維新に3議員会派入り釈明 丁寧さ足りずと自民幹事長

日本維新の会の吉村洋文代表は1日、衆院会派「改革の会」所属だった3議員が自民党会派に加わったことに関し、自民の鈴木俊一幹事長から「もう少し丁寧に話せば良かった」と釈明を受けたと明らかにした。首相官邸で鈴木氏らとの面会後、記者団の質問に答えた。
3議員はいずれも維新出身。党運営への不満などから維新に離党届を提出し、除名された経緯がある。吉村氏は「本来なら議員辞職が筋だ」と批判していた。

“民泊トラブル”増加 騒音・ポイ捨て…「外国人嫌いになりそう」悲痛な声も 必要なルールとは【Nスタ解説】

外国人観光客の増加などで年々需要が高まる「民泊サービス」。トラブルに見舞われた近隣住民たちの“悲痛な声”を取材しました。
スーツケースも不法投棄?民泊“トラブル”増加
高柳光希キャスター: 個人の家を旅行者などに提供する「民泊サービス」。
国交省・観光庁によると、「民泊届出数の推移」は、2018年の民泊新法が施行以降、右肩上がりになっているということです。
2020年ごろからコロナ禍で一度落ち込みましたが、インバウンド効果も相まって需要が増加。11月14日時点で3万6851件となっています。ただ、数が増えるに伴って様々なトラブルも出てきています。
TBS報道局社会部犬飼さき記者: 民泊施設の近隣住民に話を聞きました。
主なトラブルとしては、▼宿泊客が夜遅くまで騒ぐことによる「騒音」、▼日本のルールを知らない外国人観光客によるタバコやペットボトルの「ポイ捨て・不法投棄」があるといいます。使わなくなったスーツケースを民泊施設外に置いてしまうケースもあるそうです。
また、▼「私有地に侵入」です。団体の宿泊者も非常に多いため、送迎バスや車などが侵入したり、道を妨げてしまったりというトラブルなどもあるということです。
「騒音で眠れず…」近隣からは悲痛な声
高柳キャスター: 民泊利用者をめぐるトラブルについて、近隣住民からはどのような声が聞かれましたか。
TBS報道局社会部犬飼さき記者: 一般的なトラブルであれば、相手と話し合い・相談によって解決できる場合もありますが、民泊の場合は日々、宿泊者が変わるため、「新しい宿泊者が来る度に静かに・きれいにしてと同じことを言い続けるのが疲れる」という声がありました。
ほかにも外国人とのトラブルが多いことで、「外国人を嫌いになりそう」「騒音で眠れず、睡眠導入剤を飲んでいる」「行政や法律で対処してほしい」といった悲痛な声もありました。
井上貴博キャスター: “外国人観光客が増えて宿が足りないので民泊を活用しよう”というのは、自然の流れだったと思います。しかし、外国人観光客の増加に対して、ルール・制度作りが遅れていることで、その歪みがトラブルとして出てきているように思います。
民泊を持続可能的なものにするためにも再整備をして、しっかりとルールを作るべきなのかもしれません。
スポーツ心理学者(博士)田中ウルヴェ京さん: ルール作りで一番大事なのは、ニーズの調査だと思います。やってみないと分からないことも多いと思うので、今は実際にやって、変化させていく中間地点なのかなと思います。
民泊があるおかげで、近所の人たちと仲良くできたというケースや、外国人と何かを一緒にやることを楽しんでいる住民もいます。一方で、民泊をやめたケースもあります。
どのように対処していくかはケースバイケースですし、近隣住民で対処できないことを自治体に「何とかしてほしい」というのは当然のことだと思います。
警視庁が強制捜査 “民泊新法”違反の疑いで初
高柳キャスター: 民泊のオーナーと行政のトラブルもあります。
TBS報道局社会部犬飼さき記者: 東京・荒川区では「民泊に関する条例」で、事業の実施禁止期間が「月曜日の正午~土曜日の正午」と定められています。平日の営業は禁止されているということです。
そうした中、警視庁は11月28日、荒川区の民泊施設とその運営会社に家宅捜索に入りました。住宅宿泊事業法が施行されてから初の強制捜査になります。
運営会社(新宿区)が、▼禁止期間に客を宿泊させる、▼区に虚偽の報告、▼業務改善命令に従わなかったという疑いがもたれています。
広がるルール作り それでも住民からは不安の声
高柳キャスター: 条例があるところ・ないところがあるようですが、条例が設けられていく流れなのでしょうか。
TBS報道局社会部犬飼さき記者: 騒音やゴミの問題があるということで、各自治体で民泊の規制強化の動きが広がっています。ただ、東京・墨田区では条例内容を不安に思う住民もいるようです。
▼東京・墨田区「条例なし」 →条例制定に向けて検討中 ・金曜日の正午~日曜正午のみ営業可 ・既存施設には適用なし
▼東京・豊島区「条例ありだが、独自の規制なし」 →2026年12月~、規制強化を目指す ・民泊実施は120日まで(民泊新法で定められてる営業期間は180日まで) ・区内の約7割で新設禁止
▼大阪市 特区民泊制度(2016年~) 年間を通じて運営可能→2026年5月に新規受付終了の方針
========== <プロフィール> 犬飼さき TBS報道局社会部警視庁生活安全部担当 日課のデジポリスは「巡査長」に昇任
田中ウルヴェ京さん スポーツ心理学者(博士) 五輪メダリスト慶應義塾大学特任准教授 こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰

