12日午前10時ごろ、大阪府豊中市浜の解体工事現場で、作業中の会社員男性(30)=和歌山県和歌山市=が落下してきた鋼材の下敷きになった。男性は約4時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。
府警豊中南署によると、現場は工事で発生した土砂を一時的に保管する貯蔵施設。施設の解体のため、クレーンで建物の柱や梁(はり)に使う「H形鋼」を取り除く作業をしていたところ、何らかの原因でH形鋼1本(長さ約5メートル、重さ約1トン)が落下し、男性が下敷きになったという。同署が業務上過失致死容疑を視野に詳しい経緯を調べている。
現場は阪急電鉄宝塚線服部天神駅から南東に約900メートルの住宅街。
愛子さまが青森を初めてご訪問 単独ご公務が増えているワケ
愛子さまがおひとりで青森県を訪問されました。成年皇族として精力的に活動される愛子さま。公務が増えてきた背景を取材しました。
【画像】2025年と2026年の公務 2026年は13件
愛子さま青森へ単独ご訪問
展示品をのぞき込んでご覧になる愛子さま。気になったのは…。
「合掌しているのは珍しいと思うんですけど…」
青森県八戸市にある是川縄文館で、国宝の合掌土偶をご覧になりました。青森訪問が初めての愛子さまは、縄文時代の遺跡や出土品をご覧になり、「縄文の風を感じたい」などと話されたということです。
青森には国民スポーツ大会の観戦などのため、11日まで両陛下が訪問されていました。12日は入れ替わるように、愛子さまが1人で青森県をご訪問です。
六戸町の会場を訪れ、軟式野球の成年男子準々決勝を観戦されました。
今年は2度、野球観戦に訪れた愛子さま。7歳の時には強い希望で神宮球場へ。東宮御所では、職員と野球のような遊びをされていたといいます。
愛子さまは軟式野球を見るのは初めてですが、音の違いに気が付かれたといいます。軟式ボールがすべてゴムだと伝えると、「確かにゴムの音ですね」と、お話になったということです。
ご公務が増えているワケ
今年、愛子さまの単独公務は増えています。
皇室ジャーナリスト 山下晋司さん
「日本赤十字社の仕事に慣れてこられたことで、公務とのバランスがうまく取れるようになってこられたのでは」
愛子さまは、日本赤十字社の嘱託職員として働く傍ら公務に臨まれています。番組が調べた限り、去年はラオスご訪問などで10件。今年は、すでに決定している鳥取県ご訪問や、来月に検討されているシンガポールご訪問を含めれば、少なくとも13件です。
24歳といえば、天皇陛下はイギリス留学中。同じ内親王だった黒田清子さんは、盲導犬のボランティアに力を入れていました。
「(公務は)今の愛子内親王に比べれば少なかったと思っている。愛子内親王のお考えで単独公務が増えているのは間違いない」
皇室ジャーナリストの山下さんは、公務の増加は愛子さまの考えが含まれていると指摘します。
「愛子内親王のご意思で公務と日赤の仕事のバランスは、ある程度というよりすべて(決めている)。ご本人が決めればいいんです。両陛下から『これはいい公務だから』など言われることはあるかもしれないが、最終的に(公務を)決めるのはご本人」
愛子さまの公務に向かう姿勢について、山下さんは。
「非常に自然に寄り添っていらっしゃる。『公務だから来ました』とか、『公務だから寄り添っている』という感じが全くしない」
(2026年10月12日放送分より)
国連憲章の「旧敵国条項」巡り中国・ロシア・北朝鮮が連動して日本批判、政府は警戒…対外発信強化で対抗
日本政府は歴史認識を巡り、中国、ロシア、北朝鮮の3か国が連動して日本批判を展開していることに警戒を強めている。高市首相は国連総会で、国連憲章の「旧敵国条項」の削除を求めたが、3か国は足並みをそろえ、日本の防衛力強化の動きへの攻撃材料などに利用している。(土居宏之)
「いかなる国も、旧敵国条項を援用する余地はもはやない。削除を実現すべく、関係国への働きかけを続けていく」
首相は9日の参院本会議でこう強調した。「援用」する国として念頭に置くのが中露朝の3か国だ。
