安倍、菅両政権で歴代最長となる約8年9カ月(3205日)にわたり事務方トップの内閣官房副長官を務めた杉田和博(すぎた・かずひろ)さんが22日までに死去した。84歳。関係者が明らかにした。
1966年に警察庁に入庁し、主に警備畑を歩んだ。内閣情報調査室長などを経て2004年、内閣危機管理監を最後にいったん退官。12年12月に安倍晋三氏が首相に再登板すると、首相官邸と各省庁をつなぐ要職の官房副長官に起用された。
20年9月に発足した菅義偉内閣でも続投し、官邸主導政治の一翼を担った。21年7月に古川貞二郎氏の在任期間を超えて歴代最長となり、21年10月の岸田内閣発足に伴い退任した。
首相官邸では主に危機管理を担当。日本人10人が犠牲になった13年のアルジェリア人質事件や、15年の過激派組織「イスラム国」(IS)による邦人人質事件などの対応に当たった。官僚の幹部人事を掌握する内閣人事局長も兼務した。
天皇陛下(現上皇さま)の退位特例法整備に向けた政府内の調整役も担った。
被爆者団体「80年を台無しに」 官邸関係者の核保有発言に抗議
安全保障を担当する首相官邸関係者が「日本は核保有すべきだ」と発言したことに対し、被爆者団体などから抗議の声が上がっている。
広島県内の被爆者7団体が22日、広島市内で開いた記者会見で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中聡司代表理事(81)は「『平和国家』と言って進んできたこの80年を台無しにするような発言だ。日本の立ち位置を再確認する必要がある」と憤った。県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(81)は「日本が核を容認しているように捉えられてしまうと危惧する。非核三原則を日本は守るべきだ」と訴えた。
また、もう一つの県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)は22日、「非核三原則を否定し、NPT(核拡散防止条約)体制における橋渡しをも否定するもので断じて許すことはできず、厳しく抗議する」との声明を出した。
声明は、「核兵器の危機から免れることができるのは、核兵器を無くすことによってのみである」と強調。非核三原則の堅持と法制化を求めた。
市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」は「核被害者たちの声を真摯(しんし)に聴いていれば人間として絶対に言えない発言だ」などと声明で非難した。原水爆禁止広島県協議会(県原水協)も撤回と関係者の更迭を求める抗議文を政府に送付した。【井村陸】
痛恨の失敗、基幹ロケット全滅 持続的成長のため、萎縮せず検証、挑戦を
日本の宇宙開発に暗い影を落とす、痛恨の失敗だ。今回の主力大型ロケット「H3」8号機の打ち上げ失敗について、原因究明や対策完了にはかなりの時間がかかるとみられる。それまでは当然、新たなH3の打ち上げは見送られるはずだ。
先代の主力大型ロケット「H2A」が6月に引退し、日本はH3を代替できる機体はなく、当分は大型ロケットを失う。H3が目指す、民間企業の衛星打ち上げなどで急拡大中の宇宙輸送需要の獲得も遠のきそうだ。
H3は、来年度に予定されている火星衛星探査計画「MMX」の打ち上げにも使われる予定だが、探査計画に影響が出る可能性はゼロではない。
一方、日本には現在、利用できる小型ロケットもない。小型の固体燃料ロケット「イプシロンS」を開発中だが、新開発の第2段エンジンが、令和5年7月と6年11月の燃焼試験で2回連続で爆発。打ち上げの見通しが全く立っていない。
H3とイプシロンSはともに、情報収集衛星や気象衛星など、国の重要な衛星の打ち上げに使用する「基幹ロケット」で、安全保障上も重要な位置付けだ。だが今回のH3の失敗で、日本の基幹ロケットは全滅状態だ。