高市首相、2日に福島視察=能登も初訪問へ

高市早苗首相は2日、福島県を訪れ、東京電力福島第1原発や帰還困難区域などを視察する。内堀雅雄知事との面会も予定しており、首相は1日の自民党役員会で「除染土の県外最終処分への不安を含め、しっかり話を聴く」と語った。首相の福島入りは就任後初めて。
首相は役員会で、石川県を近く訪問し、能登半島地震からの復興状況を把握する意向も表明した。能登入りも就任後初。 [時事通信社]

愛子さま24歳に “初めて尽くし”活動広げた1年 慰霊の旅やラオス訪問も

12月1日、24歳の誕生日を迎えられた天皇皇后両陛下の長女・愛子さま。戦後80年の慰霊の旅や海外公式訪問など、活動の幅を広げられた1年となりました。
天皇皇后両陛下の長女・愛子さま。12月1日、24歳の誕生日を迎えられました。
愛子さまにとって“初めて尽くし”となった23歳の1年間。去年3月に大学を卒業し、日本赤十字社での勤務も2年目に。成年皇族として、さまざまな公務も経験されてきました。
23歳になってすぐの1月には、歌会始の儀に初めてご出席。詠まれた歌は、「我が友とふたたび会はむその日まで追ひかけてゆくそれぞれの夢」。
友人たちと過ごしてきた学生生活から一転し、新たな道を進んでいく節目を感じた思いを込められました。
また、日本での前回の万博「愛・地球博」開催時、愛子さまは3歳。陛下に絵本の読み聞かせをおねだりされていましたが、今年はおひとりで大阪・関西万博へ。電力館では、たまご形の装置を使ったゲームに懸命にチャレンジされていました。
そして、戦争の記憶と向き合われた年でもありました。
戦後80年の節目にあたり、両陛下に同行された“慰霊の旅”。6月に沖縄、9月には長崎を訪問されました。
陛下「いかがお過ごしですか」
愛子さま「普段はどのようにお過ごしですか。お食事はみなさんご一緒に?」
被爆者養護施設では、両陛下とともに被爆者と懇談される姿も…。
幼い頃から両陛下の公務に同行し「国民の中に入る」というご両親の姿勢を見られてきた愛子さま。
その“寄り添い”のお気持ちは、今年5月、初めて被災地(石川・志賀町)を訪問された際にも表れています。腰を落とし、地元の方一人ひとりと視線を合わせて話されました。
また今年は、初めての外国公式訪問も。先月、6日間の日程でラオスを訪問されました。
2008年、陛下がブラジルに向かう際、お見送りで泣きそうな姿を見せられていた、愛子さま。それから、17年がたち…。
「今後、私たち若い世代が先人たちの歩みを受け継ぎ、両国の懸け橋となって、ラオスのチャンパーや日本の桜のように、美しい花を咲かせていくことができればと思います」
おひとりでの外国訪問で、堂々とお言葉を述べられるようになりました。
幼い頃から、動物愛護にも関心をよせられていた愛子さまは、“お別れ”も経験。
愛子さまが名前をつけられ、幼い頃からずっと一緒だった愛犬「由莉」が今年6月、息を引き取りました。
飼っている猫が「セブン」だけとなり、さみしくなったのではという思いから、今年8月、保護猫を迎えられたといいます。
ご家族で相談し決められた名前は「美海(みみ)」。愛子さまにとってふれあいの時間は心安らぐひとときとなられているということです。

