2011年の東日本大震災で発生した地震波が地球の核(コア)に跳ね返って地表に戻り、日本列島のほぼ全域で地盤を東向きに最大5~6ミリ動かしていたとの分析結果を、米シカゴ大などの研究チームが18日付の米科学誌サイエンスに発表した。コアで反射した地震波は、東日本以外のプレート境界でも滑りを誘発したとみられるという。
研究チームは、地震計や地殻変動を測るGNSS(全球測位衛星システム)観測点のデータを1秒ごとに解析した。それによると、マグニチュード9・0の本震発生後、地中深くに向かった地震波(S波)がマントルとコアの境界面(深さ約2900キロ)で反射。跳ね返った地震波(ScS波)は本震の約15分後、日本列島全域へほぼ同時に到達していた。
通常、地震波はコアで跳ね返って地表に戻るまでの往復約5800キロの間に弱まるが、地震の規模が極めて大きく、強いScS波が届いたという。
ScS波が地表に到達した直後(本震の約15~16分後)、日本のほぼ全域のGNSS観測点が東向きに移動。その変動幅は、東北の震源域付近で最大5~6ミリ、中部や中国地方でも約4ミリに及んでいた。
震源域から遠い北海道や九州の観測点も動いていたことから、ScS波は広範囲に複数のプレート境界の滑りを誘発したと考えられるという。東日本大震災が起きた太平洋プレートと北米プレートの境界だけでなく、南海トラフ地震が想定されるフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界でも滑りが生じた可能性がある。
ただし、こうした滑りは急激な破壊を伴う通常の地震と異なり、比較的ゆっくりと進行したため、強い揺れとして感知されなかった可能性が高い。
チームのパク・スンヨン・シカゴ大助教は「地球のコアに反射した地震波がプレート境界で追加の滑りを引き起こしうる可能性が示された。巨大地震の本震が終わった後でも地震を起こす恐れがある」と指摘している。【岡田英】
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大阪市で40代男性が結核で死亡、勤め先関係者ら14人集団感染…せき・たん出始め1年後に症状悪化
大阪市は17日、市内の事業所に勤めていた40歳代の男性が結核で死亡し、事業所の関係者ら14人にも広がる集団感染が起きていたと発表した。
市保健所の説明によると、男性は2024年10月にせきとたんが出始め、昨年10月に両手がこわばるなど症状が悪化。医療機関で結核と診断され、約1か月後に亡くなった。市が今年1月以降、勤務先で接触した同僚らへの検査を進め、これまでに14人の感染を確認した。このうち5人が発病しているという。
国の統計によると、結核は毎年1万人の患者が確認され、1400人程度が死亡しており、患者の多くを高齢者が占める。
プレサンス元社長の付審判請求を棄却 特捜部元主任検事の不起訴めぐり 大阪地裁 元社長ら「到底受け入れられない」不服申し立てへ
冤罪事件で無罪が確定した不動産会社プレサンスコーポレーションの元社長が告発した当時の主任検事が不起訴となったことを受け、元社長が不服として刑事裁判を開くよう求めた請求について、大阪地裁は棄却しました。
プレサンスコーポレーションの元社長・山岸忍さん(63)は、学校法人の土地取引をめぐる巨額横領事件に関与したとして大阪地検特捜部に逮捕・起訴されましたが、2021年に無罪が確定しました。
山岸さんは2024年、他の検事の「山岸さんの逮捕は待った方がいい」という進言を無視して逮捕・起訴を強行したなどとして、当時の主任検事を特別公務員職権乱用などの疑いで大阪高検に刑事告発していました。
大阪高検は2025年12月、元主任検事を嫌疑なしで不起訴としました。
山岸さんはこれを不服として裁判にかけるよう求める「付審判請求」を行いましたが、大阪地裁は今月15日付で請求を棄却することを決定しました。理由については「請求は理由がない」としています。
