ASEAN、APEC出席へ=高市首相、外交デビュー戦

木原稔官房長官は23日の記者会見で、高市早苗首相がマレーシアでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議と、韓国でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席すると発表した。滞在中、主催国を含む各国首脳との個別会談も調整している。
ASEAN首脳会議は26日、APEC首脳会議は31日に開幕。合間の27~29日にはトランプ米大統領が来日する。「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」を掲げる首相の「外交デビュー週間」となる。 [時事通信社]

高市首相、24日に所信表明=社保改革へ「国民会議」

高市早苗首相は24日、衆参両院本会議で就任後初の所信表明演説を行う。税と社会保障の一体改革に向け、有識者も交えた超党派の「国民会議」設置を提唱。国家安全保障戦略など安保関連3文書の来年末の改定を目指す考えを示す。
両院の議院運営委員会がそれぞれ23日の理事会でこの日程を決めた。演説に対する各党代表質問は、28日で調整している日米首脳会談などをはさみ、来月4~6日に行う。
政府は臨時国会に新規法案を9本提出する方針。更生保護制度の充実を図るための保護司法改正案などが含まれる。継続審議となっている医療法改正案と合わせ成立を目指す。
参院議運委の理事会には佐藤啓官房副長官(参院議員)に代わり、尾崎正直副長官(衆院議員)が出席して提出予定法案を説明した。野党各党が派閥裏金事件の関係議員の一人である佐藤氏の起用に反発していることを踏まえた。
一方、立憲民主、国民民主両党など野党6党は23日、ガソリン税の暫定税率を廃止する法案に関して協議。自民が当面は補助金の積み増しで価格を引き下げ、来年2月に完全廃止する方針を示したことに対し、立民の重徳和彦税調会長は記者団に「廃止時期を来年に送る話だ。6党一致して受け入れられない意思を明確にした」と説明した。 [時事通信社]

コロナワクチン文書の不開示訴訟 国が控訴 違法判断の1審に不服

新型コロナウイルスワクチンを巡り、国と製薬会社との契約内容を記した文書を全面不開示とした厚生労働省の決定は違法だとして、名古屋市の一般財団法人が取り消しを求めた訴訟で、決定を取り消した東京地裁判決を不服として、国が東京高裁に控訴したことが判明した。控訴は22日付。
10月9日の地裁判決は、情報公開法では開示請求された文書の中に不開示とする情報が含まれていても、その部分を除いて公開するのが原則だと指摘。開示により製薬会社などの利益を害する情報が必ず推測されるとは考えがたく、全てを不開示とするのは違法と判断した。【中村好見】

企業献金、受け皿限定の法案提出へ=国・公合意、国会審議の焦点に

国民民主、公明両党は23日、企業・団体献金の受け皿を政党本部と都道府県連に限定する政治資金規正法改正案を、今国会に共同提出することで合意した。立憲民主党も賛同する姿勢を示す一方、自民党は強く反対しており、国会審議の焦点となりそうだ。
現行制度で、企業・団体は規模などに応じて年間750万~1億円寄付できる。国・公案は年間の寄付額の枠を維持しつつ、同じ相手には年間2000万円までの上限を設ける。
国民民主の古川元久代表代行と公明の西田実仁幹事長が国会内で会談し、速やかな法案化と今国会への提出で一致。古川氏は記者団に「(与野党に)賛同してもらいたい」と述べた。西田氏は「議員本人の財布と切り離し、政治のゆがみを払拭する」と強調した。
受け皿限定案を巡っては、自公政権下で公明が自民に受け入れを迫ったものの折り合わず、連立解消の一因となった。一方、企業献金禁止を主張してきた立民の野田佳彦代表は、「一歩前進、二歩前進だ」として国・公案に歩み寄る構えを示している。 [時事通信社]