両陛下の助言を受けながら、おひとりでの活動の幅も広げられている愛子さま。24歳の1年は、どんな姿が見られるでしょうか。

横須賀市で“水道管”破裂か 老朽化で工事中に…冠水も

神奈川・横須賀市で「水道管が破裂した」などと通報があり、道路が冠水しました。
冠水した交差点を走る車。車が通り過ぎると、濁った水が広がっていきます。
記者
「交差点が冠水して、地面が見えなくなってしまっています」
1日午後2時半ごろ。神奈川県横須賀市で通行人から「水道管が破裂している」などと通報がありました。
住宅と海岸をつなぐ、この道路。なぜ、水道管が破裂したのでしょうか。
横須賀市によりますと、現場では老朽化による上水道の入れ替え工事をしていて、近くにあった配水管の止水弁が取れて破裂、水があふれ出したということです。
近くに住む人は――
近くに住む人
「大変ですね。渋滞いっぱいしちゃってるから」
交差点の近くの車道などが冠水し通行止めとなっていますが、横須賀市によりますと午後6時までに水を止めることができたということです。
また、近隣の住宅で蛇口から濁った水が出る可能性があるということで、横須賀市が水をタンクにためるなどするよう注意を呼びかけています。

体重約400キロ…こうして巨大ヒグマは捕獲された 約2週間前にも出没?「よくわなに入ったな」地元猟友会会長も驚いた…過去最大級の巨体

11月25日朝、北海道苫前町で、巨大なヒグマが捕獲されました。
箱わなの中で暴れるそのヒグマは、体重は約400キロ、体長は2メートルに迫る大きさです。
町内で、夏ごろからデントコーンが食い荒らされるなどヒグマの出没が相次いでいたため、地元の猟友会が箱わなを設置していました。
《捕獲したことのない巨大ヒグマ 約2週間前にも出没?》
今回の捕獲を受けて、苫前町猟友会の林豊行会長は、その大きさに驚きを隠せません。
「今まで捕獲したもので一番大きいもので325キロ。それと比べても相当大きい」と話します。
また、この場所では、約2週間前の11月11日から12日にかけて、巨大なヒグマが箱わなを押し倒すようすがカメラに捉えられていました。
今回捕獲されたヒグマは、このときのわなを倒した個体と同じ可能性もあるということです。
《地元猟友会会長が語る…こうして巨大ヒグマは捕獲された》
今回捕獲した巨大ヒグマについて、林会長に詳しく話を伺いました。
――今回の箱わなにかかったヒグマの大きさは? 苫前町猟友会 林豊行会長:わなに入っているのを見たが、今までにこんなにボリュームのあるヒグマが捕れたことはない。「よく(わなに)入ったな」という感じです。
こんなに大きいヒグマを今まで見たことはない。9月ごろに、別の場所に設置したトレイルカメラに映っていたヒグマがかなり大きくて、400キロくらいあるのではないかと言っていたが、その個体かなとも思うのですが、実際にわなに入っているのを見るのと、カメラの映像とでは、感覚的にずれがある。正直いうと、大きすぎてわなには入らないだろうと思っていた。
――わなを押し倒したヒグマと同じ個体の可能性は? 苫前町猟友会 林豊行会長:前回わなが倒されたのが12日で、今回捕獲したのが25日。約2週間、この場所には1頭もヒグマは来ていない。わなにかけている餌をキツネやタヌキ、アライグマ、テンなどが来て、少しずつ食べていたので、前日24日に、新しい餌を入れた。その餌に釣られて入ったのかなと思う。
前回この場所でわなを押し倒したヒグマだとしたら、相当学習しているクマだから、わなには入らないだろうと思っていた。
