3人の遺体の傷は首や胸が中心…強い殺意か 55歳姉の殺害容疑で逮捕の41歳男「3人をナイフで刺して殺した」と供述 警察は両親の殺害についても捜査 札幌市北区

10月31日、札幌市北区の住宅で家族3人が死亡し息子が殺人の疑いで逮捕された事件で、3人の遺体には首や胸を中心に刺し傷があったことがわかりました。
・和久井有紀乃記者(2日午前8半すぎ・札幌北警察署) 「中村容疑者が出てきました。この後身柄が検察庁に送られます」
中村純一容疑者(41)は札幌市北区新琴似の住宅で、姉の川村千恵子さん(55)を刃物で刺して殺害した疑いが持たれています。
この住宅では、10月31日中村容疑者の父・道紀さん(68)と母・美枝子さん(83)も倒れていて、死亡が確認されました。
捜査関係者によりますと3人の遺体は首と胸を中心に刺し傷があり、中村容疑者は「3人をナイフで刺して殺した」と供述しているということです。
警察は、強い殺意があったとみて両親を殺害した疑いも視野に調べています。

容疑者逮捕に長男「父の執念が生んだ」 心境語る 名古屋主婦殺害

1999年に名古屋市西区の自宅アパートで高羽奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件で、長男の航平さん(28)と父の悟さん(69)が2日、報道各社の取材に応じた。航平さんは、容疑者の逮捕について「父の執念が生んだとも思う」などと話した。主なやり取りは次の通り。【塚本紘平】
――容疑者の逮捕を知った時はどう感じましたか。
<航平さん>「え、ガチ」と(悟さんに)返した。本当にその気持ち。26年間、音沙汰がなく、本当に捕まったのか、本当に(その人物が)犯人なのか、という気持ちが大きかったです。
――今日は、2人でどのようなことを話しましたか。
<悟さん>容疑者の逮捕はLINE(ライン)で直接、報告しており、今日は会ったといっても私がバタバタしていて。会話ができるような状態ではなかったので、これからご飯を食べながら話そうと思います。
――悟さんの顔を見てどう思われましたか。
<航平さん>「寝ていない」と言っていましたが、割とすっきりした顔をしているなと。
――今日の法要で、奈美子さんにはどんな報告をしましたか。
<悟さん>詳しい情報を聞けるのは容疑者を起訴してからだと思っています。残念ながら私の関係者が容疑者だったけど、これだけやってきたので、奈美子も許してくれるのかなと思っています。
<航平さん>26年間、捜し続けて捕まった点に関しては良かったという報告ができました。これから、明らかになることもあると思うので、それも含めて報告できる時がくればいいなと思っています。
――これまでの子育てについての思いはいかがですか。
<悟さん>自分が一人で育てたわけではなく、兄弟などみんなに助けてもらいました。(航平さんは)自分の進路を自分で決めてきてくれたし、ぐれずに育ってくれた。就職も希望の職種があって、自分で見つけて、私の22歳の時と比べたらしっかりしていたので安心しています。
――悟さんのこれまでの活動を、今どのように感じてますか。
<航平さん>父の執念が生んだ逮捕とも思えるので、よく頑張ってきたなと思います。
――この言葉を聞かれて、どう思いますか。
<悟さん>母親のいない人生を歩ませてしまった責任として、何とか犯人を捕まえて息子に結果を報告したい、との思いでやってきました。まだはっきりしない動機が分かれば、多少の責任はとれたのかなと思います。息子には謝らないといけないなと思ってます。
<航平さん>僕はずっと、一緒に活動してきました。してきたからこそ、「本当に捕まるのか」「このままいつまでも捕まらないのではないか」と思うことがたくさんありました。でも、必死に活動して、現場も保存してきたおかげで逮捕に至ったと思うので、諦めない姿勢が一番、強かったのかなと思います。