旧敵国条項は、第2次世界大戦で連合国の敵国だった日本などが再び侵略政策をとった場合、国連安全保障理事会の許可なしに軍事的な措置を取れるとした内容を指す。国連総会決議では1995年に「死文化」していることが確認され、2005年には削除方針も採択された。中国やロシアも反対していなかった。
だが、昨年11月の高市首相の台湾有事を巡る国会答弁以降、中国は旧敵国条項をたびたび持ち出してきた。在日中国大使館は同月、X(旧ツイッター)で「日本などが侵略に向けた行動を取った場合、中国など国連創設国は安保理の許可を要することなく、軍事行動を取る権利を有する」と投稿した。
首相が9月の国連総会の一般討論演説で、あえて早急な削除を要求したのは、こうした動きを踏まえたものだ。国連演説で日本の首相が言及したのは05年の小泉純一郎首相以来となった。外務省内には「寝た子を起こす必要はない」(幹部)などと慎重論もあったが、首相官邸からの強い意向で盛り込んだ。削除は首相就任前からの持論でもあり、首相は演説で「日本の誇りと名誉にかけて強く申し上げておく」と訴えた。
首相の演説に対し、中国は一般討論の最終日に答弁権を行使し、「日本の再軍事化が世界の平和と安定に対する脅威になっている」などと反発。北朝鮮も「日本は戦争国家への転換を加速している」と呼応した。日本政府は2回にわたって答弁権を使って反論し、条項を「時代遅れ」と認めた決議が中国を含む支持を得て採択されたことなどを指摘。「日本は歴史的事実に謙虚に向き合い、誠実に対処してきた」と説明した。
日本政府は、3か国の発信について「日本の防衛力強化をけん制し、日本と近隣国に亀裂を生じさせる狙いがある」(政府関係者)とみている。首相は第2次改造内閣の発足に伴い、歴史問題などで「対外発信を強化する」よう関係閣僚に指示した。7月に設置した国家情報局でも、歴史認識を利用した他国の影響工作の情報収集や、対抗策の検討を進める考えだ。
横浜市の飲食店で男性が背中刺される 逃走していたキューバ国籍の男を逮捕
11日、神奈川県横浜市の飲食店で男性が背中を刺された事件で、逃走していたキューバ国籍の男が逮捕されました。
警察によりますと、逮捕された、キューバ国籍のタピア・アギレラ・フリアン・オスカル容疑者は11日、横浜市中区の飲食店で外国籍の32歳の男性の背中を刃物で刺すなどして殺害しようとした疑いがもたれています。
タピア容疑者は事件後、逃走していましたが、12日午後2時半過ぎに警察署に出頭し、逮捕されたということです。
タピア容疑者は「ナイフで男性を刺しましたが、殺すつもりはありませんでした」と容疑を一部否認しているということで、警察は当時の状況を詳しく調べています。
片山財務相が世銀IMF合同開発委議長に=日本初、高市首相発表
高市早苗首相は12日、自身のX(旧ツイッター)で、世界銀行・国際通貨基金(IMF)合同開発委員会の次期議長に片山さつき財務相が就任すると発表した。1974年の同委員会設置以来、日本からの議長就任は初めてだという。
合同開発委は主要加盟国の閣僚らが参加し、途上国などの経済発展に向けて世銀とIMFに助言する役割を担う。現在はスウェーデンのスバンテッソン財務相が議長を務めている。 [時事通信社]
障害者50人が「9か月」で雇用打ち切り、予定は「1年半」・業者任せの就労管理が原因か…調剤大手子会社で
障害者の働く場を雇用企業に提供する障害者雇用ビジネスの業者を通じ、調剤薬局大手「アインホールディングス(HD)」(東証プライム、札幌市)の子会社に雇われた障害者約50人が、会社側の都合により、雇用を9か月で事実上打ち切られていたことが関係者への取材でわかった。障害者は就職前に業者から「1年半のプラン」と説明されており、ショックで働けなくなった人もいた。
約50人もの障害者が「期間短縮」の上で一斉に退職扱いとなるのは異例だ。この子会社は直接の雇用主であるにもかかわらず「業者から『1年半』とは聞いていなかった」としており、就労管理などを業者任せにする一部の雇用ビジネスのあり方がこうした事態を招いた可能性がある。
