埼玉・三郷市の飲酒ひき逃げ 中国籍の男、初公判で起訴内容を認める

埼玉県三郷市で下校中の小学生らを車でひき、飲酒運転の発覚を免れるために逃走した罪などに問われた中国籍の男の初公判が開かれ、男は起訴内容を認めました。
起訴状などによりますと、中国籍の鄧洪鵬被告(43)はことし5月、三郷市で酒を飲んで車を運転し、下校中の小学生4人をひいてケガをさせた上、飲酒運転の発覚を免れるため逃走した罪などに問われています。
30日の初公判で鄧被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。被告人質問で、鄧被告は飲酒運転をした理由について「酒を飲んで興奮し、交通違反の認識がそこまでなかった」と述べました。
検察側は冒頭陳述などで「事故前に知人と中華料理店で生ビールを5杯ほど飲んだ」「ドライブレコーダーには事故後、被告が『車を隠す』と話す様子が残っている」などと指摘し、懲役2年6か月を求刑しました。
一方、弁護側は執行猶予付きの判決を求めました。
判決は来月13日に言い渡される予定です。

「当たったか」制圧された山上被告の第一声、安倍氏の様子を気にするそぶりも

令和4年7月の安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人などの罪に問われた山上徹也被告(45)の第3回公判が30日、奈良地裁(田中伸一裁判長)で開かれ、証人尋問が続いた。この日1人目の証人として出廷したのは、事件直後に被告を取り押さえた奈良県警の警察官。事件の緊迫した状況を振り返るとともに、制圧された被告が「当たったか」という言葉を発したと証言した。
証人は当時、奈良県警奈良西署の巡査。参院選の地元候補の応援に訪れた安倍氏が演説を行った近鉄大和西大寺駅(奈良市)前の現場で、警護を担当していた。
「ドン」。演説が行われていた交差点内のゼブラゾーンに背を向け、歩道上に立って聴衆の動きを警戒していると、大きな爆発音が聞こえた。振り返ると、少し離れた車道の中央に被告が立ち、そのあたりから白煙が上がっているのが見えた。「取り押さえなければ」。何が起きたかは分からなかったが、被告に向かって突進した。
「バズーカ」のように見えた手製のパイプ銃を両手で構えていた被告。2発目を発射したのは1発目からわずか3秒後だった。その直後に足をつかんで地面に引きずり倒し、ほかの警察官とともに制圧した。被告は抵抗する様子はなかったが、体をつかみながら歩道の方へ移動させた際に「当たったか」とつぶやき、安倍氏の様子を気にするそぶりを見せていたという。
警察官への証人尋問に続いて行われた検察官の証拠調べでは、事件で使われた手製銃が法廷に出され、検察官が掲げた手製銃を裁判員らが確認した。
起訴状によると、被告は4年7月8日、奈良市で参院選の応援演説中の安倍氏を手製銃で撃ち、殺害したなどとしている。
山上被告は初公判で「全て事実。私がしたことに間違いない」と述べ、殺人罪の起訴内容を認めた。最大の争点は量刑で、母親が旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)に入信したことが事件に与えた影響をいかに評価するかが焦点となる。

維新・藤田氏、公金還流報道に反論=橋下氏「実費以上ならアウト」

日本維新の会の藤田文武共同代表側が自身の公設第1秘書の会社に公金を支出していたと「しんぶん赤旗日曜版」が報じ、藤田氏は30日、X(旧ツイッター)に反論を投稿した。「全て実態のある正当な取引であり、専門家にも相談の上で適法に行っている」などと訴えた。
維新「創業者」の橋下徹氏はXで「(秘書の会社に)実費分以上に利益が発生していたら政治家として完全にアウトだろう」と指摘しており、維新内で批判が強まる可能性もある。
赤旗日曜版は29日配信の電子版で、藤田氏側が2017年6月~24年11月、公設第1秘書が代表の会社に「機関紙ビラ印刷費」などの名目で計約2100万円を支払っていたと報道。そのうち約1965万円が政党交付金などの公金だったと指摘し、「身内への税金還流」と問題視した。
これに対し、藤田氏は業務委託の事実関係を認めた上で、「当該企業は適法かつ適正な価格で業務委託を受け、法令違反ではない」と主張。「一般的なビジネス現場を無視した論理構成による悪質な印象操作だ」と報道を批判した。
赤旗日曜版を発行する共産党の田村智子委員長は30日の記者会見で、藤田氏の反論を「疑惑に直接答えているだろうか」と疑問視した。 [時事通信社]

