コロナ禍で顔と名前を売った「感染症専門医」は本当に落ちこぼれなのか

元厚生労働相で前東京都知事の舛添要一氏が、4月12日放送の「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」(ニッポン放送)に出演した。新型コロナウイルス(以下コロナ)対策に話題が及んだ際、舛添氏は「感染症の人たちは一般的に言って能力が足りない」「医学部の学生をずっと教えていたけれども、(感染症は)人気じゃない。悪いけど落ちこぼれの人たちが行くところ」と発言した。パーソナリティーを務めた落語家の立川志らく氏も「聞いたことありますね」と相づちを打った。
これらの発言は波紋を呼んだ。SNS上では「落ちこぼれた人たちでなく使命感を持ってる人が多い」「失礼極まりない」などの声が目立った。一方、東京大学医学部卒で元東大特任教授、現在は医療ガバナンス研究所理事長の上昌弘氏は「私たちの世代では、すべての人とはいいませんが、優秀な人はあまり行かない分野」とTwitterで辛口コメントを発表した。
2020年以降のコロナ禍で、数多くの感染症専門医や感染症に詳しい医師、感染症専門家などがメディアで情報発信するようになった。舛添氏が具体的に何を根拠に「落ちこぼれ」発言したのかわからないが、感染症専門医に「東大医学部卒にして東大教授」のような典型的エリート医師を見かけないのも事実である。今回は、コロナで注目を集めるようになった「感染症専門医」のキャリアパスについて考えてみたい。
テレビのワイドショーなどでは「感染症に詳しい医師」や「感染症専門家」をしばしば見かける。だが、彼らの肩書は「自称」である場合も少なくない。
感染症専門医になるには、医学部卒業後に医師免許を取得し、さらに「2年間の初期研修」「3年以上の専門科研修」→「3年間の指定研修施設における感染症研修」→「専門医試験に合格」という過程を全てクリアすることが定められている。医師免許に加えて、「少なくとも8年間の研修が必須」という長い道のりである。信念がないとやっていけない仕事だ。
しかし、以下の5つの理由で、現状、「若手医師に人気の分野」とは言いがたい状況だ。
不人気理由の筆頭は「あまり儲からない」が挙げられるだろう。勤務先は、公立病院、大学病院、研究所、保健所、検疫所、厚労省や都道府県衛生部などの、公務員系の職場が主流となる。安定はしているものの、(医師として)高収入とは言いがたい。全ての医師が収入優先で勤務先を選ぶわけではないものの、低いより高いほうを選択する者が多い。
感染症専門医は研究留学できるチャンスは比較的多いが、留学中はさらに収入レベルが下がる。「感染症」を売りにクリニック開業することも難しい。文筆活動に励んでベストセラーを出せば、経済的に報われるが、その可能性は決して高いとは言えない。
2009年に蔓延した「新型インフルエンザ」が収束した後の約10年間、感染症学は医療界の中で地味な分野だった。「ノロウイルス」「デング熱」などで、たまに世間の注目を集めることはあっても、「外科」「循環器科」のようなドクターとしてイメージしやすい診療科にはなれない。よって、筆者の知る限り、「落ちこぼれ」という表現は置いておくにしても、こだわりの強い「マニアック」「オタク」系人材が集まりやすいのが感染症学ということになる。また、ブログやSNSや著作活動に注力するようなタイプが目立つ。
「感染症」と一口に言っても病原体は、直径1μm以下のウイルスから、大腸菌O157、数メートルの広節裂頭条虫まで含まれる。日本の国際化に伴い、従来は「日本には存在しない」とされてきたデング熱や、狂犬病のような感染症についての診断・治療を要求されることもある。「どこから弾がとんでくるかわからない」のが感染症専門医の難しさ(および面白さ)である。
