36人が犠牲になった京都アニメーション放火殺人事件で、大阪高裁が青葉真司死刑囚(47)の控訴の取り下げを有効と決定したことについて、青葉被告の弁護人が23日、異議を申し立てました。
青葉死刑囚は京都地裁で死刑判決を受け控訴していましたが、去年1月に「死刑判決が変わることはないと思った」などと自ら取り下げ、弁護人が無効とするよう求めていました。
大阪高裁は、青葉死刑囚が高裁での取り調べで死刑しかありえないと考えていた理由について、「事件の大きさや動機からすると素人考えでもそのような考えになる」という趣旨の供述をしたといい、「判断能力に問題が無かった」として、控訴の取り下げは有効と判断していました。
高市首相「米指導力への支持伝達」=「ドナルドだけ」発言巡り説明
高市早苗首相は23日の参院本会議で、「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルド(・トランプ大統領)だけだ」とした自身の日米首脳会談での発言について「国際社会の平和と繁栄に向け、米国がリーダーシップを発揮し、建設的な役割を果たすことは重要であり、日本として支持してきている。その旨を直接伝えた」と説明した。
立憲民主党の柴慎一氏が「強い違和感を覚える」と発言を批判したのに反論した。首相は「米国がその役割を国際的な連携の下で発揮するよう後押ししていくことも併せて伝えた」と語った。
首相はホルムズ海峡の航行の安全を巡り、トランプ氏から「各国に対する貢献の要請」があったとしつつ、明示的に自衛隊派遣を求められたかについては「詳細は差し控える」と明言を避けた。その上で「法律の範囲内でできることとできないことがある旨伝え、詳細に説明した」と述べた。
首相はまた、中国を巡る諸問題について「日米で緊密に連携していくことを確認した」と強調。「武力や威圧による台湾海峡の現状変更に反対」との文言が米側の発表文にのみ記されたことに関しては「米側が単独で発出した文書。首脳会談のやりとりを含め、米側としての認識を記述したものと理解している」と述べるにとどめた。柴氏、国民民主党の江原久美子氏への答弁。
公明党の杉久武氏は中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー確保策を質問。首相は原油・石油製品の代替調達先として、米国、中央アジア、南米、カナダ、シンガポールなどを挙げ、「経済産業省が民間事業者と連携しながら対応を進めている」と指摘した。 [時事通信社]
工藤会幹部、被告人質問を拒否=遺族は厳罰求める―王将社長射殺公判・京都地裁
「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さん=当時(72)=が2013年に射殺された事件で、殺人などの罪に問われた特定危険指定暴力団工藤会系組幹部、田中幸雄被告(59)の公判が23日、京都地裁(西川篤志裁判長)であった。被告は被告人質問を拒否した。
西川裁判長が弁護側に「当初から弁護側の質問は予定されていませんでしたが、よろしいでしょうか」と尋ねると、弁護側は「はい」と答えた。
裁判長はその後、被告に「質問に答えるつもりはありますか」と聞くと、被告は「ありません」と話した。「検察官の質問も一切拒むということですか」「裁判所が尋ねても拒むということですか」との問いにも、被告は「はい」としか答えなかった。
初公判の罪状認否で被告は「私は決して犯人ではありません。到底承服できません」と述べていた。
公判ではその後、遺族による意見陳述が行われた。遺族らは「憤りとやり場のない悲しみを感じる」「偉大なおやじであり社長だった。厳罰に処してほしい」などと話した。 [時事通信社]
女優・佳那晃子さん死去、70歳 13年に「脳死」宣告 「金曜日の妻たちへ」「魔界転生」など出演
女優の佳那晃子(かな・あきこ、本名関田祐子)さんが死去したことが23日、分かった。70歳だった。東京都出身。
佳那さんは1956年3月8日生まれ、東京都出身。短大在学中に日本テレビ主催の「ミス水滸伝コンテスト」で入賞し、これがきっかけで芸能界デビューを果たした。
1974年公開の映画「襤褸の旗」など当初は大関優子の芸名で活動していたが、1980年公開の映画「ザ・ウーマン」から現在の芸名に変更。その後も映画「魔界転生」、TBS系ドラマ「金曜日の妻たちへ」など話題作に出演した。
私生活では1990年に日本テレビ系「スター誕生!」などを手掛けた放送作家・源高志氏と結婚した。
2013年には当時の所属事務所を通じ、佳那さんがくも膜下出血で倒れ「脳死」を宣告されていたことを公表した。
発表によると、佳那さんは静岡県熱海市内の自宅で倒れて緊急搬送され、「重度5のくも膜下出血」と診断。「脳死」または「良くてもフラットな植物状態」と宣告された。その後は懸命なリハビリを続けていた。