《箱わなにかかったのは夜…間違いなくオス》
――わなに入った時間は? 苫前町猟友会 林豊行会長:前日夜、24日午後11時20分ぐらい。
――ヒグマが撮影された時間は? 苫前町猟友会 林豊行会長:動画が撮影されたのは、今朝、11月25日午前9時ごろです。
――今回捕獲されたヒグマの性別は? 苫前町猟友会 林豊行会長:ヒグマがこんなに大きくなるのはオスしかいない。オスです。駆除した後に確かめたが、間違いなくオスだった。
――推定年齢は分かりますか? 苫前町猟友会 林豊行会長:年齢が一番わかりにくいです。これまで大きさから見て、8歳か10歳くらいかなと思っていても、調べたら最終的に18歳だったということもあります。今回の大きさでいうと、18歳から20歳くらいと言っても、全くの間違いではないかもしれないです。
《わなを倒した個体と同じヒグマかどうかは不明も…餌目当てか?》
――捕獲までの経緯は? 苫前町猟友会 林豊行会長:前回わなをひっくり返したヒグマは、ひっくり返してそのまま冬眠するために山の奥へまっすぐ歩いて行ったのかなと思って、たぶんもう戻ってこないと思っていた。もし、わなを倒した個体と同じだとすれば…13日ほど経ってから戻ってきて、一発でわなに入ってしまった。これもちょっと信じ難いのですが…。
――前回、この場所でわなが倒された後、何か対策をしたのですか? 苫前町猟友会 林豊行会長:特別な対策というのはなく、両サイドに2本ずつアンカーを打っていたが、そのアンカーをもっと深く打ち込んだ感じ。
――ヒグマは、ここに餌があると認識していたのでしょうか? 苫前町猟友会 林豊行会長:前回わなをひっくり返したヒグマであれば、ここに来ると餌があると思っていたかもしれない。ただ、同じ個体かどうかは推測の域を出ない…。前回わなをひっくり返したヒグマであれば、餌については知っているはず。
何がきっかけで、ヒグマがわなに入ったのかは正直分からないです。ちょうど、わなを撤去しようかと話し始めていたところだった。
――もしかしたら、同じくらいの大きさのヒグマがまだいる可能性は? 苫前町猟友会 林豊行会長:現実的に、そんなに大きいヒグマは他にはいないと思うが…否定はできないです。
《巨大ヒグマは駆除、冬場の出没に引き続き注意が必要》
猟友会によりますと、今回捕獲されたヒグマは、25日のうちに駆除されたということです。
その後、巨大なヒグマは現れていないということですが、冬になっても、北海道内では各地でヒグマの出没が続いており、引き続き注意が必要です。

同居男性の死亡を確認後、ATMで出金してから119番通報…福岡市西区64歳男性暴行死事件 「まことに身勝手」55歳男に懲役8年【判決詳報】

2025年1月、福岡市西区にあるマンションの一室で同居していた64歳の男性に暴行を加え、死亡させた西本勝被告(55)の裁判。
福岡地裁は「本件のような苛烈な暴行に及ぶのはあまりに短絡的に過ぎる」「死亡に至るまでうめき声が漏れ出るほどの身体的苦痛を相当長時間にわたって余儀なくされた被害者の苦痛や無念の思いの程度は計り知れない」として西本被告に懲役8年の判決を言い渡した。
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裁判所「本件のような苛烈な暴行に及ぶのはあまりに短絡的に過ぎる」
11月19日の判決で福岡地裁(岡本康博裁判長)は、犯行に至る経緯について

