被爆70年後の肺がんから原爆由来のウラン 研究の専門家が講演

広島で入市被爆してから70年後の女性の肺がんの組織内で原爆由来とみられるウランが放射線を出しているのを確認したとする論文を発表した高辻俊宏・長崎大名誉教授(放射線生物物理学)が27日、長崎市で講演した。高辻さんは、放射線を検出した周辺で異常な球体が見つかったとして「内部被ばくによって肺の組織がダメージを受けていることが確認された」と説明した。
高辻さんや責任著者の七條和子・長崎大大学院客員研究員らによる研究論文が4月、オンラインの学術誌「ヘリヨン」に掲載された。これを受け、被爆体験者らでつくる「長崎被爆地域拡大協議会」が講演を依頼した。
高辻さんらによると、組織を提供した女性は被爆当時8歳。原爆投下から3日後に広島市内に入った。それから70年後の2015年に口腔(こうくう)咽頭(いんとう)がんで死亡し、肺がんを併発していた。
女性の死後、高辻さんらは女性の肺腫瘍などの組織を写真乳剤に浸す特殊な方法で調べ、広島原爆で使用された核物質であるウラン235が放射線の一種「アルファ線」を出している痕跡(飛跡)を検出した。
さらにその周辺で、直径が飛跡の長さの約2倍となる異常な球体ができているのを確認。高辻さんは、がん細胞が増殖する組織内で異常な球体ができ、潰れたり線維化したりしながらくっつき合って大きくなっていくとの見方を示した。
耳を傾けた被爆体験者の松下明則さん(87)は81年前、爆心地の東約10キロの旧古賀村(現長崎市)で原爆に遭った。燃えかすが降り注いだ水くみ場の水を飲み、灰が積もった畑の野菜を食べた。松下さんは「姉は胃がんで入退院を繰り返している。内部被ばくが一番の心配だ」と語った。
長崎被爆地域拡大協議会の山本誠一事務局長(90)は「内部被ばくの実態を明らかにしていく上で歴史的な研究発表だ」と語った。【樋口岳大】

閣僚初の公式謝罪に「IQ」発言も 石原家と水俣病、浅からぬ縁

石原宏高環境相は5月1日、公式確認から70年となる水俣病の犠牲者慰霊式に出席する。30日から熊本県水俣市に入り、2日間にわたって患者や関係団体などと懇談を重ねる。水俣はかつて父の慎太郎氏(故人)が旧環境庁長官時代に、また兄の伸晃氏も環境相として訪れた、石原家にとって因縁浅からぬ地でもある。
「十字架にかかるつもりで」
「行政が積極的に動かず、100人で済む患者が1000人も出てしまった。国を代表して、皆さんに迷惑をかけたことをおわびします」。1977年4月、慎太郎氏は患者たちの前で頭を下げた。水俣病問題で閣僚が公式に国の責任を認め、謝罪したのは初めてのことだった。
当時、患者の認定申請が急増し、熊本県側の認定業務が停滞していた。長官の水俣視察には、その打開策を探る目的があった。「行政が十字架にかかるつもりで解決に当たる」。患者団体側の求めで会場の一段高いステージからおり、床に移した椅子に座り直した慎太郎氏は、悲壮感すら漂う強い意気込みを口にした。
一方で、視察後の記者会見では、胎児性患者たちから手渡された抗議文について「今あった患者さんたちはIQ(知能指数)が低いわけですね」と差別発言。当事者のみならず広く怒りと反発を招いた。
この約3カ月後、認定業務の促進を迫られていた環境庁は、水俣病の新たな認定基準を示した。いわゆる「52年判断条件」だ。感覚障害と運動失調など複数症状の組み合わせを原則として求める厳しい内容で、多くの未認定患者と多くの訴訟を生むことになった。
「水俣条約」採択の木づち
それから36年後、2013年5月の水俣病犠牲者慰霊式に環境相として出席したのは慎太郎氏の長男、伸晃氏だ。同4月、最高裁は「症状の組み合わせがなくても個別判断で認定できる余地がある」との判断を示していた。式典後の患者団体との懇談会で、厳しすぎる認定基準の見直しを求める声が相次いだのは当然だった。だが、伸晃氏が首を縦に振ることはなかった。
伸晃氏は同10月、熊本市で開かれた水銀の輸出入などを規制する「水俣条約」の外交会議で議長を務めた。約140カ国から集まった約1000人の閣僚や外交官らを前に、木づちを打って採択を宣言する大役を果たした。
一方で、外交会議の一環として前日に水俣市で予定されていた水俣病の犠牲者追悼式への欠席を検討していたことが発覚し、批判を浴びる騒動もあった。
同じ日に予定が重なった長崎県五島市での洋上風力発電実証機の完成式への出席を優先したためだったが、環境省内からも疑問の声が。結局、台風の接近で完成式が延期され、犠牲者追悼式には参加したが、あいさつの中で被害者救済に触れることはなかった。
「歴史と教訓次世代に」
慎太郎氏の三男、宏高氏は被害者たちとどう向き合うのか。30日午後に水俣市内の複数の関係施設を訪問後、6団体と懇談する。5月1日は午前に2団体と懇談し、午後に慰霊式へ出席する。
宏高氏は28日の閣議後会見で「水俣病公式確認から70年の節目の年。水俣病問題の最終解決に向けて全力で努力するとともに、このような悲惨な公害を二度と繰り返さないために水俣病の歴史と教訓をしっかりと次の世代に引き継いでいく必要がある」と語った。【阿部周一】

