「おーい、おーい」と大声で脅し…売掛金100万円を回収するため女性客の自宅に押しかけ鍵を開けようとした名古屋のホストクラブ経営者の男逮捕

ホストクラブで使った売掛金約100万円を支払わせるため、女性客の自宅に押しかけ、大声で脅したなどとしてホスト経営者の男が逮捕されました。
逮捕されたのは名古屋市北区に住むホストクラブ経営者・尾石康雄容疑者(36)です。
警察によりますと尾石容疑者は今月8日、29歳の女性客から売掛金約100万円を回収するため、自宅に押しかけ「おーい、おーい」などと大声で脅して玄関の鍵を開けようとし、女性客を怖がらせた疑いが持たれています。
女性客が警察に相談したことから事件が発覚。警察の調べに対し尾石容疑者は「いまは何も言いたくありません」と容疑を否認しています。
愛知県警によりますと、先月28日の改正風営法の施行後、売掛金を支払わせようと客を脅し困惑させる行為で検挙されるのは今回が全国で初めてのケースだということです。

参政党の個人献金は自民党並み…政治無関心層の”初恋”を票と金に変えた16億円政党の知られざる財布の中身

※本稿は、朝日新聞取材班『「言った者勝ち」社会 ポピュリズムとSNS民意に政治はどう向き合うか』(朝日新書)の一部を再編集したものです。
参政党が2%以上の得票を得て国政政党になったのは2022年の参院選だった。この年の参政党の政治資金収支報告書をみると、興味深い事実がある。政党としての収入の約9割が個人からという独自性だ(朝日新聞2023年12月2日朝刊)。「大企業や宗教団体などの支援のない小さな政治団体」とする自画像の通りかもしれない。
この年の参政党の収入は16億円。個人をターゲットにした参加費1人500~3千円程度のタウンミーティングを開き、計2億6千万円を得た。首都圏の国際会議場などで政治資金パーティーを2度開き、延べ1万3千人から3億2千万円を集めた。
寄付も多い。延べ3千人以上から4億3千万円で、この年の自民党の個人寄付4億8千万円に迫る水準であり、この年に4億円以上の個人寄付を集めたのは両党のほかは共産党だけだった。
党員らが払う党費収入は3億4千万円で、4万6524人が払った。1人当たりの党費は年額4千円の自民党に比べて圧倒的に高いのも特徴で、この年では党の政策立案に投票権がある運営党員は、年額ではなく、月額で4千円、党の地域別オフ会への参加資格がある一般党員でも月1千円だ。
こうした個人収入は計14億円で、全体収入の9割に迫る。収入全体が同規模の18億円だった国民民主党は、政党交付金が9割近くで、個人からの収入は1%以下だった。まさに参政党の収入構造には、草の根の広がりがあるようだ。
こうした広がりを支えているのが、ある政党の幹部経験者が語った、参政党とオーガニックとのつながりなのかもしれない。
幹部経験者の妻はオーガニックに関心が深く、インスタで関連のページを見ていると、アルゴリズムで「参政党」をたびたび目にすることは前回で述べた。そして、この幹部経験者は、参政党は、オーガニックに関心を持つ一定のボリューム層に食い込んでいると感じている。このことは、これまで見てきた「反米保守」という参政党のイデオロギー的特徴とは無関係だ。
ネット右翼や保守勢力に詳しい作家・評論家の古谷経衡(つねひら)氏の論考が理解の助けになる。
古谷氏は参政党が政党要件を獲得した2022年参院選の直後に、ヤフーニュースに記事を寄せた。古谷氏は記事の最後で「参政党は単なる『ネット保守』政党ではない。全体としてみれば、オーガニック信仰を基調として、そこに保守的要素が『後付け』された異形の『オーガニック右翼(保守・右派)』と呼ぶべき右派政党」と位置づけた。
古谷氏の参政党論の概要は以下のようなものだ。
「天皇を中心とした国家」をうたうなど、かつての石原慎太郎氏や平沼赳夫(たけお)氏らの「太陽の党」や「次世代の党」に近い政策を持つ。同じ「ネット保守政党」に見えるが、両党のように雑誌の「正論」や「WiLL」など保守論壇中央と呼ばれる岩盤層からは支持は得ておらず、支持構造は大きく異なっている。