「遅いが、一歩前進」千葉・鴨川メガソーラー工事反対の地元住民、県の一時停止要請方針に

鴨川市の山林で造成工事が進む大規模太陽光発電(メガソーラー)施設計画を巡り、県が23日、工事の一時的な停止要請方針を示したことに対し、計画に反対する地元住民は「対応は遅いが、一歩前進だ」と口をそろえた。釧路湿原国立公園周辺(北海道)のメガソーラー建設計画に絡み、交流サイト(SNS)などで相次いだ反対意見も背景に、県として対応せざるを得なくなったとの見方もある。
鴨川市のメガソーラー計画に反対する市民団体「鴨川の山と川と海を守る会」の勝又国江代表は「大きな一歩。遅ればせながらだが、県はようやく踏み出してくれた」と話す。計画見直しや工事中止を引き続き訴えていく考えだ。
ただ、5月から造成工事が始まり、樹木伐採で白っぽい山肌の露出が目立つ。同会のメンバーの男性は「県の対応は遅い。山肌の露出が広がっている。5月の着工時点で工事を停止してほしかった」と苦言を呈する。事業者の計画変更に伴う県による盛り土の安全対策などの確認にも「真剣度が問われる。おざなりにしてほしくない」と注文する。
県はこれまで「事業者が法令に違反している事実はない」(熊谷俊人知事)などと静観していた。ところが、「メガソーラー反対でSNSなどが炎上し、対応せざるを得なくなったのだろう」(県政関係者)との見方がある。
県議会でメガソーラー問題を追及した網中肇県議(立憲民主党)は工事が一時停止されれば「現況をよく精査するタイミングだ。県は国と連携し、地元が納得できる対応をしてほしい」と求めた。

両陛下と愛子さま、東京大空襲の犠牲者を追悼…遺族に歩み寄り声かけられる

天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは23日、戦後80年にあたり東京都墨田区の都慰霊堂を訪れ、東京大空襲などの犠牲者を追悼された。
都慰霊堂には、1945年3月に東京の下町を襲った東京大空襲などの戦災死者(約10万5000人)らの遺骨が納められている。
ご一家は遺族や近隣住民ら約140人が見守る中、位牌(いはい)が置かれた祭壇の前にゆっくりと進み、白色のユリなどの花束を供えた後、深々と拝礼された。
その後、遺族4人に歩み寄り、声をかけられた。同区の大日向弘行さん(84)は、天皇陛下から「どなたが亡くなられましたか」と尋ねられ、「空襲で親族8人です」と伝えた。当時4歳だった大日向さんは疎開中で一命を取り留めた。
大日向さんが「これだけの犠牲が出たのだから、これからも平和で」と話すと、陛下は「その通りですね」とうなずかれたという。
同区の田中洋子さん(82)は、警防団員だった義父が空襲で亡くなり、「墓には髪の毛一本入っていない」とご一家に説明した。皇后さまは「大変でしたね」、愛子さまは「ご苦労なさいましたね」と言葉をかけられていた。
戦後80年の今年、ご一家は沖縄と長崎を訪れ、両陛下はさらに硫黄島(東京都小笠原村)と広島に足を運び、被爆者や戦争体験者らから話を聞かれた。両陛下は、戦争の記憶の次世代への継承を大切に思っており、この日も愛子さまを伴われた。

「ちゃん付け」は違法なハラスメント 元同僚に賠償命令 東京地裁

年上の同僚男性からセクシュアルハラスメントを受けたとして佐川急便の元従業員の女性が、約550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は23日、男性に22万円の賠償を命じた。田原慎士裁判官は、男性が女性を「ちゃん付け」で呼んだことや、体形などに関する発言が違法なハラスメントに該当すると判断した。
判決によると、女性は2021年5~11月ごろ、同じ営業所の別の課で勤務していた40代の男性から、名字に「ちゃん」を付けて呼ばれた。他にも「体形いいよね。俺なんかガリガリだよ」と発言し、下着について言及することもあった。女性は21年12月にうつ病と診断され、休職した。
判決は、一般的に「ちゃん付け」の呼称が使われるのは子どもや交際相手などの親密な関係の場合だが、女性と男性は勤務先が同じ従業員同士にすぎないと指摘。男性が親しみを込める意味で使っていたとしても女性に不快感を与えるものだったとした。
体形や下着への言及も含めて上司に類する立場の男性が不適切行為を繰り返したとし、ハラスメント行為に該当すると結論づけた。
女性は佐川急便も提訴していたが、佐川急便が良好な職場環境の維持に努め、解決金70万円を女性に支払うとの内容で25年2月に和解が成立した。【安元久美子】

