8月8日、自民党の両院議員総会が行われ、自民党全議員の8割を超える250人以上が出席した。党大会に次ぐ重要な意思決定機関で、今後、選挙管理委員会に対応を一任し、総裁選を前倒しで実施するかどうか検討することが決まった。
党則では所属国会議員と都道府県連代表(各1名)の総数の過半数の要求があれば、任期満了前でも総裁選を前倒しで実施することができる。この規定に基づく総裁選の実施は前例がなく、総会に出席した「ポスト石破」候補の1人は「感覚としては9割ぐらいが前倒しに賛成の雰囲気だった」という。今後、過半数の賛同が得られるかが最大の焦点となる。
果たして石破総理はもう“終わった”のだろうか。
石破総理が辞めないこれだけの理由
石破総理は総会で、重ねて続投を表明したが、去年の衆院選、今年の都議選、参院選と3連敗で、本来であれば「スリーアウトチェンジ」(茂木前幹事長)のはずだった。これまでの常識を覆し、総理が続投したい理由はいくつか考えられる。
表向きに総理が語っているのは日米の関税交渉だ。トランプ政権と石破政権の合意であるから最後までやり抜くということ。そして「戦後80年の見解」を発出するという強い思いだ。さらには衆参ともに少数与党となり、自公連立政権に野党を加え安定基盤を作るまでやりきりたいのではないか、と解説する官邸幹部もいる。
こうした“使命感”とは別の理由もありそうだ。
参院選直後の「辞任報道」への反発や“石破おろし”の主体が旧安倍派、旧茂木派など、かつての主流派であったり“裏金”議員であることから、石破総理は「おろされてたまるかという気持ちになっている」(総理に近い議員)という。
村上誠一郎総務大臣も8日のTBSのCS番組の収録で“石破おろし”の動きについて、「参院選の敗因を作った皆さん方が総理の責任を問うというのは身勝手ではないか」と述べ、旧安倍派の議員らが主導していることを批判し、総理を“援護”している。
かねてから石破総理は旧安倍派に起因する裏金問題が、自民党敗北の根底にあると感じているようだ。ただそうはいっても、自民党の「政治とカネ」の問題に刷新感を出せなかったのは石破総理自身の責任である。
石破総理が辞めない「外的要因」もある。
まずは自民党内。派閥がなくなった影響で“石破おろし”の核となる人物、主体が見えにくくなっている。仮に派閥が残っていれば領袖の一声で“おろし”はうねりのように広がっていったはずだ。派閥不在は総理に有利に働いている。
派閥がなくなった影響はほかにもある。かつて菅総理に対して、近しい関係である小泉進次郎環境大臣(当時)が、総裁選に出馬しても勝てる見込みがなかったことから“名誉ある撤退”を促したことがあった。今、自身の派閥もなくなり、仲間の少ない石破総理に撤退を促すような人物はいなさそうだ。
さらに野党側にも問題がある。少数与党下において内閣不信任案はこれまで以上に野党にとっては強力なカードであるはずだが、提出の気運は高まっていない。提出は本来、野党第一党である立憲民主党が主導するが、立憲は参院選で議席を増やせず戦略の立て直しが喫緊の課題になっている。いまの状態で衆院解散・総選挙になっても立憲は勝ち筋を描けず、参院選で議席を伸ばした国民民主党や参政党がさらに勢いづく可能性がある。
このように石破総理が持ちこたえているのは、与野党双方の“お家事情”が影響している。
総理を後押しする「世論」 なぜ?内閣支持率が上昇
最新のJNN世論調査で石破内閣の支持率が前月と比べて4.0ポイント上昇し、36.8%となった。参院選に敗北したこのタイミングでなぜ内閣支持率が改善したのか。
それを解明するヒントとなる数字がある。
今回の参院選の敗北を受け石破総理が辞任すべきかどうかを聞いたところ「辞任すべき」が43%で「辞任する必要はない」は47%。「辞任の必要がない」ほうがやや上回った。さらに自民党支持層と立憲民主党支持層で分析すると、自民支持層で「辞任の必要なし」は65%、立憲支持層でも「辞任の必要はなし」が63%で両者の差がほとんどなかった。
