中東6か国「渡航中止勧告」に引き上げ 東京までのチャーター機手配も

外務省は、中東6か国の危険情報を上から2番目となるレベル3「渡航中止勧告」に引き上げたと発表しました。
「渡航中止勧告」の対象となるのは、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンの6か国です。
イランによる民間施設や外交施設等への攻撃で情勢が悪化していることから、これらの国の危険情報をレベル3「渡航中止勧告」に引き上げました。
一方、邦人退避をめぐっては、現地の国際空港の閉鎖により出国が困難な状況を受けて、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦にいる日本人の希望者を、空港が稼働しているサウジアラビアのリヤド及びオマーンのマスカットに陸路で退避させるとしています。
そのうえで日本政府が用意するチャーター機で、東京まで空路で退避させるということです。

「国民会議でもしっかり論戦」国民・玉木代表 社会保障国民会議への参加を表明

国民民主党の玉木代表は、消費税の減税や給付付き税額控除について話し合う「社会保障国民会議」に参加することを表明しました。
国民民主党 玉木雄一郎代表 「我々として国民会議に参加をしたいと思います。私たちが選挙でも訴えてきた政策の実現に繋げる場として、国民会議でもしっかりと論戦を張っていきたい」
国民民主党の玉木代表は5日に行われた党の会合のなかで「公開のあり方などについて、こちらの要請を与党に受け入れていただいた」として、社会保障国民会議に参加することを表明しました。
先月初めて開かれた社会保障国民会議には、野党からはチームみらいしか参加していませんでした。
社会保障国民会議をめぐっては、公明党が参加する方向で検討しているほか、中道改革連合と立憲民主党は参加するかどうか検討を続けています。

【速報】27年前の主婦殺害事件 逮捕された安福容疑者を殺人罪で起訴 刑事責任能力の有無調べるため約3カ月の鑑定留置終える

27年前に名古屋市西区で起きた主婦殺害事件で、名古屋地検は5日、安福久美子容疑者を殺人罪で起訴しました。 1999年11月、西区稲生町のアパートで高羽奈美子さん(当時32)が殺害された事件では、2025年10月に港区のアルバイト・安福久美子容疑者(69)が殺人容疑で逮捕されていました。 名古屋地検は、2025年11月からおよそ3カ月にわたって鑑定留置を行い、刑事責任能力の有無などを調べていましたが、5日殺人罪で起訴しました。

コロナ助成金詐取容疑で2人再逮捕=旅行会社代表ら、6億円超受給か―警視庁

新型コロナウイルス対策で国から支給される助成金をだまし取ったとして、警視庁久松署は5日までに、詐欺容疑で、中国人向け旅行会社「JCIT」(東京都中央区)代表坂川馨(56)=同世田谷区下馬、夫で中国籍の同社役員孟偉(53)=同=両容疑者を再逮捕した。いずれも「(助成金を)申請したのは事実だが、当時は不正と思っていなかった」などと否認している。
同署は、坂川容疑者らが2020年4月~23年1月、計約6億5000万円を詐取し、都内にあった自宅と本社ビルのローン返済に充てたとみて調べている。
再逮捕容疑は22年1~6月、従業員が10人未満だったのに、約60~70人に休業手当を支払ったように装い、国の雇用調整助成金計約1億1000万円をだまし取った疑い。 [時事通信社]

【速報】カイロス3号機“打ち上げ失敗”ミッション達成困難で飛行中断 見学会場「またか…」落胆の声も

和歌山県串本町にある、日本初の民間ロケット発射場から、小型ロケット「カイロス3号機」が、5日午前11時10分に打ち上げられましたが、ベンチャー企業「スペースワン」は、ミッション達成困難と判断し飛行中断措置をとったということです。
打ち上げの瞬間を見守ろうと見学会場に集まった人たちからは「またか…」という落胆の声も聞かれました。一方で、「残念だけど難しいことだとは聞いていたので、ロケットの姿を見れて大満足です」「上がるところが見れてよかったが、成功するところが見たい」といった声も聞かれました。
スペースワンによりますと、ロケットの1段目を切り離す途中で飛行を中断したということで、このあと5日午後3時から会見を開き、ロケットの状況などについて説明する予定です。
「カイロス3号機」には、人工衛星5基が搭載されていて、日本の民間ロケットとして初めて、人工衛星を地球の軌道に投入する計画でした。
当初2月25日に打ち上げを予定していましたが、発射3日前に天候を理由に延期が発表されました。その後、3月1日に再設定されましたが、発射直前の約30分前に再び延期が発表。さらに再々設定された3月4日には、予定時刻の午前11時を過ぎても打ち上がらず、実施企業の「スペースワン」は、打ち上げの30秒前にシステムが緊急停止したため中止したと明らかにしました。
カイロスは、これまでに2回、おととし3月と12月に打ち上げられましたが、1号機は直後に爆発し、2号機はおよそ3分後にセンサーの異常などの理由で飛行中断措置が取られ、いずれも失敗に終わっていました。