融資話で1億円超詐取=容疑で会社役員の男逮捕―石垣島の再開発事業巡り・警視庁

石垣島(沖縄県)の再開発事業を巡り、保証金名目などで1億2600万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は30日、詐欺容疑で、会社役員長谷迅容疑者(53)=東京都港区南麻布=を逮捕した。「間違っています」と容疑を否認しているという。
同課によると、長谷容疑者が関係する合同会社の複数の口座には2020~21年ごろ、約10社から総額14億円以上の入金があるといい、同課は他にも被害があるとみて詳しく調べる。
逮捕容疑は20年6~12月ごろ、石垣島の複数の再開発事業を巡って、内閣府の直轄で自身が関係する会社が行っているなどとして「参画するのであれば融資する。10%を保証金として払って」と架空の融資話を持ち掛け、会社社長の50代女性から1億2600万円をだまし取った疑い。
長谷容疑者は知人を介して知り合った女性と東京都港区のホテルなどで複数回面談。「国のナショナルプロジェクトを行う。500億円規模になる」などと説明し、自身が掲載された雑誌記事や、内閣府の別事業の広報資料などを見せて関与しているように装っていた。詐取した金は海外口座への送金などに充てていたとみられる。
女性が警視庁に刑事告訴し、今年6月に受理された。 [時事通信社]

「歴史に残る迷記事だろ」日経のクマ被害をめぐる“憲法9条”言及に「国際紛争?」止まぬ疑念の声

全国各地でクマによる深刻な被害が相次ぐなか、10月28日、秋田県の鈴木健太知事(50)は防衛省を訪問し小泉進次郎防衛大臣に対しクマの駆除や捕獲に関し自衛隊の支援を要請した。
日本経済新聞によるリード文
同県では今年のクマ目撃件数は去年の5倍、被害件数も53件にのぼり異例の事態となっている。自治体単独での対応が限界を迎える中、元自衛官でもある鈴木知事は「自衛隊の力を借りなければ国民の命が守れない」と訴え、「要望が銃を使用しない、箱罠の設置等の捕獲駆除に対するサポートを中心にお願いをしている」と述べた。
しかし、この報道を巡って思わぬ波紋が広がった。28日、日本経済新聞(電子版)がXで配信した「自衛隊の武器使用を巡っては、憲法9条の規定もあり厳しく制限されています。犠牲者数が過去最悪となるなか、どのような対応が可能なのでしょうか」としたリード文が物議を醸しているのだ。
《熊との戦いがいつから国際紛争になったんですか?》
《憲法9条をまるで理解していませんね。害獣への武器使用は9条とは無関係で、全く別の法的枠組みの問題です》
《日本経済新聞社はクマとの戦いを『国際紛争』として捉えているのか。すごいな。歴史に残る迷記事だろこれ》
など、憲法9条と結び付けた報道に手厳しい指摘が相次いでいる。
なお、憲法9条には「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とある。
防衛省が発している9条の趣旨、政府見解についても主に国家間における“武力の行使”についてであり、獣害及びクマについての見解ではないのは明らかだと言える。
立憲民主党の枝野議員も反応
「同社の投稿を引用する形で立憲民主党の枝野議員も『憲法9条はまったく関係がありません』と反応していました。なぜ憲法9条に触れたのかは不明ですが、いずれにせよ憲法9条が獣害対策の妨げになっているというミスリードを生んでしまったようです」(社会部記者)
過去、自衛隊による武器使用実績は1967年に行われたトドに対する駆除活動だ。トド被害に手を焼いた北海道庁は自衛隊に協力を要請し、射撃訓練という名目にしてトドの駆除を実施。まったく退治できなかったというが、自衛隊がらみの害獣駆除としては代表例といえる。
自衛隊は武器を使用してのクマの駆除は実施せず、箱わなの運搬や設置、駆除後の処理など後方支援として派遣する方向で進めているが、銃の不使用についても《丸腰で派遣するのは気の毒》《後方支援だから熊が来ないとは限らない》など、自衛隊の活用方法に疑問を呈する声も多い。
「現場の疲弊がピーク」という知事の訴え通り、市民の生活を守るためにも早急かつ柔軟な対応と、法整備の両輪が求められている──。

