26日、佐賀県伊万里市の住宅で親子が切りつけられた強盗殺人事件についてです。警察は27日夜遅く、ベトナム国籍の男を逮捕しました。伊万里警察署から中継です。山本さん。
■山本竜誠記者
はい。捜査本部が設置されている伊万里警察署前です。警察は、28日午前2時から会見を開き、事件があった住宅近くに住む、ベトナム国籍の技能実習生、ダム・ズイ・カン容疑者(24)を住居侵入と強盗殺人の疑いで逮捕したと発表しました。
事件が起きたのは、26日午後でした。
■平山翼記者
「こちら、現場の佐賀県伊万里市の閑静な住宅街です。規制線が張られていて中に入ることはできません。」
警察によりますと、ダム容疑者は26日午後4時20分ごろ、佐賀県伊万里市東山代町の住宅に押し入り、住人の日本語講師の椋本舞子さん(40)をナイフで脅して1万1000円を奪った上、抵抗されるとナイフで切りつけて逃走した疑いが持たれています。
椋本さんは血を流して玄関に倒れていて、現場で死亡が確認されました。同居する70代の母親も首などを切られて近所に逃げ込みました。入院中ですが、命に別条はないということです。
■町内放送
「強盗殺人事件が発生しました。 犯人は刃物を持ったまま逃走中です。」
そして、事件から一夜明けた27日。警察は、死亡した椋本さんの司法解剖を行い、死因は首を刺されたことによる失血死だったと発表しました。首のほか、腹などにも複数の刺し傷や切り傷があり、警察は強い殺意があったとみています。
■近くに住む人
「子どもが多いので心配。早く捕まってほしい。」
「なんでこういう所で事件が起きたかなって、夜もろくに眠れない。」
警察は強盗殺人事件として外国人風の男の行方を追ってましたが、27日夜遅く、ダム容疑者を逮捕しました。
住居侵入と強盗殺人の疑いで逮捕されたのは、現場近くに住む、ベトナム国籍の技能実習生で、食品加工作業員のダム・ズイ・カン容疑者(24)です。
日本語はかたこと程度で、警察の調べに対し通訳を介して「何も話したくありません」と話し、容疑を否認しています。
警察によりますと、ダム容疑者が住む寮の一室からは、事件に使われたとみられる刃渡りおよそ13.5センチの血のついたナイフが押収されています。
また、事件現場となった住宅のインターホンにはダム容疑者とみられるマスクをした男が映っていたということです。
警察は、母親への強盗殺人未遂容疑も視野に、動機などについて詳しく調べる方針です。
また、母親は面識がない男だったとしていました。
事件当時、インターホンが鳴ったため、母親がドアを開けたところ、容疑者がナイフを出し脅したということです。亡くなった娘の椋本舞子さんが、1万円札を渡し、さらに1000円を渡したあと、切りつけられたということです。その間、どのようなやりとりがあったかは分かっていません。
部屋は荒らされた跡があったということです。なくなっているものがあるかは分かっていません。
事件後のダム容疑者の足取りは分かっておらず、今後、調べるとしています。
警察は、ダム容疑者が単独で事件を起こしたとみています。
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《東京女子医大事件の闇》学内有志に届いた「ハラスメントに近い感情的な文章」とは? 前理事長の放漫経営を批判してきた教授を〈無責任〉と決めつけ…
2億8000万円にのぼる背任容疑で、岩本絹子元理事長が逮捕・起訴された東京女子医科大学で新たな問題が発覚した。理事の一人で、木下グループ社長の木下直哉氏が、大学改革の必要性を訴えてきた“七人衆”と呼ばれるドクターの一人に圧力をかける封書を送っていたという。 ノンフィクション作家・森功氏のレポート を一部紹介する。
◆◆◆
配達証明付きの封書が……
木下は自らを警戒する七人衆の動きを察知したのだろうか、この間、彼らの行動を封じ込めようとしたように見える。七人衆の1人、消化器肝胆膵外科教授の本田五郎に尋ねた。