参政党の最も大きな集票構造は「強烈な『オーガニック信仰』」だ。三つある参政党の重点政策の二番目は「食と健康、環境保全」であり、神谷宗幣(そうへい)代表は2022年参院選での千葉での街頭演説で「子供にいいモノを食べさせたら、子供の病が減ります。荒れなくなります。学力が上がります。絶対そうなりますから。はい。そしたらそこで医療費が下がるんですよ。子供の医療費無償化をするんだったら、学校給食にお金をかけてください」と訴えた。
これは典型的なオーガニック信仰の一種で、オーガニック信仰は戦後の大量消費社会の亢進(こうしん)に疑問を示した先進国に住む、意識の高い比較的富裕な消費者層から始まる。
熱心な参政党支持者の人々は、驚くほど政治的に無色であり、参政党を支持する以前は、政治そのものに関心がほとんどないため、政治的免疫がない人が多い。こうして、ヨガ教室に熱心に通い、自然食品を愛好し、個人経営の自然派喫茶店が行きつけである、とフェイスブックに書いていたような人が、ある日突然、参政党のユーチューブに感化されシェア・投稿し出す……。
古谷氏はこれとは別のインタビューで参政党の支持者像について、「自分の生活が第一で、社会のことをあまり気にしないで生きてきた、選挙にもずっと行ったことがないような方々」と指摘。
参政党が街頭演説で太平洋戦争について「大東亜戦争は侵略戦争でなかった」と訴えても、そもそも政治に全く関心がなかった人には響かないと言い、「私が見たり会ったりした人たちが、参政党の保守的な部分で一番強く共感していたのは、神社の崇拝です。『神社に行って霊的なパワーをもらい、明日からもがんばれる』というような人が多い」と語る(朝日新聞2022年9月25日配信)。
「自分の生活が第一」だった政治的無関心層が、オーガニックにこだわってネットを見ていたら、そこに参政党関連の情報がアルゴリズムによって流れ、同党の保守的イデオロギーや政策とは無関係に、支持者になっていく。
政治的無関心層だったからこそ、「政治的免疫」がなく、熱心な支持者になり、他党より高い党費を払ったり、個人寄付を寄せたりするという構図があるのだろう。
政治に無関心だった層がSNSを通じて関心を持つようになり、政治参加する。本書で先述したように、東京都知事選や兵庫県知事選で見てきた構図と同じだ。
政治への「初恋」で分別を失ってしまえば、陰謀論的な言説すら受け入れてしまいかねない。
政治に関心を持つ人が増えて、投票率が高まることは民主主義の基盤を強くするために不可欠なことだが、偽情報や誤情報、陰謀論など正確性を欠く言説の上で政治的行動を起こすことが増えてしまっては、かえって民主主義は不健全になってしまいかねない。
参政党が、現代表である神谷氏を初当選させ、国政政党になったのは2022年の参院選だった。
政党交付金が交付される国政政党と認められるには、①国会議員5人以上を有する政治団体、②国会議員が1人以上いて、かつ、国政選挙の選挙区もしくは比例区の選挙で2%以上の得票率を得た政治団体……のいずれかが必要となる。参政党は2022年の参院選で、神谷氏が当選し、かつ比例区で2%以上の得票率を得て②をクリアした。
参院選の比例区は、小政党が政党要件を得やすい選挙制度だ。全国を一つの選挙区とした上、個人名でも政党名でも投票できる。比例の投票用紙には、その政党の比例名簿に並んだ候補者名を書いてもいいし、政党名を書いてもいい。
圧倒的な知名度を誇る人気者を候補者に担ぎ出し、その人気者が圧倒的な得票数をたたき出せば、その得票はそのまま政党の票になるため、比例区での得票率2%以上という政党要件にもグッと近づく。
2025年参院選でれいわ新選組や参政党、日本保守党といった小政党がどれほど議席を伸ばすのか。立花孝志氏が率いる政治団体「NHKから国民を守る党」や石丸伸二氏の政治団体、AIエンジニアの安野貴博氏の団体の行方も無視できない。
細分化された民意が、そのまま反映されやすい参院選の比例区の特性で、こうした小政党が議席を伸ばすことになれば、2025年は「多党元年」と言われる可能性がある。
(朝日新聞取材班)