受刑者死亡巡り、国に賠償命令=「医療行為、著しく不適切」―東京地裁

川越少年刑務所さいたま拘置支所(さいたま市)に収容されていた男性受刑者=当時(23)=が入院後に死亡したのは、拘置支所が適切な医療をしなかったためだとして、遺族らが国に計約7700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。森健二裁判長は死亡との因果関係は否定したが、「医療は著しく不適切だった」として150万円の賠償を命じた。
判決によると、男性は強盗致傷罪などで服役中の2020年3月、外部の医師の診断で精巣がんと判明した。摘出手術を受けたが、全身に転移したため刑の執行が停止され、民間の病院に入院後の21年7月に死亡した。がんが判明する2カ月前の拘置支所での診察が適切だったかどうかが争われた。
森裁判長は、男性が陰嚢(いんのう)の腫れを訴えた20年1月の診察時、拘置支所の医師は速やかにエコー検査をすることが強く求められる状況だったと指摘。「わずかな注意をすればエコー検査の必要性を容易に認識できた」として、不適切な医療行為だったと判断した。
判決後に都内で記者会見した男性の母(50)は「刑務所に入っている人が今後ちゃんとした医療が受けられるようになれば」と語った。
川越少年刑務所の話 判決内容を精査し、関係機関と協議して適切に対応する。 [時事通信社]

都内の高校生20人が腹痛や下痢訴え4人入院…修学旅行先の沖縄での集団食中毒が原因か

東京都は30日、都内の高校生20人が相次いで腹痛や下痢などの症状を訴え、このうち2人が腸管出血性大腸菌(1人はO(オー)157、もう1人はO型不明)に感染したと発表した。沖縄県内への修学旅行先での集団食中毒が原因とみられる。
都などによると、都内の高校の生徒と教員254人は今月中旬、修学旅行中に同県糸満市の飲食店で食事を取った。都内に戻った後に症状が出て4人が入院したが、O(オー)157に感染した生徒を含め、いずれも意識はあり、命に別条はないという。
同店では、同時期に川崎、山形、長野3市から修学旅行に訪れた高校生らも食中毒を起こし、計68人から腸管出血性大腸菌が検出された。各自治体からの情報などを基に地元保健所が確認し、食品衛生法に基づき、同店を29日付で無期限の営業禁止とする行政処分をした。

祖谷のかずら橋で70代男性が転落し死亡 「10mほど下で男性が倒れている」と119番通報 徳島・三好市

観光地としても有名な徳島県三好市の吊り橋「祖谷のかずら橋」で70代とみられる男性が転落し、死亡が確認されました。
消防によりますと、30日午後3時10分ごろ、橋の近くを通りかかった人から「10mほど下で男性が倒れている」と119番通報がありました。
救急隊が到着した際、70代とみられる男性が橋の近くの川岸に倒れていて、その場で死亡が確認されました。
警察によりますと、男性は橋の南側部分から転落したということです。現場には観光で訪れていたという情報もあり、警察は男性が誤って転落した可能性もあるとみて、詳しい経緯を調べています。