「僕たちが何人かの教授にメールを送ったことがありました。そのあと教授たちに木下グループの秘書から『東京女子医科大学病院 有志代表と至誠会の現状から女子医大を守る件について』というメールが届いた。木下さんが教授たちに木下さんとの面談を求め、それを送り付けたのです。しかし個人情報である教授のメルアドを外部に漏らすのは、明らかなコンプライアンス違反ではないでしょうか。そこには秘書が学長室から聞いたと書いてありました。で、『このメールは理事会の意見ですか』と理事会に質問したのですが、理事会では把握していないと返事がきました」
すると、ほどなく木下本人から本田へ配達証明付きの封書が届いた。
〈貴殿らは「有志一同」などと称しておられますが、その実態は、本学のことなど何も考えておらず、揚げ足取りのような批判を繰り返すだけの無責任な集団にすぎない〉(24年7月3日付)
本田はこれを「ハラスメントに近い感情的な文章」だと断じる。七人衆は関係者の署名集めだけでなく、7月2日に文科省を訪れ、岩本問題を直訴した。文科省が理事会に対して適切な指導をおこなうよう要請したのだ。
岩本理事長の捨て台詞
そしてその頃になると、第三者委員会にも変化があったという。心臓血管外科教授の新浪博が述懐する。
「6月28日から7月8日までの回答期限で、第三者委員会の2回目のアンケートがありました。それは1回目とは随分ニュアンスが変わり、われわれの意見に近い内容になっていました。なぜこんなにスタンスが変わったのか、と不思議でしたが、職員たちには『今度のアンケートには答えたほうがいい』と伝えました」
たとえば2回目のアンケートの設問3は〈岩本理事長や経営統括部に権限と情報が集中しすぎていて、ブラックボックス化しているように見える〉と記している。1615人の回答数のうち、〈強く思う〉が923人おり、〈ある程度そう思う〉の393人を足すと、81.5%の職員が岩本体制に懐疑的になっている。
《 この続き では、岩本氏が解任された以降の内幕が明かされています》
※本記事の全文(約1万1000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年8月号に掲載されています(森功「 東京女子医大の黒幕は誰だ 」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
「七人衆」が抱いた危機感
2000人超の署名
当初は“岩本親衛隊”だった
「捜査は岩本氏まで届かない」
「官邸の守護神」の関与
料亭「金田中」で2人きり
「新浪先生は勘違いしている」
諮問委員会を立ち上げたワケ
理事長選びで揉めた
学長交代は「納得いかない」
独裁者なき後に
(森 功/文藝春秋 2025年8月号)
「手にしていた洗面器を蹴りつけ…」入浴中の妻を溺死、就寝中の子供に馬乗りに…一家4人を殺害した中国人留学生の“鬼畜な犯行”
〈 「枕に顔を押しつけたが…」子ども部屋の兄妹を締め付け殺害、両親も手錠で結束し海に遺棄…元死刑囚の中国人留学生が犯行に至った経緯 〉から続く
2003年6月20日、福岡県福岡市の民家で幼い子ども2人を含む親子4人が殺され、全員の遺体(うち1人は遺棄時に死亡)が博多港に遺棄されるという、凄惨な事件が発生した。
この「福岡一家4人殺人事件」は、福岡県にある大学や専門学校に通う3人の中国人留学生による犯行だとして、同年のうちに逃亡先の中国で2人、逃亡直前の日本で1人が逮捕された。
◆◆◆
2004年3月23日に福岡地裁で開かれた、中国人の元専門学校生・魏巍(ウェイ・ウェイ=逮捕時21)を被告人とする、「福岡一家4人殺人事件」の初公判。検察側による冒頭陳述は、〈共謀状況等〉に続いて、〈犯行準備状況等〉について明かしていく(以下、〈 〉内は同陳述より)。
海中を死体遺棄場所とした
〈(1)被告人(魏)、王亮(ワン・リァン=逮捕時22)及び楊寧(ヤン・ニン=同23)は、(※一家4人が被害に遭った)A(当時41)方の近くに赴いて同人方を下見した上、翌(03年)6月17日ころ、死体を埋める場所を探すため、福岡市城南区方面の山を下見するなどしたが、道に迷うなどした上、被害者方家族全員分の死体を埋める穴を掘るのが大変であると考えたことなどから、死体を山に埋めるのを断念し、重りを付けて海中に投棄することに方針を変更し、同日ころ、福岡市東区箱崎ふ頭を自転車で下見し、同所の海中を死体遺棄場所とすることに決めた。また、被告人ら3名は、同日ころ、A方のベンツの処分方法や死体に付ける重り等について相談し、ベンツは死体から遠く離れた場所に放置すること、死体に付ける重りには、ダンベルを使用することなどを決めた。〉