福島県喜多方市で17歳が期日前投票、事務担当者が警告メッセージ見逃す

福島県喜多方市選挙管理委員会は13日、参院選の期日前投票所で、選挙期間中に18歳になる男性(17)に投票をさせるミスがあったと発表した。期日前投票は18歳の誕生日の前日から可能になるが、男性は条件を満たしていなかった。男性の票は特定できないため、有効票として扱われる。
市選管によると、ミスがあったのは11日で、家族とともに期日前投票所を訪れた18歳未満の男性に誤って投票用紙を交付して投票させた。受け付けシステムには18歳未満であることを警告するメッセージが出たが、事務担当者が見逃したという。

「敵」は飢えと寒さだけではなかった…シベリア抑留で日本人捕虜5.5万人がバタバタと死んでいった理由

「捕虜をシベリアで労働させようというのはスターリンのアイデアなんだ。関東軍の降伏前から、彼の頭の中には戦争で疲弊した国民経済復興に捕虜の労働力を使おうという考えがあった。問題は関東軍がいつ降伏するかだけだった」
極東ソ連軍総司令官ワシレフスキーの副官だったイワン・コワレンコが言う。
ソ連では1930年代に囚人労働を国家建設に使う強制収容所が全土に広がった。41年からの独ソ戦が優勢になるにつれ、ドイツ人捕虜用の収容所建設が本格化した。45年5月のドイツ降伏時にはドイツ人捕虜だけで約350万人が各地で使役されていた。
対日参戦2週間後の8月23日。スターリンは日本軍捕虜のシベリア移送を命じる極秘指令を発した。
極秘指令は詳細を極めた。シベリアを中心に数十カ所の建設現場・工場などへの捕虜割り当てを1000人単位で定め、収容所への燃料や衣服の供給量まで具体的に指示した。これは、日本軍の使役が対日参戦前から計画されていたことを裏付けている。
日本人捕虜向け「日本新聞」の準備も対日参戦前に始まった。8月初め、コワレンコの編集長就任が決定した。9月15日には第一号が発行され、捕虜の思想教育まで事前に準備されていたことが分かる。
だが、一方で「シベリア抑留は対日参戦前に決まっていた」というコワレンコ証言とは、一見矛盾した内容の文書も見つかっている。8月16日付でモスクワからワシレフスキーに打たれた電報だ。
同じ日、スターリンは米大統領トルーマンへの電報でソ連軍による千島列島と北海道北半分の占領を要求した。トルーマンは2日後の返電で千島列島を認め、北海道北半分の占領は拒否した。
一連の電報を基に『シベリア抑留秘史』の著者のロシア軍事検察庁法務大佐ボブレニョフは「スターリンは北海道占領を拒まれたためシベリア抑留に踏み切った」と指摘した。
だがコワレンコは言う。
「それはボブレニョフの空想だよ。北海道領有と抑留は関係ない。16日付電報は捕虜を暫定的に降伏地に止めておけという意味。責任者が行くまでソ連領に運ぶなということだ」
ロシアの著名な歴史学者ロイ・メドベージェフも同じ見方だ。16日付電報の発信者は内務人民委員会のベリヤら3人で、スターリンの署名がない。
「この電報はスターリンの指示を仰ぐ前の段階に打たれたもので、23日のスターリンの極秘指令とは全くレベルが違う。ベリヤらは関東軍を当面満州に止めておくように指示し、受け入れ態勢を整えた上でスターリンの移送指示を受けた。スターリンにとっては関東軍が労働力としてだけではなく、日本政府への政治カードとしても必要だったんだ」とメドベージェフ。
スターリンの思惑一つで決まったシベリア抑留。厚生省によると、極寒の地で過酷な労働を強いられた日本人は57万5000人。うち5万5000人が帰国を果たせないまま死んだ。
青い矢車草が風に揺れていた。白樺の根元に並ぶ高さ約20センチの土饅頭。囲いも墓標もなく、腰の高さまで茂る夏草に覆われている。
1995年7月9日、アムール川ほとりの工業都市コムソモリスクナアムーレの郊外。ひっそりと立つ白い慰霊碑がなければ、ここが日本人捕虜の墓地だとは分からない。
「ここには約500人が葬られているそうです。この土饅頭も11月には雪に埋まり、見えなくなってしまう」とガイドのロシア人青年。
シベリアを中心にソ連全土に点在した日本人捕虜の収容所は約1200カ所に上る。抑留中に死んだ5万5000人のうち、厚生省が身元を確認したのは2万4000人だけだ。死者の大半が遺族の墓参を受けることもなく凍土の下に眠っている。
元関東軍の初年兵、田中秀一は50年前、コムソモリスクナアムーレから西へ約600キロの炭鉱街ライチヒンスクで初めてシベリアの冬を迎えた。田中が当時を回想する。
「仲間が栄養失調でミイラのようにやせ、次々死んでいった。凍って硬直した死体が裸のまま収容所の小屋に山積みにされ、そのうちマネキン人形を担ぐようにトラックでどこかに運び出されていった」
長さ20メートルほどの細長い木造バラック十数棟に約4000人が詰め込まれた。高さ3メートルの板塀と有刺鉄線が周囲に張り巡らされ、四隅の望楼には銃を構えたソ連兵が立った。
食事は毎食とも、たばこの箱大の黒パン1切れと、朝夕にスープ、昼が大豆の水煮をそれぞれ空き缶に1杯。ソ連当局が定めた捕虜一人当たりの給養規定(肉と魚計150グラム、野菜600グラムなど)は全く守られなかった。
「黒パンにはヒエやコーリャンが殻ごと入り、時にわらも混じっていたが、飢えた私らには大変なごちそうだった。十数人の作業分隊に配られる一塊のパンをどう平等に分けるか。それが大問題だった」
両側に丸太造りの2段ベッドが並び、間に狭い通路があるだけの殺風景な部屋だった。空き缶に油布を入れて燃やすランプの薄暗い光の下、一塊のパンを十数人が取り囲んだ。
