遺族の声が突き動かした時効撤廃 「コールドケース」の解決相次ぐ

事件発生から約26年。名古屋市西区の主婦、高羽奈美子さん(当時32歳)を殺害したとして逮捕されたのは、高羽さんの夫、悟さん(69)の高校の同級生だった。安福久美子容疑者(69)=同市港区東海通5=が10月30日午後、捜査本部が置かれる愛知県警西署に出頭したことで、事件は大きく動き出した。
26年前の殺人事件が容疑者逮捕にこぎ着けたのは、殺人罪の時効が撤廃されたからだ。時効撤廃は、遺族の声に突き動かされて実現した。
1996年に東京都葛飾区の自宅で殺害された上智大4年の女性の父、小林賢二さんは当時の時効(15年)成立まで3年に迫った2008年、「凶悪事件では時効を撤廃してほしい」とメディアを通じて訴えた。
この思いは00年に発生した世田谷一家殺害事件の遺族などにも伝わり、時効撤廃・停止を求める殺人事件被害者遺族の会「宙の会」の結成につながる。
殺人など全国の未解決事件を取り上げる毎日新聞のキャンペーン報道企画「忘れない~『未解決』を歩く」なども契機となり、当初は見直しに消極的だった法務省も次第に態度を変え、殺人など12罪の時効を廃止する改正刑事訴訟法が10年に成立。即日施行された。
13年には三重県警が、上野市(現伊賀市)のビジネスホテルで97年に発生した強盗殺人事件の容疑者の男性を16年ぶりに逮捕。捜査本部が設置された殺人などの重大事件のうち、時効撤廃後に逮捕された初のケースとなった。
その後も「コールドケース」と呼ばれる長期未解決の事件で近年、容疑者が逮捕されるケースが相次いでいる。時効撤廃のほか、DNA型鑑定などの科学捜査技術が向上したことなどが影響しているとみられる。
21年には、広島県福山市で01年に発生した主婦刺殺事件で、県警が20年を経て容疑者の男性を逮捕。神奈川県警は25年、川崎市の山林で10年に白骨化した男性の遺体が見つかった事件で元同僚を逮捕。事件から22年後の逮捕となった。【木原真希】

“外免切替”制度の厳格化も「日本の免許はバーゲンセール」悪質な外国人ドライバーが減らない理由。“爆走族”化する者も

10月の外免切替制度の厳格化で、悪質な外国人ドライバー問題は収束に向かうと思われていたが、現実は違った。大黒ふ頭や海ほたるで、外国人たちが爆音を響かせて“爆走族”化。取材班は、現地に赴き異様な光景を目撃した!◆制度の穴を突く中国業者が、外国人の危険運転を助長!? 外国人の交通事故が激増している。内閣府によれば、’20年の5441件から’24年には7286件と増加傾向で、国籍で最多は中国。 原因と指摘されるのが、外国人が母国の運転免許を日本の免許と切り替えることができる「外国免許切替(外免切替)」制度の甘さだ。 事故の急増を受けて、外免切替制度は10月に厳格化。この問題をSNSで早くから発信してきた「髙橋X羚@闇を暴く人。」は、こう振り返った。「6月には、各地の運転免許試験場に制度が厳格になる前に外免切替しようとする外国人の列ができた。中国のSNS『RED』などに外免切替ツアーの広告が出て、東京・府中の免許試験場近くのホテルは、免許取得に必要な滞在証明書の住所欄に堂々とホテルの判子を押していた。まさに駆け込み需要目当てのビジネスですが、外国人の危険運転の犠牲になるのは日本人です」◆日本の免許はバーゲンセール? 住所がホテルでは事故後、逃走されれば追跡は難しい。制度が厳格化され住民票が必須となったが、本質的な問題解決には程遠いという。「厳罰化したとはいえ、すでに日本の免許を取得した外国人の更新期間は3~5年。日本語がわからず、交通法規を理解してない人は多く、今後も事故の増加は予想されます。また、ジュネーブ条約に加盟する日本の免許はほかの条約加盟国でも運転できる。とりわけ自国の免許で運転できる国が限られている中国人にとっては魅力で、いまだに『世界100か国以上で運転できる日本の免許はバーゲンセール』と宣伝する業者はいます」(髙橋氏) さらに、彼らの交通ルールを無視した爆走を後押ししているのが「JDM」と呼ばれる、日本のカスタムカー文化の海外での人気ぶりだ。 首都高では猛スピードで爆走する外国人が頻繁に目撃され、事故も起きている。◆JDMの聖地・大黒PAは異国のよう 10月の日曜、午後7時前に取材班が“JDMの聖地”・横浜の首都高大黒PA(パーキングエリア)を訪れると、改造スープラ、シルビア、ランボルギーニなどの高級車が30台ほど並び、エンジンの爆音を轟かせていた。 周囲には見物したり、写真を撮るギャラリーが群がり、その数100人は下らない。

