北海道函館市で母親の遺体を自宅に放置したとして58歳の息子が逮捕されました。
早川広容疑者(58)は、27日まで函館市桔梗2丁目の自宅に80代の母親の遺体を放置し遺棄した疑いが持たれています。
27日午前、早川容疑者の親族から「同居の息子が母親が倒れているのを隠しているようだ」と通報があり、駆け付けた警察と消防が母親の遺体を発見しました。
遺体に、目立った外傷はなく、死後数日以上経過しているとみられています。
調べに対し、早川容疑者は「今日の朝は息があったので放置はしていない」と容疑を否認しています。
警察は、司法解剖をして死亡した時期や死因を特定するとともに、事件のいきさつについて調べを進めています。
皇嗣の秋篠宮さまでは引き継げない…皇室研究家が「”愛子皇太子”を実現するしかない」という深刻な理由
天皇陛下のお務めは、およそ3種類に整理できる。
その1つは、憲法に列挙されている国事行為。「内閣総理大臣の任命」や「国会の召集」など、13種類ある。
天皇陛下が法的な義務としてどうしてもなされなければならないのは、少し意外かも知れないが、じつはこの国事行為だけだ。
国事行為は、天皇陛下が必ずなされなければならないとともに、天皇陛下から正式の委任を受けた場合を除き、天皇陛下以外は誰も行うことができない。しかも、国家の運営にとって最も枢要な事項ばかりだ。
たとえば、国会の多数による議決で高市早苗衆院議員が内閣総理大臣に“指名”されても、天皇陛下によって“任命”されない限り、新しい内閣は発足できない……という具合だ。
ただし、国事行為については「内閣の助言と承認」が不可欠だ。よって、それは法的には“内閣の意思”による行為といえる。
たとえば、秋篠宮殿下が“傍系の皇嗣”でいらっしゃる既定の事実を改めて公示する、「立皇嗣の礼」という前代未聞の儀式が行われた。もともと“直系の皇太子”の場合は「立太子の礼」が行われる一方で、傍系の皇嗣は類似の儀式を行わないのが原則だった。しかし、それは国事行為だったので天皇陛下に選択肢はない。
これによって、天皇陛下がご自身のお気持ちによって秋篠宮殿下に次代を託そうとされた、と早合点してはならないだろう。むしろ、傍系の皇嗣を次の天皇として即位されることが確定している「皇太子」と同じ立場のように印象づけることを狙った、“内閣の思惑”が透けて見える儀式だった。
次に、象徴としての公的な行為がある。こちらは、もっぱら「日本国民統合の象徴」という憲法上の地位を根拠とするもので、具体的な内容は憲法にはいっさい記されていない。
しかし、恒例化した行事として、たとえば毎年、皇后陛下とご一緒に地方を訪れられる「4大行幸啓(ぎょうこうけい)」などは、広く知られているだろう。
この地方ご訪問は、昭和時代には「全国植樹祭」と「国民体育大会(今は国民スポーツ大会)」の2大行幸啓だけだった。
平成になると、それまで皇太子のご公務とされていた「全国豊かな海づくり大会」が、新しく天皇のご公務に格上げされた。その結果、3大行幸啓と呼ばれることになった。
令和の今は、天皇陛下が浩宮(ひろのみや)殿下と呼ばれていた頃に第1回から参加されてきた「国民文化祭」、および平成時代から始まった「全国障害者芸術・文化祭」が平成29年度から一体的に開催されることになり、皇太子のご公務から天皇のご公務へと引き上げられた。これによって、4大行幸啓という形が定着している。
国民に印象が深い被災地へのお出ましや「慰霊の旅」なども、「国民統合の象徴」にふさわしい行為としてなされている。
ただし、天皇陛下が次のようにおっしゃっている事実は見逃せない(令和3年[2021年]のお誕生日会見)。
つまり、「皇室としての」公的なお立場より前に、まずご本人の「自然な気持ち」がおありだということ。国事行為とは違って、制度的に与えられた務めというより、むしろご自身の“思い”に裏打ちされていることこそが、「象徴行為」の本質だろう。
国民との信頼と敬愛を踏まえ、国民全体の一体感を形作るかけがえのない貢献といえる。
以上の2つのお務めのほかに、国民の視野に入りにくいお務めがある。それは何か。「皇室の祭り」だ。
祭りは目立たなくても大切なお務めだ。何より皇室ご自身が歴史的に祭りを重んじてこられた事実がある(『宇多天皇御記(ぎょき)』『禁秘抄(きんぴしょう)』など)。
また、作家の三島由紀夫は次のような表現をしている(「問題提起」)。
