鉱毒事件だけじゃない―記念館も伝えない「足尾銅山、もう一つの影」 ひっそりと立つ墓標の意味は【戦後80年連載・向き合う負の歴史(15)】

かつて日本一の銅の産出量を誇り、1973年に閉山した栃木県の足尾銅山。排出された鉱毒により、周辺地域に甚大な被害をもたらした日本最初の公害問題で有名だ。 銅山を運営していた古河鉱業(現・古河機械金属)は今年創立150年を迎え、今夏、日光市に「足尾銅山記念館」をオープンする。展示は「足尾の光と影」と銘打ち、公害と、公害を「克服」した技術発展の歴史を強調する。

だが「影」は公害だけではない。太平洋戦争中、銅山では連合軍捕虜や中国人、朝鮮人が強制労働させられた。地元ではどう語られてきたのか、あるいは語られなかったのか。(共同通信=市川太雅、宮脇奈月子)
▽鉱山城下町・足尾

日光東照宮などの世界遺産で知られる栃木県日光市の中心から、車で約30分。長いトンネルを抜けた先、周囲を山に囲まれた小さな集落が、旧足尾町(現日光市)の中心部だ。 足尾町は、明治時代に急速に産出量を伸ばした銅山と共に発展した。銅山や関係産業の労働者、その家族などでにぎわい、人口は1916年に4万人弱のピークを迎えた。 しかし戦後の1973年に閉山してからは、みるみる人口が減り、2025年7月時点で暮らしているのは約1200人だ。
▽「朝鮮人の長屋がずーっと」
足尾銅山付近を案内する元足尾町議の上岡健司さん=2025年6月、栃木県日光市足尾町
戦時中、金属需要の高まりに合わせて増産を目指す中で、労働力として動員されたのが外国人だった。当時植民地だった朝鮮半島の一般人や、交戦国の中国、アメリカ、イギリス、オランダなどの捕虜たちだ。 朝鮮人が住まわされていた地区を案内してくれたのは、元足尾町議会議員の上岡(かみおか)健司さん(92)。「この道の両側に、朝鮮人の長屋がずーっと並んでいたんです」 足尾に生まれ育ち、古河鉱業に勤めた。労働組合活動を理由に解雇され、町議に転じた。 上岡さんによると、朝鮮人にあてがわれたのは、冬に日の当たらない場所や、職場である坑口から遠い地域、製錬所に近く煙のひどい地区など、条件の悪い場所ばかりだったという。
朝鮮人長屋が並んでいた通り=2025年6月、栃木県日光市足尾町
長屋のあった場所は現在、土台の石垣が残るのみで、建物は跡形もない。中国人や欧米人捕虜の収容所があったエリアも、当時の面影を残すものは何一つ見つからなかった。
▽犠牲者は73人
足尾銅山跡地=2021年7月、栃木県日光市足尾町
戦後に厚生省(現・厚生労働省)がまとめた資料を分析した元駒沢大学教授の古庄正氏の研究によると、1940~45年に朝鮮人計2416人が足尾銅山に動員された。うち31人が死亡したと記されている。この死亡率について古庄氏は、ガス爆発があった他県の炭鉱などと比べても、極めて高率だと指摘している。 市民団体「日朝友好栃木県民の会」などによる調査では、足尾町役場や寺院の火葬記録から、労働者の家族も含め全部で73人が犠牲になったと氏名を確認している。
▽中国人慰霊塔
中国人犠牲者を弔う「中国人殉難烈士慰霊塔」=2025年6月、栃木県日光市足尾町
過酷な環境で命を落とした人々を弔おうと、戦後、銅山周辺に慰霊碑を建てる動きが起こった。 「中国人殉難烈士慰霊塔」は、閉山と同じ1973年に完成した。前年に中国との国交が正常化され、友好の機運が高まる中で栃木県が主導した。高さ13メートルの立派な石碑で、裏側に足尾で命を落とした110人の名前が彫られている。
▽風化した墓標
朝鮮人犠牲者を弔う墓標=2025年6月、栃木県日光市足尾町
朝鮮人を追悼するものとしては、銅山の脇に小さな墓標がひっそりと立つ。前述の日朝友好栃木県民の会が中心となってつくったもので、かつて朝鮮人労働者が多く暮らした地区の木立の中にある。 墓標は石を寄せ集めて作った簡素なもの。横に木の板が立てかけてあり、ハングルで「この土地へ刻まれたつらい歴史を忘れないように」と書かれている。板は風化のせいか根元が削れ、文字が消えかかっていた。
根元が削れている、ハングルが書かれた木の板=2025年6月、栃木県日光市足尾町
上岡さんは町議時代、議会の質問で「朝鮮人の慰霊碑も建てるべきだ」と主張したことがある。一時町も動き出したが、地元の土建会社が反対したこともあり、頓挫した。
▽「日本人が何をしたか」
栃木県日光市の足尾銅山跡近くで営まれた朝鮮人73人の追悼式=2025年7月27日