宝塚ボーガン4人殺傷事件 重傷負った被告の叔母がコメント 無期判決に「彼の希望は通りませんでした」

兵庫県宝塚市で親族4人をボーガン(クロスボウ)で撃って殺傷したとして、殺人や殺人未遂の罪に問われた無職、野津英滉被告(28)の裁判員裁判の判決公判が31日、神戸地裁で開かれ、松田道別裁判長は無期懲役を言い渡した。求刑は死刑だった。
この事件で自身もボーガンで撃たれ重傷を負った伯母が判決を受けコメントを発表した。
コメントの内容は次の通り。

まず、この判決に関わられた裁判官、裁判員の方々にお礼を申し上げます。
本当に大変なご負担だったと思い、ただただ頭が下がります。
死刑になりたいという、彼の希望は通りませんでした。
■「心の奥で罪悪感から逃げられないでいる」
当たり前ですが、法律や裁判は、彼の道具ではありません。
彼は犯した罪に向き合い、後悔し、反省しなければなりません。その機会が与えられた、命ぜられたという事だと思います。
彼が事件まで、強迫障害などで辛い日々を過ごしてきていたことは、側で見ていた私たちも少しはわかっているつもりです。
でも、裁判での彼は、自分の考えをしっかり述べることができていました。そして、心の奥底では罪悪感から逃げられないでいることもわかりました。
■「命が尽きるまで罪と向き合うこと願う」
事件当時の精神状態がどれだけ辛かったとしても、事件後に心に蓋をしてきたとしても、自分の罪がどんなに許されないことか、目を背けず向き合うことのできる心を取り戻すことができると思います。その命が尽きるまで、真摯(しんし)に罪と向き合える事を信じて、願っています。
殺された3人の命は、未来はとり戻せない。苦楽を分かち合ってきた家族は突然すべてを奪われ、皆、互いにどれだけ悔しかっただろうと、無念だっただろうと思わずにいられません。
そして、生き残った私が、これだけは言っておきたいことがあります。
3人は殺されてしまったがために、自分達の言い分を述べることができず、裁判の資料は、そのほとんどが彼の説明によるものでした。その結果、彼が家族に苦しめられていたということが過剰にフォーカスされてしまっていました。
■「あたたかさのない家庭では決してなかった」
でも、私は、1週間から10日に1度は彼らを訪問して、買い物の手伝いや、その他、家族の生活と大きく関わってきました。意見陳述でも申し上げましたが、家族は、決して彼を阻害していたのではありません。彼の母が食事を用意しなかったと言うことは決してなくて、彼の弟のメニューを作る時に、当たり前のように2人分を作っていました。家族からのコミュニケーションを拒絶してしまったのは彼の方で、それでも家族は彼を心配し、しんどい時には懸命に手伝おうとしていたのであって、彼が言うような、暖かさのない家庭では、決してありませんでした。
■「彼も大切な家族の一人」
一方で、殺された3人同様に、彼も私の大切な家族の1人でした。
大切な家族が、大切な家族を殺し、殺しかけたという事実、そして一生刑務所で過ごすということは、私にとってあまりに複雑で、表現し難い辛い心境です。
そんな中、罪と向き合わせることで償わせるという裁判所のご判断は、私にも響きました。
この事件をきっかけとして、ボウガンの扱いに関して、法律や条例にも影響与えてしまいました。本来は趣味として楽しんだり、真剣に競技として使用される物であったのに、世間をお騒がせし混乱させてしまった事は、とても心苦しく思います。
■「3人は障害抱え必死に食らいついて生きていた」
一方で、悪用されると極めて危険な面があることは確かだと思いますので、二度とこのような事件が起こらないことを切に願います。
最後に、この裁判では、発達障害や自閉スペクトラム症等のことが多く取り上げられましたが、決して、障害や特性を持つ方は危険であるということではありません。彼に関しては非常に残念でしたが、犠牲になった3人は、それぞれ障害などを抱えながらも、誰かに当たったりせず、必死に頑張って社会にくらいついて、それぞれの人生を生き抜きました。どうか、障害や特性について誤解がなされないように願いたいです。

