HKT拠点で2人刺傷 容疑者を殺人未遂罪などで起訴 福岡地検

福岡県が拠点のアイドルグループ「HKT48」の男性スタッフ(44)=福岡市=ら男女2人が刺された事件で、福岡地検は27日、同県糸島市、無職、山口直也容疑者(30)を殺人未遂罪や銃刀法違反で起訴した。16日までの約2カ月間にわたり鑑定留置した結果、刑事責任を問えると判断した。
起訴状によると、山口被告は2025年12月14日午後5時ごろ、福岡市中央区の「みずほペイペイドーム福岡」1階の関係者駐車場のエレベーターホールで男性スタッフの胸を包丁で刺し、その約2分後にはHKT48劇場が入る商業施設「ボス イーゾ フクオカ」のエスカレーターにいたアルバイトの女性(27)=岡山県倉敷市=の背中を刺し、いずれも殺害しようとしたとしている。男性スタッフは約3週間、女性は約1カ月の重傷だった。地検は認否を明らかにしていない。
捜査関係者によると、山口被告はHKT48のイベントの常連客だった。逮捕後の取り調べに「推し活(ファン活動)」に金を費やして生活が困窮したと説明。「どうせ死ぬならメンバーを道連れにしようと考えた。男性スタッフに注意され、刺した。(女性については)逃げる際、そこにいたから刺した」などと供述していた。
地検は、山口被告が25年6月、交流サイト(SNS)でチケットを販売すると偽り、購入希望者から6000円相当の電子マネーをだまし取ったとして詐欺罪でも起訴した。【栗栖由喜】

家賃滞納で強制退去直前に放火か 30代男性重体 東京・八王子

27日午前10時50分ごろ、東京都八王子市大和田町4の2階建てアパートで「(住人が)火を付けた。中で逃げ遅れているかも」と大家の関係者から110番があった。警視庁八王子署や消防によると、メゾネット式1部屋の壁や天井など15平方メートルを焼き、住人とみられる30代男性が意識不明の重体で搬送された。
男性は半年ほど前から家賃を滞納しており、この日は東京地裁立川支部の退去命令に基づく強制執行が午前11時すぎから予定されていた。男性には事前に通知され、了解を得ていたという。搬出業者が10時半ごろに男性を訪ねて予定を改めて伝えたところ、しばらくして室内から煙が上がり、破裂音が響いた。
警視庁は、男性が自室内で火を放った可能性があるとみて調べている。地裁の執行官や大家関係者、業者ら14人がいたが、男性以外のけが人はなかった。【春増翔太】

「障害者で金もうけか」当事者ら怒り 絆HDの4事業所不正受給

絆ホールディングス(HD)傘下の4事業所で約150億円もの不正受給が確認された。「障害者で金もうけをしたのか」。当事者や支援者からは非難の声が相次いだ。
4事業所の一つに通う男性は「最初から就労支援をするつもりなどなく、加算金目当てだったんじゃないか」と憤りを隠さない。
2023年から事業所を利用。主にプログラミングを学び、しばらくしてこの事業所で雇用された。しかし、貸与されたパソコンを使って在宅で作業をする日が多く、業務内容も利用者の時の水準とほとんど変わらない。「働いてもスキルアップをしている実感がなかった」
自身は事業所の不正受給に利用されたわけではない。ただ、障害者の雇用定着支援を掲げる事業所が加算金制度を悪用したことに不信感を募らせる。「事業所への信頼はなくなった。不正受給した分をすぐに返還すべきだ」と語った。
障害者を支援する全国組織「きょうされん」大阪支部の雨田信幸事務局長は「障害者を金もうけのために使っていたようなもので、怒りを感じる」と話した。
その上で「真面目に運営している他の事業所も疑いの目を向けられかねず、心配だ」と指摘。4事業所を指定してきた大阪市に対しても「健全に運営されているのか指導監督を徹底すべきだったし、今後も絆HDへの監視を怠るべきではない」と注文を付けた。【高良駿輔、川地隆史】