高市首相、連覇のドジャース祝福「日本と日本人の底力を信じてやまない者として、とても嬉しい」

高市早苗首相が2日、米大リーグのドジャースがワールドシリーズで2連覇したことを自身のX(旧ツイッター)で祝福した。
ドジャース所属の大谷翔平投手、山本由伸投手、佐々木朗希投手の日本人3選手を祝福。「日本と日本人の底力を信じてやまない者として、日本人選手の海外でのご活躍は、とても嬉しいニュース」と喜び「これからも、日本人メジャーリーガーの皆さま、そして全ての日本人アスリートの皆さまが、世界の真ん中で咲き誇り、日本人に夢と希望を与え続けて下さることを、大いに期待しています」とエールを送った。
投稿全文
ロサンゼルス・ドジャースが、ワールドシリーズを連覇しました。
大谷翔平選手、山本由伸選手、佐々木朗希選手、おめでとうございます。
また、山本選手のシリーズMVP受賞、重ねてお祝い申し上げます。
私が愛する阪神タイガースは日本シリーズ優勝を逃しましたが、日本と日本人の底力を信じてやまない者として、日本人選手の海外でのご活躍は、とても嬉しいニュースです。
これからも、日本人メジャーリーガーの皆さま、そして全ての日本人アスリートの皆さまが、世界の真ん中で咲き誇り、日本人に夢と希望を与え続けて下さることを、大いに期待しています。

容疑者、被害者夫宅近くで暮らす 名古屋主婦殺害

1999年に名古屋市西区の高羽奈美子さん=当時(32)=を殺害した疑いで逮捕された同市港区のアルバイト安福久美子容疑者(69)は、高羽さんの夫悟さん(69)が事件後に転居した自宅の近くで長年暮らしていた。夫や息子と普通の生活を送り、近隣住民からは「優しい母親」と見られていた。
関係者によると、安福容疑者は事件後10年以上は悟さんの自宅から車で10分程度のマンションに住んでいたとみられ、その後はマンション近くの一軒家に引っ越した。
マンションが同じだった60代女性は今春、近所で安福容疑者を見かけた。「『久しぶり』とあいさつして、変わった様子はなかった。とても優しい感じだったから、信じられない」と驚いていた。
高校で安福容疑者と同じクラスだった同市中川区の男性(68)は「おとなしく、積極的にしゃべる人ではなかった。テレビで見た犯人の似顔絵とは似ておらず、もっと上品な感じだった」と話した。
悟さんは安福容疑者と高校の同級生だったが、卒業後は事件5カ月前の部活動のOB会以外では会話したことはなかったという。

横浜・山下公園前の海に上半身のみ遺体 成人女性か 遺棄事件で捜査

横浜港の海で頭部のない上半身だけの遺体が見つかり、神奈川県警は2日、死体遺棄事件として捜査を始めたと明らかにした。司法解剖の結果、20~50代の女性とみられる。死因は不明で死後数カ月以内。衣服は身に着けていなかった。
県警によると、遺体の損傷状況から、船のスクリューに巻き込まれたり、サメなどに襲われたりした可能性は低いとみられ、身元の特定を急いでいる。発見された上半身には他に目立った外傷はなかった。下半身や頭部は見つかっていない。
遺体は1日午前10時ごろ、横浜市中区の山下公園に面した海上に浮いているのを通行人の男性が発見し、警察に届け出た。現場は、山下公園前に係留されている大型貨客船「氷川丸」の付近で、多くの人が訪れる観光地。【清水夏妃】

町道を歩いていた5歳男児、軽乗用車にはねられ死亡…鳥取・智頭町

2日午後4時50分頃、鳥取県智頭町智頭で、町道を歩いていた近くに住む男児(5)が、同町内の男性(66)が運転する軽乗用車にはねられた。男児は鳥取市内の病院に搬送され、死亡が確認された。
県警智頭署の発表では、現場はJR智頭駅の北約200メートルの信号機や横断歩道のない直線道路。事故を目撃した人から通報があったといい、署が事故原因を調べている。