この墓標の前で、戦後80年、植民地「解放」80年となる今年も7月に法要が営まれた。栃木朝鮮初中級学校(小山市)や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)などから約60人が参列。遺骨返還に取り組む韓国の団体関係者も来日して参加した。 主催した県民の会の宇賀神文雄会長(78)は「73人の名前を思い出し、われわれ日本人が朝鮮に何をしたかを反省したい」とあいさつした。 県民の会は1997年、犠牲者73人の名前を記した木製の銘板を墓標に設置していたが、すでに朽ち果てていた。今年の法要で、名前に享年も書き加えたアルミ製の銘板に新調した。
▽「公害克服」強調
足尾銅山記念館
そんな中で2025年8月8日、足尾の中心部に、西洋風建築の大きな施設がオープンする。古河機械金属が建設した「足尾銅山記念館」だ。 創業者で銅山を開発した古河市兵衛の業績や、銅山で使われた掘削機械などを紹介。「足尾の光と影」を掲げて、鉱毒汚染や煙害の拡大に触れつつ、防止技術の開発で公害を「克服」してきた歴史を強調した。 日光市も、人口減が進む足尾で新たな観光スポットになると期待している。
鉱毒被害の克服を強調する「足尾銅山記念館」の展示=2025年4月、栃木県日光市足尾町掛水
記者は4月のメディアへの事前公開で記念館の展示を取材した。だがそこに、強制労働に関する記述は、なかった。 古河機械金属に理由を尋ねたところ、こう回答があった。「記念館は会社が創業した明治から大正時代の歴史を伝える目的で造っているため、昭和期や戦時の内容は対象にならなかった」 約1キロ離れた銅山跡地には、トロッコで坑道に入り見学できる人気施設「足尾銅山観光」もあるが、同様に強制労働への言及はない。 記念館を見学した上岡さんはため息をつく。「都合のいいことしか書いてないね」。古河城下町の足尾では長く、「古河の悪いことは言えない」という空気がまん延していたという。
▽猫が語る足尾
花札をモチーフにした絵が並ぶ個展「猫の足尾銅山―光と闇」=2025年6月、東京・六本木のギャラリー「オオタファインアーツ」
記憶の風化にあらがう人もいる。 なじみのある花札のデザインの中で、愛らしい猫たちが炭鉱や製錬所で働く。銃を持った兵士の猫に、労働者の猫が襲いかかる絵もある。今年5~6月、東京・六本木のギャラリーで開かれた個展「猫の足尾銅山―光と闇」の作品だ。 埼玉県春日部市の美術作家・竹川宣彰さん(47)は、足尾の強制労働の歴史を絵で伝えようと試みた。日本による植民地時代に伝わり、今も韓国で遊ばれている花札「花闘(ファトゥ)」がモチーフだ。「朝鮮人労働者が、仕事の後に遊んだだろう」と選んだ。
個展「猫の足尾銅山―光と闇」にある「慰霊碑」を説明する竹川宣彰さん=2025年6月、東京・六本木
竹川宣彰さんの「猫の足尾銅山花闘『紅葉に青短―足尾暴動』」(2025年、Nobuaki Takekawa.Courtesy of Ota Fine Arts.)
カラフルな絵札の中に、古河のマーク入りのヘルメットをかぶった猫たち。札の字はハングルだ。ギャラリーの中央にある立体作品は、足尾銅山記念館の建物を縮小した形。朝鮮人犠牲者73人の名前を周囲に書き込み、慰霊碑とした。 制作の原動力について、竹川さんは危機感を語る。「産業発展に貢献した『光』の部分が強調され、強制労働の歴史がなかったことにされるのではないか」 猫たちが足尾の闇を代弁していた。
× × × これまでの連載【(1)県が撤去した朝鮮人労働者追悼碑は「加害の歴史」伝えるシンボルだった】【(2)フェミニズムを入り口に慰安婦問題を学ぶ若者たち―東京、5千人学ぶカフェ】【(3)集団自決の傷痕撮る沖縄の写真家「真実伝え、戦争なくしたい」】【(4)うそつき呼ばわりされても、731部隊の「本当のことを語る」―94歳の元少年隊員】【(5)神奈川の人造湖を造った朝鮮人、中国人。碑が傷つけられても地域ぐるみで語り継ぐ】【(6)戦争経験継承は未来に向けた責任、「否定論」は実証積み重ね欠く】【(7)南京大虐殺を武勇伝のように語った元兵士。聞き取った神戸の老華僑が感じたことは】【(8)「歴史修正主義」と批判されるが、自分は極めて誠実な立場だ―当事者証言の検証欠かせない】【(9)ホロコースト否定が犯罪?!ヨーロッパが禁じる歴史修正主義から見る日本】【(10)「強制的に動員」の看板を市が隠した…戦争末期の極秘計画跡地で起きたこと】【(11)東京の政府施設と、長崎の市民資料館。論争となった軍艦島の展示を見比べてみた】【(12)市が立てた強制連行の説明板。19年後、自ら撤去した背景にあったこと】【(13)2万人の犠牲者数は「盛りすぎ」―正しく伝えようとした先人と、その後継者たち】【(14)「日本人にとって美しい歴史」書き換えの背景には、差別がある】