高市首相「不測の事態に備える」、暫定予算案の編成検討…4月1~11日の「つなぎ」
政府は23日、2026年度予算案が今年度内に成立しない場合に備え、暫定予算案を編成する方向で検討に入った。高市首相が自民党役員会で「不測の事態に備える」と述べ、編成の準備を進める考えを示した。首相は26年度予算案の年度内成立を目指す姿勢を堅持しており、週内にも対応を決める見通しだ。
自民党の松山政司参院議員会長、石井準一参院幹事長ら自民参院幹部は23日、首相官邸で木原官房長官と面会し、参院で審議中の26年度予算案の年度内成立が厳しい情勢にあると伝えた。少数与党の参院で、野党は十分な審議時間の確保と暫定予算の編成を求め、応じなければ、予算案や予算関連法案の審議に応じない構えを見せているためだ。
木原氏はその後の記者会見で「政府としては年度内成立が必要と考えている。不測の事態に備えて暫定予算を編成する方向で検討したいと(松山氏らに)申し上げた」と語った。
13日に衆院を通過した予算案は憲法の規定で4月11日までに参院で採決されなければ、自然成立する。暫定予算案は4月1~11日に必要な経費を賄う「つなぎ」の予算となる。国から地方自治体に配る地方交付税や、戦没者遺族らに支払う恩給費、社会保障関連費が中心となる方向だ。
暫定予算案の編成と審議入りは、26年度予算案の年度内成立の断念が前提となる。首相はぎりぎりまで可能性が残されていないかどうかを見極めたい意向で、与党は引き続き野党に年度内の採決に向けた協力を呼びかける方針だ。
岩手、宮城訪問「予定通り」=天皇陛下の風邪回復―宮内庁
宮内庁の緒方禎己次長は23日の定例記者会見で、風邪の症状があった天皇陛下について、「平素とお変わりなくお過ごし」と述べ、回復されたことを明らかにした。25~26日にご一家で岩手、宮城両県を訪問する予定を含め、「現時点では、今週予定されている公務はすべて予定通り行われる」と述べた。
陛下はせきを伴う風邪の症状があり、20日の宮中祭祀(さいし)の春季皇霊祭・春季神殿祭の儀を取りやめたが、23日は皇居・御所で、離任するガーナ大使との面会に臨んだ。
側近によると、同様に風邪の症状があった皇后さまは少しせきが残っており、両県訪問を控え、23日は大事を取って二つの公務を取りやめた。 [時事通信社]
福岡県、用地買収巡り4人を処分 「県民の皆様に心からおわび」
道路整備に伴う用地買収を巡り、福岡県が当初算定した補償額の約5倍の高値で地権者から土地を取得した問題で、県は23日、不適切な手続きで著しく高額な補償費を支払ったとして、用地買収を担った県の出先機関「田川県土整備事務所」の当時の男性所長(57)と男性担当課長(55)の2人を戒告の懲戒処分とした。当時の男性副所長2人は訓告とした。県内部統制室の黒石博之室長らは記者会見で「誠に遺憾。県民の皆様に大変申し訳なく、心からおわび申し上げる」と謝罪した。
問題となった土地は、福岡県赤村にある計2505平方メートルの山林。県事務所は当初、用地補償額を430万円と提示したが、地権者に安価を理由に拒否された後、2165万円に引き上げていたことが2025年8月に毎日新聞の報道で明らかになった。
県によると、増額分は「造成費」として上乗せした。その際、近隣の土地の取引価格と乖離(かいり)がないか比べる必要があったが、県の聞き取り調査の結果、所長ら4人がこれを怠っていたことが判明。県は地方公務員法の信用失墜行為に当たると判断した。
県は毎日新聞の報道を受け、取引を白紙に戻し、補償額の再鑑定を実施。現在、地権者と交渉を進めているという。【金将来】
埼玉・八潮陥没事故 当日の救助活動は“おおむね妥当” 救助に関する検討委員会が最終報告書を公表
2025年、埼玉県八潮市で陥没した道路にトラックが転落し、男性が死亡した事故で、当時の救助活動の方法などを検証していた検討委員会が一連の救助活動について「おおむね妥当」とする最終報告書を公表しました。
2025年1月、八潮市で陥没した道路にトラックが転落し、男性運転手(74)が死亡したほか、救助活動にあたった消防隊員2人がけがをしました。
当時の救助活動の是非や今後の課題などについて、救助の初動対応にあたった草加八潮消防組合は有識者による検討会を開いて検証していて、23日、最終報告書を公表しました。
報告書では、今回の事故を「全国でも前例のない事案だった」と指摘したうえで、当時の救助活動は「変化する陥没の穴の状況に応じ、保有するリソースから合理的に実施されており、おおむね妥当であった」と評価しました。
また、今後については、道路の陥没にともなう救助活動は「いずれの場所でも発生し得ることを認識し、救助方法や安全管理について様々な状況を想定した訓練を行い、知識・技術の習得に努めるべき」などとする提言を行いました。