列島震撼、西日本にも広がるクマの脅威 京都・嵐山にも出没「目撃は長い間なかった」

東北など東日本を中心にクマによる被害が多発する中、西日本各地でもクマの出没が相次ぎ、一部では負傷者も出ている。市街地に出現する「アーバンベア」が課題となる中、国内外の人でにぎわう観光地の周辺のほか、生態エリアとされていなかった場所でも出没があり「経験不足」の自治体は対応に苦慮。研究機関の担当者はクマと人間の棲み分けを進め、遭遇するリスクを減らす対策が重要と指摘している。
世界遺産の寺院や渡月橋などの名所で知られる京都市の嵯峨嵐山やその周辺では今月24~28日、8件の目撃情報が市に寄せられた。観光客でにぎわう「竹林の小径(こみち)」付近でも出没したという。
「目撃は長い間なかったので驚いた」と嵐山商店街の石川恵介会長。商店街に注意喚起をしたり、クマを寄せ付けないようゴミをこまめに片付けたりし、警戒を続けている。京都市は観光客への周知も検討している。
京都府によると今年度の目撃情報は30日時点で919件。8日には舞鶴市の民家近くで男性が襲われ負傷する事案があった。
気がかりなのが、府南部での目撃情報の増加だ。生態エリアとされていなかった木津川市では5月、府が記録を始めた平成19年以降、初めての目撃例があった。その後もクマらしき動物を見たという通報が相次いでいる。
木津川市によると、クマはどこから来たか分かっておらず、市民からは捕獲を求める意見が多数寄せられている。しかし、人に危害を加えていない個体への対応には限界がある。国のガイドラインが、そうしたクマはわなで捕獲して人への恐怖を学ばせ、山奥に放つよう規定しているためだ。ただ市内に山深い地域が少なく、放獣は住民や周辺自治体の同意を得られにくい。現時点では小中学校の児童生徒にクマよけの鈴を配ったり、目撃情報を周知したりするなどの対応にとどまっている。
関西一円で目撃情報が増えている。兵庫県豊岡市では4、5月の目撃情報が昨年同期の約2倍に達した。5月には農作業中の男性が襲われる被害もあった。大阪府高槻市や和歌山県串本町、奈良市などでもクマとみられる動物を含めた目撃情報がある。
自治体の危機感も高まっている。神戸市は昨年度、山間部の野生動物を対象とした監視カメラを約100台増設。映像を人工知能(AI)で分析し、クマやシカを自動検知するシステムを導入している。クマの検知例はまだないが、市は「侵入や定着を未然に防ぐため警戒を続けたい」とする。
続出するクマ出没の背景には、猛暑で餌となるドングリが育たず山を下りてくる個体の増加に加え、農村部の人口減少、耕作放棄地の拡大などがあると指摘されている。兵庫県森林動物研究センター(同県丹波市)の河野賢治・森林動物専門員は「クマを寄せ付ける不要な果樹の伐採や、農地への電気柵設置などでクマを人に遭遇させない対策が必要だ」と述べた。(東九龍、小野田銀河)

山口大、来年度入学の学部生から授業料2割値上げ…修士課程は27年度入学者から

山口大(山口市)は30日、2026年度に入学する学部生から授業料を2割値上げすると発表した。授業料は現在の年間53万5800円から64万2960円となる。国からの交付金の減少や物価高騰による経営圧迫が主な理由という。
国立大の授業料は文部科学省令で定められ、05年度以降は現在の標準額(53万5800円)で据え置かれてきた。しかし、各国立大は標準額から最大2割まで増額が可能で、19年度以降、首都圏を中心に東京大など複数の大学が授業料を値上げした。西日本の大学では山口大が初めてという。
今回の改定では、大学院修士課程などでも27年度の入学者から2割値上げする。一方で、修士課程を修了して博士課程に進む人や在学生の授業料は値上げしない。改定に伴う増収は初年度で1億6000万円程度を見込んでいる。
この日の記者会見で、谷沢幸生学長は「将来にわたって大学の魅力を高め、学びの環境を作ることにつながる」と理解を求めた。一方、十分な説明がないとして、学生有志が反対署名を谷沢学長に手渡した。