この子会社は、全国で「さくら薬局」を展開する「クラフト」(東京都千代田区)。昨年8月にアインHDに買収された。
関係者によると、クラフトは同10月、雇用ビジネス業者「サンクスラボ」(那覇市)の仲介を受け、自社とその子会社で計約50人の障害者を雇った。障害者らはサンクスラボのオフィスや在宅で勤務した。
障害者らは就職前、サンクスラボから、企業ニーズに合わせて1年半の育成を行う「キャリア開発プラン」と説明されていた。書類上の雇用期間は6か月で、契約更新は「あり得る」、更新上限は「定めなし」などと記載されていた。
ところが、契約更新前の今年3月上旬頃、サンクスラボの担当者から、次の雇用期間は3か月となり、6月末で雇用が終了すると伝えられた。新たな契約書では、次回更新が「なし」に変更されていた。
精神障害のある40歳代男性は「半年ごとの更新で少なくとも1年半は働けると思っていた」といい、ショックで出勤できなくなり、まもなく退職した。
クラフトは取材に、雇用終了は「障害者と同じ環境で働くという(アインHDの)方針が判明したため」とした上で、退職した人の再雇用を検討していることを明らかにした。
サンクスラボは「弊社の契約者とその従業員との契約に関することで、回答を控える」としている。
高市内閣支持率63%“横ばい”の裏で…外交支持6割を打ち消す「簗大臣発言」“擁護”が政権の打撃に?歴代政権にみる“致命傷”の歴史【10月JNN世論調査解説】
最新のJNNの世論調査で高市内閣の支持率が先月の調査から0.5ポイント上昇して63.0%となった。微増にとどまり実質的には“横ばい”と言える。
9月から10月の1か月間、高市総理はアメリカ・ニューヨークを訪問し国連総会での演説やトランプ大統領との首脳会談を行った。また内閣改造、自民党役員人事を行い第2次高市改造内閣を発足させた。
一般的に外交や人事は支持率を押し上げるきっかけだと言われる。果たしてそれは本当か?今回は支持率の大幅な上昇には繋がらなかった。その原因を検証する。
高市訪米の成果については「6割」支持、人事の評価は「不支持が支持を上回る」結果に
高市総理は現地時間9月22日、国連総会で演説し「法の支配」に基づく自由で開かれた秩序の維持を訴えたほか、総理が強くこだわってきた国連憲章からの「旧敵国条項」の早急な削除などを訴えた。
さらに米中会談の直前というタイミングでトランプ大統領との会談を行い、アメリカに対して一定の牽制を行った形となったが、ICC(国際刑事裁判所)赤根所長の制裁をめぐっては、制裁撤回を直接求めたかどうかについては明らかになっていない。
こうした今回の一連の高市総理の外遊について6割が「評価する」と答えている。
またこれに先立つ9月16日には自民党役員人事、翌17日には内閣改造をおこなった。
この記事を執筆している10月初旬は、簗農水大臣の「予算カット」発言で、臨時国会冒頭から野党からの追及が相次いでいるが、今回の調査は10月3日、4日で、簗農水大臣の発言が明るみに出て間もない調査だったため、今回の内閣改造・党役員人事について判断が分かれる結果となった。
今回の人事について「評価する」は31%、「評価しない」は40%で、「評価しない」が「評価する」を上回る結果となった一方で、「答えない・わからない」と回答した人も30%いた。“評価できない”人が3割にのぼったことは過去のJNN世論調査と比較しても珍しい傾向で、今回の人事を評価するには時間が足りないタイミングの調査だったのだと推測する。
一方で今回、政治資金収支報告書で不記載額のあった2人の自民党議員が入閣した。23年末、いわゆる派閥の裏金発覚後、初めてのことだ。
高市総理はこの問題について24年、26年の2度の衆議院選挙などを経験し、有権者の審判や地元での説明を経て「みそぎは済んだ」という立場だが、実際“不記載議員”の入閣については「問題がある」と答えた人は58%、自民党支持層に限っても49%が「問題がある」と答えていて、「問題がない」と回答した人を上回っている。