「ランプのすすで顔が真っ黒に汚れたひげだらけの男たちが目をぎらぎらさせてパンをにらむ。『あっちが大きいぞ』『これは小さい』といつも文句が出た。切った後に残る小さじ1杯分のパンくずが欲しくてたまらなかった」
田中らはすき腹を抱えたまま露天掘りの鉱山での労働に駆り出された。氷点下40度を下回るシベリアの冬。吐く息はたちまち凍り、まゆやひげは真っ白になった。
「じっとしてると凍傷になるから休憩中も鼻をもみこすり、足踏みを続ける。だれ言うともなく『シベリアダンス』と名付けられた。体中を針で刺されるような寒さ。死んだ方が楽と何度思ったか……」
夜はシラミと南京虫の来襲で体中がかゆく、疲れた体を休めることもできない。捕虜たちは見る見るやせ細った。
だが、尻の肉がそげ落ち、つまんだ皮膚が山の形のまま元に戻らなくなるまで作業は休めなかった。検診で体の異常を訴えても、尻の肉をつまむ女医の言葉はいつも同じだった。
「富士山ナイ。インチキ。仕事、仕事」
ソ連全土が食料難に見舞われ、伝染病も流行した最初の冬。田中の収容所では捕虜の1割近い約300人が栄養失調や肺炎で死んだ。
「毎晩、同じ夢を見たんだよ。家内と一緒に故郷の田んぼで農作業している夢を……。
このままシベリアで働かされ続けたら、おれは二度と日本に帰れない。自分の命を守る方法は一つしかないと、ある晩ついに決心した」
1947年3月。関東軍上等兵だった大田喜豊(80)は、ウラル山脈のふもとにあるウファの収容所で栄養失調に苦しんでいた。顔がどす黒くなり、骨と皮だけだった手足がむくんできた。爪を指ではじくと、ぼろぼろ欠けた。今までこうなった仲間は必ず1週間以内に死んだ。
翌朝、ふらつく足で森林伐採作業に出た。監視兵の目を盗み、直径約20センチの松の丸太を右手で持ち上げた。雪の上の木材に左腕を乗せ、それをめがけて力いっぱい丸太を振り下ろした。骨が折れる鈍い音がした。
「見ると、左腕が内出血で紫色にはれ上がり、途中から折れ曲がっていた。だけど痛みはほとんど感じなかった。腕1本犠牲にしただけで1カ月はつらい作業に出なくて済む。それがうれしかった」
ソ連当局が課す過酷なノルマ。松の大木を日に5、6本切り倒し、のこぎりで長さ2メートルの丸太に切り分ける。それを幅2メートル、高さ1メートルに積み上げるまで作業は終わらない。
収容所では旧軍の階級制度が生きていた。作業分隊約100人の隊長(大尉)は作業に出ず、当番兵らと収容棟奥の本部にいた。その下の小隊長(少尉)3人は現場の監視係だった。彼らはノルマ達成のため病気の兵隊を重労働に駆り立てた。
「現場でたき火に当たってる小隊長がソ連兵に『能率が悪い』と責められると、班長の軍曹に文句を言う。すると軍曹はおれたちを怒鳴る。ソ連の指示を『天皇陛下の命令』のように受け止めて、従うのにきゅうきゅうとしてた」
黒パンとスープだけの夕食が終わると、通路に全員が並ばされた。特別食のおかげで血色の良い隊長が、元気な声を張り上げた。
「東向けー。皇居遥拝、最敬礼」
全員が東を向き、深々と頭を下げた。それから軍人勅諭の斉唱が始まった。
「一つ、軍人は忠節を尽くすを本分とすべし。一つ、軍人は礼儀を正しくすべし……」
栄養失調で連日のように死者が出る中、儀式は続いた。
ある日、松本という名の二等兵が仲間のパンを盗んだ。松本は秋田出身の年配の補充兵だ。ひどい栄養失調でやせ細っていた。小隊長が松本を通路に立たせ、縄で後ろ手に縛り上げた。
「このばかやろう、それでも貴様は日本軍人か。みんなの見せしめだ」
松本はほおを殴られ、通路の土間にあお向けに倒れた。小隊長は水筒の水を口と鼻に注ぎ込んだ。
「うわーっ」
苦しみ、もがく松本の姿を見てもだれも止めようとはしなかった。
リンチは約10分間続いた。翌朝、松本は冷たくなっていた。死体は出入り口の土間に転がされ、すぐ寒さで凍りついた。
自ら左腕を折って生き延びた大田が言う。
「リンチは珍しい出来事じゃなかった。みんな人間じゃなくなる。畜生だよ。日本人が弱い日本人を死に追いやったんだ。あれほど多くの死者が出たのは決して飢えと寒さのせいだけじゃない」
元関東軍作戦班長、草地貞吾の前に立ちはだかったやせぎすの日本人青年は目を血走らせていた。青年は草地が着けている星三つの大佐の襟章を指さし、叫んだ。
「まだ階級章を着けているとは何事だっ。外せ!」
1948年3月、シベリアの寒村ムーリーの停車場。抑留3年目の草地ら将校三十数人は約200キロ西の収容所から鉄道で移送されてきたばかりだった。到着を待ち構えていた青年捕虜のけんまくが理解できず、草地は戸惑った。
「適当にあしらって追い払ったが、その日着いた収容所は全く別世界だった。至る所に赤旗や『天皇制打倒』と書かれたプラカードが掲げられ、食堂にはスターリンの肖像画が飾ってあった」と草地が振り返った。
収容所の営門で、草地らは捕虜たちの怒鳴り声に迎えられた。
「こいつらは天皇の手先だ、殺せ。白樺のこやしにしてしまえ」
夕方、別の捕虜たちがスターリンをたたえる歌を歌いながら、作業現場から戻ってきた。食堂で草地を数十人が取り囲み、罵声を浴びせた。
「われわれを苦しめた張本人にメシを食わせるな」
草地はその夜、毛布にくるまって泣いた。
「ついこの間まで陛下に命をささげた青年たちが、これほど変わってしまうものかと悲しくなったんだ」
※登場人物の年齢、肩書きなどは1995年の新聞連載時のものです
(共同通信社社会部)