なぜ今回の失敗が起きたのか検証し、今後はどうするべきかを学び、萎縮せず挑戦を続けていくことが重要だ。(伊藤壽一郎)
ヒグマ駆除で発砲し猟銃所持の許可取り消し処分、最高裁が弁論へ…ハンターの敗訴見直しの可能性
北海道砂川市の要請でヒグマを猟銃で駆除した際に民家付近で発砲したとして、道公安委員会から猟銃所持の許可を取り消す処分を受けた猟友会の男性(76)が、道に処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は22日、原告側と被告側の双方から意見を聞く弁論を来年2月27日に開くことを決めた。男性の敗訴とした2審判決が見直される可能性がある。
処分を巡っては、ハンターの責任が重すぎると猟友会関係者らが反発し、自治体の駆除要請を拒否できるとの方針が道内の猟友会で示される契機になった。市街地に出没したクマによる被害が多発する中、最高裁の判断が注目される。
昨年10月の2審・札幌高裁判決によると、道猟友会砂川支部長の男性は2018年8月、市の要請を受けてライフル銃でヒグマを駆除した。道公安委員会は19年4月、クマの後方に土手を挟んで民家があったことから、発砲した行為が銃刀法違反にあたるとして、銃の所持許可を取り消した。
21年12月の1審・札幌地裁判決は、男性が市の要請で出動したことなどを踏まえ、「所持許可の取り消しは、社会通念に照らして著しく妥当性を欠く」と処分を取り消すよう命じた。これに対し、2審判決は「弾丸が周辺の建物に到達するおそれがあった」と指摘。市の要請などの事情を考慮しても処分は妥当だとし、男性側の逆転敗訴とした。
柏崎刈羽原発の“再稼働” 事実上決まる 県議会が知事を「信任」《新潟》
県議会は12月22日、東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働を容認した花角知事を信任する決議案を賛成多数で可決しました。これにより事実上決まった柏崎刈羽原発の再稼働。花角知事は23日、経済産業相に再稼働の容認を伝え、原発をめぐる「地元同意」の手続きは完了します。
12月22日、迎えた県議会最終日。
(リポート)
「花角知事が議場に入ります。再稼働を容認した知事を信任するかまもなく決着がつきます」
一方、県庁前には市民団体など約300人が集まり、抗議の声を上げました。
「県民の意思を聞いてから再稼働を決めてもらいたい」
「手続き的におかしい」
東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発。知事が就任から7年をかけて出した結論は再稼働への「同意」でした。
〈花角知事〉
「新潟県としては(再稼働に)了解するとしたい。「信任できない」「知事の職務を続けるべきでない」と県議会が判断されるのであれば辞めたい」
傍聴席は満席となり、立ち見も出る中、県議会に問われた「信任」のゆくえが見守られました。
〈未来にいがた 大渕健県議〉
「「信を問う」なら県民に直接問うのが筋です。自ら表明してきた「信を問う」このことについて公約違反です」
〈リベラル新潟 小泉勝県議〉
「国と自民党、そして知事らが水面下でシナリオを描き県民投票、知事選、議会議決という選択肢の中から最も確実に通る議会決着へと誘導してきた構図があきらかになっている。県民の意思をくみ取らない政治的決着にほかなりません」
県議会は知事を支持する自民党が県議会の過半数を占めます。このことから野党会派は、知事の「信任」は問われる前から確実になっていると反発しました。
その自民党…
〈自民党 高橋直揮県議〉
「県知事の職務を続けていく是非については「是」すなわち県知事の職務を続け、今後のかじ取りをになっていくべきという意味で「是」という意思を表明するものであります」
〈議長〉
「傍聴人は静粛に願います」
ヤジも飛び交う中、自民党と公明党は原発の安全対策の広報費に関する3142万円の補正予算案に付帯して、知事を信任する決議案を提出。そして…
〈議長〉