つまり石破内閣は野党支持層、リベラル層から一定の支持があるということが推察される。今回の参院選で初当選した社民党のラサール石井氏がXに「石破総理は一番まともだ」と投稿したり、れいわ新選組の山本太郎代表も「石破総理の続投が安全策」と会見で話すほか、広島原爆の日の6日、平和記念式典での総理の挨拶は野党からも評価する声があがっている。こうした野党層が「辞任の必要なし」と答え、内閣支持率をも押し上げている側面がある。
「次の総理にふさわしい人」という設問についても、石破総理は「3位」にランクインしている。そもそもこの設問は各社、時の総理の“終わりが見え始めた”頃に設問して取り上げられる傾向にあり、例えば岸田総理が辞める直前の24年8月のJNN世論調査で同じ質問をしたところ、岸田総理は「6位」だった。
そもそも石破氏は、総理就任前は常に総裁候補のトップを走ってきた人ではあるが、現役総理が3位になるのは異例だ。
自民党支持率20.4% 政権奪還後「最低」の数字に
一方で、自民党の支持率は20.4%となった。この数字は民主党に政権交代する直前、2009年9月の麻生内閣の時(20.8%)と同じ水準であり、2012年末に自民党が民主党から政権を奪取して以来、“過去最低”の数字である。
内閣支持率はアップする一方、自民党支持率が“過去最低”になる奇妙な結果となった。というのも歴代政権は内閣支持率が下がっても、自民党支持率が3割前後で安定推移する傾向にあったが、今回は逆転現象が起こっている。
さらに「今回の参院選で自民党が敗北した理由が何だと思うか」という設問については1位が「自民党に期待できないから」で46%、2位の「石破政権に期待できないから」20%を大きく上回っていることも、総理の続投を後押ししている可能性がある。
今回のJNN世論調査の結果に石破総理は周囲に対し「支持率が下がらなくて良かった」と安堵しているという。その他にも、他社の世論調査で同様の結果がみられた7月28日での会見で総理は「国民世論というものと我が党の考え方というものが一致することが大事」だと話している。つまり、いまは党内世論と国民世論が違うということが言いたいと見られ、各社の世論調査を意識していることがうかがえる。
8月最終週「参院選の総括」が最初のヤマ場
8月最終週には参院選の敗因などがまとまり報告書がだされる。これをもって森山幹事長は「幹事長として自らの責任について明らかにしたい」と述べていて辞任の可能性を示唆している。森山幹事長だけではなく、選挙の責任者である木原選対委員長、選挙公約をまとめた小野寺政調会長なども辞任するものとみられ、早晩、石破総理は党役員人事に取りかからねばならないが、後任人事に行き詰まる可能性がある。これまで内閣の屋台骨だった森山幹事長が辞任すれば、前倒しの総裁選が行われるにせよそれを待つことなく石破内閣が瓦解する恐れがあり、8月最終週が総理にとってまずはヤマ場となる。
その後、前倒しで総裁選が行われるかどうかが最大の焦点だ。臨時の総裁選が行われることになれば、石破総理も出馬は可能ではあるが現時点では勝てる可能性は少なく、勝てる見込みがなければ出馬を見送るだろう。辞任にむけ外堀が埋まりつつある。
選挙に負けて誰も、何も責任を取らない組織はあってはならないし、より結果責任が求められる政治の世界ではなおさらだ。現在、参院選の敗因について有識者のヒアリングが行われていて、指摘されているのは、石破総理が「政治とカネ」の問題で刷新感を出せなかったことや自民党が物価高対策に有効な施策を打ち出せなかったことなどだ。そうした根本原因を放置して、党内の権力争いに終始しているようでは、ますます自民党は国民から見放されるだろう。
TBS政治部 世論調査担当デスク室井祐作
【8月JNN世論調査 設問と回答は以下】 ●石破内閣の支持率は36.8%(前月調査より4.0ポイント上昇)。不支持率は60.5%(前月調査より3.1ポイント下落)
●政党支持率は、自民党20.4%(前月より0.4ポイント下落)、立憲民主党6.9%(前月より0.6ポイント上昇)、日本維新の会2.7%(前月より1.4ポイント下落)、国民民主党8.7%(前月より2.8ポイント上昇)。参政党は10.2%(前月より4.0ポイント上昇)
●日米関税交渉の合意について「評価する」50%、「評価しない」33%