石破首相の参院選応援演説「ラーメン大好き作戦」ダダすべり…ご当地名店ツラツラ紹介も大半は実食経験ナシ

「この近くに『まっちゃん』というラーメン屋さんがありましてね。これがまたおいしい。あるいは『de小松』とか『今野』とか『Ra-Men HARA8』とか」
14日も作戦継続だ。参院選の応援演説で全国を飛び回る石破首相。この日午前は秋田・大仙市のホテルに駆けつけ、メモに目を落としながら、会場周辺のラーメン店の名を次々と挙げていった。
作戦は公示日に始まった。石破首相は第一声の場に激戦区・兵庫の神戸市を選び、市内のラーメンチェーン「もっこす」に触れた。続く尼崎駅前では近くの町中華「天遊」を名指し、ソウルフード・あんかけチャンポンの話題に。場所ごとに店名を変える芸だけは細かい。
その後も各地の演説で、ご当地ラーメンや付近の店の名をツラツラと挙げ、ラーメン大好きの庶民派をアピールしている。日米関税交渉を巡り「なめられてたまるか」と吠えた9日の千葉・船橋駅前でも作戦遂行。ご当地のソースラーメンに言及し、「ソース焼きそばをラーメンにしてみようって考えた頭のいい人がいて」と賛辞を送っていた。
「街頭に立つ際は自分で調べたのか、手の甲にはカンペ代わりに地元のラーメン店名のメモがびっしり。間違えないように注意を払っています」(官邸事情通)
■チャーシュー大盛りで大炎上
石破首相は自民党有志の「ラーメン文化振興議員連盟」の会長。応援演説では、ご当地の名店の話題から「ラーメンの(食材の)自給率はわずか14%」と呼びかけ、食料自給率向上と農業振興を訴えるのがテンプレートと化している。
しかし大のラーメン好きを自称するわりには「○○という店があるらしい」「いつか食べてみたい」と大半の店は実食経験ナシ。半可通ムードが漂い、聴衆の反応は常に「ややウケ」だ。メディアもスルーし、石破首相のラーメン演説はほとんど話題になっていない。
それどころか、石破首相は奔走の合間に新潟と山形でラーメンをすすったが、新潟の有名店で頼んだチャーシュー山盛りの一杯と餃子の写真を自身のXに投稿すると「贅沢すんな!」「名店を汚すなよ」などと批判が殺到。炎上する始末である。
各陣営からも「不人気首相の応援はマイナス」との声が上がる。ラーメン大好き石破さん作戦は、ダダすべりだ。
◇ ◇ ◇
参院選で自公の“指定席”だった選挙区で、続々と落選危機に…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