高市内閣の支持率82.0% 政権発足直後の支持率としては2001年以降2番目に高い JNN世論調査

先月発足した高市内閣の支持率が82.0%にのぼることが、最新のJNNの世論調査でわかりました。
高市内閣を「支持できる」という人は、先月の石破内閣の支持率と比較して38.3ポイント上昇し、82.0%でした。一方、「支持できない」という人は14.3%でした。
政権発足直後の支持率としては2001年以降の政権で、小泉内閣に次ぐ2番目に高い数字です。
次に、自民党と日本維新の会が連立政権を樹立したことについて、▼「評価する」は52%、▼「評価しない」は29%でした。
自民と維新は今の国会で衆議院議員定数の1割を目標に削減する法案の成立を目指すことで合意しましたが、▼「年内に法案を成立させるべき」は48%、▼「年内に成立させる必要はない」は35%でした。
高市総理は所信表明演説で、「責任ある積極財政の考え方のもと、戦略的に財政出動を行う」と表明しました。高市政権になって景気が良くなると思うか聞いたところ、▼「良くなると思う」は58%、▼「良くならないと思う」は23%でした。
また、関連経費を含めた防衛費を「2027年度にGDP比2%に増額」する目標を2年前倒しして、今年度中に達成すると表明したことについて、▼「支持する」は56%、▼「支持しない」は33%でした。
高市総理が上野厚生労働大臣に検討を指示した労働時間の上限規制の緩和について、▼「賛成」は64%、▼「反対」は24%でした。
高市総理は先週、就任後初めて、アメリカのトランプ大統領らと首脳会談を行いましたが、今回の一連の外交について83%の人が「評価する」と答えています。
政府・与党が検討している物価高対策のうち最も期待する政策は何か聞いたところ、▼1位は「食料品の消費税ゼロ」、▼2位は「現役世代の社会保険料の引き下げ」でした。
【各党の支持率】 自民 28.9%(1.0↑) 立憲 5.5%(0.3↓) 維新 3.9%(0.3↑) 国民 3.6%(4.0↓) 公明 3.2%(1.2↑) 参政 4.7%(1.1↓) れいわ 1.8%(0.0→) 共産 2.8%(0.6↑) 保守 0.6%(0.5↓) 社民 0.2%(0.3↓) みらい 0.1%(0.5↓) その他 0.2%(0.1↑) 支持なし41.0%(4.3↑)
【調査方法】 JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。11月1日(土)、2日(日)に全国18歳以上の男女2607人〔固定875人、携帯1732人〕に調査を行い、そのうち38.9%にあたる1013人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話503人、携帯510人でした。
インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにも、JNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。