「大統領とは世襲の一点において異なり、世俗的君主とは祭祀(さいし)の一点において異なる天皇」と。
選挙制の大統領に対して、君主は世襲制という違いがあり、一般の君主に対して、日本の天皇は祭祀を自らの本質的な務めとされる点で、はっきりと異なる、という指摘だ。
私なりの言い方をすれば、以下のようになる。古代以来、国家の公的な秩序の頂点に位置づけられ続けてきた「天皇」という地位にある方が、心身を清めて自ら祭りに仕える体験を繰り返されることによって、清浄・無私でへりくだった、まさに国民結合の中心であるにふさわしいご心境をより磨かれる意味をもつ、と。
「国事行為」や「象徴行為」の前提となる“心の構え”を作るために、欠かせない営みといえる。
皇室の祭りは3つに分類できる。
①の宮中祭祀というのは、皇居の中にある宮中三殿=皇祖の天照大神を祀る賢所(かしこどころ)、皇室の祖先の御霊を祀る皇霊殿(こうれいでん)、八百万の神々を祀る神殿、および新嘗祭(にいなめさい)を行う神嘉殿(しんかでん)などで行われる。その恒例の祭りの具体的な内容は、宮内庁のホームページに「主要祭儀一覧」として掲げている。
②の山陵祭祀は、おそらくほとんど見逃されているだろう。皇居の外、奈良県橿原(かしはら)市にある初代の神武天皇陵をはじめ、各地にある歴代天皇の山陵(みささぎ、お墓)での祭典だ。
宮中祭祀の恒例の「天皇祭」(昭和天皇祭=1月7日、神武天皇祭=4月3日)や「例祭」(孝明天皇例祭=1月30日、香淳皇后例祭=6月16日……など)のおりや、さらに臨時の「式年祭」(たとえば昨年10月1日に行われた懿徳(いとく)天皇二千五百年式年祭)のおりなどに、皇霊殿での祭りとは別に行われている。
③の勅祭は、天皇の使者である「勅使(ちょくし)」を、伊勢の神宮やそのほか各地にある皇室とのゆかりが深い16の神宮・神社(勅祭社)に差遣して、天皇のご祭文(さいもん)を神前で読み上げ、たてまつりもの(幣物(へいもつ))を捧げる祭りをいう。
皇室の祭りで注意すべきは、祭祀に仕える精神、作法の継承について、「直系」の皇太子による受け継ぎを前提としている事実だ。
皇室の方々の中で、古式の装束を身につけ、宮中三殿の殿内に入って作法を行われるのは、大祭では天皇皇后および皇太子(今は例外的に皇嗣、以下同じ)同妃、小祭では天皇と皇太子に限られる(現在、皇后陛下はご体調が整わない場合にはご遙拝(ようはい)やお慎み)。
宮中祭祀の中でも最も重要なのは、その年に収穫された新穀(米と粟)などを皇祖神などに供え、神の恩恵に感謝される新嘗祭だ。この祭典について、少し立ち入っておく。
新嘗祭は11月23日の夜から翌朝にかけて、先に述べたように神嘉殿で行われる。
天皇は、この祭りではほかの場合にお召しになる黄櫨染(こうろぜん)の御袍(ごほう)ではなく、特別に純白の絹の御祭服(ごさいふく)をお召しになる。
冠の後ろに垂れ下がる纓(えい)と呼ばれる飾りも、天皇は普通ピンと立った立纓(りゅうえい)だが、この祭りの時だけは折りたたみ、白い生絹(すずし)の布で結ばれる。これは、新穀などをご自身で供えられる作法に支障がないようにするためとか、“神聖さ”の表示などと解釈されている。
あるいは、最も尊貴な天照大神に自らお供えされるにあたり、へりくだったお姿を示されるものとも考えられる。
この祭りで神嘉殿に入る皇室の方は、天皇のほかは皇太子だけ。神嘉殿の正殿(母屋)には天皇だけがお入りになり、皇太子は隣の西隔殿(にしかくでん)で正座をされたまま。
天皇は、新穀などを時間をかけて一つ一つ丁寧にお供えになり、ご拝礼の後、御告文(おつげぶみ)を読まれて、皇祖神からいただく形で、ご自身も新穀や白酒(しろき)・黒酒(くろき)をお召し上がりになる。その頃、皇太子は正殿外の南側のひさし部分に進んで拝礼をされる。
それが「夕(よい)の儀」(午後6時から午後8時まで)、「暁(あかつき)の儀」(午後11時から翌朝午前1時まで)と2度繰り返される。
皇太子は正殿内には入らない。だが、隣の部屋で心を澄ませて、神聖で厳粛な祭りを体感されるはずだ。
天皇陛下は平成時代にそのような体験を「皇太子」として積み重ねて、“天皇の祭り”を受け継ぐ境地に至られた。こうして、大切な祭りの次代への継承が、つつがなく行われる。
しかし、傍系の皇嗣の場合は事情が違う。
令和の皇室の場合、皇太子が不在だ。なので、傍系の皇嗣の秋篠宮殿下が殿内に入っておられる。