SNS「外国人犯罪が急増」「すべて不起訴」は正しい? 事実でない認識→排外主義に懸念 報道の影響も?【それって本当?】

20日投開票の参議院選挙を前に、「外国人」のワードを絡めた投稿が増え、関心が高まっています。「外国人犯罪が急増」「日本人だけ起訴される」といった内容もあり、データに基づいて検証しました。誤った投稿がなされる背景には何があるのでしょうか?
高柳遼太郎・日本テレビ社会部記者(選挙戦のSNS動向分析を担当)
「X上で『参院選(参議院選挙、参議院議員選挙を含む)』と『外国人』の2つのワードを含んだ投稿は14日だけで、7万4779件でした。このところ投稿が増えていて、関心が高まっている様子がSNS上ではうかがえます」
山崎誠アナウンサー
「1日でもこれだけの数があるんですね。政府は外国人政策の司令塔となる組織を設置しましたが、石破首相からは『一部の外国人による犯罪や迷惑行為に、国民が不安を感じる状況がある』という言葉もありましたね」
高柳記者
「SNSでも、外国人犯罪に関連する投稿がこのところよく見られています。具体的には『外国人犯罪が多すぎる。急増している』『外国人はすべて不起訴』『日本人だけがしっかり起訴される』といったものが見られました」
鈴江奈々アナウンサー
「私たちも事件のニュースの中で、外国人が被告の裁判をお伝えすることもあります。すべて外国人の方が不起訴になっているというのは、さすがに違いますよね」
高柳記者
「最新の犯罪白書(刑法犯・特別法犯の処理状況)をもとに、検察庁による来日外国人の事件の起訴・不起訴の判断(2023年、永住者などを除く)を見ると、41.6%が起訴されています。そのためすべてが不起訴だというのは、間違った情報だと言えます」
「ちなみに日本人と外国人すべてを含めた全体の起訴率は、39.6%となっています」
高柳記者
「では犯罪が多い、急増しているという投稿が正しいかどうかを調べました。まず、日本国内にどれだけ外国人がいるのでしょうか?」
山崎アナウンサー
「出入国在留管理庁のデータから確認します。日本で暮らす在留外国人の数は、コロナ禍の2020年と2021年はいったん少し減ったものの、そこからまた増加し、去年は約377万人と過去最多となりました」
「さらに旅行で日本を訪れた人などを含む外国人入国者数も去年は約3678万人と、これも過去最多になりました」
森アナウンサー
「ちょっと前まで目標3000万人と言っていたのに、あっという間にそれを超えてきました。日本テレビがあるのは東京・新橋で、隣が銀座ということもあり、本当に外国人の皆さんが多くなったなという印象がありますね」
斎藤佑樹キャスター
「そうですよね。僕自身も北海道に行ってホテルなどに泊まった時には、本当に海外の方が多いな、しかも10年前と比べても多くなったなという印象を受けますね」
山崎アナウンサー
「日本国内で外国人による犯罪が実際に多かったり、急増したりしているのかどうか。多いかどうかは投稿者の主観によるところが大きいと思うので難しいところですが、見ていただきたいのは警察庁の犯罪統計です」
「殺人・窃盗・詐欺などの刑法犯と、薬物事件・入管法違反などの特別法犯の検挙件数を合わせたものです。ここで言う検挙というのは、逮捕や書類送検などを指しています」
山崎アナウンサー
「この統計から日本テレビが集計(交通関連の検挙は除く)したところ、去年の日本全体の検挙の件数は35万2493件でした。そのうち外国人の検挙件数は2万8616件で、全体における割合は約8%となりました」
瀧口麻衣アナウンサー
「この8%という数字が多いかは、それぞれの受け取り方次第でしょうか?」
高柳記者
「多いと思われる方もいらっしゃいますし、これくらいかと思われる方もいると思います」
高柳記者
「急増しているかどうかについては、外国人の検挙件数のグラフを見てみます。去年は一昨年よりやや増えていますが、20年前の2005年は6万207件です。それに比べると、去年の数字は2005年の半分以下になっています」
鈴江アナウンサー
「件数で見ると半分以下にということですが、全体の割合を長い期間で見てみても、それほど変わりはないと捉えていいんでしょうか?」
高柳記者
「そうですね。全体の検挙件数における外国人の検挙件数の割合は 2005年は約8%でした。増減はありますが去年も8%だったので、そこまで大きな変化はないと言えると思います」
山崎アナウンサー
「割合で変わっていないとすると、外国人だけが急増しているということになってこないわけです。そうした中では情報としては不正確なわけですが、SNSではこうした不正確な情報が、時にして注目されることもありますよね」
高柳記者
「はい。外国人に関してデータに基づかずに、正しいと言えない投稿が行われていることについて、専門家にも取材をしました」
「移民や差別研究に詳しい大阪大学人間科学研究科の五十嵐彰准教授によると、そもそもSNSに限らず、日本の安全が外国人に脅かされていると思っている人については、事実とかけ離れた認識で排外的な行動をすることがあり得るそうです」

「例えば五十嵐准教授が行った実験で、過去1年に刑事事件で検挙された人のうち、何%が外国人かを日本人に尋ねました。すると実際は5%なのに、平均して『30%』と答えたということです。このように事実とは異なる認識を持ってしまっています」
「さらにメディアにおいて、外国人と犯罪が過度に結びつけられて報道されてきたことが、SNSの投稿にも影響していると指摘しています」
「また、社会意識と政治の結びつきに詳しい早稲田大学文学学術院の田辺俊介教授は、『規制』『治安対策』という面ばかりで外国人のことが語られること自体が、排外主義を高める危険があると話しています」
「それによって、日本が外国人の渡航先として選ばれなくなると、労働力不足などの道をたどると危惧しているそうです」
鈴江アナウンサー
「メディアの報じ方への指摘もありました。1つの外国人の事件について、私たちがフォーカスすると、よりそれが大きな影響を持って伝わることもあると思うので、私たちも気をつけなければいけません」
「改めて全体に占める割合を皆さんにも知っていただいて、冷静にデータを知ることも大事になりますね」
森アナウンサー
「ただ個人でこれだけのデータを集めるのは難しいでしょうから、安易に信じすぎないことを前提として持つのが必要かもしれませんね」
高柳記者
「SNSの投稿を見た時には感情的にならずに、まずは『それって本当か?』と考えることが必要だと思います」
(7月15日『news every.』より)