裏金問題については関与のあった個々の議員が国会、地元で説明し、選挙を経ているものの「具体的にだれが、いつ、どのように決めて、お金をどう使ったのか」という肝心な部分が解明されず今に至っている。
人事が奏功して支持率上昇したのは過去25年・20例のうち「5例のみ」
冒頭、一般的に「外交と人事は支持率上昇の要因となる」と述べたが果たしてそうなのか、検証してみたい。
まず外交が支持率上昇要因になる理由は、単純にメディアへの露出が増えることだ。首脳会談など表に見える部分では不規則発言・行動が起こりづらく、外遊の詳細な内容はすぐにわからないことが多い。また連休など国会日程に影響せず、政治イベントが少ない時期に外遊が組まれることが多いため、総理の露出が相対的に増える。こういった背景もあり、外遊は評価されやすい傾向がある。
しかし、人事については評価が分かれることが少なくない。 支持率が低迷している内閣にとっては、抜擢人事をするなど人事を起爆剤として、支持率を上昇を狙う場合もある。ただそれが功を奏すパターンと、そうでないパターンがある。
歴代内閣の改造前後の支持率を比較してみて、人事が内閣支持率上昇に貢献しているのかどうか。遡るときりがないため、ここでは2001年以降の25年間で検証をする。
この25年間で内閣改造が行われたのは計20回。統計上、JNNの世論調査のようにサンプルが1000以上の場合、「プラスマイナス3ポイント」は誤差の範囲とされている。それを踏まえれば、内閣改造の前後の月で支持率が「上昇」したのは「7例」、3ポイント以内の「横ばい」は今回の高市改造内閣をあわせて「7例」、一方「下落」した例は「6例」だった。
ただ支持率上昇、下落の要因が人事だったかどうかはもう少し詳細の分析が必要だ。支持率が「上昇」した「7例」のうち、例えば2002年の第一次小泉改造内閣前後の支持率の上昇は人事と言うより、北朝鮮への電撃訪問が主たる要因だった。また2018年の第4次安倍改造内閣での組閣人事前後の支持率上昇は、安倍氏が総裁選3選した余波であり、このとき過去最多12人が初入閣したが、当時「在庫一掃内閣」などと揶揄され、人事自体はマイナスの評価が多数を占めていた。
こうした外部の要因を排除すれば、人事が評価をされて支持率が上昇したケースは過去25年、20例のJNN世論調査で分析すれば、2005年第3次小泉改造内閣、2007年第一次安倍改造内閣、2008年福田改造内閣、2011年菅再改造内閣、2014年第2次安倍改造内閣の「5例」ではないかと考えられる。
最も上げ幅が大きかったのは2007年の第1次安倍改造内閣で、前月比15.3%上昇した。このときは「消えた年金問題」で参院選で歴史的な大敗を喫した反動というのもあったが、第1次安倍内閣発足当初は「お友達内閣」と批判されたがこの人事でベテランを多く起用し、「政権運営の安定感」をアピールすることに成功したと見られる。
しかしせっかく上昇した支持率だったが、このJNN世論調査のわずか数日後、安倍総理は健康状態の悪化などを理由に退陣する。
人事が“失敗”して支持率下落した例は20例中「1例」か
逆に人事の前後で支持率が「下落」した「6例」のうち、純粋に人事の“失敗”とみることができるのは何例か。
例えば、前の月から5ポイント下落した民主党政権下の2010年菅改造内閣では、尖閣諸島近海の日本の領海で操業中の中国漁船と日本の巡視船が衝突した事件の対応、2012年野田改造内閣では消費税の引き上げを表明したことが下落の主要因で、人事による支持率回復も見込めなかった。
そのほかにも5ポイント前後下落した過去の内閣の例は、人事による評価以上に、支持率を押し下げる別の外部要因があることがほとんどである。
その中でも、純粋に人事の“失敗”による支持率の下落と見て取れるのは、9.4ポイント減と過去最も「下げ幅」が大きかった22年8月の第2次岸田改造内閣だろう。改造人事後、閣僚のうち7人に旧統一教会や関連団体との接点・関係があったことが発覚し、発足直後から激しい批判を受けた。その後、実際この年の10月以降、3閣僚の「辞任ドミノ」が始まることとなった。