このくだりにおいて、当初は犯人たちが、最初から被害者を殺害し、遺体を遺棄するつもりであり、その場所として山中を考えていたことがわかった。さらには、海中への遺棄に変更されたことで、ダンベルの使用が提案されており、結果としてそれらを購入した際の防犯カメラ映像によって王が割り出され、事件の解明に繋がったという点も興味深い。そのため〈犯行準備状況等〉の(3)には、以下のようにある。
〈(3)王亮は、死体を海中に沈めるために付ける重りとして、かねて準備していた手錠2個だけでは足りないことから、6月18日、福岡市東区内の量販店において、手錠2個及び重量5キログラムのダンベル2個を組み立てられるダンベルセット2セットを購入した。そして、同日、被告人が、王亮方において、各ダンベルセットについて、すべての重りを1本の心棒に取り付けて、重さ約9.5キログラムのダンベル合計2個を組み立てた。〉
白色コードを切断して、手錠の鎖を補強した
冒頭陳述では、さらに次のように補足されている。
〈(4)被告人は、上記ダンベルのみでは不足すると考え、同月19日午後、恋人であるT(原文実名)と同棲中の博多区内のマンションから、5階通路の扉止めとして使用されていた重さ30.45キログラムの箱型鉄製重り1個を持ち出し、事情を知らない友人の中国人に手伝わせ、自転車及びバスを利用して、これを王亮方に運搬した。〉
また魏ら3人は、事前に準備した手錠の鎖が脆いことにも気づいたようで、魏が王の部屋にあった、携帯電話充電器の黒色コードや電気の白色コードを切断して、手錠の鎖を補強したとある。なお、彼らは6月16日から19日までの間に、数回にわたってAさん方への下見をしていたようだ。
帰宅する家人を待ち伏せ
ここでいよいよ冒頭陳述は、“本件”であるAさん一家4人殺人事件の〈犯行状況等〉となる。事件の概要については、すでに魏の起訴状で取り上げているが、こちらではさらに詳細な犯行内容が語られた(※一部の固有名詞について表記を変更)。
〈1 侵入状況
6月19日午後11時半ころ、王亮は、一人でA方の下見に赴いたところ、駐車スペースにベンツがなかったことから、犯行の好機であると考え、急いで帰宅してその旨を被告人及び楊寧に知らせ、被告人、王亮及び楊寧の3名は、ベンツに乗って帰宅する家人を待ち受けて犯行を決行することに決め、手錠4個、透明粘着テープ2個、ナイフ1丁、モデルガン1丁、手袋3双を準備して徒歩でA方へ向かった。〉
つまり、同家に大人の男であるAさんがいる状況で忍び込むよりも、帰ってくるのを待ち伏せた方がいいという判断だったということだ。さらに〈侵入状況〉は続く。
就寝中の子供達のうち一人を生かして人質に
〈被告人、王亮及び楊寧の3名は、同月20日午前零時過ぎころ、A方に到着し、その周囲を見て回ったところ、被告人は、A方1階仏間のサッシ窓が全開で、網戸になっているのを発見したので、その場で楊寧と話し合い、ベンツに乗った家人の帰宅を待つことなく、あらかじめ屋内に侵入して、屋内にいる家人を制圧し、その上で、ベンツで帰宅すると思われる家人を脅して、キャッシュカードの暗証番号を聞き出して預貯金を引き出し、金員を手に入れることに計画を変更した。
そして、直ちに、被告人、王亮、楊寧の順に道路に面したブロック塀を乗り越えて、A方敷地内に侵入し、前記窓から、土足のまま室内に侵入したが、Aは外出中であり、屋内では、B(Aさんの妻=当時40)が1階におり、C(長男=同11)とD(長女=同8)は、2階の子供部屋で就寝中であった。〉
このとき、Bさんは風呂に入っていた。そこで3人は、躊躇なく彼女の殺害に及んでいる。〈Bの殺害状況〉では次のように明かす。
〈被告人、王亮及び楊寧の3名は、分担して、A方屋内の様子を見て回り、2階子供部屋の2段ベッド上段でDが、下段でCが就寝中であることを確認するとともに、水音等から、大人の家人が1階の浴室にいると知った。