石破首相の“手の甲カンペ”に「コウメ太夫かよ」とSNSツッコミ、総理の体たらくに失望の声

7月20日に投開票が行われる参議院議員選挙に向け、各党と候補者が熱い選挙戦を繰り広げる中、自民党の石破茂首相の“手の甲”に注目が集まっている。
石破首相の手に書かれてた情報
「石破さんが演説時に話す内容を、手の甲にペンで書いていたのです。一部メディアで報じられた拡大写真には手の甲に“お経”のようにびっしりと文字が書き込まれています。応援演説に際して、候補者のキャラクターやご当地にまつわる情報を書き込んでいると見られます」(政治ジャーナリスト)
予習にぬかりがなく、勉強熱心な様子がうかがえるが、ネット上では思わぬツッコミも生じている。
《こんなカンペは石破茂とコウメ太夫くらいなもん》 《コウメ太夫の白塗り落としたら石破茂らしい》 《これ何かで見たことあるな あっ! コウメ太夫や!》
お笑い芸人のコウメ太夫も石破首相と同じく、手の甲に“ネタ”を書き込むカンペを作っていたため、両者を重ねる声が相次いでいる。映像メディアでは時折、手に目をやる石破総理の姿が映し出されているが、その姿がコウメ太夫がネタで見せる“舞い”を彷彿とさせるという声も。
コウメ太夫は芸歴としてはベテランの部類に入るが、ネタを覚えられず、飛んでしまうことがあるため、手の甲にカンペを書いているのだ。
だが、ネット上では現役の総理大臣が“手の甲にカンペ”を用意する姿勢には失望の声も少なくない。
《石破さん、安倍総理がプロンプター見ながら演説したことを批判してたんだからちょっとないな》 《石破さんは総理でなく脇役としてキャラ立ちするほうがよかったよ……手にカンペも汚い食べ方も脇キャラならおk。でも、総理大臣と思うとね》
石破首相にこうした声が向けられる理由を前出の政治ジャーナリストが指摘する。
「地方の候補者の応援に入る場合、事前に予備情報のレクチャーを受けるのはよくあるケースです。場合によってはスタッフがスピーチ内容を用意する場合もあります。石破さんは自分の言葉で話そうとする姿勢は評価できますが、あまりにも不格好ですね。やはり現職の総理大臣ならば堂々とした即興の喋りを期待したいところです」
石破総理といえば、組閣時の集合写真で着用したモーニング衣装が体のサイズに合っていないと指摘されたほか、おにぎりを頬張る姿が“汚い”と不評を買い、今回の“手の甲にカンペ”でさらに失態を重ねてしまった。
このまま体たらくぶりを露呈し続け、“チクショー”な選挙結果とならないよう願うばかりだ。