「本件犯行に至るまでの西本被告と馬場さん同居生活は互いに利益を享受し合ういわば持ちつ持たれつの関係であった」

としたうえで

「そのような関係を前提とすれば、本件暴行のきっかけとなった馬場さんの態度等に対して西本被告人が立腹することには一定の理解ができないではないものの、本件のような苛烈な暴行に及ぶのはあまりに短絡的に過ぎる」

と判断した。
前科・前歴に言及し「規範意識は希薄、厳しい非難を免れない」
福岡地裁は西本被告の傷害の前科、暴行の前科に言及したうえで

「馬場さんの言動に対し西本被告なりの言い分はあるとしても、本件以前にも複数回にわたって被害者に暴力をふるっていたこともうかがわれ、この種の事案に対する規範意識は希薄であるといわざるを得ず、厳しい非難を免れない」

と述べた。
また、被害結果の重大性については

「死亡に至ったその結果が重大であることはいうまでもなく、死亡に至るまでうめき声が漏れ出るほどの身体的苦痛を相当長時間にわたって余儀なくされた馬場さんの苦痛や無念の思いの程度は計り知れない」

と厳しく指摘した。
犯行後の対応に「まことに身勝手というほかない」
福岡地裁は西本被告の犯行後の対応について

「どんなに遅くとも1月15日の朝の時点では馬場さんの容体が異常であることを認識していたのに何らの措置を講じなかったにとどまらず、同日夕方に馬場さんの死亡を認識しても先の身体拘束の可能性を見据えてATMで出金してから119番通報を行うなど自身の都合を優先した行動を執っている。まことに身勝手であるというほかない」

と厳しく指摘した。
被告に有利な事情も考慮 懲役8年判決
福岡地裁は西本被告に有利な事情として以下の点を挙げた。

・事実を認めていること

・深まりは見られないものの一応反省の弁を述べていること
福岡地裁はこれらの事情も考慮し、西本被告に懲役8年の判決を言い渡した。

(検察側の求刑:懲役10年)

(弁護側の科刑意見:懲役5年)
この判決は同居男性の死亡を確認後、ATMで出金してから119番通報…福岡市西区64歳男性暴行死事件 「まことに身勝手」55歳男に懲役8年【判決詳報】2部に分けて掲載しています。