【速報】カイロス3号機“打ち上げ失敗”「ミッション達成困難と判断」飛行中断 午後3時から会見開き説明

和歌山県串本町にある、日本初の民間ロケット発射場から、小型ロケット「カイロス3号機」が、5日午前11時10分に打ち上げられましたが、ベンチャー企業「スペースワン」は、ミッション達成困難と判断し飛行中断措置をとったということです。
スペースワンは、詳細について調査中だということで、5日午後3時から会見を開き、ロケットの状況などについて説明する予定です。
当初2月25日に打ち上げを予定していましたが、発射3日前に天候を理由に延期が発表されました。その後、3月1日に再設定されましたが、発射直前の約30分前に再び延期が発表。さらに再々設定された3月4日には、予定時刻の午前11時を過ぎても打ち上がらず、実施企業の「スペースワン」は、打ち上げの30秒前にシステムが緊急停止したため中止したと明らかにしました。
カイロスは、これまでに2回、おととし3月と12月に打ち上げられましたが、1号機は直後に爆発し、2号機はおよそ3分後にセンサーの異常などの理由で飛行中断措置が取られ、いずれも失敗に終わっていました。

旧統一教会に“解散命令” 総資産は1040億円…使い果たす可能性は? 専門家「制度骨抜きも」「オウム真理教と違って…」

信者の高額献金や霊感商法などが問題となった世界平和統一家庭連合(=旧統一教会)を巡り、東京高裁は4日、教団の解散を命じる決定をしました。これを受け、最高裁の判断を待たずに教団の財産を清算する手続きが始まります。どう進むのでしょうか?
藤井貴彦キャスター
「4日の決定を受けて、今後、被害者への救済はどのように進むのか。そして教団の宗教活動はどうなるのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員
「まずは被害者への救済について。最高裁の判断を待たずに教団の財産を清算する手続きが始まります。東京高裁の決定文によると、昨年度の教団の総資産は1040億円とされ、これには東京・渋谷区にある教団の本部や全国にある約280の教会なども含まれます」
「清算手続きでは、裁判所が選んだ清算人の伊藤尚弁護士が、こうした教団の預金や不動産といった財産を調査・管理し、被害者の救済などに充てます。つまり賠償金などを捻出するために、教会などの不動産も売却する可能性があります」
藤井キャスター
「賠償額に対して、教団の財産が足りないということはあるのでしょうか?」
小栗委員
「現時点ではその可能性は低そうです。教団の総資産1040億円に対し、これまでに元信者らによる集団調停で弁護団が賠償を求めた金額は約86億円。これから名乗り出るかもしれない被害者の分を足したとしても、教団の財産を使い果たす可能性は低そうです」
藤井キャスター
「1040億円と86億円という数字で計算すると、かなりの額の財産が残ります。これはどこに行くのでしょうか?」
小栗委員
「直ちに国に没収されるということはなく、教団内部のルールで決めた行き先があります。教団側は2009年に財産の移転先として北海道・帯広市にある『天地正教』という宗教法人を指定していて、ここに残った財産を送ることになっています」
「この天地正教は、過去の民事裁判の判決では教団の指揮命令下にあると認定されたこともある団体です。教団の問題に取り組む阿部克臣弁護士は、こう指摘します」
阿部弁護士
「余った財産が引き継がれれば、天地正教という別の宗教法人で引き続き同じような活動をすることが可能になる。法人格を失わせるという解散命令制度が骨抜きになる。さらに、天地正教を経由して教団発祥の地である韓国にお金が流れる可能性もある」
藤井キャスター
「今後、教団の宗教活動はどうなっていくのでしょうか?」
小栗委員
「4日に出た解散命令は、宗教法人格を剥奪するものです。今後、税制の優遇措置などは受けられなくなりますが、いわゆるサークル活動のような任意団体として宗教活動を続けることはできます」
藤井キャスター
「例えば、霊感商法など問題となった行為が今後も続いた場合はどうなりますか?」
小栗委員
「宗教法人法に詳しい近畿大学の田近肇教授に聞きました」
田近教授
「オウム真理教と違って大量殺人行為を行ったわけではないので、任意団体そのものを縛るような法律はない。仮に今後も霊感商法のような不法な行為が行われたとしたら、消費者契約法などの個別の法律が今後も適用される」
藤井キャスター
「もし皆さんの周りに、旧統一教会に限らず何かおかしいなと思うことがあったら、近くの消費者センターなど公的な機関に相談してみてください」
(3月4日『news zero』より)