そこで、被告人、王亮及び楊寧の3名は、最終的には家族全員を皆殺しにする計画であり、2階で就寝中の子供達のうち一人を生かして人質にし、ベンツで帰宅するであろう家人を脅してキャッシュカードの暗証番号を聞き出せば目的を達し得ると考え、王亮に子供達を見張らせ、被告人及び楊寧が浴室内に侵入し、家人を殺害することに決めた。〉
つまり、カネを奪う対象はAさんのみであり、その他の家族のうち、Aさんを脅すための人質以外は殺害しておく、との取り決めがあったということだろう。
Bさんを浴槽内に押し倒し、右手首を押さえ付け
〈被告人と楊寧は、現場に毛髪を遺留すると自分達の犯行と分かってしまうことを恐れ、1階廊下の帽子掛けに掛けられていた毛糸の帽子等をそれぞれ被った。
そして、同日午前零時15分ころ、被告人は、洗面所から浴室に通じる開き戸を開け、人の気配に驚いて振り向いて悲鳴をあげたBに対し、いきなり手にしていた洗面器を蹴りつけ、被告人、楊寧の順に間髪を入れず浴室内に飛び込み、二人がかりでBを浴槽内に押し倒し、浴槽内の湯の中に仰向けに倒れたBの右手首を押さえ付け、他方、楊寧は、浴槽の湯の中に入り、同女の左手や足を押さえ付けるなどして、同女を約10分間にわたり浴槽の湯の中に押し込み、同女を殺害する犯行に及んだ。
被告人及び楊寧の両名は、Bが蘇生することを恐れ、確実に溺死するように、うつ伏せにし、後ろ手にした同女の両手首に準備していた手錠の一つをかけた。〉
被告人と王亮の2人で、Cくんを殺害
こうして第一の殺人が実行された。その様子からは、初めての殺人であるが、躊躇があるようには感じられない。
〈Cの殺害状況
被告人及び楊寧は、Bを殺害した後、台所及び居間に赴き、居間のカバン掛けにかかっていたバッグ類の中の金品を物色し、Bの財布から現金約1万5000円及びキャッシュカード数枚を抜き取ってこれらを奪った後、直ちに2階に上がり、王亮に、Bの殺害を伝えた。そして、被告人、王亮及び楊寧の3名は、今後の措置を相談し、Cを殺害し、Dを生かしておいて、ベンツで帰宅する家人を脅迫するための人質として使うこととし、Cの殺害は、被告人と王亮の二人で実行することにした。〉
3人は、11歳の息子よりも8歳の娘の方が人質にしやすいと考えたのだろう。なお、Cくん殺害が、なぜ魏と王の2人に決まったのかについては、ここで触れられていない。
Cくんの遺体から大量の白色微細泡沫が…
〈被告人ら3名は、同日午前零時30分ころ、子供部屋に入り、2段ベッドの下段で仰向けに就寝中のCに対し、被告人が、ベッド上段に置かれていた枕を両手に持って、同児の顔面に強く押し付け、王亮が、同時に馬乗りになる姿勢で、その手足を押さえ付けるなどして、同児を窒息死させようとしたものの、息苦しくて抵抗する同児に対し、馬乗りになっていた王亮が右手で、同児の前頸部をつかんで絞め付ける一方、被告人は、枕で顔面を押さえ付ける役割を楊寧と交替し、その後、王亮と楊寧が、犯行を継続し、同児を殺害する犯行に及んだ。〉
じつは遺棄されたCくんの遺体が海中から引き揚げられた直後、彼の鼻からは、大量の白色微細泡沫(白く細かい泡)が出ていた。これは溺死の際によく見られることである。ただ、その一方で、彼の首には手で絞められた痕も残っており、さらには絞頸の際に見られる顔面のうっ血、左右眼瞼・眼球結膜の多数の溢血斑(毛細血管の破綻による小出血=「溢血点」の、やや大きなもの)、口腔粘膜の溢血点などがあった。
そうしたことから、検視の段階では死因については、「溺死(扼殺も否定できず)」と判断されていた。
だが、その遺体が司法解剖にまわされたことにより、舌骨筋等への出血も認められたことなどから、扼殺(手を使った絞殺)であると最終的に判断されたのだった。
ちなみに、なぜ口腔内から白色微細泡沫が漏出したのかということについては、「気管内に白色微細泡沫がわずかに貯留」しており、「肺のプランクトン検査は陰性」であったことなどから、死後海中に投棄されたあと、水圧により海水が気道内へ侵入して発生したものと推測された。
こうして、A家に侵入してわずか30分ほどで2人を殺害した3人の視線は、2段ベッドの上段で、なにも知らずに寝息を立てるDちゃんに向けられたのである。
〈 《家族4人殺害》父親は「その娘を殺さないでくれ」と哀願し…生きたまま海に遺棄された「福岡一家4人殺人事件」の全貌 〉へ続く