委員長を務めた関西大学社会安全学部の永田尚三教授は、「類似する事案が発生した場合や、未曾有の救助活動を余儀なくされる場合において、今回の報告書がその一助になればと考えている」としています。
紀州のドン・ファン13億円の遺産はどうなる 「全財産をキフ」の遺言と元妻相続権の行方
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=の元妻(30)に対し、2審大阪高裁も無罪を言い渡した。55歳の年の差がありながら「契約みたいな結婚」(元妻)をした2人。殺人罪などで有罪となれば遺産相続の権利が失われるため、この日の無罪判決は約13億円といわれる遺産の行方にも影響することになる。
《私がお金を稼ぐ理由は、なんと言っても魅力的な女性とお付き合いをしたい、その一点に尽きます》
著書にこう記した野崎さんは和歌山県田辺市で生まれ、金融業や酒類販売業などを興して一代で財を成した。生前は多数の女性と交際するために「30億円を費やした」と豪語し、その言動がワイドショーや週刊誌をにぎわしていた。
元妻と結婚したのは平成30年2月。1審での元妻の被告人質問によると、元妻は紹介を受けて野崎さんと出会い、初対面で帯付きの100万円を手渡され、求婚されたという。元妻は結婚条件として毎月100万円を受け取ることを提示し、野崎さんが受け入れた。
その後、野崎さんは結婚からわずか3カ月半後の同年5月、自宅で急性覚醒剤中毒で死亡。遺産目的での元妻の犯行が疑われたが、地裁・高裁の判断は無罪だった。
無罪判決がこのまま変わらなければ、元妻には野崎さんの遺産を相続する権利が認められる。ただ、遺産問題を複雑にしているのが、野崎さんの死後に見つかった「遺言書」の存在だ。
遺言書は平成25年2月付で、紙に赤ペンで「いごん 全財産を田辺市にキフする」と手書きされていた。この遺言書を巡っては、野崎さんの兄らが「無効」を訴える民事訴訟を起こしている。
遺言がない場合の法定相続分は元妻が4分の3で、兄らが合わせて4分の1。だが遺言が有効だと判断されれば、田辺市が遺言に基づき遺産全額を取得した上で、元妻は「遺留分」として2分の1を得る権利を主張できる。兄らには遺留分はなく、この場合は遺産を受け取れない。仮に元妻が今後、逆転で有罪となり、遺言も無効と判断されれば、兄らが全額を相続する。
遺言書を巡る訴訟は1審和歌山地裁、2審大阪高裁がいずれも「有効」と判断。審理は最高裁に移っている。(西山瑞穂)
化粧品販売員死亡、アスベスト労災を認定 原料のタルクに含有
化粧品会社で販売員(美容部員)として働いていた宮城県の女性(当時68歳)が中皮腫で死亡したのは、化粧品やベビーパウダーの原料となる粉「タルク」に含まれていたアスベスト(石綿)を吸引したのが原因の可能性があるとして、仙台労働基準監督署が労災認定していたことが判明した。認定は昨年12月2日付。石綿被害を巡り、化粧品販売員が労災認定されたケースは全国で初めて。
支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」が23日、明らかにした。同会によると、女性は1974年から3年3カ月、仙台市の資生堂仙台駐在所で化粧品販売員として勤務。派遣された薬局での販売対応などで化粧品やベビーパウダーを日常的に使用していたという。
女性は2024年1月ごろから腹痛などの体調不良を訴え、同年4月に中皮腫と診断された。女性の長女が8月に労災申請し、女性は約3カ月後に亡くなった。
同会は認定理由について、女性が働いていた期間は旧厚生省が石綿入りのベビーパウダーの使用を規制した87年以前であるため、化粧品に石綿が混入していた可能性がある▽化粧品会社での勤務期間が1年以上にわたり、発症まで10年以上経過している――などを挙げた。
この日、取材に応じた女性の長女は「認定されたことに感謝している」とした上で「化粧品の仕事が大好きな母だった。(認定前に亡くなったので)母は何が中皮腫の原因なのか分からないままだった」と話した。
タルクは含水ケイ酸マグネシウムを成分とする天然鉱物で、工業製品や化粧品などに使用される。発がん性のある石綿と鉱脈が近いため、過去にはタルクに混入した石綿を吸引した事例も確認されている。
タルク由来の石綿被害について、同会事務局の沢田慎一郎さん(39)は「これまで医療従事者や加工業者への労災は認定されてきたが、一般消費者に近い販売員が認められたのは初めて。中皮腫はわずかな量でも数十年かけて発症する可能性があり、潜在的な被害者も多いのではないか」と指摘する。
資生堂は毎日新聞の取材に「(労災認定について)内容を把握しておらず、詳細を確認した上で適切に対応したい」と答えた。
アスベストによる健康被害の相談は同会(0120・117・554)。【遠藤大志】