TBS番組、放送倫理違反と意見 BPO「企業広告との誤解招く」

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は11日、TBS系のバラエティー番組「熱狂マニアさん!」で全編を通し家具大手「ニトリ」の商品を紹介した放送を巡り「番組と広告の識別に対する認識や検討が甘かった」などとし、放送倫理違反があったとの意見を公表した。1社のみの商品を紹介し、企業の広告放送との誤解を招く内容と判断した。
同様の番組を放送するテレビ局が「数多く存在する」と指摘。「各局の『横並び』が、番組と広告の境目に対する放送局の関心を低下させてきたのではないか。公共性の視点を忘れないでほしい」と警鐘を鳴らした。
小町谷育子委員長は記者会見で「委員会の決定は放送業界全体に向けて出している。自局で問題がないか改めて振り返ってほしい」と述べた。
意見書によると、問題となったのは昨年10月19日放送の2時間番組。調理や収納グッズなど計47点のニトリ商品の機能やメリットを説明し、価格や「一部離島では別途手数料」などの情報も示していた。番組を放送する間には、本編と直結するか近接する形で同社のCMが流れた。

最高裁が「出し子」に逆転有罪判決 電子計算機使用詐欺の共謀認める

特殊詐欺で現金を引き出す「出し子」が、現金を振り込ませる行為に直接関わっていなくても電子計算機使用詐欺罪が成立するかが争われた刑事裁判の上告審判決で、最高裁第3小法廷(平木正洋裁判長)は11日、指示役らとの共謀を認め、罪が成立するとの判断を示した。その上で、一部無罪とした2審判決を破棄し、被告の男性(43)を逆転有罪とした。懲役4年とした1審判決が確定する。
電子計算機使用詐欺罪は、コンピューターなどに虚偽の情報や不正な指令を与えて不法な利益を得た場合に適用される。高齢者らに現金自動受払機(ATM)を操作させ、現金を振り込ませる特殊詐欺も対象になる。
被告は、何者かと共謀し、2021年10~12月、保険料の還付金を受け取れるとうそを言って8人に計約770万円を振り込ませた電子計算機使用詐欺罪に問われた。また、振込先の口座から他人名義のキャッシュカードで現金を引き出した窃盗罪にも問われた。
弁護側は公判で、被告は現金を引き出しただけで、振り込ませる行為には一切関わっていないと主張。窃盗罪は認めたものの、電子計算機使用詐欺罪については指示役らとの共謀が成立しないとして無罪を主張した。
1審・青森地裁八戸支部は23年3月、現金を振り込ませる行為と振込先から現金を引き出す行為には一体性があるとし、どちらの罪も有罪として懲役4年を言い渡した。
これに対して、2審・仙台高裁は24年1月、被告は被害者に現金を振り込ませる行為の内容を把握していなかったと指摘。指示役らとの共謀を否定して電子計算機使用詐欺罪は無罪とし、懲役3年6月に減刑していた。【巽賢司】

【速報】フジテレビ元社員の男(44)“オンラインカジノ”の常習賭博で起訴 東京地検

オンラインカジノで常習的に賭博をしたとして逮捕されたフジテレビ元社員の男(44)について、東京地検は11日、起訴しました。
常習賭博の罪で起訴されたのは、フジテレビの元社員でバラエティー番組「ぽかぽか」の演出などを担当していた鈴木善貴被告(44)です。
鈴木被告は、去年9月からことし5月にかけて、日本国内から海外のオンラインカジノサイトに接続し、常習的に賭博をしたとして、先月、警視庁に逮捕されました。
関係者によりますと、鈴木被告は、ことし5月までの1か月半で約1億7000万円を賭けたとみられていますが、フジテレビの社内調査に対しては、「2022年でやめた」などと虚偽の説明をしていたということです。
鈴木被告は、警視庁の調べに対し容疑を認め、「会社をなめていた。続けてもばれないだろうという気持ちがあった」「5年前に職場の先輩からオンラインカジノに誘われて始めた」「自分はギャンブル依存症だ」と供述していました。
フジテレビによりますと、鈴木被告は今月2日付で懲戒解雇されたということです。
フジテレビは、鈴木被告の起訴を受けて、「視聴者や関係者のみなさまには、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。元社員が起訴されたことは、当社として重く受け止めており、社員就業規則に則り厳正に処分いたしました。今後もオンラインカジノは、違法であることを周知徹底するとともに、研修等を通じて再発防止につとめて参ります」とコメントしています。