「本案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数よって本案は可決いたしました」
再稼働を容認した花角知事への信任は自民党や公明党などの賛成多数で可決。東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働が事実上決まりました。
東日本大震災発生の翌年、2012年から全号機が停止する柏崎刈羽原発。東京電力が運転する原発として福島第一原発の事故後、初めて再稼働することになります。
〈花角知事〉
「私は信任をいただいたと思っています。一つの区切りではありますけれどもこれが終わりではない。県民の安全安心を確保していくという意味では終わりがないきりがない話です」
閉会後、自民党の県議団からは来年行われる知事選挙を意識した声も上がりました。
〈自民党県連 岩村良一幹事長〉
「長い期間この問題に取り組んできて熟議議論が尽くされた結果だと考えている。早めとも言われている知事選にも対応していかなければならない」
野党系会派はこの結果に大きく反発しました。
〈未来にいがた 大渕健県議〉
「(知事は)あたかも自分の存在が議会によって支えられていると納得できるものではないですし、これで通ってしまうんだということに唖然としてしまう」
〈リベラル新潟 小泉勝県議〉
「春の県知事選挙に向けて首長の候補を立てられるように、原発は止められないんだけれども我々と意を同じくして県民目線で県民のための県政を確立しなきゃいけない」
柏崎刈羽原発が立地する柏崎市の桜井市長は…
〈柏崎市 桜井雅浩市長〉
「ようやくここまで来たのかなとまず感想です。あと1月ある訳ですのでその間、何もなく再稼働に進んでもらいたいと思っています」
知事は23日、赤沢亮正経済産業大臣に再稼働の容認を報告。関係者によると、東京電力は来年1月20日を軸に再稼働する方向で調整しているということです。
柏崎刈羽原発の全号機停止から13年あまり…県が出した「再稼働容認」の結論は日本のエネルギー政策の大きな転換点となりそうです。
近鉄奈良線の人身事故で54歳男性死亡、自殺か 一時運転見合わせ約4万人に影響
22日午後5時10分ごろ、大阪府東大阪市山手町の近鉄奈良線の踏切で、近鉄奈良発尼崎行きの普通電車(6両編成)と同市の男性(54)が接触した。男性は病院に搬送されたが間もなく死亡が確認された。
大阪府警枚岡署によると、運転士が踏切内に男性がいるのを発見し、ブレーキをかけたが間に合わなかった。運転士は「警笛を鳴らすと(男性が)しゃがみこむのが見えた」と説明しているという。同署は自殺の可能性があるとみて調べている。
近鉄によると、事故の影響で同線瓢箪山-石切間の上下線で約1時間15分間運転を見合わせた。帰宅ラッシュの時間帯と重なり、計41本が運休や部分運休したほか、計8本が遅れ、約4万人に影響した。
増本慎也被告(31)「地位と信頼を悪用」来庁者から現金盗んだ罪に問われる広島県警の元警察官(31)に懲役2年求刑 ゲーム課金などで多額の浪費か 同様の犯行10回程度繰り返す
警察施設を訪れた人から現金を盗んだ罪に問われている元警察官の男の初公判で検察側は懲役2年を求刑しました。
起訴状によりますと元・広島県警 竹原警察署所属の巡査長、増本慎也被告(31)はことし3月、当時勤務していた大崎上島分庁舎の駐車場で、来庁者の財布や車内から現金約6万円を、また、6月には別の来庁者2人から現金を合計で約4万円を盗んだ罪に問われています。
22日の初公判で増本被告は、起訴内容を認めました。
検察側は「警察官の地位や信頼を悪用した常習的な犯行だ」として、懲役2年を求刑。弁護側は、被害者への弁償が済んでいることや示談が成立していることなどから執行猶予付きの判決を求めました。
裁判では、増本被告が生活費とは別にゲーム課金などで最高月30万円の支払いを請求されていたこと、同様の犯行を10回程度繰り返したことなどが明らかにされました。