決定を受けて山岸さんは「検察を不当に擁護するものであるうえ、客観的証拠にも反した誤った判断であり、到底受け入れられない」とコメント。
山岸さんの弁護団は「検察の主張を無批判に受け入れたものであり、著しく不当な決定である。今後開かれる田渕検事の公判の審理も踏まえたうえで不服申し立てをする予定である」としています。
大阪高検の畑中良彦次席検事は「付審判請求に対する裁判所の決定があったことは承知している。個別事件における裁判所の判断についてコメントは差し控える」とコメントしました。
事件をめぐっては、山岸さんの元部下の取り調べで、机をたたいたり、「検察なめんなよ」と脅したりした田渕大輔検事(54)が、同じく山岸さんの付審判請求によって刑事裁判にかけられることが決まっていて、7月10日に初公判が開かれます。
生活保護受給者の遺体を半年放置 神奈川の葬祭会社に、手続き怠り
神奈川県小田原市は18日、身寄りのない生活保護受給者の遺体が見つかってから半年以上、葬祭会社に放置されていたと発表した。担当のケースワーカーが手続きを怠っていたことが原因。市は速やかに遺体を火葬し、チェックを強化するとしている。
市によると、昨年11月30日、1人暮らしで生活保護を利用していた80代の男性が自宅で死亡しているのを不動産管理会社が発見。翌日に警察による検視が行われ、遺体は葬祭会社に移された。
だがケースワーカーは上司への報告をせず、生活保護を停止する手続きも今年3月までしていなかった。「怠惰が原因」と説明しているという。
今月、小田原署が「葬祭会社に遺体が安置されたままだ」と市に連絡し発覚した。
空襲救済法、今国会成立を 遺族ら「ラストチャンス」
太平洋戦争の民間空襲被害者らでつくる全国空襲被害者連絡協議会(空襲連)は18日、東京都内で記者会見を開いた。超党派の国会議員連盟がまとめた救済法案について、遺族らが「今国会に提出し、何としても通してほしい」「これがラストチャンスだ」と早期の法成立を訴えた。議連の総会が22日に開催されることも明らかにした。
政府は旧軍人・軍属に恩給や遺族年金を支払う一方、空襲で被害を受けた民間人や遺族への補償はしていない。議連では、野党側から今国会提出に向けた動きが出ている。
健康診断の誤通知、がん進行と「因果関係」 医療法人に賠償命令
健康診断は異常なしの「A」判定だったが、実は初期の肺がんだった――。健診結果の誤通知でがんの発見が遅れたとして、大阪府の60代会社員女性が健診を担当した社会医療法人に約4180万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は18日、法人側に約2220万円の支払いを命じた。西村欣也裁判長は誤通知と、がんの進行との間に「因果関係がある」と認めた。
判決によると、女性は2016年9月、大阪市の社会医療法人「愛仁会」が運営する健診センターで職場の定期健診を受け、胸部X線検査についてはA判定とされた。
実際には医師がレントゲン画像を見直した際、肺に影を確認し、C判定(要経過観察)に修正していたが、システム上、修正後の判定結果が反映されない状態になっており、誤ったまま女性に伝わっていた。
女性は翌17年の健診で精密検査が必要だとする判定を受け、大学病院でリンパ節への転移を伴うステージ3の肺がんと診断された。手術を受けたものの再発や転移を繰り返し、19年にはステージ4に進行。現在も治療を続けている。
高裁は、企業健診について「健康の維持・増進を目的とするものであり、結果は労働者に適切に報告されなければならない」と指摘。その上で、16年の健診当時、女性はステージ1の早期の肺がんだったと推認できるとし、健診結果が女性に適切に伝わって手術を受けていれば、5年は再発せず、19年にステージ4に進行することはなかった可能性が高いと判断した。
これらの事情を踏まえ、高裁は1審・大阪地裁判決(24年12月)が命じた440万円の賠償額を増額した。判決後、女性の夫は「法人側は上告せず、業務を検証してほしい」と話した。【斉藤朋恵】