大麻と麻薬成分含む「マジックマッシュルーム」を自宅で所持、中学校教諭を懲戒免職…初公判で起訴事実認める

秋田県教育委員会は2日、大麻と麻薬成分を含むキノコ「マジックマッシュルーム」を自宅で所持していたとして、中学校教諭(46)(麻薬取締法違反で公判中)を懲戒免職処分にした。2月18日の初公判で起訴事実を認めたためで、薬物所持による教職員の懲戒処分は県内で初めて。
県教委は2日に記者会見を開き、教諭が同法違反容疑で逮捕された後の昨年10月上旬、同市教委を通じて辞職願を提出してきたが、県教委は受理せずに起訴休職状態になっていたと説明。県教委や同市教委が10月末に行った事情聴取には、「係争中で認否も含め答えられない」と話していたという。県教委では不祥事防止に向けた研修を行っているが、伊藤悟・義務教育課長は会見で「今後は薬物についても機会を設けたい」と語った。
会見に先立って行われた2日の県議会教育公安委員会で、県教委の安田浩幸教育長は「多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわびする」と陳謝した。

偽造1万円銀貨1000枚以上持ち込みか、250枚密輸容疑で中国籍の男を再逮捕…「昭和天皇在位60年」本物に比べ光沢なし

偽造した昭和天皇在位60年の1万円記念銀貨を密輸したとして、警視庁と埼玉、茨城両県警の合同捜査本部が、中国籍で東京都足立区、衣料品販売会社役員の被告(36)を偽造通貨輸入容疑で再逮捕したことがわかった。
合同捜査本部は、被告らのグループが昨年4月以降、関東や九州など7都県の信用金庫と農業協同組合計約40支店に、中国から密輸した1000枚以上の偽造銀貨を持ち込み、両替を繰り返したとみて調べている。
捜査関係者によると、被告は昨年4月上旬、2回にわたり、偽造銀貨計250枚を国際郵便で中国から北区内の住所宛てに発送し、成田空港に到着させて輸入した疑い。逮捕は4日。
東京税関が同空港に到着した銀貨を鑑定して偽造品と判明。国際郵便の宛先だった北区の住所は被告の関係先で、密輸への関与が浮上した。
被告は都内の信用金庫などで偽造銀貨を両替した偽造通貨行使容疑で昨年11月以降に複数回逮捕され、その後起訴されていた。
偽造銀貨は本物に比べて光沢がなく、白っぽい色だった。被告らのグループは両替の依頼書に偽名を記入し、窓口に提出していたという。