ガンや骨折などの一般的な病気は、病院内だけで治療がほとんど完結するが、感染症は他分野との連携が必要となることが多い。感染症対策でリーダーシップを執るならば、保健所、食品工場、市役所職員、政治家などの多様な職種を相手に交渉する必要があり、「病院内で威張っていたらOK」とはいかないのだ。書類や会議もスピーディにさばかねばならない。
日本感染症学会そのものは大正時代に設立されたが、急速な発展を遂げたのは1990年代に急増したHIV/AIDS対策だろう。それまでは、内科医(の一部)が対応していたのを、都立病院などに設立された「感染病センター」部門が引き受けた。「肺炎は呼吸器内科」「足の壊疽(えそ)は整形外科」「爪白癬(つめはくせん)は皮膚科」と、それぞれの科でバラバラに対応していたのを、「感染症」というくくりで一括対応する専門家が増えていったのだ。学際的な新興分野なので、ベンチャー起業的な苦労(と面白さ)があるのだ。
図表に、現在活躍する有名な感染症専門医の経歴をまとめた。舛添氏や上氏が指摘するように「東大医学部卒」のような王道ピカピカの“エリート医師”はいない。また、他大学を卒業・中退した後に医学部へ進学した医師が目立つ。留学経験者も多い。
近年、SNSやYouTubeで個人が直接発信することは多いが、感染症専門医もその中に含まれる。コロナ禍でZoomによるインタビューやテレビ出演も一般化したこともあり、海外在住医師や感染症病棟勤務中の医師でもメディア出演が可能になった。コロナ禍の前からブログなどでコツコツと感染症情報を発信していたような医師は、学閥や居住地に関係なく各種メディアから声がかかりやすくなった。
ただ、率直に言えば、コロナ禍の今は花形医師として脚光を浴びているものの、AIDSや新型インフルエンザと同じように感染の勢いが小さくなれば、顔や名前を忘れ去られてしまう感染症医も多いだろう。
つまり、感染症医の適性は、感染におびえない平穏な時代にあっても、研究や診療を継続できるような「飽くなき興味・研究スピリット」がある人ということになる。
逆に言えば、「名門私立中高→名門医大」で出世に意欲を燃やすような“白い巨塔”タイプや、自分のクリニックでしっかり稼ぎたいといったタイプよりも、例えば「地方国公立医大出身でコツコツ生物研究に没頭」するような人材が感染症専門医に向いているとも言える。
炎上した舛添氏の「落ちこぼれの人たちが行くところ」発言は明らかに軽率なものだが、彼が伝えたかったのは、「頭はいいのに、自分の好きな事柄や興味のある分野に傾倒するちょっと変わった人」というニュアンスだったのかもしれない。
ここ1年、感染症専門医としてメディアでコロナ解説をしてきた国立国際医療研究センターの忽那賢志(くつな・さとし)氏は、約20年前、医学生の頃から自身のブログで「くつ王」というペンネームで発信していた。現在、政府広報のコロナワクチンCMに出演している。コロナ対策分科会座長の尾身茂氏などと並んで「感染症医のアイドル」的存在の忽那氏が先日、大阪大学大学院医学系研究科感染制御学講座教授に内定した。
その大阪では、2021年4月から感染者数が過去最大を連日更新する第4波のただ中にあり、忽那氏の存在は大変心強い。これまで吉村洋文・大阪府知事の「うがい薬でコロナに勝てる」発言や、松井一郎・大阪市長の「市民に雨ガッパ供出」呼びかけなど、政治家リーダーによる医学的に間違ったトンデモ発言が目立った。
そういえば、2020年春の「第1波」の際、厚生労働省クラスター対策班の中心となり、「人との接触の8割削減」を呼びかけた「8割おじさん」こと、西浦博氏も北海道大学教授から京都大学教授になった。忽那氏と西浦氏が混迷する大阪府の感染症対策における良きアドバイザーとして活躍することを祈念している。
———-
———-
(フリーランス麻酔科医、医学博士 筒井 冨美)