〈立花孝志氏も参戦〉田久保劇場第2幕はあるか、反田久保派の分裂を追い風に「反メガソーラー」引っさげカムバックも? 脅迫状に告訴乱舞でカオス状態

〈〈失職の田久保市長が涙〉クビで渾身の自虐ネタ「市長職も中退でなく除籍になってしまいました!」あきらめ? 再起?「再出馬は相談して決めます」議長は「退学だろ!」と怒り〉から続く
学歴詐称疑惑の末に静岡県伊東市議会から2回目の不信任議決を受け失職することになった田久保眞紀前市長(55)。議決直後には「やり切った」と言いながら涙を流し、出直し市長選出馬に消極的な様子もうかがえたが、実際にどうするかは支援者と相談するという。いっぽう、地元で建設反対運動に携わった伊豆高原のメガソーラーの建設計画が息を吹き返す可能性があると示唆。反田久保派が分裂し候補者が乱立する中、高市政権もブレーキをかけようとするメガソーラー反対を前面に出す戦術も考えられる。選挙には立花孝志NHK党党首も出馬意思を表明し、次のカオス選挙が近づいている。
〈画像〉会見場がざわついた、涙を流す田久保市長の連続写真
「要するに調整に失敗したんです」
「田久保劇場第1幕が終了しまして、今度第2幕に入るか入らないか、素直にエピローグへ行ってくれるのかっていう感じですね」
2回目の不信任決議案が可決され田久保氏の失職が決まった10月31日午後、市議会の青木敬博副議長は市長がカムバックしてくることに警戒を隠さなかった。
決議案の賛否は賛成19人対反対1人。定数20の10月18日の出直し市議選で田久保氏を支持するとした候補者は1人しか当選しなかった。これが学歴詐称問題に端を発した騒動の末の、田久保氏に対する民意のように見える。
この状態で再度市長選に出馬しても、5月に3選を目指した現職との一騎打ちで逆転勝ちし当選した時のような風は期待できないというのが常識だ。だが状況はそう単純ではない。
「出直し市長選には実施が決まる前からもう6人が名乗りを上げています。知名度が高いのは田久保氏に敗れた元市長の小野達也氏(62)と、前市議で今回市長への転身を図ろうとする杉本憲也氏(43)です。ほかに以前から市長選を見据え準備してきたとみられる会社役員らもいます。
特に、田久保氏の当選は小野元市長の不人気も大きな原因だったため、当時の与党の自公などを中心に小野氏以外の人物での一本化が模索されたんです。そこで杉本氏が先に名乗りを上げたのですが、小野氏も出ると言って聞かない。
要するに調整に失敗したんです。この分裂は田久保氏側には有利な状況と映るでしょう」(市内の建設業界関係者)
メガソーラー反対世論の高まりは田久保市長には追い風に
2回目の不信任議決を受けた直後、記者団の前でポロポロと涙をこぼしながら「自分なりには精一杯やり切った」などと口にし、政界から身を引くそぶりも見せた田久保氏。しかし、「選挙には出ない」とは決して言わず、支持者と相談して進退を決めると言って態度を留保している。
そして同じ囲み会見の場で田久保氏は、かつて自分が中心となって建設反対運動を繰り広げた伊豆高原のメガソーラー事業について改めて危機感を強調したのだ。同事業を巡っては事業者と市の間で開発に絡む許可を巡る訴訟が続いている。田久保氏は訴訟の存在を挙げながら、
「市長になって改めて反対側の立場、つまり行政の側からこの裁判をしっかり見ていきまして、大変心配な状況にあると思っております。この場では明言はここまでにしたいと思いますが、これから先また立場が変わりますので、この件は地域の皆様とのお約束でもありますので、しっかり果たしていきたい」と話した。
途中まで話しながら核心は言わないという、卒業証書を巡って一躍流行語になった“チラ見せ”のような説明だが、開発はいつでも再開され得ると強調したいらしい。
また田久保氏は、メガソーラー問題での政府に対する「意見書」を市長の立場で書くため、7月に一度口にした辞意を撤回した、とも説明した。この意見書は結局政府に提出されていないが、自らがどれほど“反メガソーラー市長”だったかを強調した形だ。
この計画を巡っては「自分はアンチ田久保」と認める地元の法曹関係者もこう話す。
「田久保さんはこれまでも『計画が再開される可能性は消えておらず阻止するためにも自分は市長を続ける』と言い、田久保下ろしに動いた市議や市幹部らは『計画は止まっている』として辞任圧力をかけてきました。
実際には計画をやめさせる法的な根拠は弱く、業者がその気になれば工事再開は可能でしょう。この点は田久保さんの主張の方に理がある。
千葉県鴨川市のメガソーラー計画と並び、伊豆高原の計画は東日本では目を引く大規模なものなので、メガソーラーへの反発が強まれば田久保さんの主張に耳を傾ける人が増えるかもしれません」(法曹関係者)
メガソーラー開発は高市政権が明確にブレーキをかける姿勢を示し、鴨川市の計画も違法伐採を理由に千葉県が工事をストップさせるなど注目が高まっている。田久保氏は伊豆高原での計画反対の“顔”として地元政界入りを果たしているだけに、メガソーラー反対世論の高まりは田久保氏には追い風になる
「あまりにたくさんの告訴・告発が持ち込まれて…」
いっぽう、出直し市議選の結果が出た時から見えていたものの、場外乱闘含みの政争はこの間も絶え間なく続き、収束の気配はない。
「死ね。くたばれ。19人全員563。テレビ、新聞の偏向オールドメディアと共に死ね。」
便せんに手書きされたそんな脅迫状が市議会の中島弘道議長宅に届いたのは10月29日のことだ。
「差出人も書かれてないし、宛先に『様』も書かれていないので不審に思って開けたら脅迫状でした。びっくりはしたけどタイミング的に田久保派側の誰かがやったんだろうなと思いましたよ。他の市議にも同じ内容のものが届いていて、私にきたのは静岡の消印。現物はもう警察に渡してるよ」
そう中島議長が話す通り、同じ筆跡とみられるつたない脅迫状は不信任に賛成した議員のうち少なくとも17人に届いたとみられる。
騒動はそれだけではない。
「市議選の最中から『あの候補にはこんな不正がある』というネガキャンが入り乱れていましたが、最近では次の市長選をにらみ田久保氏の周辺者や批判派の市議や次期市長選候補らに関する告訴やタレコミが警察やメディアに続いているようです。
市長選が本格化すれば有力と目される候補者に関する“情報”がすぐに飛び出す、との観測もあります」(市内の建設業者)
田久保氏に近いと目される人物は市議会開催の数日前、反田久保派の市議らの疑惑を地元伊東警察署に告発すると予告したが「あまりにたくさんの告訴・告発が持ち込まれて伊東署が忙しいので後日にする」と言を変えたこともあった。
「告訴を遅らせた説明が本当かどうかわかりませんが、田久保氏に対する学歴詐称に絡む公職選挙法違反など複数の告発が次々と行われたことが報じられ、それに“刺激”を受けた人がすぐ告訴だなんだと実行に移す雰囲気はあります」(地元記者)
田久保氏の失職直後には立花孝志NHK党党首も記者会見で、出直し市長選に出馬し「2馬力選挙」の合法性を訴えると表明した。田久保氏が出馬してもしなくても、カオスな選挙になるのは必至だ。
※「集英社オンライン」では、今回の記事をはじめ地方の首長にまつわるトラブルなどの情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。 メールアドレス: [email protected] X(旧Twitter) @shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