旭山動物園「休園ショック」、残念さを和らげるもてなし続々…ファンサの回数増や駅で写真展開催も

旭川市の旭山動物園が夏季営業の開始を29日から5月1日に延期したことに伴い、市内のホテルや市民有志が、同園に行けなくなった観光客のため、ファンサービスの回数を増やしたり、写真展を開いたりして、残念な気持ちを和らげるもてなしを始めた。(佐賀秀玄)
同園を巡っては、男性職員が道警の任意の事情聴取に「妻の遺体を動物園の焼却炉に遺棄した」と話したことから捜査が続き、市が開園を延期した。
市内ホテル
宿泊客の多くが同園を訪れるという市内のホテル「OMO7旭川by星野リゾート」は29日から、魅力を伝えるサービス「旭山動物園講座」(30分程度)の回数を、通常の1日1回から3回に増やし、日中でも宿泊客らが参加できるようにした。5月10日まで続ける。
29日午前10時からの講座では、ホテルスタッフがチェックアウトした家族連れらを相手に、ホッキョクグマが狩りをする際の接近方法や嗅覚の鋭さなどについての問題を出し、楽しませていた。
同園観光が目的だった大阪市福島区の30歳代女性は「子どもたちが楽しみにしていたので休園は残念。講座はいい企画で、余計に動物園に行きたくなってしまった」と語った。
市民有志
一方、旭川市民有志は29、30日の2日間、JR旭川駅など3か所で、プロ写真家から提供された同園のカバ、ペンギン、マヌルネコなどの写真約40枚を展示している。有志代表の会社役員湯浅秀昭さん(51)は「少しでも園に行った気持ちになってくれればありがたい。写真を見て『また旭川に来たい』と思ってほしい」と話していた。