無人なのに機械が動くごみ収集車…男性が挟まれた状態で発見、2時間後死亡

21日午後0時40分頃、鹿児島県奄美市名瀬有屋のごみ焼却施設「名瀬クリーンセンター」で、同市名瀬浦上町、清掃会社員屋原兼太郎さん(40)が、ごみ収集運搬車の機械部分に挟まれた状態で見つかり、救助されたが、搬送先の病院で約2時間後に死亡した。奄美署によると、人がいない状態で機械部分が動く収集運搬車を関係者が見つけ、110番した。同署が原因を調べている。

「SMS認証代行」対策強化=「犯罪の温床」指摘―本人確認すり抜け・警察庁

インターネット上のサービスを利用する際の本人確認手段として活用されている「ショートメッセージサービス(SMS)認証」をめぐり、本人確認をすり抜ける「認証代行」を行う業者が確認されている。特殊詐欺などの犯罪の温床になっているとして、警察庁は22日までに、全国の警察に取り締まりを強化するよう指示した。
SMS認証は、ネットバンクやアプリなどで第三者によるなりすましを防ぐためのセキュリティー強化策「2段階認証」の一つ。利用者はIDとパスワードに加え、登録した携帯電話のSMSに送信された数字などの認証コードを入力してアカウント作成やログインを行う。
しかし、本人確認をすり抜ける手口として「SMS認証代行」と呼ばれるサービスを提供して報酬を得る業者が出現。業者が入手した電話番号や認証コードの通知を受けて入力することで、利用者情報が匿名化されたアカウントが作成される。
匿名アカウントは犯罪に悪用されている。埼玉県警が昨年7~8月に代行業者の男を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕した事件では、IP電話アプリや電子決済アプリで匿名アカウントが作成され、特殊詐欺や不正なポイント取得に使われた。
警察庁が設置したサイバー分野の有識者会議は3月、認証代行が「犯罪のインフラになっている」と指摘。同庁は4月1日、全国の警察に取り締まり強化を指示した。
認証代行を可能にしているのが、格安携帯電話業者が顧客と契約する際の本人確認の甘さだ。代行業者は本人確認が不要なSMS機能付きのデータ通信契約を結び、取得した電話番号を利用者に提供している。
データ通信契約は本人確認を義務付けた携帯電話不正利用防止法の対象外となっている。格安携帯業者の業界団体は1月、警察庁と総務省の要請を受け、自主的な取り組みとして本人確認を実施することを申し合わせた。
[時事通信社]

「水回り出張修理」で高額請求 全国で被害急増、巧妙な手口

《出張費・見積もりは0円》《最短10分でスピード訪問》-。トイレの詰まりといった水回りトラブルの「駆けつけサービス」をうたってインターネット広告を出している業者から法外な工事代金を請求されるトラブルが、全国で相次いでいる。広域で活動しているとみられ、検索で広告が上位に表示されるようサイトの運営会社と結託しているケースも。支援に当たる弁護士らは警戒を呼び掛けている。(村嶋和樹)
即日現金で要求
「『工事をしたら(一定期間なら無条件で契約を解除できる)クーリングオフはできない』といわれた」。今年1月末以降、札幌市周辺で水回り修理などの出張サービスを利用した人から、関係機関にこんな相談が相次いだ。
北海道などによると、相談者はいずれも「トイレ」「詰まり」などのキーワードでネット検索し、上位に表示された「アクアサポート24」という業者に電話。自宅に来て修理を始めた若い男らは「配管の高圧洗浄が必要」「床下の配管を工事する」と追加作業を次々と提案し、完了するとその場で料金を現金で支払うよう要求してきたという。
金額は1件当たり平均30万円超で、中には約70万円を請求された人も。コンビニエンスストアのATM(現金自動預払機)で引き出して支払った人もいた。
道によると、サイトに記載されていた札幌市内の住所は事務所のない「バーチャルオフィス」で、法人登記もされていなかった。契約書に書かれた千葉県内の事業者所在地にクーリングオフの通知を送ってもなしのつぶて。消費生活センターを通じて返金を求めたが、実際に返金されたのは一部のみだった。
事態を重く見た道庁は3月24日、消費生活条例に基づき、クーリングオフを妨害したなどとしてアクアサポート24の業者名を公表。その後、サイトは閉鎖されたが、相談件数は3月末までに48件に上り、被害対策弁護団も結成された。
道消費者安全課は「(アクアサポート24は)契約書の署名などから5~6人の集団とみられるが、もともと道内にいた事業者ではない。同様の手口自体は数年前からあったが、今回は請求金額が法外で、被害も急拡大した」と驚きを隠さない。
兵庫から“遠征”
サイトに格安料金を掲げて集客し数十万円単位の高額請求をする同種の悪質業者による被害は、昨年夏以降、北海道だけでなく愛知県や兵庫県、京都府でも弁護団が結成されるなど、急速に広がっている。
弁護団によると、兵庫に本拠地を置く業者が愛知などに出向いて被害を拡大させた例も確認されるなど、広域に活動しているとみられる。東京都内でも3月末、都内3弁護士会が連携して無料電話相談を実施し、1日だけで37件の相談が寄せられた。
共通するのは、その場で現金払いを要求する点だ。サイトでは「クレジットカード払い可能」としているが、実際には「現金なら料金を割り引く」などと言って巧みに支払わせようとする。支払い後にクーリングオフを求めても「利用者自身が電話で来訪を要請しており、クーリングオフの対象になる訪問販売には当たらない」などと主張するという。
「検索上位」で連携
だが、弁護団によると、業者に電話した段階で作業内容や料金が決まっていなければ、訪問販売に該当する。それでも、業者側は契約書面に「電話で要請された作業内容が変更する場合があると説明を受け、承諾した」などのチェック項目を設けている例もあり、被害者が声を上げにくい状況を巧妙に作り上げている。
さらに弁護団によると、兵庫県内では、水回り修理などの出張サービスの広告を掲載しているサイトの運営会社が、ネット検索でこうした広告を上位に表示されるよう工作。見返りに業者側から報酬を得ているとみられ、裏で連携している構図も浮かぶ。
札幌の被害対策弁護団事務局の稲川貴之弁護士は「サイトの見た目だけでは、悪質業者かどうかは判断できない。その場で現金払いをするなどせず、おかしいと思ったら相談してほしい」と訴えている。