「悪意ある記事」と反論の藤田共同代表に橋下徹が“公開説教” 維新トップに広がるカネの火種

“与党入り”した日本維新の会に、早くも「重大疑惑」が直撃している。「しんぶん赤旗日曜版」が10月29日配信の電子版で報じたのは、同党の藤田文武共同代表(44)の「公設秘書への税金還流」疑惑だった。藤田氏は自身のXで反論しているが、維新創業者の“あの男”も断罪する始末で。
【独自入手】「ベンチャー政党から全国政党へ」藤田文武共同代表が自著の宣伝をする党のチラシ
維新共同代表に浮上した「政治とカネ」の問題
「赤旗日曜版」の報道によれば、藤田氏側は2017年6月から2024年11月にかけて、〈ビラ印刷費〉などの名目で、自身の公設第一秘書が代表を務める会社に約2100万円を支払っていたという。
さらに、その会社から公設秘書に、年間720万円の報酬が支払われていた。同紙は、藤田氏による「公設秘書への税金還流」の疑いを指摘している。
これに対して、藤田氏は10月30日のXで、〈悪意のある税金環流のような恣意的な記事です〉と反論。その上で、〈すべて実態のある正当な取引であり、専門家にも相談の上で適法に行なっているもの〉と主張した。
ただ、藤田氏は反論とあわせて、X上で、取材を担当した「赤旗」の記者の名刺も公開。記者を“攻撃”するような、あまりに感情的な振る舞いに、「いまや与党なのだから、メディア対応に品格が求められるはず。やられたらやりかえすという“維新ノリ”は慎むべきだ」(自民党関係者)といった批判もあがる。
そして、維新共同代表に浮上した「政治とカネ」の問題に、あの男が黙っていなかった。
〈このような公金扱いを続ける維新の改革の声に国民は応えないだろう。なぜ藤田氏側の会社を通す必要があるのか〉
〈これは政治家がよくやりがちな選挙を利用した公金着服のビジネスモデルの疑いあり。(中略)徹底解明が必要だ〉
10月31日に自身のXで、藤田氏を厳しく追及したのは、維新創業者の橋下徹氏(56)である。維新創業者と、現在の事実上のトップの“大モメ”。その背景には、橋下氏と維新国会議員団が長らく抱えてきた、確執が存在している。
藤田氏は筑波大体育専門学群(体育学部)卒業後、高校の保健体育科講師などを経て、スポーツジムや整骨院を運営する「KTAJ」を起業。会社名は、藤田氏の座右の銘である「敬天愛人」(天を敬い、人を愛すること)からとっているという。
同社ホームページで藤田氏は、参政党の神谷宗幣代表(48)も師事する東洋思想家の林英臣氏を、“人生の師”と仰ぎ、経営理念を学んだと説明している。
2012年に「維新政治塾」1期生として入塾。2019年の衆院選に、大阪12区から出馬し、初当選した。その後、2021年に当選2回ながら、維新の幹事長に抜擢されたのだった。
藤田氏を「馬場の威を借る茶坊主」と呼ぶ人も…
藤田氏の抜擢のウラにあったのが、当時の馬場伸幸代表(60)との深いつながりだ。
「馬場氏への忠誠心は極めて高く、藤田氏自身、『(スピード出世は)馬場さんの飲み会の誘いを断らなかったから』と冗談交じりに周囲に話していた。国会で馬場氏を念頭にしたヤジが飛んだときには、『いらんこと言うなよ、ほんまに』と色をなしてブチ切れた。あまりのゴマすりぶりに、党内では藤田氏を“馬場の威を借る茶坊主”と呼ぶ人もいます」(維新秘書)
藤田氏の後見人的存在の馬場氏は、維新国会議員の重鎮であるが、橋下氏とはかねてより折り合いが悪い。馬場氏はもともと自民党の堺市議の出身で、松井一郎元大阪府知事(61)と関係は深いとされる。ただ、「府議経験はなく、橋下氏と大阪の改革をともにした経験はない」(維新府議)。
“身を切る改革”を信条とする橋下氏は、維新国会議員団が政策活動費名目で支出してきた高額な飲食費を批判、馬場執行部を念頭に、「永田町の飲み食い政治」と糾弾してきた。
そんな藤田氏だが、幹事長時代に『40代政党COO 日本大改革に挑む』という自著を党のチラシで宣伝したこともあったという。
「党のチラシに藤田氏の本の宣伝が入っていたので驚きました。維新の秘書団が動員され、JR新橋駅前でこのチラシを配布したこともあり、『藤田さんは、ベンチャー起業家出身をアピールしたいのか何なのかわからないが……』とひんしゅくを買っていました」(維新関係者)
その後、馬場執行部は2024年に退陣し、吉村洋文共同代表(50)と前原誠司前共同代表(63)の体制となった。しかし、2025年の参院選後で7議席の獲得に終わると、馬場氏に近いメンバーが代表選を求める署名活動を開始。事実上の“前原おろし”とも言われた。
「今年8月に発足した新体制では、藤田氏が共同代表に就任。馬場氏と近い遠藤敬国対委員長(57)が復帰するなど、“馬場派”の復権を印象づけました。橋下さんは“馬場一派”が維新をダメにしたと思っているふしがある。面白く思っていない面はあったのでしょう」(前出・維新府議)
維新は所属議員の不祥事の多さで知られてきた過去がある。それは、今やタッグを組む自民党にとってもリスクとなり、高市政権の支持率に影響しかねない。維新トップを巡る重大疑惑は、不吉な予兆を感じさせる。
高市早苗総理(64)に近しい自民党の閣僚経験者は、「政権の支持率が高いうちに解散総選挙をしたほうがいい」と焦りを募らせている。
取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班