札幌市北区の住宅で男女3人の遺体が見つかる 殺人の疑いで札幌市の無職 中村純一容疑者(41)を逮捕

10月31日、札幌市北区の住宅で男女3人の遺体が見つかり警察は41歳の男を殺人の疑いで逮捕しました。
札幌市北区の無職中村純一容疑者41歳は10月31日札幌市北区新琴似6条12丁目の住宅で女性の体を刃物などで突き刺すなどして殺害した疑いが持たれています。
警察によりますと10月31日、中村容疑者が血痕のついた刃物のようなものを持って札幌北警察署を訪れ「家族3人を殺した」と話したということです。
現場に向かった警察官が住宅の1階で倒れていた男女3人を見つけてその後死亡が確認されました。
3人は中村容疑者の親族とみられています。
中村容疑者は「3人をナイフで刺して殺した」と容疑を認めていて警察はほかの2人の殺害にも関与したとみて調べを進めています。

愛媛・今治ピアノ教師殺害事件「人に危害を加えることに対する抵抗感が全く見られない」殺人など6つの罪に問われた35歳の被告に懲役22年の実刑判決

去年、今治市の民家に侵入しピアノ教師の女性を殺害したなどとして殺人などの罪に問われている男の裁判。
松山地裁は、懲役22年の実刑判決を言い渡しました。
西条市の無職榊原正道被告(35歳)は去年1月今治市松本町の民家に侵入し、元交際相手の母親であるピアノ教師の冨田小雪さん(当時64歳)の首を包丁で切り付け殺害したなどとして、殺人などあわせて6つの罪に問われています。
榊原被告は初公判で、冨田さんへの殺意と元交際相手である冨田さんの次女の監禁を否認しており、今回の裁判では、当時被告が故意に冨田さんを切りつけたかどうかなどが争点になっていました。
榊原被告は「脅して静かにするために首に包丁を近づけていたところ、冨田さんが体を動かすなどする中で切れてしまった」などと供述していましたが、先月31日の判決公判で松山地裁の渡邉一昭裁判長は、司法解剖を担当した医師の証言などから「被告人が強い力で5回切りつけたことによって生じたものとみるほかない」と、強固な殺意を認定したうえで「犯行態様は残忍かつ執拗」と指摘しました。
その上で「自らの保身のため場当たり的に複数の犯行に及んでおり、人に危害を加えることに対する抵抗感が全く見られない」などとして懲役25年の求刑に対し懲役22年の実刑判決を言い渡しました。
弁護人は「控訴する方針」としています。

「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》

全国各地で、クマによる被害のニュースが相次いでいる。環境省は10月30日、今年度クマに襲われて亡くなった人の数が12人に上ったと発表し、すでにこれまで過去最多だった2023年度の6人から2倍の死者数となっている。
クマは市街地に出没することも増えており、10月31日には宮城県仙台市の道路脇や、埼玉県飯能市の住宅地付近でもクマが目撃されている。
「2年前は町中に熊が出没したら大騒ぎになりましたが、もう当たり前になってしまった。あまり驚くこともありませんよ」
こう話すのは2023年、北秋田市内にある自宅の車庫でクマに襲われ重傷を負った湊屋啓二さんだ(68)。被害件数が突出している秋田県で暮らす湊屋さんは、近年のクマの”変化”を感じているという。
「どこで熊に襲われるか、まったく予測不可能な状態になってしまいました。被害に遭う方が増えているなか、自分が熊と遭遇した時の話が少しでも役に立てばと思い、なるべく取材に応じることにしています」(湊屋さん)
湊屋さんが被害に遭ったのは、2年前の10月19日の朝のことだった。この日、駅から徒歩5分ほどの市街地のバス停でバスを待っていた女子高生がクマに咬まれたあと、湊屋さんを含む4人が同じクマに襲われて怪我をした。湊屋さんが襲われたのも商店街から1ブロック離れたところにある自宅の前で、全国ニュースでも大きく報じられていた。
「怪我をした直後は気が動転していたこともあって忘れていたことも多いのですが、改めて当時のことを振り返ると、忘れていたことをだんだんと思い出してきました。
当日の朝、自宅前のバス停で女子高生が熊に襲われニュースになっていたんです。警戒していましたが、まさか自宅の車庫に熊が隠れているとは考えてもいませんでした。シャッターを開けると目の前に熊がいて、一瞬目が合い、にらみ合うような状況になりました。時間にしたら2~3秒だと思いますが、今思い出してもぞっとします。実際に目の前に立たれると大きくて、恐ろしい。自分の無力感を感じました」
数秒のにらみ合いの後、襲われると思い後方に走り出したという湊屋さん。クマに襲い掛かられたのは、その直後だった。
「7~8メートルほど走って逃げたと記憶しています。そうしたらすぐに熊が物凄いスピードで追いかけてきて、自分を追い抜いていきました。そして左斜め前方から襲いかかってきたんです。当時は恐怖で記憶が曖昧なのですが、退院後に自宅の敷地を確認したら、自分が逃げた脇の木や草むらが全部倒れて、クマがどのように移動したのかがわかった。