学校側「15歳。危険予知は可能」 半身不随のチア元部員親が涙

「当時15歳であるから、ある程度の危険予見は可能」――。21日名古屋地裁で開かれたチアリーディング部練習中に大けがをしたのは、安全対策が不十分だったなどとして元女子部員(18)が岡崎城西高校(愛知県岡崎市)を運営する学校法人に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論。請求棄却を求めた学校側の主張は、元部員側の責任を追及するものだった。専門家からは、本来、子どもの健康を保証すべき学校側の姿勢に疑問を呈する声も。両親が毎日新聞の取材に応じ「なぜ対策が取られなかったのか。学校側は私たちに向き合って」と涙を浮かべて訴えた。【川瀬慎一朗】
現在、元部員は車椅子で大学に通い、心理学を学ぶ。母親は仕事をやめ、片道1時間、高速道路を使って送迎している。母親は「娘は神経を痛めたため体調を崩しやすく、送った後も毎日心配」と語る。元部員は事故でふさぎ込み、「何もしたくない」と将来を悲観していたころもあったという。今も下肢が動かず感覚がないが、装具をつけて立つ練習をするなど努力を重ねている。
活発だった元部員は小学生の時からチアダンスを始め、アクロバティックな技が加わるチアリーディング部にあこがれた。2018年4月、同部が全国大会の出場経験もある強豪として知られる同校に入学した。
練習はほぼ毎日あり、朝練、昼練、夕練と続く。父親(55)は「帰宅は午後9時を過ぎることもあり、毎日疲れている様子だった」と語る。同部では、当時部員だった姉(19)も事故の数カ月前に脳しんとうで救急搬送されていたという。指導者不在の時間も多く、練習メニューは先輩が作っていた。母親(48)は「先輩が『やるよ』と言えば従わざるを得ない状況だったのだろう」と話す。
学校側はこの日の口頭弁論で「部活の援助は正規の教育課程より副次的にとどまる」「元部員らは必要なら学校に安全対策を求める行動が求められる」と主張。これに対し、学校の事故に詳しい名古屋大の内田良准教授(教育社会学)は「部活は課外活動のため場所や人など制度設計の不十分さが問題だが、それを逆手に取って生徒側の責任を指摘している。学校でやる以上、少なくとも子どもの命や健康の保証はしなくてはならない。(部活強豪校として)散々部活を利用しておきながら、『生徒の自主的活動』ではあまりに無責任ではないか」と話している。

