交際相手の首をチェーンソーで… 突然の別れ話で悲しみが殺意に、我を失った女 法廷から

就寝中の交際相手をチェーンソーで切りつけたとして殺人未遂の罪に問われた23歳の女に対し、東京地裁で開かれた裁判員裁判で今月、有罪判決が言い渡された。突然の別れ話に逆上した女はインターネットで充電式の小型チェーンソーを購入。試し切りを行うなど、入念に準備し犯行に及んでいた。公判では、別れ話のショックで生まれた「別人格」による行為だったなどとして無罪を主張。女の心に、何が起きていたのか-。
結婚巡り「すれ違い」
「申し訳なく思うが、よく分からない」
黒いスーツに身を包んだ被告の女は、5月20日の初公判で裁判長から起訴内容について問われると、か細い声でこう答えた。
判決などによると、当時西日本に住んでいた被告は令和4年、オンラインゲームを通じてある男性と知り合った。5年2月、男性から告白され、交際がスタート。被告は3月に上京し、都内の男性方で同居するようになった。
被告人質問で、男性の実家を訪問したことにより「結婚を意識した」と語った被告。「(結婚後にもうける)子供の人数や、(子供の)習い事についても話した」と振り返った。
一方、証人として出廷した男性は「金銭的に余裕がなく、結婚は全く考えていなかった」と証言。両者の意識に「すれ違い」が生じていたことが浮かんだ。
SNSにつづった憤怒
破局は突然だった。交際から半年の記念日を祝った翌日の5年8月11日夜、男性が「好きな人ができた。家を出ていってほしい」と切り出したのだ。
被告は泣いて拒んだが、男性の心は変わらず。被告は9月に家を出て行くことを了承。その間は同居を続けることになった。
ただ、別れたいはずの男性は、その後に被告と肉体関係をもつなどしていた。「都合良く扱われた」と感じた被告は、徐々に怒りを募らせるようになった。
検察側が冒頭陳述などで明らかにした被告のSNS(交流サイト)からは、怒りが急速に殺意へと変わっていく様子が見て取れる。
同13日、X(旧ツイッター)に《私は家も恋人も仕事も全部なくなんのに、(被害男性)は何もなくならんの気に入らん。殺す?》と投稿。同16日にはLINE(ライン)のメモに《私捨てて自分が幸せになれると思ってるのお気楽すぎる》と書き残していた。
ネット通販で小型チェーンソーを購入したのもこのころだ。事件前日の同18日には、男性宅の植物の枝や冷凍の肉を「試し切り」。犯行の直前には通報を防ぐため男性のスマートフォンを隠して機会をうかがい、寝ている男性の首に、回転する刃を押し当てた。
首に熱さを感じた男性はすぐに目を覚ました。「何やってるの!?」。男性に問われた被告は「私はこの先、生きてていいことないから」と、泣きながら答えたという。
男性の命に別条はなかったものの、首などに全治2週間のけがをした。
退けられた「別人格」主張
逮捕・起訴された被告だったが、心神喪失による無罪を主張した。弁護側が根拠としたのが、別れ話を切り出されたことで強いストレスを受けた被告に出現したという「別人格」の存在だった。
弁護側によると、犯行から約1カ月後の9月下旬、被告は留置施設内で急に倒れた。その後、意識を取り戻したが「(被告は)それ以前のことは覚えていない」。犯行時を含め、別人格が被告を支配していたなどと訴えた。被告人質問で犯行当時のことを問われた被告自身も「よく分かりません」と繰り返した。
ただ、下されたのは懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の有罪判決だった。
地裁は、証人として法廷に立った被害男性や、被告の母親の証言を重視。別れを切り出された後の様子や、頻繁に電話やメッセージでやりとりをしていた母親も特段の変化に気付かなかったことから、被告の心情の移り変わりは「自然なものだ」と指摘した。
また、チェーンソーという猟奇的にも思える凶器を選んだ理由についても、被告自身が「力が弱いため、首を絞めたりナイフを使ったりするよりも機械の方が適している」と供述していることに触れ、「被告なりの合理的な選択ができており、犯行は普段の人格状態で行われた」と結論づけた。
裁判長は、犯行について「一歩間違えば重大な結果を生じかねない極めて危険なもの」としつつ、被害男性との間で示談が成立し、被害届が取り下げられていることも踏まえ、「社会内で更生する機会を与えることが相当」と述べた。
「被害者にけがをさせ、怖い思いをさせた。被害者以外にも迷惑をかけた」。最終意見陳述で反省の弁を述べた被告。今後は家族の支えを受けて、更生への道を歩むことになる。(宮崎秀太)