患者拘束疑い、看護師を告発 青森の病院、殺人隠蔽巡り
青森県八戸市の「みちのく記念病院」で2023年、患者間の殺人を隠蔽した事件に関連し、加害者と被害者の身体を違法に拘束したとして、大学教授らが18日、看護師に対する逮捕監禁容疑の告発状を八戸署に提出した。また同ほう助の疑いで石山隆元病院長(63)と、弟で被害者の主治医だった哲被告(61)を告発した。
隠蔽事件を巡っては、犯人隠避罪で隆元病院長の有罪判決が確定し、哲被告は同罪で起訴されている。
告発状によると、看護師は23年3月12日、殺人事件発生前に被害者の男性=当時(73)=の両手をベッドの柵にひもで縛り、事件後の同12~13日、男性に暴行を加えた男=殺人罪で懲役17年が確定=の身体を拘束した疑い。
山岳遭難者が昨年最多3623人、死者・行方不明者332人…訪日外国人の遭難246人
昨年1年間に全国の警察が確認した山岳遭難者は3623人(前年比266人増)に上り、統計が残る1961年以降で最多だったことが、警察庁のまとめでわかった。訪日外国人の遭難者が増えているほか、クマに襲われての遭難が前年の3倍になった。
発表によると、山岳遭難の件数は3122件(同176件増)で、2023年の3126件に次いで過去2番目だった。死者・行方不明者は332人(同32人増)で、負傷者は1480人(同90人増)。訪日外国人の遭難者も246人(同111人増)に上った。
原因別では「道迷い」が30・9%で最多で、「転倒」が19・2%、「滑落」が17・3%などと続いた。「野生動物襲撃」は41人(同4人増)で、このうちクマに襲われた人が27人を占め、前年の3倍に急増した。
年齢別では70歳代が最多の20・7%で中高年が大半だった。警察庁の担当者は「事前に滑落などの危険箇所や下山ルートを把握し、安全な登山計画を立ててほしい」と呼びかけている。
IT会社役員殺害事件 殺人容疑で逮捕の社長、殺害前に牛刀を購入か 警視庁
東京都港区のIT関連会社「Linuxジャパン」の役員、神山猛さん=当時(54)=が殺害され、遺体が山林に遺棄された事件で、殺人容疑で再逮捕された同社社長の水口克也被告(49)=死体遺棄罪で起訴=が、殺害前に牛刀を購入していたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁麻布署捜査本部は、計画的に神山さんを殺害しようとしていたとみている。
神山さんは昨年9月28日ごろに殺害されたとみられ、捜査関係者によると、水口容疑者は事件前に都内の量販店で牛刀1本を購入していた。
事件を巡って捜査本部は今月17日、遺体の損壊や遺棄方法を水口容疑者に助言したとして、死体損壊と死体遺棄の幇助(ほうじょ)容疑で、札幌市中央区の無職、鈴木隼斗容疑者(29)も逮捕した。
外国人採用取りやめ検討の三重県、方針公表巡り知事「不確定要素多くいつ頃と言える状況でない」
三重県が検討している外国人の採用取りやめを巡り、一見勝之知事は17日の定例記者会見で、方針の公表時期について「まだ不確定要素が多い。いつ頃と言える状況ではない」と述べた。
毎年実施する「県民1万人アンケート」の結果の公表は例年は4月中旬~6月初旬で、採用取りやめの賛否も尋ねた今回はその他の質問を含め結果はまだ公表していない。一見知事は2月の定例記者会見で、公表時期は例年並みか少し遅れる可能性があるとの見方を示していたが、この日は「(内容を)分析中で、そこを踏まえて判断しなければいけない」と説明。慎重に検討を続ける姿勢を示した。
県が採用の見直しを議論する背景には、他国への情報漏えいのリスクなどがある。一見知事はこの日の会見で、紛争時などに標的となり得るインフラにダムや橋を挙げ「(県職員は)管理職に限らず、一定の職ならアクセスできる。情報が漏れないよう注意深く対応する必要がある」と述べた。
県の情報が漏えいした場合の責任については「組織の管理者として注意義務違反を問われる可能性がある」と語った。