(小野 一光)
道路陥没から半年の八潮市、悪臭続き「窓開けられない」…工事完了まで「5~7年程度かかる」
県「前例のない事故、どこまで補償すべきか…」
埼玉県八潮市で県道が陥没してトラックが転落した事故は、28日で発生から半年となる。県は交通規制などの影響で売り上げが減少した事業者や、下水の悪臭などに苦しむ住民らへの補償を行う方針だが、補償対象が確定できず、支払いはほとんど進んでいない。現場では復旧工事が続き、事故前の日常は戻ってきていない。(さいたま支局 立原朱音、大須賀軒一)
「臭気を感じると夫がせき込む。住民の不安に丁寧に対応してほしい」「臭くて窓が開けられない。空調をつけっぱなしにするので電気代がかさむ」。15日に非公開で行われた八潮市長と近隣住民との意見交換会。出席した約20世帯からは、悲痛な訴えが続いたという。
事故現場は今も半径約200メートルの範囲で立ち入りが制限され、日曜日を除いて、大規模な土木工事が続く。連日の猛暑で、流れ込む下水から悪臭が漂う日も多い。
穴から約50メートルの場所に自宅がある男性(83)は「臭いや騒音は大きなストレス。住民は目に見えない健康被害に直面している」と訴える。
工事の振動で住宅に被害が出たり、交通規制で売り上げが減少したりした場合を想定して、県は補正予算を組み、補償費用として4億円を確保した。
周辺住民を対象に被害状況も個別に聞き取っているが、「前例がない事故。どこまでを補償すべきなのか判断が難しい」(県幹部)として、支払いは始まっていない。
県の第三者委員会は陥没が起きた原因の究明を進め今夏に中間報告をまとめる予定だが、大野元裕知事は「原因や責任が明確になっていない中、税金を我々の意図だけで拠出するわけにはいかない」と、慎重な姿勢を示している。
八潮市商工会が2~3月、飲食店などに事故の影響を尋ねたアンケートでは、回答した125事業者の6割以上が「売り上げが減少した」「交通規制で業務に支障が出ている」などと訴えた。事故直後には転落したトラックの捜索のため節水への協力も求められた。鈴木進事務局長は「『補償はまだか』という切実な声も多い」とため息をつく。
来客数が1割強減った飲食店の男性店長(47)は「『八潮は危ない』という風評被害で、市外からの客が減った」とぼやく。
来年3月頃に埋め戻しが終わるまで、現場周辺の悪臭は続くとみられる。その後、現場周辺に2本目の下水道管を埋設する「複線化」の大規模工事も始まる見込みで、県は工事完了までに「5~7年程度かかる」としている。
全国の複数人区で唯一当選者なし、自民党・大阪府連の青山繁晴会長が辞任「全て私の責任」
自民党大阪府連の青山繁晴会長(参院議員)は27日、大阪市内で開かれた全体会議で、参院選大阪選挙区(改選定数4)での敗北を受けて正式に辞任を表明した。大阪で自民が惨敗した昨秋の衆院選後、発信力を期待されて会長に就任。組織の立て直しを図ったが、参院選では全国の複数人区で唯一、当選者を出せなかった。
選挙戦で青山氏は、同選挙区に自民公認で立候補した新人で前衆院議員の柳本顕氏(51)とともに街頭に立ち、SNSでもほぼ毎日、一緒に配信を行った。しかし、柳本氏の得票は38万票弱で次点にとどまり、4番手で当選した公明党候補とは12万票以上の開きがあった。
自民府連は昨年10月の衆院選で、候補を立てた府内15小選挙区で日本維新の会に全敗。参院選では、27年ぶりに大阪選挙区で公認候補が敗れた。
青山氏は全体会議の冒頭、「次点にとどまったことは、全て私の責任。正式に会長の職を辞すことを表明します」と述べ、頭を下げた。
終了後の記者会見で、敗因について、府内の自民の比例票は約48万票で、柳本氏の得票と10万票以上の差があったことに触れ、「自民党の党員や支持層をまとめきれなかった。それどころか、大量に剥がれた。(比例票との)乖離(かいり)は極めて深刻で、丁寧に分析したい」と語った。
鹿田松男・府連総務会長(府議)によると、府連会長は国会議員から出すという府連のルールがある。府連で今後、地方議員も会長になれるようルール見直しを検討するという。