日本語試験替え玉、ベトナム人6人の狙いは収入アップ目的で「在留資格の特定技能への切り替え」

ベトナム人の女による日本語試験の替え玉受験事件で、大阪府警に逮捕された依頼者側のベトナム人6人はいずれも技能実習生で、「在留資格を特定技能に切り替えるために替え玉を依頼した」という趣旨の供述をしていたことが捜査関係者への取材でわかった。府警はより多くの収入を得やすい特定技能の資格を得る目的だったとみている。
替え玉役として逮捕されたのは、ベトナム国籍で無職の被告(31)(入管難民法違反、私電磁的記録不正作出・同供用罪で起訴)。
起訴状では、被告は昨年12月4日午前と午後、独立行政法人・国際交流基金の「日本語基礎テスト」の試験会場2か所(大阪市阿倍野区と北区)で、ベトナム国籍の30歳と22歳の女2人の在留カードを提示したとしている。
府警は昨年12月~今年1月、被告のほか、女2人を逮捕。その後、被告と共謀して各地で行われた日本語基礎テストなどで替え玉受験をしたとして、新たに依頼者側の女4人を入管難民法違反などの容疑で逮捕した。
複数の捜査関係者によると、依頼者側の女6人はいずれも技能実習生だった。22歳の女は昨年4月に技能実習生として来日し、製造会社で軽作業に従事。調べに「特定技能の方が収入が多いが、自分では合格できないので、替え玉受験を依頼した」と述べたという。
被告はこれまでの調べに「昨年の夏頃から十数回、替え玉受験した。仲介役がおり、報酬は1回6万円だった」と供述。実際に合格したケースもあったという。6人とは面識がなく、府警は仲介者がいるとみて調べている。
日本語基礎テストを巡っては、国際交流基金が昨年12月、「替え玉が疑われる受験が約100件ある」と府警に相談。今年5月には、名古屋市で行われたテストで替え玉受験をしたとして、ベトナム国籍の男2人が愛知県警に逮捕された。
技能実習制度は発展途上国への技術移転を目的として1993年に始まった。入国時に語学力の要件はなく、転職は原則禁止されている。
一方、特定技能の在留資格は外国人労働者を受け入れるため、2019年に導入された。日本語基礎テストでの合格などが求められるが、同じ業種内での転職が認められており、平均月給は21万1200円と、技能実習(18万2700円)より15%高い。
日本語基礎テストは年6回、各地の会場で実施され、昨年度は約1万人が受験していた。事件を受け、国際交流基金は試験当日に会場で受験者の顔写真や在留カードを撮影して照合するなど本人確認を強化した。担当者は「不正を防ぐため、必要な対策を徹底する」としている。
SNSに「代理受験して」多く

在留資格が技能実習の外国人は2024年時点で約45万人と19年比1・1倍、特定技能の外国人は約28万人と同175倍に増えた。国籍別では、ベトナム人がそれぞれ全体の4割超を占める。
SNS上では、ベトナム語で替え玉受験を依頼する投稿が相次いでいる。
外国人労働者の問題に詳しい斉藤善久・神戸大准教授によると、フェイスブック(FB)には、ベトナム語で試験情報を交換するグループがあり、約2万5000人が登録。特定技能の取得や大学進学に活用できる「日本語能力試験」(JLPT)について、「代わりに受験してくれる人はいないか」「代理受験してくれる男性を探している」といった投稿が数多く確認されている。
斉藤准教授はこうした実態を踏まえ、「事件化されたのは氷山の一角だろう。日本語試験で不正が増えれば、一定の語学力を前提とする制度の信頼性が揺らぎかねない」と話している。