まだこの時点では判定できないが、もしかすると今回の高市内閣の人事はこれに近い可能性がある。今回の調査結果に「簗大臣の発言直後なのに支持率微増は驚いた」など自民党内から聞かれることが多かった。外遊の評価は6割だったが、支持率が横ばいだったのは人事による起爆効果はなかったのではないか。
スパッと切った安倍内閣、守り続けて失敗した岸田内閣、高市内閣も…
内閣改造は、支持率が低迷している内閣にとっては心機一転をアピールでき、目玉人事で話題を作ることで、支持率上昇を図る狙いもある。
ただ高市内閣は総理就任後11か月となっても依然6割を越える高い支持率で推移していて、人事で支持率上昇を狙うというより、これまでの派閥推薦から脱した高市総理なりの適材適所の人事をおこなったものと見られている。誰しも驚くような抜擢人事というよりその分野に詳しい役人出身者を多く登用するなど堅実な人事と言える。
そうした中で発覚した簗農水大臣の「自民党を支持しなかった自治体の道路予算をカットした」という発言だ。
10月8日、所信表明演説に対する各党の代表質問で、高市総理は「発言は不適切だと考え厳しく注意をした」と述べる一方、「しっかりと説明をした上で襟を正して職責を全うしてほしい」と簗大臣を続投させる考えを明言した。簗大臣については衆院選の出陣式の際、バスで参加者を無料で送迎した“新たな問題”も浮上している。
第2次安倍内閣当時、官邸にいた議員や関係者はこぞって「安倍総理なら即更迭だ」と口を揃える。
思い出されるのは2017年、当時二階派に所属していた今村雅弘復興大臣が二階派の政治資金パーティーの講演の中で東日本大震災について「(首都圏ではなく)東北だったから良かった」と発言し、その数時間後に更迭された。当時二階派担当だった私はその一部始終を会場で目の当たりにした。安倍総理による電光石火の“更迭劇”だった。
一方、私が官邸キャップとして取材した岸田内閣はぎりぎりまで守り抜く内閣だった。 22年10月、山際大志郎経済再生担当大臣が旧統一教会との接点が相次いで発覚した際や、翌11月、寺田稔総務大臣が自身の政治団体をめぐる「政治とカネ」の問題が発覚したときなど、岸田総理は「説明責任を果たしてもらう」として起用し続けるものの、野党からの追及に耐えきれず結果辞任に至った。
旧統一教会問題、派閥の裏金問題はその後、岸田政権の致命傷となっていく。
現在の高市内閣はこのときに似ている。 今年3月、松本文科大臣の女性スキャンダルの際も「反省した上で一生懸命に職責を果たしてほしい」として守り抜き、今回の簗農水大臣も現状更迭する考えがないことを繰り返し述べている。 まもなく総理就任1年。高い支持率で推移する高市内閣だが、この判断が政権の分水嶺になるのかどうか、正念場を迎えている。
TBS政治部 世論調査担当デスク室井祐作
【10月JNN世論調査の結果概要】 ●高市内閣の支持率は63.0%(先月より0.5ポイント上昇)。不支持率は33.9%(先月より1.0ポイント下落)。
●政党支持率は、 自民 34.7%(2.5↑) 維新 3.2%(1.0↑) 国民 2.9%(0.3↑) 立憲 2.5%(0.2↓) 参政 3.4%(1.0↓) 公明 2.8%(1.6↑) 民主 0.4%(-) みらい0.6%(1.3↓) 共産 2.5%(0.5↑) いのち0.3%(0.0→) 保守 0.8%(0.5↓) 社民 0.3%(0.2↓) その他0.6%(0.0→) 支持なし41.4%(1.7↓)
●今回の内閣改造、自民党役員人事について「評価する」31%、「評価しない」40%
●政治資金収支報告書に不記載があった2人の自民党議員を大臣に起用したことについて「問題があると思う」58%、「問題があると思わない」29%
●高市総理の国連総会の演説や日米首脳会談など一連の外交について「評価する」60%、「評価しない」26%
●高市総理が表明した食料品の消費税を来年4月から2年間1%に引き下げる方針について 「賛成」54%(先月より3ポイント上昇)、「反対」36%(先月より6ポイント下落)