日航機事故の捜査本部を指揮した警察官、ミスの連鎖は「人任せ」で起きた

群馬県警OBの山田俊秀さん(81)(群馬県藤岡市)は、日本航空ジャンボ機墜落事故後に設置され、事故の刑事責任を追及した特別捜査本部の事件総括班長を務めた。事故原因を突き詰めて出てきた答えは、人任せにしないこと。520人の命が絶たれた事故の教訓の一つとして、伝え続けてきた。
現場わからぬまま上野村へ「あるだけの無線機を貸してほしい」

――群馬県警捜査1課特殊事件捜査班長だった時に墜落事故が発生した。
1985年8月12日は月曜で、勤務を終えて帰宅し、くつろぎながらテレビを見ていたら、「日航機が管制レーダーから消えた」というニュースが流れてきました。「まさか群馬へは……」。そう考えていたところに自宅の電話が鳴りました。電話をかけてきたのは、知り合いの警察庁捜査1課特殊事件担当の課長補佐でした。「山ちゃん、日航のジャンボ機が墜落したようだ。関連の情報収集をしてくれ」。そう言われたので、半袖シャツ姿のまま急いで県警本部に向かいました。
約10分後に県警本部に着きましたが、「日航機の消息が途絶えた」という情報しか集まっておらず、緊迫感はありませんでした。群馬県内の各警察署に関連情報の収集を手配し、隣県の長野、埼玉や山梨の県警本部とも連絡を取り合いました。どこが墜落現場かわからないまま、午後8時過ぎ、墜落した可能性があるとみられた長野県境の上野村に向けて部下と2人で出発しました。
群馬県警本部のある前橋市から上野村までは、車で1時間半くらいかかります。移動中はラジオニュースを聞きながら、航空機事故についての捜査教本である「航空機事故事件捜査要領」を読んでいました。
上野村役場に到着すると、当直とみられる職員が2人いたので、「実は日航ジャンボ機が墜落した。上野村管内かもしれない。後続部隊が来るので、あるだけの無線機を貸してほしい」と伝えました。職員は驚いた様子でしたけれど、18機の無線機を借りることができました。すぐに、村の消防団や猟友会などとも連携しましたが、夜のうちに現場は特定できませんでした。
約5時間かけてたどりついた現場「地獄絵図のような光景」