テレビ局アナによる「4000万円」横領の内幕…本人が告白、「地獄だった」投資の沼に落ちるまで

今から2年半前、テレビ局のアナウンサーによる労働組合費の横領が発覚した。その金額約4000万円。アナウンサーという華々しい仕事の裏で起きた不正は衝撃をもって受け止められた。彼はなぜ、「人の金」に手を付けたのか。本人が口を開いた。(デジタル編集部 文・古和康行、写真・秋元和夫 敬称略)

横領を起こした「友達」

その人は、友達だった。
「人気アナウンサーが起こした『労働組合費』4000万円横領事件」
2022年12月。写真週刊誌「FRIDAY」はこんな見出しで“事件”を報じた。テレビ局「CBCテレビ」(名古屋市)のアナウンサー・江田亮が、同社の労働組合員が積み立てていた4000万円を横領し、自身の投資に利用していたという内容だ。
記者と彼は13年にそれぞれの会社に入社し、同じ名古屋市内で働いていた。マスコミには“他社同期”というものがある。各社の入社同期がつるむことは珍しくなく、記者も彼とはよく遊んだ。約1年の勤務を終え、記者が岐阜市に転勤したあとは会わなくなった。
この報道からほどなくして、彼は同社を退社し、“雲隠れ”していた。そんな彼が今年4月、インスタグラムを更新した。肩書は「フリーアナウンサー」だった。
あの時、何があったのだろうか――。取材を申し入れると、受け入れてくれた。少しやせていたが、低く聞き取りやすい声は、12年前と変わらない。「久しぶり」。取材が始まった。
順風満帆だった人生

江田は「何でもできる人」だ。神奈川県川崎市で生まれ、幼い頃から続けてきた野球では、神奈川県内の強豪高校に推薦で進学した。だが、後にプロになる選手もいた周囲とはレベルの差を感じていた。そんな中、06年の「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)で、松坂大輔とアナウンサーの上重聡が取材で再会するというニュースに触れた。「アナウンサーなら、仲間たちと一緒に仕事ができるかも」と考えた。
高校卒業後、「偏差値30くらい」から1年間の浪人生活を経て早大に進学。2013年4月には狭き門をくぐり抜けアナウンサーになった。「CBCは中日ドラゴンズの中継も多く、スポーツ実況を志した自分にはぴったりの会社だった」と感じた。
その後、ラジオの競馬実況から始まり、ついにはテレビでプロ野球の実況に抜てきされた。私生活では結婚もし、順風満帆な人生に「努力さえすれば何でもできると自分の能力を信じていた」という。
初めての「横領」いびつな成功体験

入社から5年後の2018年――。江田は先輩から引き継ぐ形で、CBCの労働組合の財務部長になっていた。労働組合費はストライキが起きた時などに支払われる「プール金」で、江田はその管理をまかされていた。だが、実際にはアナウンサーの仕事をしながらの業務だ。財務部長といっても、大半は組合の役員が使った経費の領収書を預かり、組合長の承認を得て、実費を支払うというものだった。
江田は初めて労組費を使った時のことを覚えている。後輩と連れ立って飲食店に行き、「2万円くらい」の“会議費”を経費として使った。あっさりと認められ、「こんなに簡単なのか」と驚いた。
この頃、江田は資産運用を始めていた。「銀行に預けるよりも資産が増えるなら」という気持ちでNISAの活用を始めた。少額だったが、たしかに運用益は出ていた。「もっと大きい金額ならより利益が生まれるのでは」と考えた。心に隙が生まれた。
初めて「横領」に手を染めたのは20年だ。「当時の投資信託の価値は右肩上がり。もっと稼げると思った」と、労働組合費から計約200万円を引き出し、海外株で構成される投資信託を購入するとこれが当たった。運用益を得て、そこから「元本」の200万円を組合費に戻して6月末の監査を「乗り切った」。いびつな成功体験だった。
利益が出て「地獄の始まり」