●参院選の結果について「与党がもっと議席を取った方が良かった」23%、「野党がもっと議席を取った方が良かった」33%、「結果に満足している」35%
●今回自民党が参院選で敗北した理由について「石破政権に期待ができなかったから」20%、「自民党に期待ができなかったから」46%、「他の野党の方が期待できるから」15%、「それ以外の理由」16%
●参院選の敗北を受けて石破総理が「辞任すべき」は43%、「辞任する必要はない」は47%
●望ましい政権のあり方は「自民・公明を中心とする政権の継続」は39%(6月より4ポイント下落)、「いまの野党を中心とする政権に交代」は49%(6月より8ポイント上昇)
●自公連立政権に新たに野党が加わる場合、望ましいのは「立憲民主党」17%、「日本維新の会」14%、「国民民主党」23%、「参政党」15%、「それ以外の政党」16%
●次の総理にふさわしい人は 1位 小泉進次郎氏 20.4% 2位 高市早苗氏 16.7% 3位 石破茂氏 11.1% 4位 河野太郎氏 5.2% 5位 玉木雄一郎氏 4.4% 6位 野田佳彦氏 3.8% 7位 林芳正氏 3.4% 8位 上川陽子氏 2.3% 9位 小林鷹之氏 1.7% 10位 茂木敏充氏 1.1% 11位 加藤勝信氏 0.8% 12位 前原誠司氏 0.5% 「その他の政治家」 18.1%
【調査方法】 JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。8月2日(土)、3日(日)に全国18歳以上の男女2531人〔固定843人、携帯1688人〕に調査を行い、そのうち39.6%にあたる1003人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話498人、携帯505人でした。インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。
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「123便の陰謀論が流布される背景は…」元航空自衛官があえて指摘する“自衛隊が本当に苦手なこと”とは
〈 「日本航空123便墜落事故」の陰謀論を元航空自衛官が実名で否定する“明確な論拠”「ないですね。これは即答です」 〉から続く
1985年8月12日に発生した日本航空123便墜落事故。事故から40年を経た現在、墜落に自衛隊が関与しているという陰謀論が広がっている。そうした主張の中でも、もっとも大きな影響を及ぼしているのが、元日航客室乗務員の青山透子氏による一連の著作だ。
しかし、青山氏の著作での主張は、様々な専門家から疑問視されている。ここでは、元航空自衛隊関係者から話を伺い、青山氏の主張について検証する。
筆者が次に話を伺ったのは、元航空自衛官で情報専門官として情報畑を歩み、現在は軍事ライターとして特に中国軍事を専門として活躍されている薗田浩毅氏だ。薗田氏には軍事情報の専門家として、またご自身の経験から青山氏の主張について、さらには自衛隊と情報について伺った。
「草むらかき分けたら生首が…」
薗田浩毅氏(以下、薗田) 航空自衛隊に入隊して、熊谷基地の教育部隊からそのまま熊谷基地の第4術科学校に入ったんですけど、周りの班長クラスや熊谷勤務が長い幹部は、ほぼ全員が御巣鷹に派遣されていました。空自の部隊で御巣鷹の現場に一番近いですからね。みんなおしなべて口が重いんですよ。新兵の僕らも、彼らが行ったということはなんとなく分かるんですが、聞きにくい雰囲気があって話題にするのは避けていました。
ある夜、演習で教場の建物を警備してたんですが、警備体制が下がって休憩みたいになり、僕の課程の若い教官と御巣鷹の話になりました。事故の日は夏休暇に入ったばかりで、静岡のご実家に帰る最中に上野でお店か何かのテレビで臨時ニュースのテロップを見て、これはやばいと部隊に戻ったそうなんです。戻ると熊谷基地は大騒ぎで、上からまだ指示来てないけど、現場へ進出の命令が来るんじゃないかと、基地司令も全部かかれと災害派遣に必要な機材を車両に載せるなどの態勢を整えてました。