しかし、秋篠宮殿下がせっかくご熱心に祭りの体験を積まれても、天皇陛下とのご年齢差がわずか5歳と近い。だから、現実的には即位されない可能性が高い。
一方、次世代の敬宮(としのみや)(愛子内親王)殿下も悠仁親王殿下も、一般の皇族と同じように、大祭や例祭の時に三殿の外の庭上の幄舎(あくしゃ)という簡素な建物の中で参列されるにとどまる。
服装は、敬宮殿下はほかの女性皇族と同じくロングドレス(ローブモンタント)かデイドレス、悠仁殿下もほかの男性皇族と同じくモーニングコートという洋装だ。
作法としては祭典の終わり頃に、これもほかの皇族方と同じく、三殿正面の木の階段の下でそれぞれ拝礼をされるだけ。
同じ祭りに臨まれても、心身を清めて古式の装束で殿内にまで進むのと、洋装で殿外から拝礼するだけとの間には、“経験の質”において遠く隔たる距離がある。
現時点では、祭りを「次の世代」に受け継ぐべき経験をしている皇族が、誰もいらっしゃらないのが実情だ。
このままだとどうなるか。
宮中三殿や神嘉殿で繰り返し祭りに仕えるという経験を積まなかった方が、次の時代にいきなり皇室祭祀の中心に立たれることになりかねない。そのような事態は、祭りの継承を重んじる立場からは、決して望ましくないはずだ。
皇室の祭りは、「皇太子」によって次の世代に受け継がれるのが、本来の姿だ。
皇太子とは「皇嗣たる皇子」(皇位継承順位が第1位の天皇のお子さま)。だから、令和の皇室で皇太子になりえる資格をもっておられるのは、唯一の皇女、敬宮殿下お一方だけだ。
皇室の祭りがつつがなく次代に受け継がれることを願うのであれば、天皇陛下にお子さまがいらっしゃるのに女性だからというだけの理由で皇位継承のラインから除外される、今の皇室典範の欠陥ルールをすみやかに是正して、敬宮殿下に「皇太子」になっていただくのが当たり前ではないか。
11月17日から22日まで、敬宮殿下の初めての海外ご公務としてラオスをご訪問になった際は、「準国賓」としてすでに皇太子でいらっしゃるかのような丁重な待遇で迎えられた。日本国内のメディアも現地でのご動静について、国民の関心の高さを反映して大きな扱いが続いた。
とくに敬宮殿下ご自身が帰国後のご感想の中で「私も、上皇上皇后両陛下、天皇皇后両陛下を始め、皇室の方々の歩みを受け継いでいく思いを新たにするとともに……」と述べておられたことからは、皇室の将来を自ら担おうとされる、強いご覚悟が伝わってくる。
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(神道学者、皇室研究者 高森 明勅)
宿泊客がいないホテルの客室に侵入した疑い 会社員の男を逮捕 香川
香川県坂出市のホテルに正当な理由なく侵入したとして、住居不定で会社員の男(24)が27日、建造物侵入の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、27日午後8時30分ごろ、坂出市のホテルの従業員が「客でない男が部屋にいるのを発見した」と110番通報しました。警察官が駆け付け、部屋にいた男を現行犯逮捕しました。
警察の調べに対して男は「正当な理由なく、ホテルの寝室に入ったことに間違いありません」と容疑を認めているということです。
当時、部屋には宿泊客はいなかったということです。警察が犯行の動機や侵入経路などを調べています。
日本が事実上の労働移民受け入れを「移民ではない」建前で進める愚策…治安悪化、失業増加の”悪夢”回避法
「一部外国人の騒乱や迷惑行為、凶悪犯罪が頻発し、国民の不安や不満を超えて怒りになっている」
2025年11月11日、自民党外国人政策本部の初会合で、新藤義孝本部長はこう述べた。外国人受け入れにまつわる課題に対し、政権与党がようやく重い腰を上げた瞬間だった。
この会合の背景には、政府の矛盾した政策がある。
その20カ月前、2024年3月、政府は特定技能の受け入れ枠を5年間(2024~28年度)で82万人へと、従来の2.4倍に拡大する方針を閣議決定していた。さらに同年10月には、厚生労働省が、外国人労働者数が230万2587人と過去最高を更新したことを発表。前年比25万人増という急激な増加だった。
受け入れを大幅に拡大しておきながら、噴出した問題への対応を今になって協議する……。順序が完全に逆であるのは明らかだろう。