●食料品消費税1%は物価高対策として「非常に効果がある」4%(先月より3ポイント下落)、「ある程度効果がある」39%(先月より3ポイント上昇)、「あまり効果はない」42%(先月と変わらず)、「全く効果はない」13%(先月と変わらず)
●高市総理や総理官邸のSNSによる情報発信について「大いに評価する」20%、「ある程度評価する」35%、「あまり評価しない」29%、「全く評価しない」12%
●臨時国会で重点的に取り組んでほしい政策について 1位「年金や医療などの社会保障対策」20% 2位「物価高対策」19% 3位「賃上げなどの景気対策」16% 4位「外国人政策」10% 5位「教育や子育て政策」9% 6位「外交・安全保障」7% 7位「消費税率の引き下げ」6% 8位「衆議院の定数削減」5% 9位「憲法改正」2% 「それ以外」3%
【調査方法】 JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。10月3日(土)、4日(日)に全国18歳以上の男女2757人〔固定735人、携帯2022人〕に調査を行い、そのうち37.1%にあたる1022人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話434人、携帯588人でした。インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。今後とも世論調査にご理解とご協力をお願いします。
〝予算カット〟簗和生農水相に辞任圧力 スルーすれば政治生命に影響「安倍政権だったら…」
簗和生農水相への辞任包囲網が段々と狭まってきた。野党6党は参院農林水産委員会で簗氏の所信聴取に応じないことを確認。場合によっては問責決議案の提出も検討するという。高市早苗首相は「人一倍働いてほしい」と更迭を否定しているが、このままでは簗氏の政治生命に影響が出かねないと指摘する声もある。
簗氏は5月に地元会合で栃木県那須烏山市と那珂川町の道路予算について「大幅にカットした」と発言。今年2月の衆院選でこの2市町の首長が自身を応援しなかったことの報復かと騒がれた。
簗氏自身も、簗氏から道路予算について問い合わせを受けた国交省も働きかけや圧力を否定。しかし、週刊文春最新号では簗氏が衆院選で支援者をシャトルバスで会合場所まで無料で運んでいたとする公選法違反疑惑まで指摘された。相次ぐ疑惑に自民党内からも悲観的な声が上がっている。
永田町関係者は「安倍政権だったら菅義偉官房長官が動いて疑惑が報じられた直後に辞めさせていただろう。高市政権では誰もそういったアドバイスができないことが問題だ」と話した。
13日から衆院予算委員会が始まる。今のままなら参院農水委員会は開催されないかもしれない。参議院は少数与党なだけに問責決議案となれば可決の可能性もある。
「簗氏はまだ47歳。サッと辞任していれば将来また大臣になる日もあったでしょう。しかし、これだけズルズルと居座ると再起は難しくなるばかり。マイナスの印象がついてしまった」(同)
簗氏は前回の衆院選で小選挙区では勝てず比例復活となっていた。地元栃木からも厳しい声が相次いでおり騒動が収まる気配はない。
簗農相続投で炎上止まらず、自民党内からも批判噴出…高市首相の「アンケート」が完全裏目に
簗農相が衆院選で自身を応援しなかった首長がいる2市町の道路予算を「大幅にカットする」と放言し、実際に減額された問題が拡大の一途だ。高市首相は9日の参院本会議の代表質問で「本人が適切に説明することが重要。しっかりと説明してほしい」と話し、改めて簗氏を続投させる意向を示した。ところが、炎上が止まらず、ついに党内からも批判噴出だ。
本会議開会前の9日朝、自民党本部で開かれた「農業構造転換推進委員会」の冒頭で、簗氏は「食料安全保障を確立していく中で、必要な予算については確実に勝ち取る」と爽やかな笑顔で挨拶。すると、参加者の鈴木宗男参院議員が突如「まず冒頭に『お騒がせしてます』だとか『しっかり説明責任を果たしてやってまいります』というような挨拶があってしかるべきじゃないかな?」などと叱責したのだ。