顔背け、舌打ち…部下の「不機嫌ハラスメント」で休職 3万円で和解

数字の根拠を尋ねると舌打ちされ、仕事上で意見が対立すると、周囲に聞こえよがしに「顔も見たくない」――。暴力でも罵声でもないが、感情をぶつけることで相手を追い詰める行為は、近年「不機嫌ハラスメント」と指摘されている。
栃木県内の自治体で働く30代の男性職員は部下の女性によるこうした行為により心身の不調をきたし、休職に追い込まれた。男性は今春、慰謝料を求めて提訴し、女性が3万円を支払うことで和解が成立。男性は「相手が部下でもやられたら傷つくし怒りもわく。こうした訴えができることが抑止力になれば」と話す。
昨年春、男性は新しい部署への異動を告げられた。職場は上司と女性の3人で、男性は女性の隣席となった。
資料に記された数字の根拠がわからなかったため男性が女性に尋ねると、舌打ちされ、「覚えていません」と不機嫌な態度を示された。前年に作成された資料で、女性が覚えていないはずはないし、舌打ちされる理由も分からなかった。舌打ちはこの時だけでなく、複数回に及んだ。
ある時は、資料の作成方法について係内3人で協議し、係長の判断により男性の提案した方法が採用されると、女性は周囲にも聞こえる声で「あす休んでもいいですか。顔も見たくないので」と訴えた。男性は自分へのあてつけではないかと思った。係長からはその後、「注意しておいた」と告げられたが、女性の態度に大きな変化はみられなかった。
他にもあった。廊下ですれ違うときには、女性は顔をそむけ、壁を見るようなそぶりをした。「ここは刑務所なのか」。男性は思った。突然、仕事中に「指をなめるの、やめてもらっていいですか」と言われたこともあった。身に覚えはなかった。
男性は、動悸(どうき)や味覚障害の症状が出たため医療機関を受診し、「適応障害」と診断された。昨年4月末から6月末まで休職した。復帰後は、顔をできるだけ合わさないよう、男性には主に外回りの仕事が振り分けられた。
今春に女性が他部署に移ったあとも男性はもやもやした気持ちを抱えていた。
「自分が部下に舌打ちしたり、ぶち切れたりしたら、すぐパワーハラスメントになってしまう。だから、絶対やり返さなかった。でも逆は許されるのか」。
この先、30年近く続くであろう公務員人生、職場内では、どこかでまたその女性と同じ職場になることもある。部下の舌打ちに我慢し続ける人生と、我慢しない人生。男性は昇進が遅れても、我慢しない人生を選択しようと思った。
無料の弁護士相談を受け、「本人を訴えたらどうか」とアドバイスを受けた。行政関係に明るい別の弁護士にも相談。「あまり前例はない」と言われたが、訴訟の方法などを教えてもらい、生成AI(人工知能)を活用し、代理人弁護士を立てない本人訴訟で提訴した。
裁判前に交わす書面で、女性は訴状に対し、「顔も見たくないので」等の発言は覚えていないとし、男性が体調を崩したことも、自分に起因するかは不明とした。
今年8月、県内の簡易裁判所で口頭弁論が開かれた。男性は訴えの内容を証明するボイスレコーダーを提出していた。女性が「顔も見たくない」と言った時の職場でのやりとりを、身を守るためひそかに録音していた。
裁判官が女性に「何か言いたいことは」と尋ねると、「いろいろある」と答えた。そのため、次回の裁判日程を入れようとしたところ、「もういいです。私、勝てないと思うんで。支払いする準備もあります」と述べ和解に至った。
自治体の人事担当者は女性の発言を「不適切」とは認めていたが、特に処分などはなく、定期異動で部署が変わっただけだ。弁護士からは「この程度では逆パワハラにならない」とも言われた。だが、理由のはっきりしない攻撃的な言動や態度は、「不機嫌ハラスメント」ともいえるモラルハラスメントだ。
男性は「部下からのハラスメントに対しては、認定のハードルが高いのではないか。節度のある職場環境が必要なのに、対応が不十分」と訴えている。