現地に着いたら、陸自が先に入っていて、道がないので啓開して獣道のようなものを作っていたんですが、航空自衛官なので陸自の1.5倍から2倍くらいかかって現場に入ったと言ってました。空自さんはそこやってくださいと言われたんですが遺体がないんです。ないじゃんと思って草むらかき分けたら生首が。見える所は片付けられてたけど、実はそこらじゅうにバラバラ遺体だらけで、ハッと気づいて木の上を見たら、枝に遺体の一部が引っかかっているとか、そんな状況だったそうです。
その教官はそこから話さなくなって、新兵に聞かせる内容じゃないと思ったのかもしれませんが、泣いていましたね。人づてに聞いた話ですが、派遣中の食事で米の缶詰と副食で肉類のおかずが出るんですが、肉が遺体の一部に見えたりとか、米粒が蛆虫に見えて食べられなかった隊員がいっぱいいたそうです。
当時の熊谷基地って、隊員の自殺がたびたびあったんですが、あの事故が影響していたのかと今になって思うことがあります。たぶんメンタルケアって言葉も無かった時代ですから、あの凄惨な現場に行った隊員に影響していたと思うんです。話してくれた教官の目に涙が溜まっていくところは、今でもよく覚えています。
――先ほど、教官が墜落の日に夏季休暇だったとおっしゃいましたね。青山氏はこの日にミサイル試験が行われたとしていますが、もう盆の前日ですよね。こんな時期に試験なんてやるんでしょうか?
薗田 そこで試験やる場合、とんでもなく遅れてたとかでしょうけど、それでも12日はやらないですよ。
――メーカーの休暇もありますしね。
薗田 航空総隊隷下の戦闘機部隊とかは休暇を前段後段とかに分けて取らせてますけど、24時間態勢とる必要のない技術系の部隊とか試験やってる部隊なんかはスッパリ休んじゃいますよ。休める時休めが空自の文化ですから。
――事故の際、墜落現場の位置特定が二転三転した問題で、米軍との情報共有について「防衛庁と米軍でやりとりがあったのだろう」という中曽根康弘総理の回顧録の記述を、青山氏は防衛組織図の指揮系統を根拠に「防衛庁と米軍が総理を飛び越えてやりとりした」として、「防衛庁長官と幕僚長の首が飛ぶ事態」と批判しています。緊急時の日米の情報共有は普通のことと思いますが、どうでしょうか?
薗田 特に空軍の組織は上意下達よりも、機能が違う多くの組織を繋げて使うので、統制・調整系統が大事なんです。横田(米軍基地)には昔から航空総隊の連絡幹部がいて、それは横の系統なんです。青山さんは多分、その横の系統というのを全く理解していないんですよ。
通常の飛行運用をやる中で、事故マターは当然やっています。当時いたかは分かりませんが、横田空域の調整をやるために英語に堪能な航空管制官が横田に派遣されていました。いわゆる横田空域は米軍の占有みたいな事を言う人もいますが、何のために日本人がそこに行くかというと、調整という名で日本の主張を通すためです。
「民航機をターゲットになんかやらないですよ」
――災害時にはそれが横の繋がりとして機能するわけですよね。
薗田 そうです。そして、当時の技術を考えれば事故現場の特定は二転三転して当たり前で、レーダーで追っててもロストしてからどのくらい飛行機が動いたとか、バラバラになっている可能性もあるわけです。実際、残骸が広範囲に散らばってましたしね。自分がどこを飛んでいるのかも数マイルの誤差込みじゃないと分からない時代なんですよ。
――航空支援集団にいたこともあるそうですが、試験開発の支援のご経験はありますか? 青山氏はミサイル試験で日航機を標的に見立てたと推測していますがどう思われますか?
薗田 試験に関わったこともありますけど、民航機をターゲットになんかやらないですよ。なんでかというと、試験で撃つとしてターゲットはどういう動きで最大の成果が得られるとか、どういうターゲットに対する効果が欲しいのかを考えると、民航機をターゲットにする意図が分かりませんね。なんでそんな発想になるの? って。目的を達成するために、必要な要素がないんですよね。方面隊幕僚として色んな戦闘演習も見てきましたけど、見たことないですね。
――青山氏は自衛隊か米軍が火炎放射器で証拠隠滅した可能性を主張しています。仮にこういう秘密作戦を行ったとして、漏洩を防ぐのは可能でしょうか?