――8月13日午前5時37分、長野県警ヘリ「やまびこ」の部隊が墜落現場の確認をした。
「高天原山の北東2キロ。県境の東方0・7キロ地点で日航ジャンボ機と思われる機体を発見」と連絡がありました。地図で該当する場所を確認し、県境の尾根を流れるスゲノ沢沿いを進むことを決めました。群馬県外からの応援部隊を含めた総括検証班長を任され、数十人で先発しました。
雷雨にも見舞われる中、谷間の崖を下りては上るなどして約5時間歩き続けると、斜面に水平尾翼が見えてきました。さらに進んだ先で遺体の一部も次々と見つかり、一帯はまさに地獄絵図のような光景でした。生存者の捜索を行い、切断などがない十数人を近くの木陰に移しましたが、すでに亡くなっていました。
できるだけ早く遺体を遺族に引き渡すため、下山せず尾根に野営し、一帯にある遺体の部位一つ一つの特徴と位置情報を記録し続けました。現場は傾斜度が最大45度の尾根です。足元の石が崩れれば、「落石!」と大声で叫んで注意し合い、木や岩に身を潜めて防ぎました。
8月とはいえ、夜間の気温が5~6度に冷え込む中、斜面を平らにならしたところにテントを張り、5畳足らずのスペースに、十数人が重なり合って横になりました。寒くて一晩中、枯れ枝を燃やしている隊員もいました。
日米にまたがる捜査、なぜミスに気づけなかったのか

――群馬県警は8月13日に特別捜査本部を設置し、墜落事故の刑事責任追及に向けた捜査を開始。9月2日には捜査員50人からなる専従体制が組まれ、山田さんは事件総括班長に就いた。
飛行機の飛び方といった基本的な部分の裏付けも含めて、捜査は多岐にわたることが想定されました。航空機事故の捜査は法体系が難しい上に、検査や整備マニュアルは英語で書かれた特殊用語や略語が多かったです。捜査は数年かかると考え、ピラミッドを造るように一つ一つの石を土台から間違えずに積み上げていくしかないという覚悟で臨みました。
まずは、航空工学などの文献を取り寄せたり、大学教授ら専門家から学んだりして、捜査員全員の専門性を高めるところから始めました。雷や鳥、空中衝突、人為的空爆など事故とは無関係だと考えられる要因についても、可能性を否定する「消極捜査」も進めました。
捜査の結果、墜落した事故機が1978年に大阪空港で起こした「尻もち事故」後に行われた修理で、圧力隔壁に修理ミスがあり、その修理部分に疲労亀裂が生じ破壊されたことが事故原因と結論付けました。
この修理ミスは誰も気付けなかったのか――。関係者の刑事責任を追及する捜査では、修理後の「領収検査」に着目しました。領収検査は簡易なメモを基に行われていて、検査のずさんさについては、複数の日航関係者も認めていきました。
修理ミスをした機体メーカー・米ボーイング社の関係者を聴取するため、警察庁の捜査員とともに渡米もしました。2週間ほど滞在し、国務省や司法省、連邦捜査局、国家運輸安全委員会などを訪れて協力を求めましたが、「本人たちが調査に応じたくないと言っている」とした上で、連邦法に業務上過失致死傷罪を問う規定がないことからも「国から強制的に応じさせることはできない」と言われました。聴取がかなわず、帰国するのは無念でした。
31人全員不起訴、こみあげる無念