外国人共生担当の小野田紀美経済安全保障担当相も、同日の会合で「排外主義と一線を画しつつ、毅然と対応することが秩序ある共生社会の実現に必要だ」と強調した。だが、その「秩序ある共生社会」に必要な予算も体制も、まだ発表されていない。
それにもかかわらず、日本政府は2027年には技能実習制度を廃止し、「育成就労制度」へ移行することが決まっている。この育成就労制度は、3年後に「特定技能2号」へ移行すれば、家族帯同や永住への道が開かれる。事実上の労働移民受け入れが、「移民ではない」という建前のまま、急速に進んでいるのだ。
2024年、日本の出生数は70万人を割り込んだ。2040年には現役世代1.5人で高齢者1人を支える社会が来るという深刻な人口減少を日本は迎える。このまま人口減少が進めば、さらに税金は高くなり、公共サービスやビジネスが回らなくなるのは必然だ。そこで、人口減少社会に歯止めをかけるための外国人受け入れの動きとなっているのだが……。
しかし、欧米を見渡せば、かつて移民を積極的に受け入れた国々が今、方針転換を迫られているのをご存じだろうか。
カナダは従来の移民受け入れを2割削減。スウェーデンでは移民帰還政策が来年から始まる。ドイツやフランスも、同様の問題を抱えて移民制限に舵を切っている。
移民を積極的に受け入れていた国々で何が起こったのだろうか。
スウェーデン第3の都市マルメ(人口約36万人)では、外国生まれの住民が約3分の1、そして親が外国生まれなど外国にルーツを持つ住民が約5割に達している。特にローゼンゴード地区では移民背景を持つ住民が多数を占め、失業率も高く、過去にはギャングの闘争や暴動が起きたこともある。
移民比率が非常に高いこの地区では、言語習得や社会的分断が課題とされ、スウェーデン生まれの住民が他地域へ移住する現象「ホワイト・フライト(白人住民の流出)」も報告されている。日本でも、いずれ似た現象が起こらないとは限らない。
スウェーデンの第二の都市、外国生まれが3分の1を占めるヨーテボリに住む50代のマヤさんには2人のティーンの子供がおり、こう話す。
「ヨーテボリは30年前とは随分変わってしまいました。移民が母国の民族紛争をスウェーデンに持ち込んでいます。彼らの中でギャングになった者はそれで抗争を起こしています。ドラッグや犯罪が増えたので、私は子供たちのために高級住宅地に引っ越さないといけなくなりました。スウェーデンに母国の紛争を持ち込む移民は迷惑です」
その結果、スウェーデンは2026年から、自主帰国する移民に最大35万クローナ(560万円)の支援金を支給する制度を導入する。これは「帰還促進」にまで踏み込んだ大きな政策転換であり、統合に莫大な投資をしてきた国ですら持続可能性に疑問を抱いていることを示している。
人口の3分の1に外国のバックグラウンドがあるというのは決して極端な例ではない。ドイツの総人口の約3割も移民背景を持つとされる。その背景には、2015年、シリア内戦で大量の難民がドイツに到着したとき、当時のメルケル首相は「Wir schaffen das(私たちはやり遂げられる)」と発言し、積極的に受け入れたことがある。この言葉はドイツの「歓迎文化」を象徴するものとなった。
しかし現実は、移民背景を持つ若者の失業率はドイツ人より高く、おおむね2倍近い差があり、義務教育未修了率は、ドイツ人の約4倍に達する(2024年ドイツ連邦統計局調べ)。メルケルの「やり遂げられる」という理想と、現実の統合課題の落差は大きい。
移民統合政策において先進国のお手本になって来たカナダは、人口の約23%が外国生まれだ。2025年以降、年間約50万人規模の受け入れを2027年には36.5万人へと段階的に削減すると発表した。これは従来から2割の削減であり、住宅不足と社会インフラの逼迫が主な理由だ。アルバータ州は約4分の1が外国生まれだが、移民の成長率はカナダ国内第一位。
カナダ・アルバータ州身のジョンさん(匿名:26歳)は「正直、僕の周りの若い人たちは国が推進しているLGBTQなんかどうでもよいと思っていて、一番気にしているのは移民問題です。僕の故郷は様々な民族の人が住んでいますが、移民2世3世の若者でさえ、不満を募らせています。大家族で移住してくるので不動産価格が上がり、ビジネスオーナーも移民のほうが安いからと、カナダ人の若者よりも移民のほうに仕事を与えていて、それに不満を持っている若者が多いんです」