薗田 さっき言ったみたいに墜落地特定すら怪しい中で、どうやって探して降りて証拠隠滅するのとか、どうやって到着するのとか。そうなると、疑われるのはいちばん最初に入った陸自になると思うんだけど、武器払い出し手続きや点検とかどうするのか。
百歩譲って員数外の装備を持っている部隊がいるとして、でもその部隊の存在を隠し通せるんですかと。かつて、陸幕2部別班という組織がありましたけど、これが知られているのだって、国会答弁で名前が出たからですよ。
愚痴めいた話になるんですが、自衛隊って自分たちの記録を残すのが本当に苦手なんですよね。部内誌とかに書かれても後世の人間がそれを集めるのは大変なんです。
今、Webにある情報で一番少ないのが80年代だと思うんですよ。それ以前のものは歴史になっているし、90年代の後半からWebが普及し始めて、そこから先はデジタルアーカイブになっている。要は80年代、90年代は歴史になってない。でも80年代はWebがない。ヒストリカルなデータをデジタル化するのは、80年代が後回しになってしまう。
僕は123便の陰謀論が流布されるのはそれが背景にあると思ってて、デジタルアーカイブにアクセスしにくい時期だったのも大きいんじゃないかと。これは半分自衛隊に対する批判だけど、その時の運用記録を残せないんですよね。お役所だから大量に文書はあるけど、保管できない、保管する規則がなかったんで、どんどん廃棄されるんです。
「自衛隊や防衛庁が活動を詳細に総括したものを残していたらここまで陰謀論が跋扈することはなかった」
国民の自衛隊、のはずなんですよね。故に納税者に対して、いいことも悪いことも記録を残さなければいけないと思うんです。何もなかったことも残さないといけない。それは自衛官となった国民の姿が残されているからです。
中東に派遣されていた時、基地内の移動で乗った車に、米軍のヒストリアン・セルに大学から派遣されているおじいさんが乗っていました。ヒストリアン・セルは総務担当の士官と大学から予備役が来てて、司令部の活動を秘密も含めて毎日記録しているんです。そのおじいさんは「司令部の秘密も含めてすべて記録に残すし、それはいつ公開されるか分からないけど大事な仕組みだ。これがないと次の戦争に勝てないからだ」と言っていました。
123便に限らないですけど、自衛隊や防衛庁が活動を詳細に総括したものを残していたらここまで陰謀論が跋扈することはなかったと思いますよ。活動を総括するのは日本人は苦手だと思うんですけど、それをしないと禍根を後世に残すことになるのではないでしょうか。
(石動 竜仁)
「期末テストそっちのけ」中学生記者・川中だいじさん(14)が抜いた特ダネスクープの“思わぬ端緒”「斎藤知事ボランティアに“選挙慣れ”した女性が…」《突撃著書サイン時間稼ぎ作戦で玉木氏を直撃取材》
7月3日に公示され、20日に投開票された参議院議員選挙。選挙戦序盤の7月6日、「日刊ゲンダイDIGITAL」に、とある記者が寄稿した1本の記事が配信された。そして、その記事は13人の候補者が3つの議席をかけて争った兵庫選挙区の当落に大きな影響を与えることになる──。
タイトルは「仰天! 参院選兵庫選挙区の国民民主党候補は、県知事選で『斎藤元彦陣営ボランティア』だった。記事を書いたのは、「日本中学生新聞」を主宰する中学3年生の川中だいじさん(14)だ。国民民主党の多田ひとみ候補(45)が、昨年11月に行われた兵庫県知事選で斎藤元彦候補(現県知事)のボランティアをしていたことを本人に認めさせた“特ダネスクープ”だった。
川中さんの取材に同行することもあるという保護者は「もうクタクタです」と笑うが、実際、彼は数多くの現場に足を運び取材しているようだ。彼は中学生ながらに、いかにして特ダネをスクープしたのだろうか──。【全3回の第1回】
小3で“選挙マニア”、「忖度しない」を掲げ新聞を創刊
──まず、川中さんが選挙や政治に興味を持ったきっかけを教えてください。
「小学3年生だった2019年にも参院選があったのですが、その時に街中で大人がマイクを持って大きな声で何かを訴えていて、手を振ってきたんです。僕も手を振り返したら『ありがとうございます!』って言われて、『何をやっているんだろう? 何か面白そうだぞ!』と思ったのがきっかけでした。
そこから選挙があるたびに候補者の政策や公約パンフレットを片っ端から集めるコレクター活動を始めました。大声で右翼的な主張を叫ぶ、目つきの鋭いリーゼントの候補者でも、意外と子どもには優しいんですよ。ほとんどの大人が目を合わせないようにして素通りしていたけど、勇気を出して『チラシください』って頼んだら、『お母さんに見せてね』ってくれるんです。それが楽しくて、出会った候補全員から集めていました」
──“選挙マニア”がなぜ記者活動を?