「お前は俺に触ってくれと言っただろう」バレー部の顧問教師から突然呼び出され股間を…“男児の性被害”からなくならない誤解と偏見《深刻化するセカンドレイプ》

子どもの性被害が後を絶たない──。警察庁によると、2024年度に「不同意わいせつ罪」で検挙したうち児童が被害者となったのは2137件、「不同意性交」は1461件にのぼった。そうしたなか、男児の性暴力被害にある”特有の事情”が問題視されている。
社会全体ではまだ男性の性被害に関して誤解や思い込みがあり、被害者が相談を躊躇してしまうケースがあることが指摘されており、内閣府は2023年に「男性・男児のための性暴力被害者ホットライン」を期間限定で開設。現在も全国のワンストップ支援センターが相談窓口として開かれている。
男児の被害について、朝日新聞取材班『ルポ 子どもへの性暴力』(朝日新聞出版)より、お届けする(一部抜粋して再構成)。【全3回中の第1回】
※この記事では性暴力被害の実態を伝えるため、被害の詳細について触れています。
* * * 最初は冗談だと思っていた。
千葉県松戸市に住む栗栖英俊さん(47歳)が、市内の中学校に通っていたころのことだ。中学1年の夏ごろ、部活の顧問だった男性教師から、練習中に「お前、ちょっと来い」と呼び出された。
教師のことは信頼していた。担任でもあり、入学早々野球部を退部した栗栖さんに対して「お前みたいなまじめな奴が来たら先輩たちが喜ぶから、バレー部に来いよ」と誘ってくれた人だ。優しい、面倒見の良い先生、だった。
だが、その教師に呼び出されて行くと、いきなり股間を触ってきた。《なんだ?》。教師は股間に手を当てて、何事もなかったかのようにしている。栗栖さんは意味がわからず、特に何も言わなかった。数日後にまた呼び止められて、股間を触られた。他の部員に対しても触っていたから、そのときは《冗談にしてはしつこいな》と思うくらいだった。
秋ごろになっても、教師は触ることをやめなかった。さすがにおかしいと思い、「やめてほしい」と訴えた。すると、教師は「お前はわがままだ」と言ってきた。他の生徒は嫌がらないのに、自分だけが断っていると指摘しているような言いぶりだった。
「わがままって言われると、人間思い当たる節があるじゃないですか。学校の先生だから一理あるのかな、と思ってしまって」
「熱血教師」の「指導」呼び出しで……
栗栖さんは「指導」を理由に、放課後に残されるようになった。教師は、人のいない会議室に栗栖さんを呼び出し、カーテンを閉めて外から見えないようにした。「(触られることが)嫌なら学校を出て行け」「お前はまだ本当の意思を言っていない」などと、強い口調で責めてきた。