目安は、年収400万円の会社員・公務員で月額650円、自営業で550円、年収600万円の会社員・公務員で月額1000円、自営業で800円などとなっている。
すでに子育てを終えた人や子どもをつくる予定のない人にとっては、単に取られる一方で負担が増す制度となっているのだ。
このような仕組みについて「子育て支援税」という名称がふさわしいという意見も出ているほどで、将来的にはさらなる値上げの可能性も否定できないだろう。
「所帯を持つのが当たり前」という価値観
そもそも税制において独身者が損をしていることは事実といえる面がある。
独身者と既婚者で適用される所得控除が異なり、既婚者のほうが適用される所得控除が多いからだ。これが実質的に独身税の役割を果たしていると指摘する専門家もいる。そして、この税制の正当性を支えているのは、「所帯を持つのが当たり前」という価値観なのだ。
もともと日本では近代社会が始まった時点から、「国民皆婚」による家族形成が当然とされ、諸制度はそれを支えるつくりになっていた。例えば、今から40年以上前の1980年の生涯未婚率は、男性が2.60%、女性が4.45%という今では考えられない驚くべき数字であった(国立社会保障・人口問題研究所の国勢調査)。現代のようにライフスタイルが多様化している時代には馴染まないのだ。
前出の藤波は、「増税や社会保険料の引き上げによって子育て支援のための財源を確保しようとすれば、同じ若年層でも、子どもを持たない、あるいは子どもができない人たちにとって、負担増となる可能性がある」とし、あくまで賃金の引き上げなど経済環境の改善を図りながら、時間をかけて増税に対する理解を得る必要性を強調している。
月額で見れば大した金額ではないという人もいるかもしれない。だがちょっと待ってほしい。深刻な経済状況が続く中で、通信費やサブスクの見直しなど、家計負担を少しでも軽くしようと皆が皆躍起になっており、複数の小売店をはしごして20円でも30円でも安いものを探す人も多い。
2000円代で市場に放出された備蓄米の大行列は、「食べ物も満足に買えないほど貧しくなった日本」を象徴して余りある風景であった。
前回の記事でも述べたが、自民党の参院選公約である2万円の給付が、子ども・住民税非課税世帯に2万円を加算することによって、日々の労働に疲れ果て困窮している現役世代の反感を買うのと同様に、「負担」と「取り分」をめぐる不公平感を増すだけなのだ(石破政権「2万円バラまき」が現役世代舐めてるワケ)。
「負担」に見合う「取り分」がない
そして、もっと深刻なのは意識上の影響だろう。
とりわけ未婚者は、不本意なまま現在の社会経済状況に適応してサバイバルしているようなところがある。しかし、企業と国家による「二重の収奪」が続き、来年からは「子ども・子育て支援金」という「負担」が課される。
しかも、未来永劫においてそれに見合う「取り分」が得られる可能性がほぼない(もう家族を持つことは諦めている!)。これが“独身税”と名指しされることの本質なのである。
さきごろ2024年に生まれた子どもの数が初めて70万人を割り、出生率も1.15と過去最低を更新したことを厚生労働省が公表したが、明るい展望が描けない「収奪的な社会」が温存され、多様性に配慮しない「負担」ばかりが増せば、今後若い世代がますます結婚をしなくなることが予想される。
そもそも独身時代に負担が増えれば、結婚への意欲が減退することは容易に想像できるはずだ。また、こども家庭庁が莫大な予算を持つことも、国民の反感を買うだけであり、「こども家庭庁をなくせば財源確保できる」といった意見を生むことにつながっている。
“独身税”というパワーワードが21世紀の日本で浮上したことの意味はあまりにも重い。いたずらに国民間の分断をあおり、むしろ社会の崩壊の速度を速めることになった政策の一つであったと後年、語り継がれることになるのではないのだろうか。
【もっと読む】「7月に日本で大災害が起こる」「地震か、津波か…」――ネット上を騒がせる大災難の”予言”。もし外れたとしても、素直に喜べないワケ では、7月に日本で起きると噂されている”大災難”予言が拡散された背景や、予言が外れても安易に喜べない理由について、批評家の真鍋厚氏が詳細に解説している。
真鍋 厚:評論家、著述家
コロナ補助金の詐取容疑で会社社長ら3人逮捕、50人以上に虚偽申請させ7500万円以上詐取か
小規模事業者を支援する国の新型コロナウイルス対策の補助金をだまし取ったとして、警視庁は24日、東京都港区、ウェブ制作会社社長の男(37)ら男3人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。2020年3月~21年12月、社会人の交流イベントで知り合った会社員ら男女50人以上に補助金を虚偽申請させ、7500万円以上を詐取したとみている。
他に逮捕されたのは、千葉県八千代市、コンサルティング会社役員の男(41)、目黒区、自営業の男(40)の両容疑者。逮捕は23日。
発表によると、3人は共謀して21年4~9月、都内の30歳代の会社員男性がテレワークの導入関連事業などを行ったと装い、独立行政法人「中小企業基盤整備機構」(東京)から、小規模事業者向けの持続化補助金150万円を詐取した疑い。
ウェブ制作会社社長の男が統括役で、コンサル役員の男と、自営業の男が交流イベントの参加者らに「国の補助金がもらえる」などと持ちかけ、「ウェブサイトの制作」「換気用機器の導入」といった虚偽の計画書を作成していたという。
申請者に現金を渡し、複数の仲間の会社に入金させており、警視庁は、実際に費用の支出があったように装ったとみている。補助金額は最大150万円で、3人はこのうち約9割を申請者らから得ていたという。