「2023年のG7広島サミットがきっかけでした。小学6年生の修学旅行で被爆者から原爆の恐ろしさを聞いた広島でG7サミットが行われることを知り、各首脳の核兵器禁止条約への考えを取材したいと思ったんです。しかし、中学1年生だった僕は記者としての実績がない。だから記者申請のための実績づくりとして「日本中学生新聞」を創刊しました。最初は手書きの新聞を1000部印刷して、いろいろな所に配り歩きました。その後noteやX、YouTubeチャンネルも開設し、選挙を中心とした記事や動画を配信するようになりました」
「犬は何匹飼っていますか」親し気なメッセージが投資詐欺の入り口…被害額1000万円以上 実態語る
1000万円以上をだまし取られた札幌市の女性が被害の実態を語りました。
女性にはある日突然、「犬は何匹飼っていますか」と親し気なメッセージが送られてきたといいます。
北海道内で相次ぐ詐欺の手口を取材しました。
(被害にあった女性)「私が話していた人が詐欺師だと言われたときは、楽しく会話をしていたときがあったのでショックでしたね」
被害額は1000万円以上。
投資詐欺の被害にあった札幌市に住む50代の女性です。
ある日突然、何も投稿をしていない自身のSNSのアカウントに、韓国人男性を名乗る人物からメッセージが届きました。
(メッセージ)「犬は何匹飼っていますか?本当にかわいいですね」
(被害にあった女性)「プロフィールの写真で犬を使っているんですけど、犬についての質問だったんです。(日本語にするには)翻訳アプリを使っているんだと言っていました」
1か月近くTikTokやLINEでたわいもない会話が続き、相手に対する警戒心が薄れていきました。
するとー
(被害にあった女性)「いろいろ話をしたので、私がいまお金を必要としているというのを相手はわかったうえで、10万やってみない?という感じになって。(投資は)生活資金のためです」
投資サイトに誘導され、始めてみるとすぐに少額の利益がー
(被害にあった女性)「ここをクリックしてとわかりやすく指示してくるんです」
利益を含めた金額が実際に自身の銀行口座に振り込まれ、相手を信じ切ってしまったといいます。
その後、女性が投資した金額は1000万円以上にのぼりました。
(被害にあった女性)「ほんとに注意していたつもりだったんですよね。お金の話になったときにいったん立ち止まって、冷静になって考えるべきだなと思います」
こうした投資詐欺に限らず、道内での詐欺被害はあとを絶ちません。
道警が公開したのは、70代の女性が警視庁の警察官を名乗る人物と電話でやりとりをする音声です。
(電話)「お世話になります。カネムラです。ちょっと事件の話させてください。重要人物として勾留しなきゃいけない可能性がでてきます」
(被害にあった女性)「あ、そうですか」
これは、警察官をかたる「オレオレ詐欺」の手口です。
じつは道内の特殊詐欺の被害は過去最悪のペースになっていて、被害額はすでに11億円を超えています。
中でも急増していたのが、警察官をかたる「オレオレ詐欺」です。
被害にあった女性はこれまで2000万円以上をだましとられていました。
(電話)「2800万円をいま警視庁の本部でお預かりしている形になりますので、自分でも記録をとってますよね?」
この電話のあと、男が女性の自宅を訪れ、偽の警察手帳などを提示。
さらに500万円をだまし取ろうとしたため、警戒していた警察官がその場で逮捕したということです。
道内で相次ぐ特殊詐欺。
道警は不審に思うことがあれば、警察に相談するよう呼びかけています。
【注意】立ち入り禁止の防波堤 釣り中の大学生が海中転落 クーラーボックス浮きにして救助待つ 小樽
12日未明、小樽市の港で釣りをしていた大学生が海に転落し消防に救助されました。転落事故があったのは立ち入り禁止の防波堤で、警察などが注意を呼び掛けています。