判決は来年の1月23日に言い渡されます。
「運転代行に事故られてとんずらこかれた」と虚偽説明か 酒気帯び運転で会社役員の男逮捕 名古屋・守山区
20日朝、名古屋市守山区で酒を飲んだ状態で乗用車を運転し、単独事故を起こした会社役員の男が逮捕されました。
逮捕されたのは日進市に住む塗装会社・役員の男(52)です。警察によりますと、男は20日午前6時40分ごろ、名古屋市守山区の路上で酒を飲んだ状態で乗用車を運転した疑いがもたれています。
男はハンドル操作を誤り中央分離帯に衝突する事故を起こしましたが、けが人はいませんでした。呼気からは基準値を超えるアルコールが検出されましたが、男は駆け付けた警察官に対し「運転代行に事故られてとんずらこかれた」などと説明し、現場から立ち去っていました。
その後の捜査で、車には男しか乗っていなかったという目撃情報や、携帯電話に代行を依頼した履歴がないことなどが分かり逮捕に至りました。男は警察の調べに対し「運転した記憶はない」と容疑を否認しています。
網走監獄の雑居房からメモ発見、耐震工事中に…「教養持った」受刑者の備忘録か
網走刑務所の旧建造物を移築復元した国の重要文化財「博物館網走監獄」で、受刑者が書いたとみられるメモ13枚が見つかった。メモには列車の時刻や温泉地の名前、本のリストなどが書き込まれ、同博物館の今野久代副館長(60)は「読みたい本、(出所したら)行きたい場所を備忘録として書き留めたのではないか」と話している。
メモは、今年6月から耐震工事が始まった「五翼放射状舎房」の雑居房で、床板の隙間に小さく丸められた状態で見つかった。今野さんは、低温アイロンをかけて伸ばして読み進めると、B5判の紙に「急行まりも」などの列車名や具体的な時刻、料金、定山渓や蔵王などの温泉地名がびっしり書かれ、「流転の王妃」や「にあんちゃんの日記」などベストセラーになった本の題名、地理などの本の名前があった。
今野さんは「書き方が丁寧で字もきれい。漢字も多く、教養を持った人物」と推測する。本がベストセラーになった時期や列車の料金などから、1959年から63年に服役した26歳以上の再犯者で、書かれていた時計修理をした店の名前から東京に住んだことのある受刑者の可能性が高いが、特定はできないという。
博物館は移築の際、部材を一つずつ外すことはせず、2部屋ずつブロックにして搬送された。そのため、今回の耐震工事で初めて外される床や壁があり、耳かきなど、板の間に隠されたものが出てきている。今野さんは「時代背景をしのぶものがあり、工事終了後に建築ラボのようなコーナーをもうけ、見つかったものと一緒にメモも公開できれば」と話している。
網走監獄は1890年設置の網走囚徒外役所を前身に1903年の監獄官制発令で網走監獄になった。09年の火災で建物のほとんどを焼失したが、12年に再建された、数少ない明治期の木造監獄建築物。81年以降に現在地に順次移築保存され、2件8棟は2016年に国の重要文化財に指定された。
女子高校生(15)が横断歩道でトラックにはねられ死亡 運転手(50)を逮捕 千葉市美浜区
20日夜、千葉市の交差点で横断歩道を渡っていた女子高校生がトラックにひかれて死亡し、50歳の運転手の男が逮捕されました。
警察によりますと、20日午後9時半前、千葉市美浜区の交差点で、青信号の横断歩道を渡っていた歩行者が、右折してきた4トントラックにひかれました。
ひかれたのは15歳の高校生・今福心美さんで、病院で死亡が確認されました。アルバイトからの帰り道だったということです。
警察は、トラックを運転していた花岸純容疑者を過失運転致傷の疑いで逮捕しました。
花岸容疑者は、勤務先の駐車場にトラックを戻すところだったということで、警察の調べに対し、「交通事故を起こしたことに間違いありません」「安全確認をしたつもりだったが不十分だった」と容疑を認めているということです。
警察は、容疑を過失運転致死に切り替えて詳しく調べる方針です。