斎藤・兵庫知事「重く受け止める」 私的情報漏えいで不起訴

斎藤元彦・兵庫県知事らの疑惑を文書で告発した元県西播磨県民局長(故人)の私的情報を漏えいしたとして、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で刑事告発された斎藤氏と、片山安孝・元副知事について、神戸地検は27日、不起訴処分(容疑不十分)とした。地検は「証拠が得られなかった」と説明した。
同じ容疑で書類送検されていた元県総務部長の井ノ本知明氏についても不起訴処分(起訴猶予)とした。
元局長は県政に関する疑惑を告発して2024年5月に懲戒処分を受けた。元局長は後に亡くなったが、公用パソコンに保存されていた、告発とは無関係の元局長の私的情報が外部に流れ、県内部の人物による漏えいが疑われる事態となった。
県が設置した第三者委員会の調査結果によると、私的情報は一部が印刷されて井ノ本氏に渡り、井ノ本氏が24年4月、県議3人に内容を説明。井ノ本氏が第三者委に、斎藤氏から「そのような文書があることを議員に共有しといたら」と言われたと説明したため、第三者委は、斎藤氏、片山氏の指示があった可能性が高いと結論付けていた。
これらを元に「斎藤氏が漏えいを命令・仕向け、片山氏も容認し、井ノ本氏が職務上知り得た秘密を漏えいした」とする刑事告発が出されていた。
地検によると、井ノ本氏については地公法違反が認められるとしつつ、公判が開かれれば私的情報が法廷で明らかになってしまうことや、井ノ本氏が停職3カ月の懲戒処分を受けていることを考慮し、起訴を見送ったとした。斎藤、片山氏については、地公法違反を認定するのに必要な証拠が得られなかったとした。
斎藤氏は27日、報道陣に「捜査当局が慎重かつ十分に捜査してきた結果の判断。県から情報が外部に流出したことは組織の長として重く受け止めたい」と述べ、片山氏も「(地検に)的確に判断いただいた」とコメントした。
一方、元局長の私的情報は、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首=名誉毀損(きそん)罪で起訴=らにも流出し、インターネット上で公開された。県は容疑者不詳のまま地公法違反容疑で告発していたが、地検は流出させた県職員を特定した上で、不起訴とした。「(県職員が)職務上知り得たと認定するに足りる証拠が得られなかった」とした。【木山友里亜、稲生陽、浜本年弘】

神奈川の小2いじめ訴訟 同級生の親と茅ケ崎市に賠償命令 地裁

神奈川県茅ケ崎市の市立小学校で男児が同級生にいじめられて不登校になったとして、男児と両親が同級生の親9人と市に損害賠償を求めた民事訴訟で、横浜地裁は27日、いじめ行為で精神的苦痛が生じたなどと認定し、親や市に計約307万円を支払うよう命じた。
判決によると、男児は2年生だった2015~16年、複数の同級生から殴る蹴るの暴行を繰り返されるなどした。男児は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、3年時から約2年半にわたって不登校になり、転校を余儀なくされた。
藤澤孝彦裁判長は、加害児童らの行為は一方的な関係性の中で行われたとし「不法行為を構成する」と指摘。いじめとPTSDの因果関係は認めなかったが、いじめが原因で「不登校になった上、日常生活に多大な支障をきたした」とした。
また市は安全配慮義務に違反し、加害児童の親も監督義務に違反していたと認定した。
この事案を巡っては茅ケ崎市教育委員会の第三者委員会が18年2月、いじめを認定する報告書をまとめた。市教委が同年12月に公表した追加調査結果も「担任の対応が不適切」と指摘した。男児側は19年10月、計3622万円の損害賠償を求めて提訴していた。
判決後、男児と母親(45)は横浜市内で記者会見をした。現在は高校3年生の男児は「苦痛を今も引きずっている。学校に行けなかった期間も含めて、二度と元には戻れない。(心の傷は)一生つきまとう」と語った。
母親は判決でいじめが認定されたことに「少しほっとしている」と述べたが、「いじめの後遺症に苦しんでいる息子を見るのが本当につらかった。普通に学校に行って友達と遊んでいると思ったのに」と声を詰まらせた。
茅ケ崎市教委は「判決内容を精査した上で、今後の対応を検討したい」とコメントした。【矢野大輝】