12日午前0時40分ごろ、「小樽築港の南防波堤から1人が海に落ちた」と海上保安庁に通報がありました。警察などによりますと、転落したのは実家に帰省中だった大阪府池田市の22歳の男子大学生で、投げ釣りをしていたところ前方にバランスを崩して海面から高さおよそ3mの防波堤から落ちたということです。
男子大学生は、友人が投げ入れたクーラーボックスを浮きにして防波堤にしがみつき、駆けつけた消防隊員が引き揚げました。男子大学生に、けがはありません。
事故があった防波堤は小樽市が立ち入り禁止にしいますが、人気の釣りスポットで事故当時も他に釣り人がいたということです。また、海上保安庁は転落事故に備え、釣り人にライフジャケットの着用を呼び掛けています。
「運転手が負傷した。早く来てくれ」運転代行の女性に暴行した疑い 職業不詳の女(51)を逮捕 北海道稚内市
12日未明、北海道稚内市で運転代行の女性に対し暴行を加えたとして、職業不詳の女が逮捕されました。
暴行の疑いで逮捕されたのは、稚内市に住む職業不詳の女(51)です。
女は、12日午前2時前、稚内市緑5丁目の家族宅敷地内で、45歳の運転代行の女性の右肩を左手で押す暴行を加えた疑いが持たれています。
現場に、運転代行で来ていた女性の同僚が、警察に「運転手が負傷した。早く来てくれ」と通報。
現場に駆けつけた警察官が、女を現行犯逮捕しました。
女性にけがはありません。
警察の取り調べに対し、職業不詳の女(51)は「押したことに間違いない」と容疑を認めているということです。
警察によりますと、女は、当時、家族と一緒に酒を飲んでいて、帰宅するために、女の家族が運転代行を呼んだということです。
警察は、女が暴行に至った経緯を調べています。
近畿地方はきょうも局地的に激しい雨…夜遅くにかけて「警報級大雨」の可能性 土砂災害や河川増水に警戒を
近畿地方では8月12日昼前から夜のはじめごろにかけて局地的に雷を伴った激しい雨が降る見込みで、土砂災害などに警戒が必要です。
近畿地方では前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、12日昼前から夜のはじめ頃にかけて局地的に雷を伴った激しい雨が降る見込みで、夜遅くにかけて警報級の大雨となる可能性があります。
降り始めからの降水量は大津市南小松で152.5mm、京都市京北で115.0mm、兵庫県福崎で120.0mmなどとなっています。
13日朝6時までに予想される雨の量は多い所で近畿北部と中部で60mm、南部で50mmとなっています。
これまでの雨により地盤が緩んでいる所もあり、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水などに十分注意をしてください。
スポーツカーが反対車線にはみ出したか 車3台が絡む事故 20代男性2人が重傷か 京都・東山区の川端通
11日夜、京都市の道路でスポーツカーが反対車線にはみ出して対向車と衝突し車3台が絡んだ事故で、3人がケガをしていてスポーツカーに乗っていた2人が足の骨折の疑いなど重傷の可能性があることがわかりました。
11日午後10時ごろ、京都市東山区宮川筋2丁目の川端通の道路で「車が3台絡む事故、オープンカーの2人がケガをしている」などと付近を走っていた車の運転手から通報がありました。警察などによりますと、南に走っていたスポーツカーが反対車線にはみ出したとみられ、反対車線を走っていたタクシーと正面から衝突し、乗用車1台も巻き込まれ、3台が絡む事故になったということです。
この事故で、スポーツカーに乗っていた20代の男性2人が左足骨折の疑いや頭部のケガなどで重傷の疑いがあるということです。またタクシーの70代の男性運転手は軽傷で、巻き込まれた乗用車の40代の男性にケガはないということです。
