東京五輪の海外客、受け入れ断念…国内の観客数は4月中に判断

東京五輪・パラリンピックの観客を巡り、政府と大会組織委員会、東京都は海外一般客の受け入れを見送る方針を固めた。各国で新型コロナウイルスの感染拡大が続いているためで、聖火リレーが始まる今月25日より前に国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)を交えた5者会談を行い、その後、正式表明する。
今月3日の5者会談で、丸川五輪相はIOCのトーマス・バッハ会長とIPCのアンドルー・パーソンズ会長に対し、海外客について「この先の状況を予測することは非常に困難なので、慎重な判断が必要だ」との考えを示した。大会関係者によると、IOCとIPCは日本側の決定を尊重するとの見解を示した。
チケットは、海外ですでに約90万枚が販売されている。観客が来なければ、組織委が見込んでいる約900億円のチケット収入が減る上、世界の人々が交流を深めることも難しくなる。返金の手続きにも多額の経費がかかるとみられる。
しかし、変異したウイルスが世界的に広がっており、大勢の外国人が入国すれば、国内で流行する恐れがある。緊急事態宣言発令直後の1月と比べ、国内の感染者は減少しているが、国民の不安を

払拭
( ふっしょく ) するため、海外客の受け入れ断念に踏み切る。
競技会場に入れる国内の観客数についても、組織委は、プロ野球などを参考に上限を定めるか検討しており、4月中に判断する。

「今後も大地震の可能性」=政府調査委員長「震災終わらず」―東日本大震災10年

政府の地震調査委員会は9日、東北地方太平洋沖地震(マグニチュード=M9.0)から約10年間の評価をまとめた。岩手県沖から千葉県東方沖の余震域では依然として地震回数が多く、地殻変動も続いていると指摘。2月13日には福島県沖でM7.3の地震が起きており、「今後も長期間にわたって余震域や内陸を含む周辺で大きな地震が発生し、強い揺れや高い津波に見舞われる可能性がある」として注意を呼び掛けた。
平田直委員長(東大名誉教授)は文部科学省で記者会見し、「震災はまだまだ終わっておらず、あっという間の10年だった。今と近い状態が少なくとも5年は続く。10年ぐらいは2月のような大地震が起きる可能性がある」と話した。
地震調査委は2019年、日本海溝沿いは国内の他の海溝沿いに比べ、定常的に地震活動が活発であり、大きな地震が高い確率で発生するとの長期評価を公表している。
[時事通信社]

広島市の13人が変異株感染 県内で初確認 新型コロナ

広島市は9日、新型コロナウイルスに感染した13人の検体から変異株が確認されたと発表した。2月中旬~3月上旬に感染が判明した13人で、広島県内での変異株感染者の確認は初めて。
いずれも市や県の検査で見つかり、うち8人分のゲノム解析を国立感染症研究所に依頼したところ7人の検体から英国由来の変異株が確認され、1人は十分な情報が得られなかった。残る5人も解析を依頼中。13人のうち3人は海外への渡航歴があり、市が疫学調査をしている。【山本尚美】

孔子廟の使用料請求へ=那覇市長、最高裁判決受け

那覇市が管理する公園の敷地を儒教の祖を祭る「孔子廟(びょう)」として一般社団法人に無償提供していることを違憲とした最高裁判決を受け、那覇市の城間幹子市長は9日、廟の所有者に使用料を請求する方針を明らかにした。請求額は今後決定するという。
最高裁は2月、市による使用料の全額免除を「宗教的活動に該当する」として違憲と判断した。城間市長は市議会で、「請求することで、政教分離原則違反の解消に向けて取り組んでいく」と述べた。
孔子廟は2013年に完成し、琉球王国時代に中国から渡来した職能集団の子孫らで作る一般社団法人が管理している。
[時事通信社]

要請応じない店への時短命令 小池都知事「手続き進める」

小池百合子都知事は9日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言下で午後8時までの営業時間の短縮要請に応じていない店舗に対し、改正特措法に基づいて時短を命令するための手続きを進めていくことを明らかにした。都議会予算特別委員会で自民党の三宅正彦都議の質問に答えた。
都によると、現地調査などで午後8時以降の営業を確認した飲食店などに対して要請への協力を依頼。それでも要請に応じていない113店舗には改正特措法45条に基づき、より強い要請を出した。しかし、この要請に応じた店舗は一部にとどまっている。
正当な理由なく要請に応じなければ知事の権限で命令を出すことが可能となる。都は今月5日以降、店舗側に理由を聞くための手続きを開始したという。
小池氏は答弁で「度重なる要請に応じずに営業を続ける店舗については命令などの実施に向けて必要な手続きを進めていく。都民、事業者、行政が総力を結集して徹底的に感染をおさえ込んでいくことが肝要だ」と述べた。改正特措法では、命令を拒んだ場合、行政罰の過料を科すことができる。