立命館「戦争の痛苦」文言を維持 憲章改正、削除案批判受け

立命館大などを運営する学校法人立命館(京都市)は27日、学園の在り方を定めた立命館憲章の改正を決定し発表した。「戦争の痛苦の体験を踏まえ」など戦争を反省する文言の削除を一時検討したが、学生や教職員から批判があり、最終的に改正前と同様の表現を維持した。多様性の尊重などを追加。新憲章は4月1日に施行する。
旧憲章は、戦時中の国家主義的な体質を反省し、2006年に制定。昨年4月に改正案が判明し、学生や教職員から反対の声が上がり、学内外から1万7千以上の反対署名も集まった。
立命館は昨年10月に改正案を修正し、学内懇談会を実施するなど意見集約していた。27日の理事会で新憲章を決定し、ウェブサイトで公表した。

ポケセン転職の女性に“辞職”迫り交際破綻か 池袋刺殺容疑者

東京都豊島区東池袋3の商業施設、サンシャインシティ内のグッズショップ「ポケモンセンターメガトウキョー」で店員の女性が刺殺され、襲った男性も死亡した事件で、警視庁巣鴨署は27日未明、2人は東京都八王子市元本郷町4のアルバイト、春川萌衣さん(21)と元交際相手の住所・職業不詳、広川大起容疑者(26)と明らかにした。春川さんは警察に広川容疑者からのストーカー被害を相談しており、広川容疑者は2025年末にストーカー規制法違反容疑で逮捕されていた。
春川さんは25年7月にポケモンセンターで働き始め、これに反対する広川容疑者との交際を解消していた。広川容疑者は年末の逮捕時に「復縁したかった」と供述していたといい、一方的な恋愛感情が背景にあった可能性がある。
首を中心に十数カ所の刺し傷
事件は26日午後7時すぎに発生。店内のレジカウンター内にいた春川さんが広川容疑者に首を中心に十数カ所を刺され、広川容疑者は直後に自分の首も刺したとされる。いずれも意識不明の重体で搬送され、病院で死亡が確認された。
当時、レジカウンター内には春川さんを含め4人ほどの店員がいたという。春川さんは首や腕に傷があり、現場にはタオルを巻いてゴムで縛った刃物が1本、血が付いたまま落ちていた。
「おまえには合わない」
警視庁によると、2人は元々、八王子市内のファストフード店で働く同僚で、24年10月から交際していた。しかし25年7月、広川容疑者は、ポケモンセンターに転職した春川さんに「仕事を辞めろ。おまえには合わない」と迫り、これをきっかけに交際は破綻した。
春川さんは、その後も自宅近くで広川容疑者に付きまとわれることが5回ほどあり、12月24日深夜には、「今夜中に連絡下さい。助けて下さい」というメッセージカードとポケモンカードが玄関前に置かれていたという。
そのため、春川さんは12月25日、警視庁八王子署に相談。署員が春川さんを自宅に送り届けたところ、付近でうろつく広川容疑者を発見した。近くに止めた車の中に果物ナイフがあったことなどから、警視庁はその日にストーカー規制法違反容疑で逮捕した。その後、銃刀法違反(所持)容疑で追送検したほか、広川容疑者のスマートフォンから春川さんを映した動画が見つかったため性的姿態撮影処罰法違反(盗撮)容疑でも再逮捕した。
広川容疑者は、三つの容疑とも認め、「(ナイフは)自殺のためだった」と説明。ストーカー行為については「もうしません」と供述していたという。
警視庁は母親呼び出し、見守り依頼
その後、26年1月30日に広川容疑者は、いずれの罪でも略式起訴され、罰金を納めて釈放された。警視庁はこの前日に広川容疑者に禁止命令を出し、併せて加害者に対するカウンセリングや治療を受けるように働きかけたが、拒否されていた。また最初の逮捕時に広川容疑者の母親を呼び、釈放後の広川容疑者を見守るよう依頼していた。
一方で警視庁は、春川さんには避難や勤務先の変更を助言。春川さんは2月上旬まで1カ月間、遠方の親類宅に避難していたが、ポケモンセンターでの勤務が「夢だった」といい、自宅に戻った後は仕事を再開していた。
釈放後、警視庁は3月12日まで計3回、春川さんと連絡を取ったが、「異常はない」との返答が続いていたという。
警視庁は、殺人事件として調べており、春川さんを殺害した疑いで広川容疑者を容疑者死亡のまま書類送検する方針。
相談への一連の対応については「その都度、最善の措置を取っていた」としている。【朝比奈由佳、松本ゆう雅、菅健吾、洪香】