女性教諭「自分の子のように思って」…生徒に「ご褒美」でスマホ・たばこ与える

高知県教委は20日、担任していた男子生徒にたばこやスマートフォンを買い与えるなどしていた特別支援学校の50歳代女性教諭について、教員の責務に反し、公務員として不適切だとして、戒告の懲戒処分にしたと発表した。「自分の子どものように思い込んでしまった」と話しているという。
発表によると、2018年4月に高等部の男子生徒の担任となり、学校行事への参加を嫌がる男子生徒に対し、「がんばったらご褒美をあげる」と伝え、つり用品や財布を贈った。担任を外れた後も翌19年10月頃からは、男子生徒の自宅近くの空き地で待ち合わせをし、菓子やジュースのほか、たばこを数回、買い与えていたという。
また、同年末頃には男子生徒に10万円以上のスマートフォンを与え、使用料も支払っていた。教諭は19年5月頃、男子生徒にSNSの連絡先の交換を求めていることを、校長から口頭で注意されていたという。

「なぜこの時期に?」強行した岸和田だんじり入魂式に地元から困惑の声

◆ノーマスク&密なだんじりがSNSで拡散

4月11日、大阪府岸和田市で「だんじり」の入魂式が行われたことがネットで拡がり、物議を醸している。

入魂式とは新調したり修理した「だんじり」に魂を入れる行事のことで、この日は2年前に破損して修理した「だんじり」に魂を入れ、街中で曳行してお披露目された。その「だんじり」を見ようと集まった人や引き手たちが密になっている様子がSNSを通じて拡散されたのである。

これに対してネットでは「コロナ禍でも決行してくれて嬉しい」や「自粛一辺倒の生活の中、よくやってくれた」という声が上がる一方で「なぜこの時期に?」という批判的な意見も多く見られた。なお、だんじりの本祭は毎年9月に行われているが、昨年は新型コロナウイルスの影響を受け、だんじりの曳行を自粛している。コロナ感染拡大の第3波、第4波といわれる中で入魂式を行ったことに対し、地元の住民はどう思っているのか。現地で声を聞いてみた。

◆これでコロナが増えたら岸和田には誰も来なくなる……

岸和田駅に到着したのは「入魂式」が行われた5日後の夕方、入魂式の影響でさぞ盛り上がっているのでは……と駅前商店街に足を運んでみるも、客足はほとんどなく静まり返っていた。まずは、商店街周辺で話を聞いてみた。

「入魂式では感染対策としてマスクやアルコール除菌ボトルを用意して、だんじりへの声援は自粛するよういわれていました。それでもかなり密になっていたし、だんじりの綱を曳く青年団の中にはマスクをしていない人もいました。見物人も顎マスクで話している人をたくさん見かけましたね。

祭りの総括責任者は毎年順番で決まるのですが、昨年も今年も中止となったら来年以降の参加者が減ってしまうし経済効果も期待してやらざるを得なかったという話を聞きましたね。特に最近は祭に参加する若者が少子化とか、『ケガするから危ない』と親から反対されて減少しているので、何とかしたいという気持ちは分かるのですがね……。

入魂式が行われて、ネットでは一部『よくやってくれた!』なんて称賛の声もありましたが、近隣の私達からしたらたまったものではありません。市内のコロナ感染者は増加していて。入魂式が原因でこれから増えたら、岸和田には誰も来なくなってしまいますよ」

入魂式を決行した英断よりも、その後の風評や感染拡大を気にした住民は少なくないという。特に商店は「岸和田はコロナの街」となれば、近隣からの買い物客は激減する。そのため、「勘弁してほしいわ」が本音だったとも。

◆入魂式の日は客に来てほしくなかった

更に取材を進めると、近隣の飲食店からはこんな声を聞くこともできた。

「この辺はだんじりの曳行ルートなのですが、入魂式付近の日程をあえて避けるように休業している飲食店をわりと見かけました。特に昼カラオケやスナックでは入魂式後1週間までは休業するというところもありましたね。

うちは飲み屋なので時短を守って営業はするけれど、入魂式があった日はなるべく客に来てほしくなかったというのが正直なところです。入魂式は朝からだったのですが、それでもだんじり好きな人は見物に行くんですよね。

昼頃には町会や見物客が大人数で飲みに来たけれど、入店するときに『マスク会食でなるべく会話を控えてほしい』と言ったら帰っていきました。今でも、大人数の客はなるべく来てほしくないので食材を必要最低限しか仕入れないようにしています」