環境が異なるが、日本でもこうした不動産価格上昇や仕事を得にくくなる可能性はあるかもしれない。
一方、欧米の苦境とは対照的に、厳格な選別により外国人受け入れを機能させている国もある。シンガポールでは、人口の約31%が外国人だが、社会的摩擦は比較的抑制されている。その鍵は「誰を受け入れるか」の明確な基準だ。高技能外国人にはEmployment Pass(EP)制度を適用し、月給5600シンガポールドル以上(約68万円)などの要件を課す。永住権取得にはさらに高いハードルがあり、結果として高技能人材は定着し、税収・イノベーションに貢献している。
一方、低技能労働者にはWork Permit制度を適用。期限付き就労許可のみで、家族帯同不可、永住権への道もない。雇用主には外国人雇用税を課し、自国民雇用を促進する仕組みだ。この制度には人道的ではないとの批判もある。
しかし「誰を、どのような条件で受け入れるか」を明確にすることで、日本のように「受け入れてから統合に困る」事態を回避している点は注目に値する。
北欧、西欧、北米諸国が、いまや選別的な移民政策に舵を切っているのだ。ただし国ごとに強弱があり、スウェーデンのように急激な転換をした国もあれば、デンマークのように従来から制限的だった国もある。
こういったヨーロッパの移民制限について、ハンガリーのユース・リサーチ・インスティテュート(YRI)のゲオルギナ・キッシュ=コズマ博士は次のように指摘する。
「大量移民は受入国の社会構成を急速に変えます。言語教育、社会統合プログラム、文化的摩擦の調整に、時間とリソースが費やされ、社会が消耗してしまいがちです」
キッシュ=コズマ博士がいうにはコストには、言語教育や生活支援プログラムなどの経済的なコストと、文化的摩擦や価値観間の変容などの社会的コストの2種類があるという。
2022年にYRIがイギリス、フランス、イタリア、ドイツ、ハンガリーで5000人を対象に実施した調査では、61%が「人口減少には少子化対策で対応すべき」と回答し、移民政策を支持したのはわずか24%だった。
さらに、カナダの2024年の調査では、国民の44.5%が「移民が多すぎる」と答え、主な理由として「手ごろな価格の住宅がない」ことを挙げた(世論調査会社エコス・リサーチ)。
「少子化対策で対応」は排外主義の表れではない。数十年にわたる統合の困難を経験した人々の、現実的な判断と見るべきだろう。
実は日本は過去に労働移民の受け入れに失敗を重ねてきた。1989~90年の入管法改正で「定住者」資格が創設され、日系ブラジル人を中心に外国人労働者が急増した。全国の在日ブラジル人は1990年末の約5万6000人から増え続け、2007年末には約31万3000人でピークに達した。
しかし日本語教育や生活支援体制は十分ではなく、非正規雇用に依存する構造が強かった。2008年のリーマン・ショック後には約7万人規模で減少し、多くが帰国を余儀なくされた。長期定住を前提とした政策設計が欠けていたため、経済危機の際に「調整弁」として切り捨てられる構造が露呈した。
それだけではない。日系ブラジル人の子供たちの中には日本語の読み書きが十分に出来ず、親も日本語をサポートできなかったため、不登校になったり義務教育も終えられなかったりした子も続出したという。言語支援や制度的サポートが不十分だと、何の罪のない子供たちが苦しむはめになるのだ。
2008年以降のEPA(経済連携協定)による看護師・介護士受け入れも、構造的な問題を抱えている。累計で約6400人を受け入れてきたが、日本語での国家試験合格が必須とされ、合格率は国内平均を大幅に下回る。例えば2024年の看護師試験では、EPA候補者の合格率はフィリピン6.2%、インドネシア0%、ベトナム16.4%にとどまり、全体平均87.8%との差は顕著だった。
合格できなければ原則4年で帰国となり、現場で重要な役割を担っていても制度上は定着できない。言語教育や統合支援への投資不足が根本的な課題であり、制度設計が「人材確保」ではなく「一時的な労働力調整」に偏っているため、長期的な定着や社会統合にはつながっていない。
日本が直面する深刻な人口減少に対応するには、外国人労働者に来てもらいつつ自国の出生率を改善しなければいけないだろう。