一方、石破首相の進退について、全体会議の出席者から「内閣総辞職を求めるような提言は府連として慎重であるべきだ」などの意見があり、27日は府連としての意見集約はしなかった。
青山氏は参院選の結果が判明した後、記者団に「総理は身を処されるべきで、お辞めになるべきだ」と述べていた。27日は「(28日の)両院議員懇談会では、一人の議員として意見を言う」と話した。
《維新・大阪トップ当選の佐々木りえ氏に浮上した疑惑》「危うい投資会社」への関わりを示す複数のファクト 本人は直撃電話に「失礼です」、維新は「疑念を招いたことは残念」と回答
維新の予備選で現職の梅村みずほ氏を破って参院選候補となり、大阪選挙区でトップ当選した佐々木りえ氏。
だが、佐々木氏は選挙中からいわくつきの投資会社との接点が取り沙汰されていた。
投開票日直前の7月18日には、ニュースサイト「現代ビジネス」が、佐々木氏と投資会社「SDD HOLDINGS PTE.LTD(以下、SDD社)」との関係を報じた。
SDD社は「月額配当金率2%」などと謳って出資を募り、出資者からは「配当金の支払いや、返金がなされない」との声が続出。金融庁から金融商品取引法違反の無登録営業で警告を受けているが、佐々木氏は同社の事実上の関連会社や配当金を支払っている会社の代表取締役を務めていたという内容だ。記事で佐々木氏は事務所を通じ、「(SDD社の日本法人とされる)SDDインベストメントの社名はおろかビジネスの内容も存じ上げませんでした」と回答した。
しかし、本誌・週刊ポストの取材では佐々木氏とSDD社の関わりを他にも複数掴んでいる。投資した被害者の1人に詳しい話を聞いた。
「申し込んだのは利回り月2%のコース。2000万円を投資して最初は月40万円ずつ分配金が振り込まれた。そこで追加投資をし、合計が4000万円に達したところで分配金が入らなくなった。抗議したところ一部は返金されたもののそれも滞り、警察に被害届を出して捜査が始まると、弁護士を通じて示談したいと言ってきた。示談を断わると、SDD社の代表・A氏は逃げ回り、お金は戻ってきません」
本誌記者が確認した資料では、一部の返金は佐々木氏が代表取締役(2023年10月退任)を務めていた「Jスタイル」という決済代行会社から振り込まれた記録だった。接点は他にもある。
SDD社は2018年に投資家を集めてバーベキューパーティーを開いたが、その会場は佐々木氏が代表(2025年2月退任)を務めていたオートリース会社「SDDオートスポーツ」の敷地内だった。「バーベキューにはSDDオートスポーツの事業部の名刺を持った人も参加していました」(参加した被害者)という証言も得た。
まだある。
佐々木氏は大阪市議時代の2017年以降、地元・住之江区で開催された「こどもフェスティバル」への市政報告のブース出展が確認できる。フェスティバルのポスターには佐々木氏の写真入りで市政報告の宣伝が載せられたが、実は、2017~2019年のこのイベントの共催がSDD社だったのだ。証拠のポスターにも社名入りではっきり残っている。
玄海原発「光を放つ三つの飛行体」見つからず、専門家「上空からの侵入リスクが顕在化」
原子力規制委員会が九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の敷地内で、ドローン3機の飛行が確認されたと発表したことについて、九電は27日夕、敷地内と周辺でドローンは発見されなかったと明らかにした。佐賀県警とともに今後も捜索を継続する。
一方、規制委は同日、確認されたのは「ドローンとみられる三つの飛行体」だったと訂正した。現時点で断定はできないためとしている。
規制委や九電などへの取材によると、26日午後9時頃、発電所の警備員4人が光を放つ三つの飛行体が正門付近の上空に浮かんでいるのを発見。連絡を受けて駆け付けた県警原発特別警備部隊の隊員も光を確認した。飛行体はその後、敷地外に向けて飛び去ったという。操縦者や飛行目的、形状、カメラなどの積載物の有無は不明で、九電は具体的な飛行経路について「セキュリティー上、明らかにできない」としている。