時短営業で、ただでさえ厳しい状況の飲食店。もちろん、本音は客に来てほしい……のだが、この日ばかりは事情が違ったと苦しい胸の内を明かしてくれた。

◆入魂式の日は府外に出張という名の避難

居酒屋にいた男性は今回の報道に対して次のような持論を述べた。

「入魂式は日曜日だったのですが、この辺りが密になることは分かっていたのであえて出張して府外に避難していました。ここ数日で岸和田市内の感染者が増加したこともあり、この周辺は商店街を見ても分かる通り出歩いている人はほとんど見かけません。

今回はたまたま中之濱町の入魂式の様子がフォーカスされてしまいましたが、先月には別の町会がやっていましたし来月にも別の町会の入魂式があるのでまた批判されると思います。でも、大阪の緊急事態宣言解除がなければ入魂式自体も自粛していたと思うんですよね。今回は吉村さんの判断があまりにも甘すぎたのでは……とも思いますね」

地元だからあまり大声では言えないが……と男性は口をつぐむが、想像以上に密になってしまった入魂式に対して地元からも避難の声は多いようだ。伝統を継承することも大切だが、今は非常事態ともとれる時期。なにか他の方法はなかったのだろうか。

<取材・文/日刊SPA!編集部>

ハマグリ1トン密漁し販売 利益120万円か、容疑で2人摘発

茨城県大洗町の大洗サンビーチでハマグリ約1トンを密漁したとして、茨城海上保安部は、いずれもひたちなか市の30代の船員と建設業の男性2人を漁業法違反(無許可漁業)の疑いで摘発した。インターネットのオークションサイトで販売し約120万円の利益を得ていたとみられ、今後水戸地検に書類送検する方針。
同海保によると、2人は2020年5月から21年3月にかけて、大洗サンビーチで知事の許可を受けず、素手でハマグリ約1トンを密漁した疑いが持たれている。船員の男性が「取れたて 大洗産はまぐり」の商品名で、数キロごとに分け100回以上にわたりオークションサイトに出品。落札額は約120万円に上り、売り上げの一部を建設業の男性に渡していたという。
2人は友人同士で、海保の調べに「小遣い稼ぎのためにやった」と密漁を認めているという。漁業法などは、大洗サンビーチでは漁業者として許可を得た人以外、1日に1人あたり1キロを超えるハマグリを採ることを禁じている。【長屋美乃里】

菅首相、「日米首脳会談で政権浮揚」の思惑外れ 支持率は横ばい、コロナ第4波で緊急事態宣言へ

コロナ「第4波」の最中に菅義偉首相が満を持して敢行した訪米と日米首脳会談に対する評価が割れている。 菅首相は「バイデン大統領との個人的な信頼関係を構築するとともに、日米同盟の結束を国際社会に力強く示すことができた」と自賛した。しかし、アメリカが進める対中国戦略に踏み込んだことで「巻き込まれリスク」(閣僚経験者)が生じたことに加え、バイデン大統領が東京五輪・パラリンピックへのアメリカの参加を確約しなかったことなどで不信や不安が広がっている。 ■支持率上向かず、政権運営に黄信号 菅首相は訪米日程の最後にファイザー社のCEOと電話会談し、コロナワクチンの数量追加と前倒し提供の約束を取り付けた。ただ、国内の接種体制は未整備で、日本の対象者のほぼ全員分を9月末までに確保できても、接種完了は2022年春との見方も出ている。 菅首相は当初、大都市圏などにまん延防止等重点措置を適用して感染再拡大に歯止めをかけ、日米首脳会談で外交成果をあげることで政権を浮揚させることを目指していた。しかし、コロナ感染は収束せず、訪米後の世論調査でも支持率は横ばいのままだ。 しかも、菅首相は帰国直後から、感染爆発で医療崩壊に直面する大阪や、感染拡大が止まらない東京などへの対応を迫られ、三度目の緊急事態宣言発令が確実視される。それに伴い、東京五輪開催への環境も一段と厳しくなり、菅首相の政権運営にも黄信号が点滅している。 菅首相は4月15日夜に政府専用機で羽田を出発、16日午後(日本時間)にワシントン入りし、17日未明(同)にホワイトハウスでの日米首脳会談と共同記者会見に臨んだ。帰国は18日午後で、「2泊4日の強行日程」(外務省筋)での初訪米となった。 政府が切望したバイデン大統領との一番手の会談という名誉を獲得。さらに、互いにファーストネームで呼び合う「ヨシ・ジョー」関係を構築したことで、首脳会談後は菅首相も高揚感を隠せなかった。 しかし、会談後の日米共同声明などで、バイデン大統領が推進する対中国包囲網への「日本の参画が明確になった」(外交専門家)ことで、日米関係は新たなステージに踏み込んだ。 その象徴となるのが1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領の首脳会談以来、52年ぶりとなる共同声明での台湾明記だ。「台湾海峡の平和と安定のため」と記し、台湾はすぐさま歓迎、中国は猛反発する談話をそれぞれ発表した。 ■台湾明記で米中対立の最前線に