しかし、それならば最低限、①明確な数値目標(年間何万人をどの分野で受け入れるのか)、②予算の明示(言語教育・子供の教育支援・社会統合にいくら投じるのか)、③受け入れ自治体への財政支援、④定期的な政策検証と見直し、が不可欠である。これらが欠けていたために、過去の日系ブラジル人政策やEPA看護師制度は十分な成果を上げられなかった。
大量移民に積極的だった北欧、西欧や北米の国々は、移民受け入れと社会統合に莫大な投資を行ってきた。それでもなお、近年は、選別的移民政策へと舵を切っている。
日本では群馬県大泉町の外国人比率が21%を超えており、文化的摩擦は起きていないようだが、行政サービスや教育現場の負担が自治体に重くのしかかっているという。
埼玉県川口市のクルド人コミュニティに対するヘイトがソーシャルメディアで見られるが、実はクルド人は人口60万人の川口市に1500人ほどしかいないという。
川口市の外国人住民はクルド人以外にもおり、外国生まれは全体で約8%に達していると言われる。重要なのは、川口市では外国人の人数が過去20年で約3倍になっているのにもかかわらず、犯罪の認知件数は逆に約3分の1に減少しているのだ。それでも、ヘイトや文化的摩擦が起きている。
そもそも在留外国人は総人口のわずか3%強に過ぎないのに、すでに排外主義が起こっている日本。
だからこそ日本は「移民ではない」と言いながら事実上の移民を受け入れる欺瞞をやめるべきだ。今後は、どれだけの規模を、どのような支援とともに受け入れるのか、また外国人労働者や移民がもたらす経済的・社会文化的な利益を国民に明示し、彼らが日本社会に溶け込み共生できるように政策と投資を設計しなくてはいけない。
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(ユース・リサーチ・インスティテュート(YRI)研究員・ジャーナルマネージャー/フリーランスジャーナリスト 池田 和加)
関西電力美浜・高浜原発 運転差し止め認めず 名古屋高裁金沢支部
福井県内にある関西電力美浜原発3号機と高浜原発1~4号機について、地元住民らが関電に運転の差し止めを求めた2件の仮処分申請の即時抗告審で、名古屋高裁金沢支部(大野和明裁判長)は28日、いずれも差し止めを認めない決定を出した。
即時抗告審では、原発の老朽化に対する安全対策と、地震の揺れに対する安全性確保の是非が主な争点だった。
2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故を教訓に、原発の運転期間は「原則40年」とするルールが定められたが、原子力規制委員会の認可を受ければ最長60年まで運転期間が延長可能となる。
美浜、高浜原発の計5基は1974~85年に運転が始まり、運転期間が40年を超えている。
住民側は高温高圧の過酷な環境で運転を続ける原発は稼働年数が進むにつれて故障が増加し、事故のリスクが高まっていると主張。関電側は40年を超える運転期間延長の申請時に特別点検を行った上で延長が認められていると反論していた。
また、両原発で関電が設定した、原発の耐震設計の目安となる「原子力施設の運転中に発生しうる最大の揺れ」(基準地震動)が妥当かどうかも争われた。
住民側は関電の水準を上回る地震動が全国で数多く発生しており、妥当ではないと訴え、関電側は「地域特性を考慮して(基準地震動を)策定している」としていた。
仮処分申請は、福井地裁が24年3月に却下する決定を出し、住民側が即時抗告していた。
美浜、高浜原発を巡っては運転延長の認可の取り消しを求めた行政訴訟の判決で、名古屋地裁が25年3月に請求を棄却し、名古屋高裁で控訴審が続いている。12月には大津地裁で運転差し止め訴訟の判決が言い渡される。【島袋太輔】
カンボジア拠点 特殊詐欺G“リクルーター”逮捕
カンボジアを拠点とする特殊詐欺グループのリクルーターとみられる男が逮捕されました。
警察によりますと、自称・建設作業員の木下真介容疑者は去年、仲間とともに、富山県に住む女性に警察官などを装ってウソの電話をかけ、現金160万円をだましとった疑いがもたれています。
この事件を巡っては去年、カンボジアを拠点とする特殊詐欺グループの「かけ子」とみられる男12人がすでに逮捕されていて、木下容疑者は男らを集めたリクルーターとみられています。
知人同士のつながりやSNSなどを通じて、「闇バイト」を募集していたとみられるということです。