川崎ストーカー事件、彩咲陽さんの遺影に手を合わせ謝り続ける祖母「一緒に寝ていたら…」

ストーカー被害を訴えていた川崎市川崎区の岡崎彩咲陽(あさひ)さん(当時20歳)が殺害された事件は、遺体発見から30日で1年となる。行方不明になる直前まで一緒に暮らしていた祖母の須江子さん(69)は「守ってあげられなかった」と後悔の念を抱いてきた。(金子祥子)
須江子さん宅の居間には、彩咲陽さんの遺影が飾られ、周囲にはヒマワリの花が置かれている。須江子さんは毎日朝と夜、遺影に手を合わせ、「守ってあげられなくて、助けてあげられなくてごめん」と謝り続けている。
近所の人から、「いつもあいさつしてくれ、人なつこいね」と褒められると、みんなに好かれているのだとうれしかった。生活態度を注意すると舌を出しておどけた時もあったが、「明るくて、ヒマワリのような自慢の孫」だった。
彩咲陽さんが須江子さん宅に身を寄せたのは、2024年12月。元交際相手の白井秀征被告(28)から逃れるためだった。おびえていた彩咲陽さんと一緒に寝ていたが、同20日は別々に寝室に入った。「おやすみ」。それが最後の会話になった。
朝起きると姿が見えず、彩咲陽さんが寝ていた部屋の窓ガラスが割られているのに気づいた。25年4月30日、白井被告の自宅台所の床下から発見された遺体には、燃やされた形跡もあった。「なぜこんなことができるのか」との怒りは決して消えない。だが、「もしも一緒に寝ていたら、何かできたかもしれない」との後悔も残る。
白井被告は殺人罪や死体遺棄罪などで起訴されたが、捜査段階では事件に関してほとんど供述していない。裁判が始まる見通しも立っていない。
須江子さんは29日、父親の鉄也さん(52)ら親族と千葉県内にある彩咲陽さんの墓を訪れ、掃除した後に遺影を立てかけ、好きだった駄菓子や炭酸飲料などを供えた。
須江子さんは「もっと早く見つけてあげられなくてごめんね」と心の中で謝り、「一日も早く真実を知り、彩咲陽に報告したい」と願った。

【速報】福生市“立てこもり”男公開手配 殺人未遂の疑いで 広く情報呼びかけ-警視庁

29日、東京・福生市で男がハンマーで少年を殴るなどし、一時自宅に立てこもった後逃走した事件で、警視庁は男を殺人未遂の疑いで公開手配しました。
殺人未遂の疑いで公開手配されたのは東京・福生市の職業不詳・高林輝行(たかばやし・てるゆき)容疑者(44)です。
警視庁によりますと、高林容疑者は29日午前、自宅の前にいた少年(17)をハンマーで殴り殺害しようとした疑いがもたれています。
また、高林容疑者は通報を受け現場にかけつけた警察官らにサバイバルナイフを向け、さらに噴霧器のようなもので液体をまき、ケガをさせたとみられています。
高林容疑者はその後、自宅に1人で一時、立てこもっていましたが、29日正午ごろ、警視庁が室内に突入した際に姿はなく、その後、行方がわかっていないため、公開手配に切り替えました。
高林容疑者は身長173センチ、丸刈りで上下グレーのスウェット姿とみられ、警視庁が広く情報提供を呼びかけています。
■情報提供先
警視庁福生警察署 042-551-0110