現場は片側2車線の見通しの良い直線道路で警察は詳しい事故の原因を調べています。この事故で川端通の四条通りから五条通りの間は午前1時14分までの間、通行止めとなりました。
自民党の体質は「永久に不潔」…両院議員総会は非公開、石破おろしまで密室談合という異常の極み
やましい気持ちがなければ国民注視の下で堂々と議論したらいい。「石破おろし」がやまない中、8日に開かれた自民党の両院議員総会は先月の両院議員懇談会に続き、総裁と幹事長のあいさつの後は非公開。総裁選の前倒し実施を求める意見が相次いだとの報道も、会場を出た議員を待ち構え、議論の内容を探った報道陣の「また聞き」情報に過ぎない。
石破おろしを巡っては、メディア各社の報道姿勢に温度差がある。参院選の投開票3日後に「石破退陣へ」の号外を出した読売・毎日両新聞は、議員総会を「首相退陣 埋まる外堀」といった調子で報じた。一方で「裏金棚上げ 広がり見通せぬ反石破派」(朝日新聞)といった論調も目立つ。
メディアによって視点の偏るバイアスがかかった報道も、自民の「隠蔽体質」があればこそ。非公式な集まりの懇談会とは違い、両院議員総会は党則で党大会に次ぐ重要意思決定機関と位置づけられている。取材は常にフルオープンの党大会に準ずる権威ある会議を国民の目からそらし、密室開催とは異常の極みだ。
「懇談会での要求を受けて総会開催が決まってからも、どのような形で行うのかは延々と知らされなかった。結局、非公開のアナウンスがあったのは、前日の午後でした」(報道関係者)
■可視化による支持率減を恐れたか
非公開としたのは執行部の判断のようだが、石破首相の退陣を求めるにしろ、続投を支持するにしろ、有権者にとって議員の意見は有益な情報だ。それでも内部抗争のゴタゴタは党のマイナスイメージ、可視化すれば支持をさらに失うという意識が働いたのだろう。自民の分裂状態はとうに知れ渡っているのに、ばかげた危機管理である。
「見るに堪えない『内輪揉め』の醜悪さを自ら認めたも同然です。主権者たる国民の知る権利を侵す秘密会議の開催は憲法軽視もはなはだしい。しかも自民は裏金事件への反省から、政治資金の『公開』『透明化』を誓ったはずなのに、しょせん口先だけ。参院選大敗で有権者にノーを突きつけられても、不透明な密室談合体質は改まりません」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
自民は永久に「不潔」です。
◇ ◇ ◇ 企業・団体献金の見直しを巡り、党の方針を急転換した石破首相。その独断に反発が広がっている。●関連記事【もっと読む】『石破首相が「企業・団体献金」見直しで豹変したウラ…独断で立憲との協議に自民党内から反発』で詳報している。
【速報】百日せき流行止まらず 全国の感染者数3599人
今月3日までの1週間の全国の百日せきの感染者数は3599人で、感染者数の高止まりが続いています。
国立健康危機管理研究機構によりますと、今月3日までの1週間に全国の医療機関から報告された百日せきの感染者数は3599人となりました。
3399人だった前週から増加し、今年1月からの感染者数の合計は60826人となりました。
先月後半に過去最多を記録した3908人よりは少ない結果となっていますが、依然として高止まりが続いています。
感染者数の増加が続いている理由について、厚生労働省は、確実な原因は不明だとしています。日本だけではなく諸外国でも増加傾向にあるということです。
百日せきは、こどもを中心に激しい咳が続く感染症で、多くは抗菌薬などで治癒しますが、乳児では重症化しやすく、まれに死に至ることもあります。
厚労省はワクチンの接種のほかにも、引き続き手指衛生や咳エチケットなど基本的な感染防止対策を呼びかけています。