「田久保劇場」が警察を本気で怒らせた…東洋大関係者が解説「学歴詐称の前市長がこれから払う重すぎる代償」

学歴詐称疑惑をめぐり刑事告発された伊東市の田久保真紀前市長が書類送検された。
テレビ静岡によれば、田久保氏をめぐっては、「6つの容疑・8つの事件について警察が刑事告発を受理した上で捜査を進め」ていたという(「伊東・田久保前市長を書類送検 学歴詐称めぐり地方自治法違反の疑い」2026年2月27日17時38分配信)。
なかでも、「市議会の百条委員会で正当な理由なく出頭を拒否したり、資料の提出を拒んだり、虚偽の証言をしたりしたとして議会側が告発して」いた「地方自治法違反容疑」での「書類送検」だと、同社は報じている。
この「書類送検」とは何か。マスコミ用語であり、法律には書かれていない。刑事訴訟法における、書類の「送付」や「送致」をまとめたことばである。今回は、伊東市議会をはじめとする関係者からの「刑事告発」がされているため、「司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない」(同法第242条)が適用され、この「速やかに」が重視されたとみられる。
もとより、同法第246条は、「司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない」とあり、「全件送致の原則」とも言われる。
さらに、「書類送検」にあたっては、公訴提起(起訴)を求める「厳重処分」や、判断を委ねる「相当処分」、さらには起訴を求めない「寛大処分」や「しかるべく処分」まで、警察側の意見をつけている。これは、全国の警察を管理する「国家公安委員会」の規則である「犯罪捜査規範」に「事件を送致又は送付するに当たっては、犯罪の事実及び情状等に関する意見を付した送致書又は送付書を作成し、関係書類及び証拠物を添付するものとする」(第195条)と定められている。
今回の田久保氏については、どうなのか。それは、警察・検察にしかわからない。とはいえ、逮捕による身柄拘束をせず在宅のままで捜査を進め、そして「送付」に至った時点で、捜査当局の姿勢が窺えよう。では、その姿勢とは、何か。
伊東市議会は、昨年(2025年)9月1日に、田久保市長(当時)への不信任決議案を全会一致で可決するとともに、同氏による百条委員会への出頭拒否、記録提出拒否、証言拒否、虚偽証言の4件について地方自治法違反での刑事告発も可決した。静岡県警伊東警察署に告発状を提出し、受理されている(「田久保真紀市長の不信任案を全会一致で可決 伊東市議会、刑事告発も」朝日新聞、2025年9月1日11時42分配信)。
ここでの違反とは何か。「百条委員会」の名前の通り、同法百条に定められた委員会にまつわる違反の疑いである。「正当な理由がないのに」、出頭をしなかったり、記録を提出しなかったり、証言を拒んだりすると、「6カ月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金」とされている(同条3項)。また、「虚偽の陳述」については、「3カ月以上5年以下の拘禁刑」(同条7項)とされている。
この「百条委員会」が強い権限を持っているのは、この2つの項目について「罪を犯したもの」と議会が認めるときは、「告発しなければならない」としている(同条9項)ところにもある。
出頭や証言について強制力があるばかりか、それを拒んだり、嘘をついたりしたら、ほぼ自動的に警察に告発される、そんなところに、この「百条委員会」の意味がある。住民から選ばれた議会からの求めには、「正当な理由がない」限りは従わなければならない。そうした地方自治法の根本が、この「百条」なのである。
田久保氏は、その本丸を蔑ろにしたのではないか。いや、ではないか、という疑いではない。百条委員会は、公開されていたし、その出頭拒否についても、田久保氏は、わざわざ「回答書」まで提出する念の入れようだった(「伊東市長、百条委への出頭拒否 「回答が不可能」 静岡」時事ドットコムニュース、2025年7月24日18時6分配信)。
今回の「書類送検」にあたって、警察からどんな「意見」がつけられたのかは定かではない。ただ、この地方自治法違反については、田久保氏本人が堂々と、出頭を拒否する「回答書」を送り、しかも、メディアを含めた衆人環視のもとで証言を拒否している以上、明明白白ではないか。であれば、誰が見ても起訴すべきだし、そして、有罪判決を得られるに違いない、そんな目論見があるのかもしれない。
重要なのは、こうした捜査機関の意図にまつわる邪推でも、田久保氏への個人攻撃でもない。「地方自治法違反」での「書類送検」というニュースが、私たちにつきつける教訓ではないか。その教訓とは何か。
もちろん、まずもって学歴を詐称してはいけない。卒業していない大学の「卒業証書」を示すなど言語道断であるし、今回でいえば、田久保氏によって東洋大学が被ったレピュテーションリスクは計り知れない。たとえ魔が差してしまったとしても、謝罪し、訂正しなければならない。