――県警は事故発生から3年4か月後の88年12月、修理したボ社、日航、運輸省(当時)の関係者20人を書類送検。ただ、前橋地検は89年11月、遺族会「8・12連絡会」が刑事告訴した関係者も含めて計31人全員を不起訴とし、90年に公訴時効が成立した。
尾根で無残な遺体の対応にあたり、群馬県藤岡市の遺体安置所では泣き崩れる遺族の姿も見ていました。犠牲者や遺族の無念を痛感していた分、不起訴となることを聞いた時は遺族に対する申し訳なさがこみ上げました。前橋検察審査会は一部のボ社、日航関係者を「不起訴不当」としましたが、同地検は再び不起訴にしました。
飛行機は本来、何重にも安全がチェックされて飛ぶはずのものです。「ボーイング社を信頼した」などと責任逃れを繰り返す日航関係者もいて、その体質こそが、事故原因につながったと個人的には考えました。
ただ、こうした“人任せ”は日航に限らず、どこの組織でも起き得ます。一つ一つの仕事を、自分が主体的に取り組んで見届ける。当たり前の「責任」を果たしていく重要性を、講演会などで訴え続けてきました。
世の中は技術革新で自動化が進み、仕事にあたる一人ひとりの姿が見えづらくなっています。そんな今こそ、日航機事故の教訓を改めて受け止め、それぞれが取り組んでいる仕事の責任について、考えていく必要があると思います。(聞き手・石原宗明)
やまだ・としひで 1944年生まれ。67年に群馬県警に入り、刑事畑を歩む。85年4月に捜査1課特殊事件捜査班長となり、日航機墜落事故の事件総括班長を務めた。その後富岡署長などを歴任し、2005年に退職した。
「自衛隊が関与」偽情報と戦う

「自衛隊が墜落に関与したのでは」――。日航機の墜落原因を巡っては、発生後から根拠のない臆測が飛び交っていた。群馬県警は、こうした「偽情報」を打ち消す捜査も行っていた。
爆発物関係の捜査では、生存者4人が事故発生時に着ていたブラウスやワンピースなどのほか、後部圧力隔壁の付着物、相模湾から回収された垂直尾翼の機体片など計約160点の鑑定を行った。その結果、すべての証拠品で火薬・爆発成分は検出されず、ミサイルなどが機体に当たっていなかったことを裏付けた。
また、「自衛隊の標的機が衝突した」と本などで取り上げられるきっかけとなった、墜落現場にあったオレンジ色の機体片については、墜落した際に機体の日の丸の朱色がこすれて変色したものと特定。その上で、防衛庁(当時)や米軍横田基地に事故当日の訓練状況などの照会をかけ、自衛隊機や米軍機が衝突した可能性がないことを確認していた。

バイクに追突した女…通行人装い「女性倒れている」と通報し逃走 ひき逃げ疑いで逮捕「気づいていないと思って立ち去った」大阪・枚方市

10日朝、大阪府枚方市の国道でバイクに乗った女性をひき逃げし、重傷を負わせたとして31歳の看護師の女が逮捕されました。
ひき逃げと過失運転傷害の疑いで逮捕されたのは、京都府城陽市の看護師・辻光容疑者(31)です。
警察によりますと、辻容疑者は10日午前8時ごろ、枚方市茄子作南町の国道1号で軽乗用車を運転中、67歳女性が運転のバイクに追突し、右手首の骨を折る重傷を負わせ逃走した疑いがもたれています。
追突後、辻容疑者は、通行人を装って「路上で女性が倒れている」とバイクが単独事故を起こしたと消防に通報し、現場から立ち去っていました。
その後、帰宅した辻容疑者は、親族に「ひき逃げ事件」を起こしたことを申告、その後、親族が警察へ連絡し出頭したということです。
警察の取り調べに対し、辻容疑者は容疑を認めたうえで、「女性が追突されたことに気づいていないと思って立ち去った」との趣旨の供述をしているということです。
警察は、事件の状況を詳しく調べています。