コロナ「第4波」の最中に菅義偉首相が満を持して敢行した訪米と日米首脳会談に対する評価が割れている。
菅首相は「バイデン大統領との個人的な信頼関係を構築するとともに、日米同盟の結束を国際社会に力強く示すことができた」と自賛した。しかし、アメリカが進める対中国戦略に踏み込んだことで「巻き込まれリスク」(閣僚経験者)が生じたことに加え、バイデン大統領が東京五輪・パラリンピックへのアメリカの参加を確約しなかったことなどで不信や不安が広がっている。
■支持率上向かず、政権運営に黄信号
菅首相は訪米日程の最後にファイザー社のCEOと電話会談し、コロナワクチンの数量追加と前倒し提供の約束を取り付けた。ただ、国内の接種体制は未整備で、日本の対象者のほぼ全員分を9月末までに確保できても、接種完了は2022年春との見方も出ている。
菅首相は当初、大都市圏などにまん延防止等重点措置を適用して感染再拡大に歯止めをかけ、日米首脳会談で外交成果をあげることで政権を浮揚させることを目指していた。しかし、コロナ感染は収束せず、訪米後の世論調査でも支持率は横ばいのままだ。
しかも、菅首相は帰国直後から、感染爆発で医療崩壊に直面する大阪や、感染拡大が止まらない東京などへの対応を迫られ、三度目の緊急事態宣言発令が確実視される。それに伴い、東京五輪開催への環境も一段と厳しくなり、菅首相の政権運営にも黄信号が点滅している。
菅首相は4月15日夜に政府専用機で羽田を出発、16日午後(日本時間)にワシントン入りし、17日未明(同)にホワイトハウスでの日米首脳会談と共同記者会見に臨んだ。帰国は18日午後で、「2泊4日の強行日程」(外務省筋)での初訪米となった。
政府が切望したバイデン大統領との一番手の会談という名誉を獲得。さらに、互いにファーストネームで呼び合う「ヨシ・ジョー」関係を構築したことで、首脳会談後は菅首相も高揚感を隠せなかった。
しかし、会談後の日米共同声明などで、バイデン大統領が推進する対中国包囲網への「日本の参画が明確になった」(外交専門家)ことで、日米関係は新たなステージに踏み込んだ。
その象徴となるのが1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領の首脳会談以来、52年ぶりとなる共同声明での台湾明記だ。「台湾海峡の平和と安定のため」と記し、台湾はすぐさま歓迎、中国は猛反発する談話をそれぞれ発表した。
■台湾明記で米中対立の最前線に

万引き後に同じ商品購入、警察にレシート見せ摘発免れたが…防犯カメラ映像でバレる

神奈川県警三崎署は21日、横須賀市、無職の男(73)を窃盗容疑で逮捕した。万引き後に同じ商品を買い、そのレシートを同署員の職務質問に示して容疑を否認していた。
発表によると、男は昨年1月8日、三浦市初声町入江のショッピングセンターで、ドライブレコーダーなど5点(8500円相当)を盗んだ疑い。
店員が男の不審な動きを察知したが、万引きに気付かれたと思った男が盗んだものと同じ商品を購入。通報で駆けつけた同署員にレシートを示し、摘発を免れていた。購入した商品は持ち出さず、店内に戻したとみられる。
その後、同署は防犯カメラの映像を解析。男が車に商品を積んだ時間とレシートの発行時間が合わないことなどを突き止めた。調べに対し男は「やっていません」と容疑を否認しているという。