2019年の愛知県岡崎市での強盗殺人、男に無期懲役判決…「人命軽視は明らか」

2019年に愛知県岡崎市のマンションで住人の河原薫さん(当時49歳)が殺害された事件の裁判員裁判で、名古屋地裁岡崎支部は9日、強盗殺人罪などに問われた同市、無職林淳一被告(42)に求刑通り無期懲役、強盗致死罪などに問われた同市、無職鈴木悠太被告(38)に懲役29年(求刑・無期懲役)の判決を言い渡した。石井寛裁判長は「危険な犯行で、人命を軽視する態度は明らかだ」などと述べた。
判決などによると、両被告は共謀し、19年11月14日、岡崎市内の河原さん方マンションに侵入、刃物のようなもので河原さんの首などを刺して殺害したほか、財布や乗用車などを奪った。
公判で被告側は「強盗について事前の合意はなかった」と共謀を否定したが、判決で石井裁判長は、2人は事前に話し合い、護身用の刃物を持って空き巣目的で侵入して金品を無理やり奪うことで合意していたと認定した。

全日本私立幼稚園連合会で3億超使途不明金 前会長関与か

全国の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」(東京)は9日、平成29~令和元年度の3年間で約3億2千万円に上る使途不明金が生じていたと明らかにした。令和2年度も8千万円超の引き出しがあったといい総額は4億円を超えるとみられる。昨年11月、当時会長で前会長の香川敬(かがわ・けい)氏(69)が会計上の不備の責任を取って会長職を辞任。連合会は香川氏の刑事告訴も視野に、対応を検討するとしている。
連合会によると、同会が災害対策などのために積み立てていた基金が理事会の承認なしに取り崩され、口座から現金が引き出されていた。領収書のないタクシー利用やホテル利用なども確認された。
香川氏はこれまでに1億5千万円を弁済したが、「口座の管理は事務方がやっていた。一円たりとも私的な資金の流用はしていない」などと説明。一方で香川氏は発覚を免れるため、通帳を偽造したことを認めているといい、連合会は「香川氏の弁解は極めて不合理であり、少なくとも私文書偽造罪に該当する違法行為は明らか」などと指摘した。
ホームページなどによると、連合会は昭和59年に設立。会員幼稚園からの会費や寄付金を収入に充てている。

国内感染、新たに1128人=東京290人、前週より増―新型コロナ

国内では9日、新たに1128人の新型コロナウイルス感染が確認された。新規感染者が1000人を超えたのは2日ぶり。1週間前(2日)は888人だった。重症者は前日より1人多い381人で、死者は58人。
東京都では290人の感染が判明。1週間前と比べ58人増えた。年代別では40代が最多の48人で、50代45人、20代44人と続いた。65歳以上は73人。都基準での重症者は前日比7人減の39人だった。
東京と共に緊急事態宣言が続く3県はそれぞれ、埼玉106人、千葉82人、神奈川100人。4都県の合計は578人で、全国の半数超を占めた。
広島市では13人の変異ウイルス感染が判明。うち7人は英国型と確認された。
[時事通信社]

菅氏、中国に「深刻な懸念」=日インド首脳が電話会談

菅義偉首相は9日、インドのモディ首相と電話会談した。菅氏は、中国による東・南シナ海における一方的な現状変更の試みや香港、新疆ウイグル自治区の人権状況などを取り上げ、「深刻な懸念」を表明。両首脳は「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に向け、米国やオーストラリアを加えた4カ国の連携強化で一致した。
日印関係では、安全保障やデジタル化推進を含む経済関係の強化を申し合わせた。両政府間で1月に、外国人の在留資格「特定技能制度」に関する協力覚書に署名したことも歓迎した。
菅氏は北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向けた協力を要請。両首脳はミャンマー情勢をめぐり「重大な懸念」を共有し、連携して対応することを確認した。菅氏とモディ氏の電話協議は昨年9月に続き2回目。
[時事通信社]

NHK経営委員長に森下氏の再任決定 番組介入疑惑を改めて否定

NHKの経営委員会が9日開かれ、委員の互選で関西情報センター会長の森下俊三氏(75)が委員長に再任された。森下氏は委員長代行時代の2018年、かんぽ生命保険の不正販売を報じたNHK番組を巡り、日本郵政グループの抗議に同調して「作り方に問題があった」などと批判。当時のNHK会長への厳重注意を主導し、経営委員の番組介入を禁じる放送法の違反が疑われている。
経営委は、NHKの最高意思決定機関。森下氏は元NTT西日本社長で、15年に経営委員(任期3年)になり、今年3月に3期目に入った。委員長代行を経て、経営委員長には19年12月に就任。NHKの改革や番組のネット展開などを後押しした。9日の経営委では、委員長候補に森下氏ら2人が推薦されたが、1人は辞退し、森下氏を委員12人の全会一致で選んだ。委員長代行には、同志社大教授の村田晃嗣氏(56)が引き続き選ばれた。
森下氏は9日の記者会見で「NHKは、受信料値下げなど21~23年度の中期経営計画の実現に向け、重要な時期だ。重責を認識し、公共放送として一層信頼されるよう努めたい」と語った。かんぽ報道を巡る番組介入の疑いについては「番組に介入した覚えはなく、執行部もそういうことはなかったと言っている」と改めて否定した。
森下氏の委員長続投には、野党やNHK内などから批判が出ている。国会でかんぽ報道問題を追及してきた立憲民主党の奥野総一郎衆院議員は「放送法違反が疑われる番組介入をして会長を厳重注意し、その際の経営委の議事録についても、NHKの情報公開審議委の全面開示の答申にもかかわらず、隠蔽(いんぺい)してきた。続投はありえない」と非難。NHK関係者は「NHKの自主自律をゆがめた森下氏を続投させたことは、経営委全体の見識が問われる」と強調した。【松尾知典】