代理投票で案分、ペン持ち込み拒否 投票所で障害者が直面した無理解

各候補が舌戦を繰り広げ、有権者の判断が注目される20日投開票の参院選。障害のある有権者も円滑に投票できるようにする取り組みは各市区町村の選挙管理委員会によって差があり、障害者からは改善を求める声が上がる。
2024年10月の衆院選で、脳性まひにより車いすで生活している東北地方在住の20代男性は期日前投票所を訪れた。
男性は字が書けるものの投票所の記載台は高さがあるうえ狭くて思うように書けない。そのため18歳で選挙権を得て以来、投票所の係員に代筆してもらう代理投票を利用してきた。
投票所で男性は比例代表の投票用紙に正式名称で政党名を記載するよう係員に頼んだ。だが、係員から「略称でもいいか」と言われ、うなずいた。
「民主党」。係員にそう書いた投票用紙を見せられ投票した。
この1票が案分されると、男性は後にネットで記事を読んで知った。「民主党」は立憲民主党と国民民主党の略称で、有効票の割合に応じて1票が割り振られる案分票となってしまう。
男性は「自分の票が1票ではなくなると知ってがくぜんとした。投票を託す係員への研修を障害当事者を交えて必ずやるようにしてほしい」と訴える。
東京都内で暮らす肢体不自由者の市橋博さん(75)も24年10月の衆院選の期日前投票で苦い経験をした。
市橋さんは手に力が入りすぎて字を書くときに鉛筆だとよく折ってしまうことから、油性ボールペンを使うようにしている。
これまでの選挙でも備え付けの鉛筆ではなく持参したボールペンを使っており、この日も記載台でボールペンを取り出して記入しようとした。
すると、係員から「鉛筆じゃないとダメです」とたしなめられた。
「いや、何で書いてもいいはずです」と市橋さんが主張して押し問答の末、「選管に問い合わせてください」と伝えた。
10分ほど待っていると、戻ってきた係員から「ボールペンでいいです」と言って謝罪され、投票することができた。
市橋さんは「障害者と家族の生活と権利を守る都民連絡会」会長を務めており、「僕だから言い張ることができたけれど、嫌になって投票せずに帰ってしまう人もいると思う。間違いのないように、不正のないようにという守りの姿勢から、より多くの人が投票できるようにしようと意識を変えてほしい」と求める。
毎日新聞が障害者を対象に実施した合理的配慮に関するアンケートでも選挙に関する声が寄せられた。
「選挙には毎回必ず行く。字が読めないので写真を用意してほしいと伝えているが(投票所に用意されてい)ない。最近はあきらめて白紙で投票している」(知的障害などのある30代女性。家族らが代理記入)。「点字の候補者名簿を要求したが(投票所に)用意されていなかった」(視覚障害のある80代男性)
「さまざまな問題積み残し」
NPO法人「日本障害者協議会(JD)」(東京都新宿区)は7日、投票における合理的配慮や差別的取り扱いの禁止の徹底を求め、総務相宛てに要請書を提出した。
要請書では投票におけるバリアフリー化や投票方法の改善、情報のアクセシビリティー確保などを求めている。
要請書の手交に同席した全盲の田中章治さん(79)は点字投票をしていた際に係員から「そんなに熱心に書かなくていい」と言われたといい、「合理的配慮は進んできてはいるが、さまざまな問題がまだ積み残されている」と話した。
JDの薗部英夫副代表は「全国の市区町村の選管の対応が鍵だ。地域に暮らす障害者の声を聞いて、はじめてマニュアルが生きてくる」と指摘する。
総務省は5月に通知を、厚生労働省も7月に事務連絡を出し、障害者に配慮した選挙の実施などを周知した。総務省は障害者が円滑に投票できるように選管の対応例をまとめてホームページで公開しており「障害者のプライバシーの確保に留意したうえで親切で丁寧に対応するように周知している」(担当者)とする。
東京都狛江市では、知的障害者の親たちでつくる「狛江市手をつなぐ親の会」(森井道子会長)と市が連携して積極的に取り組んでいる。
会は知的障害者を対象に、候補にわかりやすい言葉で話してもらう演説会を主催したり、候補の写真とともにその主張を載せるわかりやすい選挙公報を発行したりしてきた。森井会長は「『場所のバリアフリー』は行政がやるべきことだが、『情報のバリアフリー』は公職選挙法の縛りもあって行政では難しいと捉えている」と話す。
市は23年の市議選で障害者の投票率を調査。全有権者の投票率50・7%に対し、知的障害37・7%▽身体障害47・5%▽精神障害50・4%だった。市の担当者は調査結果を踏まえ「投票率を上げるため福祉タクシーやガイドヘルパーの利用など使える制度を周知していくことも必要だ」としている。【田中綾乃、原奈摘】

30代女性の勤務先に押し掛け…ストーカー行為の疑いで51歳の男を逮捕 繰り返しつきまといなど…3度目の逮捕《新潟》

過去にストーカー行為をし、禁止命令を受けていたにも関わらず、30代女性の勤務先に押し掛けたとして、上越市の自称・新聞配達員の男(51)が7月16日、逮捕されました。
警察によりますと、男は今年1月、この女性に対するストーカー行為により逮捕され、つきまといなどの禁止命令を受けました。
しかし男は、その後もストーカー行為を繰り返し、4月に再び逮捕されました。
さらに7月中旬、女性の勤務先に押し掛け、今回3回目の逮捕に至りました。
男は警察の調べに対し、「行ったことは間違いありません」と容疑を認めているということです。

参政党の神谷宗幣代表、日本人ファースト「選挙の間だけ」発言を釈明 選挙後も「変えずに活動」

参政党の神谷宗幣代表が16日、X(旧ツイッター)を更新。14日に高知市で「日本人ファースト」について「選挙のキャッチコピーだから、選挙の間だけなので。終わったらそんなことで差別を助長するようなことはしない」などと発言したとの報道について「炎上しているらしいので解説」として、発言を釈明した。
神谷氏は14日、高知市でメディアから、参政党が訴える「日本人ファースト」は、外国人差別や排外主義を煽るリスクがないのかとの質問に「そうは思っていないので、引き続きそれはないようにしていきたいと思いますし、これは選挙のキャッチコピーですから、選挙の間だけなので、終わったらそんなことで差別を助長するようなことはしません」と発言した。
神谷氏は16日のポストで「前回の選挙のキャッチコピーは『日本をなめるな』
今回は『日本人ファースト参政党』 公約を包括するキャッチコピーとして使うのはとりあえず今回の選挙期間中だけという趣旨で発言しています」と釈明。「もちろん選挙が終わった後も『日本人ファースト』の方針や公約は変えずに活動します」とポストした。
「選挙の間だけ」発言をめぐっては、共産党の山添拓政策委員長が16日、X(旧ツイッター)を更新し、「差別の助長と認めていること自体酷いが、選挙が終わればすべてリセットという不誠実さも、有権者をこけにするもの」と神谷氏を痛烈に批判。SNS上でもこれらの話題について、「『日本人ファースト』は選挙用のセリフだってさ」「しょうもないキリトリだなぁ」など、賛否の声が多数上がっている。