田久保氏学歴、高卒と掲載 伊東市、ホームページ更新

静岡県伊東市は23日までに、市ホームページの田久保真紀市長のプロフィルを更新し、最終学歴を「静岡県立伊東城ケ崎高等学校普通科卒業」と掲載した。田久保氏が自身の学歴詐称疑惑を受けて新設を発表し、1日に施行された市長職の経歴に関する要領に基づいた対応で、更新は20日付。
要領では、市長就任日から原則21日以内に、最終学歴の学歴証明書や職歴証明書などを担当課に提出すると定めている。施行段階で既に市長在任中の田久保氏は、今月21日までに提出を求められていた。市広報誌などで「東洋大卒」と自身のプロフィルを紹介したが、実際には除籍となっていた。
田久保氏は不信任決議可決に対抗する形で、市議会を解散。19日投開票の市議選(定数20)では、再度の決議案に賛成意向の19人が当選した。31日招集の臨時議会で決議案が再可決される見通しで、田久保氏の失職は不可避の情勢となっている。

消費減税「事実上先送り」=維新・藤田氏、連立合意巡り

日本維新の会の藤田文武共同代表は23日のニッポン放送の番組で、自民党との連立政権合意書で「検討」項目に盛り込まれた2年間の食料品消費税ゼロについて「事実上先送りになった」との認識を示した。
藤田氏は、高市早苗首相(自民総裁)自身は消費税の減税に前向きだったとしつつ「短期間で(高市氏が)自民内をまとめ上げるのは厳しかった」と説明。消費税に関する記述自体を合意書から除く案も当初出ていたと明らかにした。 [時事通信社]

高市早苗首相誕生までの激動の17日間 「初の女性総理」への意外な思い

自民党の高市早苗総裁(64)は21日、衆院本会議の首相指名選挙で第104代首相に選出された。衆院の1回目投票で過半数を超える237票を積み上げ、決選投票を待たずして首相の座をゲット。日本憲政史上初めてとなる女性首相が誕生した。同日中に組閣に着手。夜に会見し「日本の国益を守り抜く」などと語った。
「高市早苗君を、衆院規則第18条第2項により、本院において内閣総理大臣に指名することに決まりました」。額賀福志郎衆院議長による結果報告が場内に響きわたると、高市新首相は万雷の拍手の中、深々とお辞儀した。この日は総裁選期間中によく着用していた鮮やかなブルーではなく、地味なダークブルーのスーツ。落ち着いた様子でかすかな笑みを浮かべ、再びの拍手を浴びながらさっそうと議場を後にした。
高市氏は皇居での首相任命式と閣僚認証式を経て、午後10時から官邸で記者会見を行った。まず「新内閣が成立するまで時間を要したことに、国民に心よりおわび申し上げる」と政治空白が長期化したことを陳謝し、「国家国民のため全力で変化をおそれず、果敢に働いて参ります。そのための内閣を本日、作り上げます。結果を出して、強い日本を作るため、絶対にあきらめない」と宣言。「強い日本経済を作り上げ、外交安全保障で日本の国益を守り抜く」と語った。新内閣については「決断と前進の内閣」と説明した。
初の女性首相に向けては、まさにイバラの道だった。今月4日に自民党総裁選を勝ち抜き、同党初の総裁に就任。だが、直後に四半世紀にわたるパートナーだった公明党が連立を離脱した。窮地で現れたのが維新だった。16日に連立に向けた政策協議を行うとの発表を受け、高市氏は20日までのわずか4日間で維新との協議をまとめ上げた。
激動の17日間を経てつかんだ日本初の女性首相の座。一方で高市氏は決して「女性」にこだわっていたわけではなかった。総裁選で高市陣営だった女性議員は「彼女を最初応援する際に『初の女性総理という意識を必ず持ってください』と言ったら『自分が一番最初になりたいというものではない。そういうのは、周りが言ってくれるだけのことだから』と返されました」と打ち明ける。
学生時代はヘビメタバンドのドラマーを務め、今の愛車はトヨタのスポーツカー「スープラ」。女性らしさにこだわり過ぎずに政界の道を進んだ結果が、女性首相という歴史的な瞬間を生んだ。(樋口 智城)