小池都知事、第3次石油危機を警戒 「今回はきついと思う」

東京都の小池百合子知事は27日の定例記者会見で、米国とイスラエルが続ける対イラン軍事作戦を受けたホルムズ海峡の事実上の封鎖について、「第3次(オイルショック)になるのでしょうか。今回のオイルショック、ちょっときついと思う」と述べた。
小池氏は「通行できないというような状況は初めて見る光景」とし、「エネルギー小国であるわが国のこれまでの歴史の中で一番大きなアキレス腱(けん)なわけです」と話した。
また、約26億4000万円が投入され、28日から運用が始まる世界最大規模の噴水「東京アクアシンフォニー」について質問されると「市長選も府知事選もやっていない。これを有効活用していくことで、観光の一つのアイテムとして盛り上げていく。その役目を担ってもらえれば」と述べた。2月にあった大阪府知事・大阪市長の出直しダブル選を引き合い出したとみられる。府と市が負担した選挙費用は約28億円で、「税金の無駄遣い」と批判の声が上がっていた。【遠藤龍】

がん判明も保釈せずは「違法」、遺族提訴へ 裁判官37人の責任追及

化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件で、勾留中に亡くなった元顧問の相嶋静夫さん(享年72)の遺族が、裁判官による逮捕状の発付や保釈を認めない判断で違法な拘束が続いたとして、国に約1億6000万円の損害賠償を求める訴訟を4月上旬にも東京地裁に起こす。複数の関係者が取材に明らかにした。訴訟を通じて関わった裁判官37人の責任を追及する。
罪を認めなければ簡単に保釈されない問題は「人質司法」とも呼ばれる。相嶋さんの長男(52)は「法の番人とされる裁判官が、捜査機関に従属し、無実の父の自由を奪う決定を下した。裁判官の責任を明確にしなければ、人質司法はなくならない」としている。
相嶋さんは2020年3月に外為法違反容疑で逮捕・起訴され、約7カ月後に胃がんが見つかった。20年11月に勾留が一時停止されて外部の病院に入院したものの、がんは末期の状態で21年2月に亡くなった。
弁護側は8回にわたり保釈請求したが、東京地検は「罪証隠滅の恐れがある」と反対し、東京地裁も追認した。がんが見つかった後に1度だけ地裁が認めた保釈決定も検察側の不服申し立てで覆った。相嶋さんの死亡から約半年後、地検は公判維持が困難になったとして起訴を取り消した。
遺族側は、相嶋さんは警視庁公安部の任意捜査に協力し、逃亡の恐れがなかったにもかかわらず地裁は逮捕状や勾留状を発付した▽身体拘束を続ければ生命に重大な危険が及ぶことは明らかだったのに保釈請求を却下した――点を主に問題視。関わった計37人の裁判官は、証拠資料を吟味すれば逮捕や勾留の必要性がないことが容易に認識できたのに、故意または重過失でこれを見落とした違法があると主張する方針。
大川原側が起こした国家賠償請求訴訟では25年5月の東京高裁判決が、警視庁公安部の逮捕と東京地検の起訴を違法とし、東京都と国に計約1億6600万円の賠償を命じた。判決の確定を受けて警視庁と最高検は、それぞれ検証報告書を公表し、幹部らが大川原側に謝罪した。
一方、最高裁は1月に全国の刑事裁判官約70人を集めた研究会を開き、保釈のあり方を議論した。ただ、憲法が保障する「裁判官の独立」の観点から、今回の冤罪事件を巡る保釈に関しての検証はしていない。【遠藤浩二】