監査が終わった21年8月から12月にかけて計1000万円を横領して資産運用に充てた。横領によって原資を積み増した資産運用は、12月末時点で計約63万円の含み益を出した。「この頃にはおかしくなっていた」と語る。
だが、順調に思えた運用は暗転する。ロシアがウクライナを侵略した22年2月頃、保有していた米国株で構成する投資信託が値下がりし、約18万円のマイナスに転落した。
この時点では2月末だった。監査までは4か月もあった上に、自己資金で補填(ほてん)もできる金額だった。それでも、「取り返したいという気持ちが強く」なり、投資は“投機”の色を帯びていく。
3月末には保有していた投資信託も急激に持ち直し、75万円ほどの利益を確定させて売却する。ここで得た金を原資にETF(上場投資信託)の短期売買で、4日間で30万円の利益をあげた。「勉強もしてきたし、自分ならなんとかできる」と過信した。
この頃、江田はネットである情報をつかむ。「原発の行く末が不透明で、火力発電に使われる石炭に需要がある」。投資情報を発信するインフルエンサーのその言葉を信じ、石炭輸入会社の個別株のトレードを始める。「これが、地獄の始まりだった」

横領は3200万円まで膨らみ

22年4月。保証金を預けて自己資金以上に取引を行う「信用取引」を使って石炭輸入会社の株を買った。大きく値が動いた日に、1日で約250万円の利益をあげた。
これに気をよくして、同社の株式売買にのめり込んでいく。だが、その翌日の売買から値下がりした。大きく利益を出した1週間後には、500万円以上の損失が出た。江田は、この一連の売買で1200万円を労組費から引き出して投資に充てている。
その後もこの会社の株にこだわって売買を続けたが、5月に入っても上向く気配はなかった。元々、「株の売買は朝少し触るだけだった」が、この頃には四六時中、スマホが手放せなくなっていた。午後3時に日本の市場が閉まっても、夜からは米国市場が開く。国内市場に強く影響を及ぼすため、「値動きが気になって一睡もできなかった」日々が続いた。
5月10日からは、さらに激しく株価は下がった。投資先の3月期決算が目前に迫っていたためだ。
というのも、株式の短期売買では、決算をまたがずに株を手放すのがセオリーだ。市場の期待を下回る決算の発表があった場合、株価が下がるためである。売り注文は強くなり、株価はますます下げた。追加の保証金を求められ、さらに約1000万円の横領に手を染めた。
5月13日。迎えた決算日。午後3時には場が閉まり、その後、決算が発表される。江田はこの時期、最大約600万円にもなる含み損を抱えており、決済すれば多額の損失が確定してしまう状況だった。補填できるだけの自己資金は残っておらず、さらに値下がりすれば、「逮捕は免れないと思った」。この時、横領した金は3200万円に膨れ上がっていた。
江田の取引残高報告書には「5月13日」だけ、売買記録がない。
それまで激しく売買を繰り返していたのになぜ――? 「保有した株をどうするのか、決められなかったから」だという。仕事の合間、何度もトイレに駆け込み、スマホを握りしめた。「どうしよう、どうしよう、どうし よう……」。午後3時、市場が閉まった。
「怖くて、もう自分で何も決められなかった。トイレの床に座り込んで、震えていた」
そして、決算が発表された。
株価は急騰、ずさんな隠蔽工作

「当社は2023年3月期に創業以来の最高益を大きく更新する見込み」
決算資料には、こんな文言が並び、特別配当も発表された。株価は急騰し、休みが明けた5月16日にはストップ高で値がつかず、17日になって成り行きで売却した。保有数は4万株。横領した金を全て返しても、手元には約2700万円の金が残った。
「もう横領した金を手放したかった」と“隠蔽(いんぺい)工作”を行ったが、ずさんだった。横領した金を100万円ずつ自身の口座から引き出し、労組の口座に入金した。21年8月から22年5月にかけて3200万円の金が引き出されている一方、5月末に4日間かけて全ての金が戻っている。「入出金記録は汚れ切って」おり、新しい通帳に切り替えた。
監査こそ乗り切ったものの、7月に労組の役員の改選で江田は財務部長の職から外れた。今までの入出金記録が記された通帳を新体制から求められたが、「汚損したので取り替えました」と答えた。
発覚

22年11月。夕方のニュースを読んだ後、労働組合長に呼び出された。横には弁護士も同伴しており、「何の話か分かる?」とたずねられた。「分かります」と答えるほかなかった。銀行の入出金記録や過去の領収書など、資料は全てそろっていた。もう、逃げ道はなかった。