低気圧が急発達…北日本大荒れに 土砂災害や暴風に警戒を

急速に発達する低気圧の影響で、北日本は大荒れになっていて、11月1日夜にかけて、土砂災害や暴風などに警戒が必要です。
低気圧が北日本の太平洋側で、急速に発達しています。この影響で北海道や東北では、雨や風が強まり、非常に激しい雨が降っている所があります。また、暴風が吹き荒れ、北海道の襟裳岬では、午前9時過ぎに、49.1メートルの最大瞬間風速を観測しました。
北日本では、1日夜にかけて雨や風の強い状態が続く見込みで、土砂災害に厳重に警戒するとともに、暴風や高波に警戒してください。また、北海道東部の太平洋側では、高潮による低い土地の浸水にも厳重な警戒が必要です。

ハロウィーンの最中に京大熊野寮を家宅捜索 覆面姿の中核派活動家が京都府警捜査員と衝突

京都大職員に集団で暴行を加えたとして、暴力行為等処罰法違反の疑いで、中核派活動家の京大生の男が10月27日、京都府警に再逮捕された事件を受け、府警は31日、関係先として京大学生寮「熊野寮」(京都市左京区)を家宅捜索した。世間がハロウィーンで盛り上がる中、現場では警察官と活動家らがもみあいになる場面もあり一時騒然となった。
冷たい雨が降るハロウィーン当日の正午すぎ、府警の捜査員らが家宅捜索に取り掛かると、黒のサングラスに覆面姿の活動家らが続々と寮から出てきた。その数は約40人。リーダー格とみられる男性が捜査員に対し、拡声器で「違法だ!下がれや!」などと呼びかけると、「そうだ!」と周りも同調。罵声が飛び交う場面もあった。
寮の入り口付近では、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」があしらわれたサングラスの男性が「10・27のタイホは弾圧」などと書かれた看板を持って抵抗していた。
寮の前の歩道は両者が入り乱れ封鎖状態に。歩行者が人だかりの間隙をぬって通行したり、車道側に出て迂回(うかい)したりしていた。通りかかった50代の主婦は「来るときは通れたんだけど…」と困惑した様子だった。こうした事態を受けて機動隊も出動し、午後1時すぎにようやく捜査員が寮の中に入った。
男の再逮捕容疑は何者かと共謀し昨年12月2日午後0時半ごろ、京大吉田キャンパス(同)で、集会・デモを実施した際、制止しようとした男性職員に対し、集団で体当たりをするなどの暴行を加えたとしている。男性にけがはなかった。
府警によると、男は中核派系の全日本学生自治会総連合(全学連)の副委員長。事件当時は「時計台占拠」などと称して無許可で集会・デモを実施し、拡声器で「学生諸君、スクラムを組め」などと呼びかけた。今年9月には男性職員への傷害容疑などでも逮捕され、その後、暴行罪で起訴されていた。

「死刑、冤罪なくなるよう願う」=袴田さん姉がローマでスピーチ

1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(89)の姉のひで子さん(92)が1日、浜松市内で記者会見し、ローマで開かれた国際会議で、「世界から死刑や冤罪(えんざい)がなくなるよう切に願う」とスピーチしたと明らかにした。
会議は10月26~28日に開かれ、ローマ教皇をはじめ世界各地の宗教指導者らが参加。巌さんに招待状が届いたものの、拘禁症状などの体調を考慮し、ひで子さんが出席した。
ひで子さんは同28日にスピーチし、巌さんの拘置所での体験などを交え、「弟の身に起こったことが世界から死刑や冤罪をなくすことにつながるよう切に願います」と訴えた。無罪確定まで応援してくれた世界中の人々への感謝の言葉も述べたという。
ひで子さんは会見で「世界中の皆さまが応援してくれていた。感謝を伝えることができてうれしい」とした上で、「(これを機に)死刑廃止や冤罪に興味を持ってほしい」と話した。 [時事通信社]

安保・経済で協力推進=日カナダ首脳会談

【慶州時事】高市早苗首相は1日、カナダのカーニー首相と韓国・慶州で20分間会談した。高市氏は「カナダは重要なパートナーだ」と強調。両首脳は安全保障、エネルギー・食料安保を含む経済など幅広い分野で協力を進めていくことで一致した。
両首脳は「自由で開かれたインド太平洋」実現のため、引き続き緊密に連携することを確認。北朝鮮による核・ミサイル開発や日本人拉致問題などでの連携も申し合わせた。 [時事通信社]