小型無人機等飛行禁止法では、原発や自衛隊施設などの重要施設とその周囲約300メートルの上空でドローンなどの飛行を原則禁じており、違反者には1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科せられる。九電は「川内原発(鹿児島県薩摩川内市)を含めて初めてのケースだが、発電所の安全性に問題はない」とコメントし、規制委は「対応を検討する」としている。
玄海原発は1、2号機が廃炉作業中で、3、4号機が営業運転中だった。4号機は27日、予定通り定期検査に入った。
テロなどに備えて極めて高いセキュリティー対策が取られている原子力発電所の敷地内で、ドローンとみられる飛行体が複数目撃された異例の事態を受け、玄海原発の周辺自治体からは27日、警戒態勢の強化を求める意見が聞かれた。
「夜に起きたこともあり、誰かが何らかの意図を持ってやったのか、不気味に感じている」。読売新聞の取材に応じた玄海町の脇山伸太郎町長は困惑した様子で語り、「原発に近付く飛行体を察知できるような機器の導入を要請したい」と九電に対応を求める考えを明らかにした。同町によると、九電側は28日にも今回の事案について町に説明する予定という。
同町と隣接する佐賀県唐津市危機管理防災課の担当者も「九電や国には安全第一と、不安払拭(ふっしょく)に努めてもらいたい」と注文した。同県の平尾健副知事は、九電の林田道生・原子力発電本部長に「今回のような事案を許さない対策を講じてほしい」と電話で申し入れた。
原発周辺でのドローン飛行は、過去にも問題となっている。北海道電力泊原発(北海道泊村)では2023年4月、原発から約50メートルの海岸で、国に届け出をしていないドローン1機を飛ばしたとして、道内の男性が航空法違反の疑いで逮捕された。
東京大の岡本孝司教授(原子力工学)は「核物質を扱う原発はどの国も出入りが厳重に管理されており、構内では写真の1枚も自由に撮ることは許されない」と説明する。そのうえで今回の事案について、「上空からの侵入リスクが顕在化した点で問題だ。国や電力会社、警察などが協力し、対策を考えていく必要がある」と指摘している。
《佳子さまが“鬼リピ”されているファッション》御殿場でまた“水玉ワンピース”をご着用…「まさに等身大」と専門家が愛用ブランドを絶賛する理由
7月25日、秋篠宮家の次女・佳子さまが静岡県御殿場市を訪れ、全日本高等学校馬術競技大会の開会式に出席された。2015年から大会に出席されており、今回で7回目となる。
午前10時ごろに到着された佳子さまは、静岡県・鈴木康友知事や御殿場市・勝又正美市長らの出迎えを受けた。開会式では、「皆さまが馬と心を通い合わせ、一体となって積み重ねてきた努力の成果を存分に発揮できるよう応援しています」とエールを送られた。
この日の佳子さまは、水玉模様の白いワンピースという装い。このアイテムは、2023年6月の「産経児童出版文化賞」の贈賞式や、同年10月の「ガールズメッセ2023」、2024年6月の「東京都障がい者ダンス大会 ドレミファダンスコンサート」でもお召しになったもので、女性に人気のファッションブランド「STRAWBERRY-FIELDS(ストロベリーフィールズ)」のものと見られている。
佳子さまは「STRAWBERRY-FIELDS」を愛用されており、水玉ワンピースのほか、今年の1月に「ポケモン×工芸展」を訪れた際には、同ブランドのプリーツワンピースをお召しになっていた。モード誌などで活躍するスタイリストが解説する。
「『STRAWBERRY-FIELDS』は、佳子さま世代の女性が手に取りやすいリアルプライスの国内ブランド。1980年代からある日本のベーシックブランドで、誰でも取り入れやすい正統派な点から長年愛されてきました。また、流行のスタイルを入れつつも、トレンドに左右されない水玉というチョイスもグッドです」
佳子さまといえば、ご公務のたびにそのファッションが話題となり、ブランドに注文が殺到、いわゆる“佳子さま買い”現象が起こる。2023年に「STRAWBERRY-FIELDS」プリーツワンピースを初めてお召しになった時は、“全色完売”という事態に。