熊本で「経験したことのない記録的大雨」 わずか6日間でひと月の3倍量の雨も

熊本県では、これまで経験したことのないような記録的な大雨となっていて、7つの市と町に大雨特別警報が出されています。熊本県甲佐町から中継でお伝えします。
こちらに大雨特別警報は出ていませんが、記録的な大雨に見舞われました。中心市街地の国道443号では用水路の水があふれ、川のように波立っていたといいます。
周辺の住宅では浸水被害も発生していて、住民のみなさんは「かつてないほどの雨で怖かった」「恐怖を感じた」と話しています。
甲佐町豊内では車1台が土砂崩れに巻き込まれ、1人が行方不明となっています。
6日の降り始めからの甲佐の雨量は681.5ミリで、降り始めからの雨量が県内で最も多くなっています。平年の8月1か月に降る雨の量のおよそ3倍の量が、わずか6日間で降ったことになります。
熊本県内では、これまでに経験したことのないような大雨となっていて、2人が行方不明となるなど、いたるところで深刻な被害が発生しています。
熊本県内では、このあと昼過ぎにかけて再び線状降水帯が発生する恐れがあります。命を守るための最大限の警戒をしてください。

「立ち往生した車も」熊本でマンション駐車場が冠水 九州北部で大雨

九州北部で線状降水帯が相次いで発生し、熊本市内でも10日夜~11日午前、雨の影響で道路の冠水や車の水没などが相次いだ。
熊本市西区では11日未明、マンションの駐車場が冠水し車が水没している様子が確認された。撮影した近くに住む会社員の男性(40)によると、10日午後11時ごろに市中心部から車で帰る際、道路は冠水していたといい、「タイヤまで水につかりながら帰宅した。ワイパーが効かないレベルの雨量だった。自宅周辺には立ち往生した車もある。被害が広がらなければいいが」と話した。【平川昌範】

【天気予報】東海地方は あす8月12日にかけて大雨に注意(1時間ごとの雨の予想) 14日(木)以降暑さ戻り熱中症に注意(11日午前11時45分現在)

東海地方はあす8月12日にかけて大雨になり、土砂災害や河川の増水などに注意が必要です。
正午前の岐阜県高山市は弱い雨ですが、これまでに、高山市など岐阜県山間部は、断続的に激しい雨が降り、大雨になっています。先ほど、岐阜県内に出されていた、大雨警報は解除されましたが、引き続き土砂災害などに、注意が必要です。
名古屋市内の様子です。名古屋市内も雨が降ったりやんだりしています。東海地方は、午後も断続的に雨が降り、愛知県や岐阜県の山間部を中心に、大雨になるでしょう。
予想最高気温は、名古屋で29度などと各地で30度以下ですが、梅雨が戻ったかのように、ムシムシじめじめしそうです。
雨の予想です。この後も、断続的に、活発な雨雲がかかり、激しい雨が降るでしょう。落雷にもお気を付けください。雨はあす12日明け方までがピークで、局地的には、道路が川のようになるほど非常に激しい雨の降る所がある見込みです。
週間予報です。東海地方は、あすまで雨が降るでしょう。引き続き土砂災害や河川の増水などに、注意してください。14日木曜以降は、次第に晴れ間が戻りますが、暑さも戻りそうです。お盆期間中は、熱中症にもお気を付けください。

紀子さまと佳子さま、広島の平和記念公園で供花…原爆養護ホームでは「お体をお大事になさってください」と入園者を気遣われる

秋篠宮妃紀子さまと次女の佳子さまは11日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に供花された。お二人は雨の中、傘をさし合いながらそれぞれ深々と一礼し、供花台に花束を手向けられた。その後、公園内にある「原爆の子の像」や像のそばにある折り鶴の展示ブースを見て回られた。
続いて、同区の原爆養護ホーム「舟入むつみ園」を訪れ、入園者約40人と懇談された。お二人は入園者が作った折り紙を手に取って交流し、「暑い日が続いているので、お体をお大事になさってください」と体調を気遣われていた。