横領の総額は約4000万円。投資信託のために初めて横領した200万円、21年8月からの3200万円。そして、「不適切な会計処理」があったとして約435万円も告げられた。この435万円も「どこで、どのように使ったかは分からなかった」。投資に充てていた金は全て返済していたが、残っていた金から435万円を弁済した。
労働組合は事実を社内に公表した。会社からはアナウンス業務の停止と自宅待機の指示を受けた。ほどなくして、写真週刊誌から取材を受けると「会社にこれ以上、迷惑はかけられない」。江田は会社を辞めた。
アナウンサーを辞めた

アナウンサーによる巨額横領のニュースは、今もネットに残る。
「投資で生きていけると言われることもあったけれど、株価が値上がりしたのは、たまたまだった」。労働組合の役員を離れてからも、江田は不正に得た収益を元手に個別株の信用取引をしていたが、発覚までのわずか4か月の間に2000万円近い損失を出している。生活費にも使っており、435万円を弁済するとほとんど金は残らなかった。「たまたま」という自己評価は妥当だ。
退職後は実家に帰り、資格取得の勉強を始めたが、人と会うことができなくなってふさぎ込み、心療内科を受診した。「うつ状態で、朝は起きることができず、夕方には理由もなく涙が流れた」という。
医師から「社会との接点を」と勧められ、始めた就職活動では100社以上にエントリーをしたが、過去のスキャンダルの影響もあって会ってくれたのは5社だけ。「おそらく、その5社もネットで調べていなかっただけ」だと思っている。それでも23年9月に再就職することができたが、過労がたたり、25年3月に退職した。
全てを失って「あの頃はこんな未来が待っているとは」

「2度目の無職だよ」と力なく語る。
事件後、江田は離婚した。誇りだった仕事も、家族も全て失った。今は無職になったことをきっかけに、培った技術を生かそうとフリーアナウンサーとして仕事を探しているという。だが、将来は見通せない。「人様が大切に積み立てていた金を使っていいわけなどない。自分が全て間違っていた」と後悔を口にした。
江田の横領について、CBCテレビに取材を申し入れた。同社は「在職していたことは間違いありません」とした上で、「すでに退職された方ですので、会社としてコメントする立場にございません」と書面で回答した。
今から12年前。大学を卒業したばかりの私たちは、将来をよく語りあった。彼はアナウンサーに、私は記者になるという夢を叶(かな)えたばかりで、2人とも自分たちはなんでもできると思っていた。私も紙面に自分の書いたニュースが載れば自慢し、彼は生き生きと出演した番組について語った。楽しい思い出ばかりだが、危うさもたしかにあった。
「なんでこんなことになったんだろうね」。ペンを置き、記者が問いかけると彼はこう言った。
「関係ないかもしれないけれど、どんなことでも『なんとかなる』という自分の能力に対しての傲慢(ごうまん)さはあった」。そして、言った。「あの頃はこんな未来が待っているとは想像できなかったよね」。記者もうなずく他、なかった。

【速報】「アスリートへの誹謗中傷」対策強化盛り込んだ法案が衆院・文科委を通過 今国会で成立へ

SNSによる誹謗中傷からアスリートを守るための対策を強化することを盛り込んだスポーツ基本法の改正案が、さきほど衆議院の文部科学委員会で全会一致で可決しました。
現在、スポーツ界ではSNSを使ったアスリートへの誹謗中傷が相次ぐほか、指導者による暴力やハラスメントなどが社会問題になっています。
こうした問題を解消するため、超党派の議員連盟は、国のスポーツに対する取り組みの基本的なルールについて定めた「スポーツ基本法」の改正案を国会に提出しました。
改正案では、アスリートを守るため、▼SNSを使った誹謗中傷や観客などによる盗撮行為のほか、▼指導者の暴力やハラスメントなどに対し、国や地方公共団体が「アスリートが安心して競技に取り組めるように必要な対策をとる」ことにしています。
また、スポーツ団体に対しても、同様の対応を求めるとしています。
このほか、2021年の東京オリンピック・パラリンピックをめぐる汚職や談合事件を受け、国に対して国際大会の招致活動や運営の透明性を高めるよう求める内容も盛り込みました。
改正案は6日、衆議院の文部科学委員会で全会一致で可決されました。
来週にも衆議院を通過し、参議院に送られる見通しです。