過酷な介護を40年、「助けてくれ」言えずに認知症の男性が迎えた結末 「今でも、妻を、愛してる」法廷ですすり泣き、笑顔で寄り添う写真を手に願うのは…

立春を迎えた直後の大阪はまだ肌寒く、空は雲に覆われていた。午前8時20分ごろ、男性(84)は、寝室のベッドに眠る72歳の妻に近づいた。 10分後、「妻の首を絞めた」。110番に、切羽詰まった声で通報が入った。警察からの連絡を受けた息子が急ぎ向かうと、男性は数人の警察官に囲まれ、放心したように寝室のベッドに腰かけていた。
男性は約40年間、途中からは寝たきりになった妻の介護を続けていた。70代半ばには認知症を発症。警察の聴取に「疲れた」と話した。 書き残した27冊の介護日誌には、深い苦悩や、体力への不安、ささいな体調の変化に一喜一憂する様子が克明に刻まれていた。なぜ、悲劇は起きたのか。(共同通信=富田真子、工藤優人)
取材に応じる男性=3月、大阪府内
取材に応じる男性=3月3日、大阪府
▽結婚から15年後
男性が8歳年下の妻に出会ったのは、20代の頃。妻は水産関係の会社の同僚で、笑顔がすてきだった。 1970年に結婚。夫婦仲も良く、男性は、性格も申し分なく「大好きだった」と振り返る。約4年後、息子が生まれた。 生活が一変したのは、1984年。30代の妻が脳出血で倒れ、右半身が不随になった。
入院先に簡易ベッドを置いて寝泊まりする日々。退院後のリハビリの付き添いも欠かさず、言語障害が残った妻に「あいうえお」と繰り返し発音させたり、体操させたりもした。 周囲から「離婚して縁を切れ」と迫られたことがあったが、男性は意に介さなかった。男性の献身的な介護は約35年間続き、簡単な会話や料理ができるまでに回復した。
だが2017年夏、妻は再び倒れた。脳梗塞を発症し、手術をしたが、意思疎通が難しくなり、寝たきりになった。
男性が記してきた介護日誌には、介護に対する決意や不安が書かれていた
▽自分が介護することが妻にとっての幸せ
男性の27冊の介護日誌はこの時期から始まる。
「ここから家での看護をして終いのスミカとして頑張っていくぞ。過去34年の実績で根性で何年できるか恐ろしい」(2017年9月20日)
1冊目に赤文字で書かれた決意と不安。 男性は「助けてやらんとあかんと思った」と当時を振り返った。しかし、寝たきりとなった妻の介護は想像を絶するものだった。
男性が寝たきりの妻の介護に使っていた、胃ろうや排せつ介助の道具など=3月3日、大阪府
栄養を管で送り込む「胃ろう」は1日3回。床ずれしないように日に何度も体位を変えた。口腔ケア、おむつの交換、時にかん腸を要する排せつ介助。 男性の息子(52)はこの頃を振り返り、こう語った。「父はこだわりが強くて、誰も手伝わせなかった。させるもんじゃないという感覚だった」
自分が介護することが妻にとっての幸せ―。 男性はそう思い続けていた。
取材に応じる男性。奥の部屋で、妻を殺害した=3月、大阪府内
▽「今夜は涙が出てくる」
拭い切れない不安を日誌に吐露することもあった。
「(妻が)このまま死んでいく感じがする。2人共一緒に死ねば幸せなのだ」(2017年9月29日) 「永く長生きしてほしい。1人ほど悲しいものはない」(10月24日)
妻が一時入院すると「別れがつらい」(2017年10月7日)と悲嘆に暮れた。 「早く妻の体を家に戻したい」(8日) 「今日は笑顔を見せてくれる。一瞬であるがなによりの幸せ」(28日) 「今夜は涙が出てくる。頑張っていく決意を持つ」(2018年9月9日)。
千々に乱れる感情を日誌にこめていた。
男性が妻を殺害した部屋。現在は自身の寝室となっている=3月、大阪府内
▽「今日妻が目で笑う」
自宅で世話することにこだわった男性だが、過酷な介護は日に日に体力を奪っていった。
料理が得意だった。小麦粉から作ったパスタ、自分でさばいた魚…。しかし、その料理もほとんどしなくなった。
「自分も看病しているが、お互い死に向かっているような気がする。35年の看病で頑張っているが、社会として尊厳死を認めてほしい」(2019年3月3日) 「看護で私の体がガタガタになっている」(8月27日) 「今日は疲れた。少しボケている」(2020年7月27日) 「3時起床で辛んどい」(10月4日)。
それでも元気な妻が戻って来ることを信じ、ささいな変化に喜びを見いだす記述もあった。
「奇蹟 今日妻が目で笑う」(2021年2月13日)