簗氏は、これまで報道陣に見せたことがないほど憔悴した表情で謝罪の弁を述べたが、簗氏の地元・栃木県連顧問の佐藤勉元総務相も下野新聞の取材に「予算配分を減らすなどと言ってはいけない」と、苦言を呈している。
党内からもブーイングで「辞任秒読み」とも囁かれるが、高市にクビを切る意図がないようだ。
「予算カット発言が発覚したのは先月末で、既に1週間以上が経過。この発言を深刻に捉えているなら、もっと早く切っているはずです。いまだに更迭していないということは、このまま乗り切れると踏んでいるのでしょう」(官邸事情通)
野党は簗大臣をロックオン。主戦場は、高市首相が出席する13、14両日の衆院予算委員会と、16と19日に実施される参院予算委だ。下手をすれば、内閣支持率にも影響しかねない。
■秘書へのパワハラは永田町では有名だった
「総理は今回の人事に際し、所属議員を対象にした『役職希望アンケート』を最重視したと公言。自らの責任で簗さんを農相に起用したわけですから、任命責任は重い。そもそも、簗さんの秘書へのパワハラは永田町では有名だった。『閣僚起用は危険』という情報は官邸に上がっていたはずだが、アンケート重視の総理は聞く耳を持たなかったようだ」(官邸事情通)
目下、関芳弘文科相に政治資金規正法疑惑が浮上し、藤井比早之総務相には公選法違反の疑いが浮かんでいる。アンケート結果を基に、高市首相の判断で彼らを起用したわけだが、簗氏を含め問題人物ばかり。今後も火種は尽きなそうだ。
◇ ◇ ◇
高市改造内閣の面々は、問題人物ばかり。関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。
恫喝音声の渦中に「クソみたいな質問をしてくる記者」発言…簗和生農相が今度は被災地・熊本で“記者愚弄”放言をしていた《新たな重大疑惑も発覚》
2024年と今年の公示日に開かれた出陣式。計200人の支援者は、簗陣営が手配したシャトルバスで送迎され――。
衆院選の公示日だった今年1月27日の夕刻、栃木県大田原市内の野原に隙間なく並べられたパイプ椅子は、白い鉢巻姿の支援者たちで埋め尽くされていた。
彼らが前方に見据えるのは、荷台部分を本格的なステージとして使用できる巨大なステージトラック。「やな和生出陣式」という横断幕の下に立った男性が拳を突き上げると、会場は静かに沸き立った。
「政権与党の簗和生ですよ。高市総理と繋がっている簗和生なんですよ。私にやらせて下さい」
だが、大勢の支援者たちが出陣式に集った裏には重大な疑惑が潜んでいた。
◇
「発言について撤回をし、お詫びをいたします」
10月5日午後、簗和生農相(47)は“恫喝音声”について3度目の会見を開き、想定問答が記されたペーパーにたびたび視線を落とした。
事の発端は、5月24日に催された自民党大田原支部の懇親会。簗氏は2月の衆院選で支援しなかった首長の自治体を名指しし、「令和8年度の道路予算については大幅にカットをしました」と言い放ったのだ。9月30日昼、 「週刊文春 電子版」が当日の証拠音声を報じる と、対応に追われた。
「10月2日午前の会見で事実関係を問われた簗氏は『コメントは控える』と繰り返し、火に油を注ぎました」(政治部デスク)
翌3日、簗氏は被災地の熊本県を視察。同行した報道陣が“恫喝音声”について質問したが、回答を避け、その後、地元自治体の首長らに愚痴を吐いたという。
「クソみたいな質問をしてくる記者を連れてきちゃいまして、すみませんねー」(10月9日、簗氏は記者会見で本発言について問われ「お時間を取らせてしまって申し訳なかったという趣旨で発言したが、明確に覚えていない」と回答した)
《この続きではシャトルバスを使った買収疑惑や簗氏をめぐる政権内部の動きを詳しく報じている。記事の全文は「 週刊文春 電子版 」をお読みください》
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年10月15日号)