認知症の女性を暴行、ケガさせたか 老人ホーム元職員の男を逮捕

老人ホームの職員だった男が、認知症の女性に暴行を加え、ケガをさせたとして逮捕されました。
警視庁によりますと、鈴木勝容疑者は去年、東京・練馬区の老人ホームで勤務していた際に、認知症の90歳の女性に暴行を加え、ケガをさせた疑いが持たれています。女性は目やアゴに全治2週間のケガをしました。
調べに対し、「腕をつかまれたり、着替えさせるのに抵抗されたりして怒りが湧いた。認知症なので被害を訴えられないと思った」などと容疑を認めているということです。
鈴木容疑者は同じ老人ホームで、別の認知症の入所者2人にもケガをさせたとして、すでに逮捕されていました。

東電旧経営陣への13兆円賠償取り消し 原発事故の責任否定 東京高裁

東京電力福島第1原発事故を巡り、東電の株主42人が旧経営陣に総額23兆円超を東電に賠償するよう求めた株主代表訴訟の控訴審判決で、東京高裁(木納敏和裁判長)は6日、旧経営陣に13兆円超の賠償を命じた1審判決を取り消し、株主側の請求を棄却した。株主側の逆転敗訴となった。
最高裁は2025年3月、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣2人の全面無罪を確定させている。今回の訴訟の1審判決が旧経営陣の個人責任を認めた唯一の判決だった。株主側は上告するとみられるが、世界最悪レベルの原発事故を巡って誰も個人責任が問われない可能性が高まった。
東電は08年、政府が公表した地震予測「長期評価」に基づき、高さ最大15・7メートルの津波が原発に襲来する可能性があると試算していた。訴訟では、巨大津波を予見できたか(予見可能性)、対策をしていれば事故を防げたのか(結果回避可能性)が争点となった。
22年7月の1審・東京地裁判決は、長期評価の信頼性を認め、津波対策が必要だったと予見可能性を認めた。また、建屋などへの浸水を防ぐ「水密化」をしていれば事故が防げた可能性は十分にあったと結果回避可能性も認めた。
その上で、東電が事故後に負担した廃炉・汚染水対策▽被災者に対する賠償▽除染・中間貯蔵対策費用――から賠償額を算出し、勝俣恒久元会長(24年10月に死去)と清水正孝元社長、武藤栄、武黒一郎両元副社長――の4人に連帯して約13兆円を賠償するよう命じた。
旧経営陣側は控訴審で、長期評価には多数の専門家から異論があり、信頼性はなかったとし、水密化など事故後の知見で責任追及すべきではないと主張した。一方、株主側は長期評価は信頼性のある知見で、水密化などの対策を先送りにしなければ事故は防げたと改めて主張していた。
避難者らが国に賠償を求めた訴訟では、最高裁が22年6月に対策をしても事故は防げなかったとして国の責任を否定する判決を言い渡している。【安元久美子】
立命館大法学部の山田泰弘教授(会社法)
旧経営陣の過失否定に違和感なし
1審判決は、旧経営陣が巨大津波の試算がありながら具体的な対策を長期にわたりとらなかった事実を重くみて、比較的緩やかに責任を認めた印象があった。一方で、東京高裁判決は「事故を防ぐには原発を止めるべきだった」と対策の内容を絞った。原発を停止するには実際にさまざまなハードルがあり、津波の試算の信頼性を慎重に検討した旧経営陣の対応を「対策の先送り」とは評価しなかった。旧経営陣の取るべき対策を厳密に検討した上で過失を否定した点に違和感はない。
東京電力福島第1原発事故
2011年3月11日に三陸沖を震源とするマグニチュード9・0の地震が発生。海抜10メートルの敷地に建つ原発に最大15・5メートルの津波が押し寄せた。非常用発電機などが冠水して全電源が喪失し、冷却機能が失われた原子炉の核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が起きた。原子炉建屋で水素爆発も起き、大気中に放射性物質が飛散した。福島県の7市町村には現在も居住が制限された「帰還困難区域」が残っている。福島県では25年2月現在で2万4644人が県内外に避難している。
東京高裁判決 骨子
・巨大津波の予見可能性を認めるには、原発の運転停止を正当化するほどの合理性や信頼性のある根拠が必要
・東電の想定津波の試算で用いられた地震予測「長期評価」は根拠として十分ではない
・旧経営陣に津波の予見可能性があったとは認められない。13兆円の賠償を命じた1審判決を取り消す