ところが、田久保氏は、謝罪も訂正もしなかった。そこには、彼女のさまざまな思惑があるのだろうし、その独特な感性のなせるわざなのだろう。
それでも、民主主義の仕組みにおいて、多くの有権者から正当な選挙を経て選ばれた以上は、同じく住民の代表である議会には真摯に対応しなければならない。最低でも伊東市議会に対しては、誠心誠意、向き合うべきであったのではないか。
それなのに、よりにもよって、その最低ラインであるはずの議会を侮蔑したような態度を続けたばかりか、上記のような強大な権限と位置付けを持つ百条委員会をもコケにしたのでは、もはや、庇いようがないのではないか。
公職選挙法では、「虚偽事項の公表罪」は、「2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」が定められており(同法第235条1項)、先に見た地方自治法違反への罰則と比べると重い。けれども、産経新聞がまとめたように、「政治の世界では過去にも多くの学歴詐称疑惑が取りざたされてきた」ものの、起訴猶予処分になったり、不起訴処分になったり、と、学歴を偽っていたとしても、職を追われたケースは多くはない。
とすると、地方自治法違反による「書類送検」の意義は、ここにある。すなわち、「学歴詐称」がこれまでの経緯では有罪判決どころか刑事訴追すら多くないのに対して、そのラインを突っ張ったばかりに、かえって、より固いと見られる罪に問われかねない。
すぐに謝っておけば、起訴を免れるのはもちろん、ことによると、その職を追われずに済んだのかもしれない。にもかかわらず、謝罪を拒んだばかりに、その重い、いや、重すぎる代償を、田久保氏は、払わされているのではないか。行政府の長でありながら、議会を軽視した。政治家として根本的な資質を欠いていると言わざるを得ない。墓穴を掘ったのではないか。
今回の教訓は、田久保氏個人にとどまらない。いや、というよりも、彼女は、あくまでもここ数年の日本における選挙の風潮を象徴したに過ぎない。それは、制度「ハック」とも言える流れである。正確には、こうした流れを「SNS戦略」などとして「分析」したつもりになっているメディアの潮流こそ、問われなければならない。
代表的なのが政治団体「NHKから国民を守る党」の手法だろう。同党は、公選法の抜け穴を突くようなやり方を繰り返してきた。当選を目的とするというよりも、選挙の仕組みを利用する手法は、「選挙ハック」とも呼べるのではないか。
2020年の東京都知事選挙では、実業家の堀江貴文さんを擁立していないのに「ホリエモン新党」を名乗った。2022年参院選では「選挙区での立候補者は当選を目的としていません」と公言し、得票を政党助成金稼ぎの手段だと動画で説明していた。2024年都知事選では「ポスター掲示板をジャックせよ」と呼びかけ、団体への寄付者が自由に作ったポスターを使えるとした。
その手法が、もっとも議論の的となったのは、同年の兵庫県知事選挙だった。立候補した党首の立花孝志氏が「僕に(票を)入れないでくださいね」と訴え、斎藤元彦氏の「疑惑」を否定する演説をくりかえした。斎藤氏は「オールドメディア」からの批判をものともせず圧勝した。
テレビや新聞では、こうした傾向を「SNS戦略」などと訳知り顔、というか、悔しそうな顔をして「分析」する識者が蠢いている。そうした粗雑な総論で事足れりとするのではなく、今回の伊東市長に関する一連の騒動のように、一つひとつの事情や経緯を丁寧に検証しなければならないのではないか。
田久保氏について、私たちが語りつづけてきたのは、単に「学歴詐称」がけしからん、許せない、といった直情径行ではない。
「学歴詐称」疑惑に始まり、百条委員会をめぐる騒動を経て、不信任決議案が可決され、約半年での再選挙に至った。
にもかかわらず、対抗勢力と戦う「人口6万人の自治体の救世主」かのような顔をして市長の座に居座りつづけたのは、制度「ハック」のひとつだったと言えよう。「NHKから国民を守る党」も彼女も、たしかに「SNS戦略」を持っていたのかもしれない。
しかし、その手法には、選挙や地域に応じた違いがあり、一貫しているわけでもなければ、全てが成功しているわけでもない。
伊東市での刑事告発や、出直し選挙、そして、今回の「書類送検」に至る流れは、本当に彼女がその自治体のトップにふさわしいのかどうかを問い直す貴重な時間にほかならない。この時間は、伊東市にだけにも田久保氏だけにも限定されない。私たちが、一票にどんな思いを託しているのかを常に問い返すきっかけになったのではないか。
それは、メディアに飛び交うや「SNS戦略」といった乱暴な「分析」では解明されない、もっと尊く、ずっと繊細な心情ではないか。この点においてこそ、警察当局がまず「地方自治法違反」で「書類送検」した意味があり、そして、私たちがこの件について関心を抱きつづけてきた理由がある。
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(神戸学院大学現代社会学部 准教授 鈴木 洋仁)