男性が約5年間、ほぼ毎日書き続けてきた妻の介護日誌
▽空白
約5年間、ほぼ毎日書き続けてきたが、最後となった27冊目は空白が目立っていた。 寝たきりの妻を手にかけたのは2022年2月13日。その1週間前、男性は糖尿病の影響で転倒し、救急搬送された。 点滴後、すぐに自宅に戻ったが、そこから妻の薬を間違えて飲むなど男性に異変が相次いだ。事件直前はいずれも息子の字で、2022年2月9~11日「?」、12日は「夕食遅れて入れる。多分夕方に薬は飲ましている」と記されていた。
事件の前日の12日、男性は日に3度の胃ろうを初めて忘れた。翌13日未明に、仕事帰りの息子が気づき代わりに施したが、認知症が進み自身が失念したことも忘れるほどだった。 息子は当時の状況を振り返り、「とんでもないことをしたと思ったのだろう。介護の限界を感じた」と話した。 まもなく、妻は入院する予定だったが、その前に事件は起きてしまった。
取材に応じる男性(左)。奥の部屋で、約40年介護した妻を殺害した。右は男性の息子=3月、大阪府内
▽再び始めたノート
「今でも、妻を、愛しています」
2022年11月、男性のすすり泣く声が、大阪地裁の法廷に響いた。大阪府警に逮捕された男性は、殺人罪で起訴され、約10カ月を大阪拘置所などで過ごした。 再びペンを取り、春以降胸に去来する思いやその日の天気を、B5判のノート1冊に刻んだ。きちょうめんだが、ところどころ乱れた文字で、判決までの約8カ月間、欠かさずにずっと。
男性がノートに記した「お母さん好きだよ」の文字
2022年5月4日(晴)祝日(3連休の2日目)「胸がいたい。天国に行って妻と一緒にすごしたい。大好きなお母さんと再会したい。今でもお母さん好きだよ」 「35年の介護もだいなし。最愛の妻を殺した罪をかんじながら苦しみを感じる。本当にむなしい」(2022年5月5日) 「おれの人生はなんだったんだ」(5月6日) 「許して下さい。バカな父を許して下さい」(7日) 「自分のオカシタ罪の深さに残念なり」(9日)
妻と一緒に写った写真を手に取る男性=3月、大阪府内
▽「半生をささげた。強く非難するのはやや酷だ」
2022年12月2日に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が下った。判決文では、「介護に自らの半生をささげた。強く非難するのはやや酷だ」と、結論付けた。その日のノートには、「第4回目公判の判決宣告される」とだけ、書かれていた。
取材に対し、男性の息子は「おやじは精いっぱいやっていた。回復すると奇跡を信じていた。責める気持ちは一切ない」と話した。 男性は「命がけだった」「助けてくれとは言えなかった」とつぶやく。反応がなくても、ベッド脇につきっきりで、妻に声をかけ続けた。
妻の写真が飾られた仏壇に手を合わせる男性=3月3日、大阪府
男性は判決後、再び自宅に戻り1人、暮らす。現在は認知症もあり、事件前後のことをあまり覚えていない。ただ、妻への思いや、過酷だった介護は思い出すことができる。 毎朝毎晩、部屋の片隅に置かれた仏壇に手を合わせる男性。「おはよう」と声をかけたり、水を替えたり。「俺も早ういかなあかん」。ぽつりとつぶやいた。 あの日から4年。夫婦で長い年月を過ごした寝室の本棚に飾られた写真には、寄り添い、笑顔を浮かべる2人がいた。
妻と一緒に写った写真が飾られた本棚を開ける男性=3月、大阪府内
▽19年で486人
共同通信が厚生労働省の調査を分析したところ、介護をしていた家族、親族らによる殺人や虐待で死亡した65歳以上が、2006~24年度に少なくとも486人確認されたことが、分かった。 調査は、今年4月で施行20年となる高齢者虐待防止法に基づき06年度から毎年実施されたもので、各年度中に全国の市区町村と47都道府県に寄せられた相談などを集計、公表している。 厚労省によると、亡くなった486人は男性142人、女性344人。死亡原因は、親族らによる殺人や心中・心中未遂(世話されていた高齢者のみ死亡)が220人、ネグレクト(放棄・放置)132人、虐待死69人。「その他(不明も含む)」(65人)もあった。 「加害者」となったのは483人で内訳は男性343人、女性140人だった。世話をされていた被害者との関係性は、最多が息子の219人で、夫の98人が続く。 殺人などの原因については、経済的困窮や、介護疲れが背景にあったとする回答が寄せられた。