山菜採りの男性が遺体で見つかる…先月19日に滑落し警察などが捜索 福島

先月、金山町で起きた山菜採りに来ていた男性が沢に滑り落ち行方が分からなくなっていた事故で5日、男性の遺体が発見されました。
遺体で見つかったのは、会津美里町の無職、真部六朗さん78歳です。真部さんは先月19日、妻と知人の3人で山菜採りに来ていた金山町滝沢の山で足を滑らせて沢に転落し、行方がわからなくなっていました。警察と消防で捜索しましたが、現場は残雪が多く難航していました。現場は、金山町の滝ダムに近い只見川上流で真部さんはボートで対岸に渡り山に入ったとみられています。

3月にもTOEIC不正受験、容疑で中国籍の男を再逮捕 10人が同じ住所で申し込みか

別人になりすまし、英語検定試験「TOEIC」の試験会場に侵入したとして、中国籍の京都大大学院生の男が現行犯逮捕された事件で、警視庁野方署は6日、3月に別の試験会場で、受験票を偽造して受験したとして、有印私文書偽造・同行使の疑いで男を再逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
男は王立坤容疑者(27)。調べに対し、黙秘を続けている。警視庁は、王容疑者が十数件、同様の不正受験を繰り返し、同じ教室にいる仲間に試験の解答を伝えていたとみて調べている。
再逮捕容疑は3月、東京都新宿区のTOEICの試験会場で、予備の受験票に、偽の個人情報を記入して受験したとしている。
捜査関係者によると、この試験では、王容疑者が受験の申し込みに使用していた住所と、同じ住所で10人が受験を申し込んでいた。郵便番号によって受験会場が割り当てられる仕組みを悪用したとみられ、警視庁は組織的な背景を含め、詳しい状況を調べている。
王容疑者は先月18日、板橋区の試験会場で偽の身分証明書を提出し、正当な理由なく侵入したとして、建造物侵入の疑いで現行犯逮捕され、有印私文書偽造・同行使の容疑でも送検されていた。この試験でも、王容疑者と同じ住所で43人が受験を申し込んでいたことが判明している。

女子高校生に性的暴行か 警察官と住職の男を逮捕 事件当日に初めて会ったか 青森県警機動隊の警部補ら

女子高校生に性的暴行を加えた疑いで、現職の警察官と住職の男が逮捕されました。
不同意性交の疑いで逮捕されたのは、青森県警機動隊の警部補・佐々木淳容疑者(53)と、むつ市の住職・水野良章容疑者(46)です。
2人は去年11月、青森県内にあるレンタルルームで、当時高校生だった女性に性的暴行を加えた疑いがもたれています。
警察によりますと、容疑者の男2人はインターネットの掲示板、水野容疑者と女性はアプリで知り合ったとみられています。3人は事件の当日に初めて会ったということです。
警察の調べに対し、佐々木容疑者は「申し訳ありません」と容疑を認め、水野容疑者は容疑の一部を否認しているということです。

快速列車と“勘違い”しオーバーラン 停止位置を約80m越えて停車 JR呉線 広島・呉市

5日夕方、広島県呉市のJR呉線の天応駅で列車の運転士が快速列車と”勘違い”し、停止位置を越えて停車しました。
JR西日本によると、5日午後5時半ごろ、広島県呉市のJR呉線の天応駅で、下りの普通列車が停止位置を約80メートル越えて停車しました。運転士が、快速列車と勘違いして、駅を通過しようとしたということで、車掌が非常スイッチを押してとまりました。乗客約100人にケガはなく、降りることができなかった10人は次の駅で降車し、乗ることができなかった5人は、後続の列車を案内されました。JR西日本は「再発防止に努める」としています。【2025年6月6日放送】