ほかにもリクルーターとみられる3人が逮捕されていて、警察はグループの実態解明をすすめています。
圏央道で対向車線にはみ出し、トラックに正面衝突した軽ワゴン車の男性死亡…茨城県稲敷市
28日午前7時5分頃、茨城県稲敷市沼田の圏央道外回り線で、軽ワゴン車が対向車線にはみ出し、トラックに正面衝突した。地元消防などによると、軽ワゴン車から男性1人が救出されたが、その場で死亡が確認された。トラックを運転していた30歳代男性も負傷したが、命に別条はないという。
県警高速隊の発表によると、現場は片側1車線の対面通行で、同隊が事故の状況を調べている。事故の影響で、稲敷インターチェンジ(IC)―稲敷東IC間は通行止めとなっている。
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
「両国の歴史の重要な節目であり戦略的パートナーシップのさらなる発展の契機となった」──これは、初の海外公務としてラオスを訪れた天皇皇后の長女・愛子さまについての現地メディアの報道である。まるで首脳外交を評価するかのような表現からも、11月下旬の愛子さまの公式訪問に対するラオス側の歓迎ぶりがよくわかる。
今回のラオス訪問は外交関係樹立70周年を祝う記念行事への出席のためのもの。17日夜、ラオス・ビエンチャンに到着した愛子さまは、伝統舞踊の歓迎を受けると、一人ひとりに手を合わせて現地式の挨拶をするなど、出迎えた人々と笑顔を交わした。
翌18日には、天皇が皇太子時代に訪れた「タートルアン大塔」を訪問し、その後はラオスの民族衣装に身を包んで国家主席を表敬訪問。国家副主席主催の晩餐会に出席した。レッドカーペットを歩く姿が大々的に報じられるなど、滞在中は手厚い歓迎を受けた。
皇室ジャーナリストの神田秀一氏が言う。
「今回の海外公務は愛子さまが事前にラオスについて熱心に勉強して入念な準備を重ねられたことにより、意義深いものになりました。現在のラオスは社会主義国ですが、かつて王国だった歴史もある。愛子さまを準国賓として接遇したのも日本との国交を大切にしたいとの考えからでしょう」
そうした愛子さまの入念な準備への評価がある一方で、「訪問が成功裡に終わったことは、関係省庁の戦略が結実したものでもある」(政府関係者)との声も聞こえてくる。実は、今回のラオス訪問の計画は1年半ほど前から練られてきたものだという。
「東南アジアは日本の外交戦略上、非常に重要な地域です。安倍晋三・元首相時代から続く『自由で開かれたインド太平洋構想』の外交方針に基づき関係構築の努力を進めてきたが、ASEAN諸国は経済・安全保障面などで中国の影響を色濃く受けている現状がある。とくにラオスは、同じ社会主義国である中国との関係が深い。
一方で、ODA(政府開発援助)もあって日本との友好関係を重視する考えもあるとされ、外務省としては中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩として、ラオスとの友好関係を深めたい考えがあったといいます。そこで皇族の訪問を外務省や政府関係者が計画し、着々と準備を進めてきたとされます」(全国紙記者)
そして、国内でも人気の高い愛子さまによる訪問が決まったという。
「ラオス側ははじめは天皇陛下のご招聘を打診されたはずですが、陛下は2012年、皇太子時代にラオスを訪問しているため、愛子さまが皇族代表として訪問されることになった。ラオス側も日本の皇室で愛子さま人気が高いことを知っており、喜んで迎えました」(皇室記者)
宮内庁は愛子さまのラオス訪問が決まった経緯などについてこう回答した。
「本年、日本とラオスの外交関係樹立70周年を機にラオス政府から愛子内親王殿下に御訪問願いたい旨の招待があったことを受け、国際親善のため同国を御訪問になりました。相手国との関係もあり、準備にかかる詳細については回答を差し控えます」(総務課報道室)
帰国後に公表した感想文書を愛子さまはこう締めくくっている。
「皇室の方々の歩みを受け継いでいく思いを新たにするとともに、日本とラオスの友好親善関係が進展することを心から願っています」
愛子さまの笑顔が、東南アジア諸国との新たな関係構築の礎となっていくことが期待されている。
※週刊ポスト2025年12月12日号
参政党が言い出した「国民の情報リテラシー強化」の噴飯…デマの“宝庫”どの口が?