国産牛肉、輸出再開へ協定発効=森山氏、中国副首相と会談

日本政府は11日、中国が2001年から停止している日本産牛肉の対中輸出について、再開の前提となる日中間の「動物衛生検疫協定」が同日、発効したと発表した。中国側と輸出再開に向けた詰めの調整を加速させる方針。四半世紀近くに及ぶ輸出停止の打開へ一歩前進した。
超党派の日中友好議員連盟会長を務める自民党の森山裕幹事長が11日、中国の何立峰副首相と大阪市内で会談し、牛肉の対中輸出について協議。森山氏はその後の講演で「一つの前進を見ることができた。24年ぶりの中国への牛肉輸出につながるだろう」と述べ、早期の輸出再開に期待を示した。一方、農林水産省幹部は、検疫に関する技術的協議などが残るため「実際の解禁がいつになるかは未定だ」と語った。 [時事通信社]

小笠原近海で台風発生予想 東日本も雨に注意 次に発生すると“台風5号”

7月11日(金)15時現在、小笠原近海で発達中の熱帯低気圧について、気象庁は「24時間以内に台風に発達する見込み」と発表しました。次に台風が発生すると台風5号と呼ばれることになります。
小笠原諸島では風雨や高波の影響に注意してください。関東など東日本も週明けに雨が強まる可能性があります。
▼熱帯低気圧 7月11日(金)15時
中心位置 小笠原近海
移動 西北西 ゆっくり
中心気圧 1002 hPa
最大風速 15 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 23 m/s
東日本の東岸へ北上か 雨に注意
今日11日(金)9時に発生したこの熱帯低気圧は、今後やや勢力を強めて台風に発達する可能性がでてきました。ただ、周辺の環境は必ずしも発達に適しているとはいえず、現時点では暴風域を伴うほどの発達は予想されていません。
小笠原諸島では明日12日(土)~明後日13日(日)にかけて雨や風が強まり、波の高い状況も続くため注意が必要です。
熱帯低気圧は台風に発達したあと東日本の東の沖合に北上する進路が予想されています。14日(月)はこの台風の影響で、関東や東北・北海道で雨の降る所があり、一時強まる可能性があります。今後の情報にご注意ください。
さらに、14日(月)~15日(火)には別の低気圧が東シナ海から接近して日本付近を東進する見込みで、全国的に雨の強まるタイミングがある予想です。こちらの情報にもお気を付けください。
本格的な台風シーズンの幕開け
平年の台風発生数
次に台風が発生すると、7月5日(土)に発生した台風4号以来で、およそ1週間ぶりです。今月3つめの台風で、台風5号と呼ばれることになります。
台風発生数の平年値を見ると、7月は平均3.7個と一気に発生数が増える時期であることがわかります。今年も日本の南海上は熱帯低気圧が発生しやすい環境となっていて、今後も熱帯低気圧や台風の発生が続く可能性があります。
本格的な台風シーズンの幕開けですので、台風対策・大雨対策を整えておくようにしてください。

TBS系番組に放送倫理違反=番組と広告の識別に甘さ指摘―BPO

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(小町谷育子委員長)は11日、TBS系バラエティー番組「熱狂マニアさん!」に放送倫理違反があったとする意見書を公表した。
意見書によると、2024年10月19日の回で、家具・日用品大手ニトリの商品を2時間のスペシャル番組として放送。商品名や価格、購入に関する注意事項などとともに、合計47点の商品を全編にわたって紹介した。さらに、本編とは別に、放送時間内に番組のスポンサーでもある同社のCMが2回流れた。
これらの点について、同委は「番組と広告の識別に関して制作者の認識が甘かった」と指摘。視聴者から疑念を持たれる可能性を高め、日本民間放送連盟の放送基準などにも反すると判断した。
TBSは「意見を真摯(しんし)に受け止め、番組の制作から放送に至る過程において適正な対策を講じ、視聴者の皆さまの信頼回復に努めてまいります」とのコメントを発表した。 [時事通信社]

2歳児死亡、懲役8年の判決 腹部踏みつけた父親、広島地裁

広島市東区の自宅で昨年10月、当時2歳の長男の腹部を踏みつけて死亡させたとして、傷害致死罪に問われた父親の田中遥被告(23)の裁判員裁判で、広島地裁は11日、求刑通り懲役8年の判決を言い渡した。
後藤有己裁判長は判決理由で、被告を「親として被害者を守る立場であった」と指摘し、暴行を「卑劣で悪質であり、身勝手というほかない」と非難した。
弁護側は日常的な虐待行為はなかったと主張。これに対し判決は「日常的に平手打ちをするなどの暴行があった」とし「怒りを一方的に被害者にぶつけた」と断じた。