≪旭山動物園≫「なんてことをしてくれたんだ」「旭川のイメージがまた…」地元は悲鳴、動物園は5月1日に再開できるのか?「職員がベラベラしゃべっても…」立ちはだかる捜査の壁

〈≪旭山動物園・遺体焼却か≫「ワンちゃんをとても可愛がっていた…」愛犬家の夫、直前に自宅で起きた“謎の事故”で妻は「車を見ませんでしたか?」園は5月1日に開園予定も「捜査は終わるのか」〉から続く
北海道旭川市の旭山動物園の30代の男性職員が、行方不明になっている妻について「遺体を動物園の焼却炉で燃やした」と説明している“事件”の波紋は広がる一方だ。道警は職員の自宅や焼却炉を中心とした動物園の捜索を継続しているが遺体は見つからず、大量の血痕など決め手となる物証も得られていない。一方でゴールデンウィーク中盤の5月1日の再開を目指す同園も、前代未聞の事態の収拾の方向性を模索している。
「伝えるのは命」と書かれていた旭山動物園のHPと、青いシートでグルグル巻き、黄色いテープも張られ家宅捜索が入った夫婦が住んでいた一軒家
「なぜ逮捕されないのか…」
社会部デスクが解説する。
「ニュースの読者や視聴者にとってはどうでもいいことかもしれませんが、この事案はまだ事件なのか事故なのか、それともこの職員の狂言なのか、妻の意図的な失踪なのかを断定できる状況に到達していないので、『事件』という用語も使えない段階です。
事件性は極めて濃厚ながら、任意聴取で職員がいくらベラベラしゃべっても、その説明を裏付ける資料がない限りは事件決定すらできない。『なんで逮捕もされないのか』と不思議なみなさんも多いと思いますが、これまでの捜索で妻の安否すら確認できていない現状では、死体遺棄容疑で逮捕状を請求することもできないのです。
同様に『遺体なき事件』として4月中旬に警視庁が東京・赤坂のIT関連会社社長を同社役員の死体遺棄容疑で逮捕した事件がありました。これは逆に容疑者が犯行は否認しているものの、不明の役員の血痕が事務所内で確認されるなど複数の物証をもとに、警視庁が着手に踏み切った」
今月8日から定期休園に入っていた同園は、4月29日に夏の期間の営業を始めるはずだったが、捜査の影響でその予定を2日後ろ倒しにした。しかし、それとて流動的なのはいうまでもない。同園関係者は取材に対しこう表情を暗くした。
「かなり大変な事になったというか、彼が警察に話している内容が真実であれば、なんてことをしてくれたんだってくらい大きな問題になっているよ。現段階だと園の焼却炉で……というのも彼がただ話してるだけなんじゃないかって思ってしまうくらい信じられない話だしさ……。それくらい考えられない話なんですよ。
そもそも焼却炉はすべての職員が簡単に出入りできる場所ではないよ(解剖する獣医や担当の飼育員などは入れる)。彼とはこれまで何度も顔を合わせているが、プライベートな事は話したことないから、結婚していたことも知らなかった。
ただ、仕事は真面目にやっていたし普段会えば挨拶も普通にするよ。最後に会ったのは23日だよ。その時も別に普段通りで、『お疲れ様です』って感じだったから……。5月1日から開園できそうかって? それはできるんじゃないかな。大丈夫だと思っています」
「続く事件、旭川のイメージが…」
観光名所「旭山動物園」を舞台にした前代未聞の“不祥事”は、旭川全体のイメージダウンにもつながっているようだ。市内の飲食店店主は、こうため息をついた。
「ウチに関してはほとんど観光客が来るということはなく、常連さんで成り立ってるんで旭山動物園の開園が遅れてもほぼ影響は出ないですね。サンロク(旭川の繁華街)の飲み屋なども影響はほぼないんじゃないですかね。昼間の観光客をメインにやっているようなお店はそれなりに打撃がありそうですけどね。動物園内の飲食店などに対しては市が補償を検討するみたいなニュースがありましたけど、本当に補償するんですかね?
しかし、旭川のイメージはどんどん落ちていきますね……。橋から人を落っことして殺害した(容疑で公判中の)事件があったり、焼却炉で遺体焼いたり(した疑惑がある)ってそんな話ばかりニュースになってたら、誰も近づきたくないってなるんじゃないかって心配ですよ」
混沌を極める北の大地…動物園は無事に5月1日から再開できるのか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