どの口が言うのか。参政党の神谷宗幣代表の発言に対し、あちこちからツッコミが入っている。26日の党首討論で「国民の情報リテラシー強化」を言い出したからだ。参政はデマの“宝庫”。実現すれば党の存続を揺るがしかねない。
高市首相が初めて臨んだ党首討論は45分間だった。持ち時間が3分だった神谷氏は、前日に参院に単独提出したスパイ防止を目的とした法案2本に言及。「国民にしっかりと情報リテラシーを持ってもらって、みんなの目で情報をチェックしていく」などとまくし立てた。
ブーメランになりやしないか。神谷氏は「粉もん文化は戦後にできた」「米国に作られた食文化を守る必要ない」と公言。編著した「参政党Q&Aブック」では、食品の危険性をめぐって〈生産者の大半が、自身が手がける食材の危険性を訴えています。市販の食材の大半は体に害を及ぼすものです〉と明言。「がんは戦後にできた病気だから!」とも言い切ってきた。侵略的外来種をまき散らすジャンボタニシ農法や、疑似科学と指摘されるホメオパシーを推奨する党員もいる。
カルト問題に詳しいジャーナリストの藤倉善郎氏はこう言う。
「いわゆるスパイ防止法は国家の独立を守ることを目的とするもの。フェイクニュース規制の文脈で情報リテラシーを持ち出すのなら分かりますが、スパイ防止とどうつながるのか。スパイ防止法という器に『日本人ファースト』に関連づく夢を乗っけているように見える。そもそも、参政党は支持者も含め、無邪気に何でもかんでも一緒くたにする傾向があります」
■実態は“真っ赤なオレンジ”
神谷氏はその後の定例会見で、ボード(常任役員会)メンバーの梅村みずほ参院議員を25日付で解任したと発表。理由は「党のガイドライン通りに行動しなかった」から。9月に参政入りしてボードメンバーとなり、政調会長補佐を務める元自民党衆院議員の豊田真由子氏とのイザコザ問題をめぐり、週刊誌の取材に応じたことへのペナルティーだ。
「党本部の許可なしで取材対応しない縛りは、地方議員レベルまで徹底している。有権者を代表してバッジをつけているのに、個人の裁量による発言を許さないのはおかしい。ガチガチの言論統制は一党独裁の中国共産党を彷彿とさせます。オレンジなのに赤っぽい。さながら真っ赤なオレンジです。一般常識とはズレたカルト集団のような感覚が通底する参政党が立法を担うのは危うすぎる」(藤倉善郎氏)
確かに情報リテラシー強化は待ったなしだ。
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立花孝志容疑者を名誉毀損罪で起訴、死者に対する中傷では極めて異例…神戸地検
兵庫県の内部告発問題を巡り、1月に亡くなった竹内英明前県議(当時50歳)の名誉を傷つけたとして逮捕された政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)について、神戸地検は28日、名誉毀損(きそん)罪で起訴した。起訴内容には竹内氏が亡くなった後の発言も含まれ、死者に対する名誉毀損罪での起訴は極めて異例。
起訴状では、立花容疑者は竹内氏について、昨年12月13~14日、街頭演説で「警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」などと発言。亡くなった後の今年1月19~20日には「昨年9月頃から兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました」などとの虚偽情報をSNSに投稿するなどし、名誉を傷つけたとしている。
地検は、立花容疑者の認否を明らかにしていないが、弁護人側は逮捕後の今月14日、「罪を認めて遺族に謝罪する」との方針を表明。別の弁護士は、立花容疑者が「虚偽の認識はなかったが、伝聞情報を信じて軽率なことを言った」などと話したと説明していた。
立花容疑者は、NHKの受信契約者の個人情報を不正取得したなどとして不正競争防止法違反などで執行猶予付きの有罪判決を受け、2023年に確定。今回の事件で実刑判決を受けた場合、執行猶予が取り消される可能性がある。
起訴を受け、竹内氏の妻(50)はオンラインでの記者会見で「名誉毀損が死者に対してまでなされることが二度と行われることがないように、司法の場で検証され、その責任が正しく問われることを強く望みます」と語った。