「ただ生きているだけ」事故遺族が語るハンドルの重み 大阪本社報道本部・野々山暢 記者発

「息子の人生が終わったのと同じように、自分の人生も事故発生日に終わっている」
小学4年だった息子を交通事故で亡くした父親の言葉だ。取材した時点で発生から10年以上が経過していたが、「ただ生きているだけ。幸せという感覚にはならない」と吐露した。ときに笑顔を見せることがあっても、心からの感情ではないという。
同じく小学6年だった息子を亡くした母親は事故後、食事も、睡眠も、日常生活の全てがとげとなって心に突き刺さるようになった。「息子はもう何もできないのに、それをしている自分が許せない」と考えてしまうからだ。1件の死亡事故がどれほど深刻な影響をもたらすか。こうした遺族の言葉が物語っている。
車の運転免許を巡り、ある変化が起きている。認知度が高いとはいえないが、道路交通法には、実際に事故や違反がなくても、車を運転するリスクが高い場合は免許停止にできるという「危険性帯有」と呼ばれる規定がある。これを自転車で悪質な運転をした人に適用するケースが急増しているのだ。
転機は、自転車の酒気帯び運転などに罰則が新設された昨年11月の改正道交法の施行だ。大阪府内だけでも昨年11月~今年10月の1年間、自転車の飲酒運転を746件摘発。これに関連し、運転手や2人乗りの同乗者ら414人に危険性帯有が適用された。この規定自体は法改正以前からあったが、それまで自転車の悪質運転を理由とする適用は年間数件だったという。
「自転車の違反でなぜ車の免許が停止されるのか」と疑問を抱く人もいるかもしれない。しかし、自転車は免許がなくても乗れるとはいえ、道交法上は車と同じ「車両」。事故相手を死傷させる危険性があることにも変わりはない。そのリスクを軽視する人に対し、より事故時の衝撃力が強い車を運転できないよう措置を講じるのは、重大事故の未然防止に有効だろう。
冒頭の遺族は「全ての運転手が『もし事故の相手が自分の愛する家族だったら』と想像すれば、悪質な運転はなくなるはずだ」とも話していた。急増する危険性帯有の適用が単なるペナルティーではなく、あらゆる車両のハンドルの重さを自覚する機会となってもらいたい。

平成22年入社。阪神支局(兵庫県)、宇都宮支局を経て25年から大阪社会部(現・報道本部)。主に警察や裁判所など刑事司法分野を取材。

前橋市初の女性市長、ホテル問題受け1年9か月で幕…職務代理者は副市長に

群馬県都初の女性市長の市政は、わずか1年9か月で幕を閉じた。既婚の男性職員とホテルに10回以上行っていた問題を受けて前橋市の小川晶市長(42)は27日、市議会の同意を得て辞職した。先月の続投表明から1か月での方針転換について、小川市長は市議会7会派の辞職要求と市政運営への影響を挙げ、「けじめをつける」とした。一方、出直し市長選への態度は明らかにしなかった。
午後1時過ぎに開会した定例会本会議で市は、小川市長の公約だった市こども基本条例の制定など計44議案を提出。25日に提出した退職願は午後2時5分頃に全会一致で同意された。
本会議後、小川市長は「市政の停滞をさせない意味でけじめをつけることが適切だと思った」と辞職の理由を明らかにした。
25日は、富田公隆議長に退職願を提出する約1時間前に辞職を決めたという。
小川市長は14日の公開対話集会や18日の定例記者会見では、出直し選への立候補に意欲を示していたが、この日は記者団に対して「一人の市民として何ができるのかしっかり考えていきたい」と強調。支援者らと協議、相談して判断するとした。
小川市長の辞職に伴う市長選には、新人で弁護士の丸山彬氏(39)が立候補の意欲を示している。丸山氏は27日、取材に「市が分断されている。もう一度結束させ、誇れる前橋にしたい」と述べた。
職務代理者は28日から細谷精一副市長が務める。
市民から批判や惜しむ声

ホテル問題が明らかになってから約2か月後に辞職した小川晶市長に対し、前橋市民からは「遅すぎる」との批判や、「政策で返してくれれば良かった」と惜しむ声が聞かれた。
南町の運送会社員の男性(72)は「一連の騒動で信用がなくなった。悪い意味で前橋が宣伝され、すぐに辞めるべきだった」と語った。文京町の司会業の女性(55)は「過剰に反応しているのではないか」としつつ、「期待していたが良い市政運営か判断がつかないままの辞職となった」と指摘した。
箱田町の女子専門学校生(20)は「学生の中でも時々話題になっていて、前橋のイメージを下げた。出直し選に出るなら、男女の関係はなかったことを証明してほしい」と求めた。昨年2月の市長選では投票したという天川大島町の人材支援会社員の男性(37)は「子ども施策に力をいれる市長で評判だったので(辞職は)もったいない」とした上で、次期市長には「問題を起こさず信頼できる人を」と望んだ。
文京町の主婦(83)は「女性初の市長として期待していた。政策で返してくれれば続けてもいいと思っていた」と残念がった。