《また出馬するつもりではないか》田久保眞紀・前伊東市長が卒業証書偽造の裁判で“徹底抗戦”の思惑 「田中角栄のように選挙で勝って無罪を訴え続けるつもりかも」の指摘

大学の卒業証書偽造問題で世間を騒がせた田久保眞紀・前伊東市長が裁判でも「頑強な抵抗」を見せている。
昨年12月の出直し市長選で落選後、警察の捜査に対しても問題の”自作の東洋大学卒業証書”の提出を拒否。静岡地検は3月30日に地方自治法違反と有印私文書偽造・同行使の罪で在宅起訴した。
対する田久保氏の弁護団は裁判所に「公判前整理手続」を請求した。裁判員裁判において公判前に争点と証拠を絞り込む手続きで、検察への証拠開示請求などで初公判まで半年以上かかるケースもある。田久保氏側の狙いについて市議会関係者には「公判を長引かせ、その間に選挙に出馬するつもりではないか」との見方が流れているのだ。
政治評論家の有馬晴海氏は、「その可能性は十分ある」と指摘する。
「来春の統一地方選で静岡県議選があり、田久保氏なら出馬して潔白を訴えようと考えていても不思議ではない。県議選は中選挙区なので都市部でそれなりの票が集まれば当選の可能性はある。
起訴されて一審で負けても、控訴、上告していけば有罪が確定するまで公民権停止にならず選挙には出られる。ロッキード事件の田中角栄のように、選挙で勝って無罪を訴え続けるつもりかもしれない」
田久保氏の代理人に裁判の方針や、出馬の意向について問うたが、期日までに回答は得られなかった。
※週刊ポスト2026年5月8・15日号

“少年をハンマー殴打”立てこもり後に逃走男、公開手配に 母親「早く出てきて」電話応答なし 東京・福生市

東京・福生市で29日、44歳の男が自宅の前にいた少年をハンマーで殴るなどして一時自宅に立てこもり、その後逃走した事件で、警視庁は男を殺人未遂の疑いで公開手配しました。
公開手配されたのは、東京・福生市の職業不詳、高林輝行容疑者です。
警視庁によりますと、高林容疑者は29日午前、自宅の前にいた17歳の少年をハンマーで殴り、殺害しようとした疑いがもたれています。また、高林容疑者は通報を受け駆けつけた警察官らにサバイバルナイフを向け、さらに噴霧器のようなもので液体をまいて、警察官3人にケガをさせたとみられています。
高林容疑者はその後、自宅に1人で一時立てこもっていましたが、警視庁が室内に突入した際に姿はなく、その後の行方が分かっていないため、警視庁は公開手配に切り替えました。
また高林容疑者の母親が30日、日本テレビの取材に応じました。
高林容疑者の母親
「(連絡)入れたけど着信拒否になるから。もちろん出てきてほしいです」
高林容疑者は身長173センチほどで、警視庁が情報提供を呼びかけています。
【情報提供】警視庁福生警察署 042-551-0110

発端はSNSの投稿か…「お前死ぬぞ」知人への恐喝容疑 男2人と少年1人再逮捕 トクリュウか

知人の男性から現金を脅し取ったとして、男2人と少年1人が再逮捕されました。
3人は匿名・流動型犯罪グループ=トクリュウとみられています。
恐喝の疑いで逮捕・送検されたのは、住所不定・無職の今岡奨護容疑者と橋本太陽容疑者、19歳の少年の3人です。
3人は2025年、SNSのメッセージ機能で「35万だ」「さっさとおわらせねーとお前死ぬぞ」などと知人の男性を脅し、銀行口座に現金8万円を振り込ませた疑いがもたれています。
警察によりますと、被害者の男性がSNSで3人をからかうような投稿をしたことでトラブルに発展したとみられるということです。
3人は2025年11月に豊平区で発生した殺人未遂事件や、札幌市内で相次いだ強盗傷害事件などにかかわったとして、すでに逮捕されています。
警察は匿名・流動型犯罪グループ=トクリュウとみて捜査を進めています。