「女性が死亡している。夫の姿は見えない。窓の外から見ています」住宅で高齢男女の遺体 室内にエアコンはなし 熱中症の可能性も 大阪・吹田市

11日、大阪・吹田市の住宅で高齢の男女の遺体が見つかりました。住宅にはエアコンが設置されていなかったということで、警察は熱中症で死亡した可能性もあるとみて、身元の確認と死亡の原因を調べています。
11日午前10時半ごろ、大阪府吹田市日の出町の住宅で、ベッドの上で倒れている女性と、玄関付近で倒れている男性を通報を受けて駆けつけた消防や警察が発見し、それぞれ死亡が確認されました。
警察によりますと、この家には80代の男性と90代の内縁の妻が2人で暮らしていたとみられ、妻はほとんど寝たきりだったということです。
11日は、妻が週に1度通っていたデイケア施設の利用日でしたが、二人と連絡がとれなかったことから、ケアマネージャーが自宅を訪れて遺体を見つけました。
室内に荒らされたような形跡はなく、住宅にはエアコンが設置されていなかったということで、警察は二人が熱中症で死亡した可能性もあるとみて、調べています。

《外国人問題》“非正規滞在”か“不法滞在”か、参院選の争点に新たな議論、SNS両論まっぷたつ

7月20日に投開票が行われる参議院議員選挙へ向けて各党、各候補者が選挙戦を繰り広げているが、そんななか、X上で“非正規滞在”がトレンド入りして話題を集めている。これは日本に住む外国人をめぐる問題だと指摘するのは政治ジャーナリストだ。
参政党は「外国人総合政策庁」の設置を表明
「日本に滞在し、仕事など何かしらの活動を行う外国人は在留資格を得る必要があります。しかし、さまざまな理由で在留資格を持っていない、または途中で在留資格が切れてしまった外国人の方がいます。そういう外国人のなかには母国に帰ると身に危険が及ぶ可能性が高いなど、やむを得ない事情を抱えた方もいるため、『不法滞在』ではなく『非正規滞在』と呼称、表記すべきという流れが起こっています」
ただ、X上では『東京新聞』の「『わたしたちは犯罪者ではない』非正規滞在で困窮する外国人と支援団体が『排外主義的』主張に危機感訴え」と題された記事に対して賛否のコメントが並ぶ。
《いろいろな事情があるだろうから十把一絡げに“不法滞在”と呼ぶのはたしかに間違ってる気がする》
《これ「不法滞在」と言うと「犯罪じゃん!」と突っ込まれるから、「非正規滞在」という言葉を使うようにしたらしいんだよね。「売春」と言わず「援助交際」と言うようなもの》
政治家同士でも“論戦”が生じている。7月5日、自民党広報のXアカウントで、小野田紀美参議院議員が同党の外国人政策を解説する動画で「不法滞在」「不法就労」「違法外国人」の呼称を使用。
これに対して翌6日、野党である共産党の山添拓参議院議員が《在留資格のない外国人は「非正規」滞在にすぎず、「不法」「違法」とことさら強調するのは悪質な印象操作》と反論した。
外国人問題は今回の選挙では“コメ問題”とともに大きな論点となると前出の政治ジャーナリストが続ける。
「もっとも強硬な主張を行っているのが今回の選挙で躍進が予想される参政党です。自民党が『違法外国人ゼロ』に向けた取り組みの加速、日本維新の会が出入国在留管理庁の体制強化、警察自治体と連携強化などを政策に掲げているのに対し、参政党は新たに外国人政策を一元的に担う『外国人総合政策庁』の設置を行うとしています。
一方、社民党やれいわ新選組は外国人排除の姿勢に一貫して反対の立場を取っていて、論争は激しさを増しています」
出入国管理庁のウェブサイトによれば、2024年6月末時点の在留外国人は358万8956人で、過去最高を更新している。外国人の人口は今後も増え続けることが予想されるだけに、論争はまだまだ続きそうだ。

ネットで候補者殺害示唆=容疑で男逮捕、参院選公示後初―埼玉県警

20日投開票の参院選の候補者殺害を示唆する投稿をインターネット上の掲示板にしたとして、埼玉県警は11日、公選法違反(選挙の自由妨害)の疑いで、同県朝霞市膝折町の会社員渡部遼容疑者(34)を逮捕した。「間違いありません」と容疑を認めている。県警によると、参院選公示後、同法違反容疑での逮捕は全国初。
逮捕容疑は9日、ネット掲示板に候補者の殺害を示唆するなどの文章を投稿し、候補者に威力を加えた疑い。 [時事通信社]