「手取りが減るのは理不尽」高市首相、JRの値上げによる“謎現象”に慎重姿勢崩さず国民から批判

「定期代をもらっているだけなのに、なぜか手取りの給料が減ってしまう」――。そんな理不尽な現象が、3月14日から始まったJR東日本の運賃値上げをきっかけに、一部のサラリーマンの身に降りかかろうとしている。国会では野党が制度の見直しを迫っているが、高市早苗首相は慎重な姿勢を崩しておらず、ネット上では「庶民の感覚を無視している」と批判が殺到している。
JR東日本の値上げが引き金に
今回、議論の的となっているのは、3月14日からJR東日本が実施した運賃改定だ。エネルギー価格の高騰などを理由に、全エリア平均で7.1%、通勤定期に至っては12.0%という大幅な値上げに踏み切った。
本来、会社から支給される通勤手当(定期代)が増えたとしても、それはそのまま鉄道会社に支払うお金。収入としては“プラスマイナスゼロ”のはず。しかし、この「増えた電車代」が、私たちの「社会保険料」を跳ね上げるという罠が潜んでいるのだという。
この複雑な仕組みについて、全国紙の社会部記者は次のように解説する。
「社会保険料とは、私たちが病院にかかるときの健康保険や、将来受け取る年金のために給料から天引きされるお金のこと。この金額を決める際、国は『標準報酬月額』という、いわばお給料を入れるバケツのような基準を使います。
最大の問題は、このバケツの中に、純粋な給料だけでなく『通勤手当』まで一緒に入れられてしまうことです。社会保険料は、バケツの中身の重さに応じて『階段(等級)』のように金額が決まる仕組みになっています。今回の値上げで電車代が少し増えたことで、図らずも階段を一段上がってしまい、その結果、引かれる保険料がガクンと増えてしまう人が出てしまうのです」
3月12日の国会では、国民民主党の深作ヘスス議員が、具体的な“手取り額の減少幅”を挙げてこの矛盾を突いた。
「深作議員が示した例によれば、報酬月額が約31万円の人のケースでは、JRの値上げで通勤手当が710円アップしただけで、保険料の等級が一段階上がってしまいます。すると、健康保険と厚生年金を合わせた本人負担額は、月に2977円も増えてしまう計算になります。
自分のポケットには1円も入らない、JRに支払う電車代の補填を受けただけで、手元に残るお金が3000円近くも減ってしまう。これが、いま起きようとしている『通勤手当が増えたせいで手取り減少』の正体です」(前出・社会部記者)
役人が作った“二重基準”
この状況に追い打ちをかけるのが、制度のチグハグさだ。
実は「所得税」の世界では、通勤手当は月15万円までなら「給料(利益)」とは見なされず、税金はかからない。ところが「社会保険料」の世界では、なぜか「給料の一部(報酬)」としてカウントされる。
この矛盾に対し、ネット上では怒りの声が渦巻いている。
《交通費は必要経費であって個人の利益じゃない。そこから保険料を取って手取りが減るのは理不尽すぎるだろ》 《所得税は非課税なのに保険料はカウントするなんて……少しでも税金を多く徴収したい官僚が考えそうな二重基準》
高市首相は18日の参院予算委員会の答弁で、通勤手当を保険料の計算から外すことに対し、「全体の保険料率引き上げが必要になる」「歩いて通う人との公平性が損なわれる」と慎重な考えを示した。
しかし、物価高で生活が苦しいなか、「ルールだから」「公平性が必要だから」という理屈で、実質的な“減収”を押し付けられる国民の納得感はきわめて低いのではないだろうか。
「手取りを増やす」ことを高市政権は掲げているが、目の前で起きている「電車代による手取り減少」という現象を放置したままでは、その言葉の信憑性が問われることになるだろう。今後の対応に注目が集まっている。