【速報】11日に開催予定だった「保津川花火大会」中止が決定 河川増水で花火筒の設置場所が浸水

8月11日夜に京都府亀岡市で開催される予定だった、「京都・保津川花火大会」の中止が決まりました。
京都・保津川花火大会は8月11日の午後7時半から、亀岡市で開催される予定でしたが、11日午前に中止が決定されました。
実行委員会は中止の理由について、「河川の増水により、花火筒の設置場所が浸水したため」としていて、「延期ではない(=別日での開催はない)」としています。
実行委員会は、観覧チケットの返金対応を行うとしていて、「紙チケットや購入時のレシートを捨てないでください」と呼びかけています。
大会では、1万3千発の花火の打ち上げや、500機のドローンによるショーなどが予定されていました。

【大雨情報】全国的に大雨なぜ「雨はいつまで?」熊本県の大雨特別警報は警報に【雨のシミュレーション11日(月祝)~14日(木)】「大雨に関する情報」気象庁発表を詳細に

まるで梅雨末期 九州で記録的大雨
前線が黄海付近から西日本の日本海側を通って日本の東へのびており、前線上の低気圧が日本海を東北東に進んでいます。前線は、12日(火)にかけて西日本の日本海側から東北地方に停滞するでしょう。11日(月祝)は九州を中心に大雨が降り、特に熊本県では大雨特別警報が発表され(午後4時前に警報に切り替え)、これまでに経験したことのないような大雨となっています。11日(月祝)~14日(木)《雨シミュレーション》、《大雨・洪水警報の可能性がある地域》を、画像で掲載しています。
梅雨明けもしたのに 台風でもないのに なぜ大雨
大雨の原因は、前線に流れ込む湿った空気に加え、「前線上の低気圧に向かって湿った風が集まってしまい、そのため、低気圧周辺で活発な雨雲が次々と発生」するからです。前線が停滞し、その前線上を低気圧が移動していくことにより、全国的に大雨の予想となっています。(他に地形的な要因も考えられます)
[雨の予想]
北日本から西日本では、雷を伴い非常に激しい雨や猛烈な雨が降り、大雨となる所があるでしょう。
11日(祝)18時~12日(火)18時に予想される24時間降水量は多い所で
東北地方 80ミリ
関東甲信地方 150ミリ
北陸地方 150ミリ
東海地方 200ミリ
近畿地方 100ミリ
中国地方 100ミリ
四国地方 120ミリ
九州北部地方 200ミリ
12日(火)18時~13日(水)18時に予想される24時間降水量は多い所で
北陸地方 100ミリ
線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。
線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間は、次のとおりです【長崎県】11日(祝)夜遅くから12日(火)朝にかけて
【地図で確認】大雨警報・洪水警報の可能性がある地域は?
梅雨明け後の8月に、台風が原因でない雨で、警報級の可能性【高】が多く県で予想されているのは珍しいと思います。
大雨警報・洪水警報だけでなく「土砂災害警戒情報」「記録的短時間大雨情報」「顕著な大雨に関する情報」が発表される可能性があります。今後発表する防災気象情報に留意してください。地元自治体が発表する避難情報などもこまめにチェックしておきましょう。
雨のシミュレーション11日(月祝)~14日(木)
活発な雨雲が多くの地点で予想されています。お盆休みの里帰りなどの交通機関への影響や、車の運転に気を付けてください。画像で確認できます。

「夫が穴に足を突っ込んでけが」公園の遊歩道が深さ1.5メートル陥没 散歩中の男性が転倒しけが 神戸市などが原因を調べる方針

10日夕方、神戸市長田区の公園で遊歩道が陥没し、散歩中の男性がけがをしました。
10日午後5時ごろ、長田区の大丸山公園の遊歩道で「夫が穴に足を突っ込んでけがをした」と警察に通報がありました。
警察によりますと、40代の男性が散歩中に地面が陥没して転倒し、右足のひざや左足のすねに擦り傷を負ったということです。
神戸市によりますと、穴の大きさは直径約30センチ、深さ約1.5メートルで、遊歩道は砂利を固めて舗装されていました。
穴は人為的に掘られたものではないとみられ、市などが陥没の原因を調べる方針です。