「先日のブラジル訪問で話題となった『Viaggio Blu』の花柄ワンピースや、昨年5月のギリシャ訪問でお召しになった『セルフォード』の水色ワンピースなど、一般の市場で購入できるお洋服を上品に着こなす佳子さま。ハズしすぎず、ロイヤルすぎず、まさに“等身大”でリアル・クローズ(注:一般的に購入しやすい価格帯でファッション性の高い洋服のこと)なチョイスを皇室の方がされているところが非常に好印象です。
佳子さまのお召し物は、これからファッションに対して高い感度を身につけていきたいという若者にとっても、日本のブランドを知る良いキッカケになっていると思います。今後はもしかしたら、“ブランドごと完売”なんてことが起こるかもしれませんね」(同前)
今後も佳子さまのファッションから目が離せない──。
「ワーワーって言っているように聞こえました」横浜市神奈川区で強盗事件 “目出し帽の男”らが催涙スプレーのようなもの使用し逃走
けさ早く、横浜市の住宅に目出し帽をかぶった複数の男が押し入り、現金数百万円が入っていたとみられる金庫を奪って逃走しました。
午前5時すぎ、横浜市神奈川区の住宅で、「目出し帽の男たちが室内に入ってきた」と住人の男性から110番通報がありました。警察によりますと、2、3人の男が家に押し入り、現金数百万円が入っていたとみられる金庫を奪って車で逃走したということです。
近隣住民 「(午前5時ごろに)外で男の人の大きな声が聞こえたりはした。ワーワーって言っているように聞こえた。2分くらいですかね。怖いですね」
この家には80代くらいの男性と60歳くらいの長男、50代の次男の3人が暮らしていて、廊下で男たちと出くわした長男が催涙スプレーのようなものをかけられたということです。
さらに、長男はその後、家の外で金庫を運ぶ男たちを見つけ、追いかけた際にも催涙スプレーようなものをかけられ、病院に運ばれましたが、命に別状はないということです。
現場は横浜市営地下鉄片倉町駅から東に500メートルほどの場所で、住宅や畑が多い地域です。
マッチングアプリに潜む危険「いつどこで自分が被害者に」高校生に注意を呼びかけ “デート商法”被害も
マッチングアプリを悪用して、出会った相手に高額な商品を買わせるなどの「デート商法」の被害が拡大しています。こうした犯罪に巻き込まれるのを防ぐため、警察が夏休みを迎える高校生に注意を呼びかけました。
■福岡県警 生活経済課・磯辺稀 巡査長
「今から、マッチングアプリの危険性などを理解してもらうために教養をします。」
福岡県警は福岡市の女子高校で、マッチングアプリやSNSに潜む危険性について啓発を行いました。
マッチングアプリをめぐっては、アプリでの出会いを悪用し、違法な勧誘を行った上、ウソの出資話で金をだまし取ったとされるグループが摘発されました。その被害者はおよそ390人、被害額は3億9000万円に上るとみられています。
ここ1年以内に結婚した夫婦の出会いのきっかけについて、およそ30パーセントがマッチングアプリと答えたというアンケート結果もあります。
街の若者は、どのような印象を持っているのでしょうか。
■街の人
「20代前半の時は結構していました。20人ぐらいは出会いました。手っ取り早いではないですが、お互いのニーズは合っているのかなと。」
「怖いですね。危なそう。若い子がマッチングアプリで事件に巻き込まれたり。ネットを使い慣れていない人は危ないと思います。」
マッチングアプリは、出会い系サイト規制法で18歳未満の利用を禁止していますが、18歳になった高校生が利用できるサービスもあることから、警察は注意を呼びかけています。
■磯辺 巡査長
「お金の話になれば要注意。SNSやマッチングアプリを利用する上でお金の話が出てきたら、ちょっと危ないかな、怪しいなと、危機意識をもって利用するようにしてください。」
■高校生
「簡単に出会えるから、いい印象しかなかったのですが、いつどこで自分が被害者になるか分からない。」
「自分が知らない人と会うことを頭に入れて、信用しすぎないようにしないと、犯罪に巻き込まれる可能性があることを覚えておきたいと思いました。」
気軽な出会いのツールとして定着しつつあるマッチングアプリ。その裏に潜む危険性を改めて理解した上で利用していく必要があります。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年7月24日午後5時すぎ放送