クマの被害が相次ぐなか、29日、富山市では犬の散歩中の女性がクマに襲われ大ケガをしました。山から離れた海に近い地域でも、クマの目撃が相次いでいます。
富山市は30日、緊迫した空気に包まれました。
29日夜に女性を襲ったクマが見つからず、30日朝から猟友会や警察が現場周辺を警戒にあたっていたのです。
――ここで襲われた
「はっきりは分からない」
女性がクマに襲われたとみられる場所には、地面に生々しい痕跡が残されていました。
近隣住民
「『クマだから家に入って』叫び声だけ聞こえた」
警察によりますと29日午後7時半すぎ、45歳の女性は、犬の散歩をしていたということです。すると、用水路から出てきたというのが、1頭のクマ。女性は顔や頭などをひっかかれ、大ケガをしました。
襲われた女性の夫
「すぐに病院に行って『手術しますよ』と」
――大丈夫
襲われた女性の夫
「一応、大丈夫」
――どんなケガ
襲われた女性の夫
「こっちの頭とここ、こうなったかな。目は大丈夫。傷も深くないと。でもひっかかれているから、いまはICUに入っている」
一命を取り留めた女性。窮地を救ったのは、愛犬のムサシだったといいます。
襲われた女性の夫
「ほえてくれたから逃げたと(妻が)言っていた」
――この子にはケガない
襲われた女性の夫
「大丈夫。他人事だと思っていたけど、出るんだなと」
現場は、富山市北部の周囲に山がなく海に近い住宅街です。
その後、クマの行方は分からなくなっていました。警戒が続いていましたが、事態は正午前に動きました。
ヘリコプターによる探索で、ヤブに隠れたクマが見つかったのです。すぐに緊急銃猟が行われました。
住宅街に響いた12発の銃声。クマは駆除されました。市によりますと、体長およそ1.5メートル、体重は推定110キロのオスの成獣だったということです。
駆除を受けて住民は…
近隣住民
「安心して散歩に行けます」
――今までにクマ
近隣住民
「一度もない。クマなんて全然、話聞いたことない。どこから来るのか、山からか、海からか」
秋田市でも、海の近くでクマが出ました。
青い海に似つかわしくない黒い影が、パイプライン上を歩いていました。ゴールデンウイーク初日の29日、釣り人でにぎわう秋田港が一時、騒然となりました。
山から離れた海に近い地域で相次ぐクマの出没。その理由について専門家に聞きました。
岩手大学農学部 山内貴義准教授
「仙台の街中に出たような感じで、森とか川をつたって街中に出たけど、奥深くまで入っちゃって、出られなくなっちゃった。帰りたくても帰りづらい、人がいっぱいいて」
河川敷などの整備が大切だと指摘します。
岩手大学農学部 山内貴義准教授
「河川沿いがひとつ大きなポイント。この後で暑くなって草が一気に繁茂してくると、見通しが悪くなってくるので、野生動物の通り道になってしまうので、そこの整備は緊急に必要」
クマの隠れ家や通り道となりやすい河川敷の草木の伐採など、国や自治体によるスピード感を持った対策が急務となっています。
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妻の遺体損壊容疑で33歳の男を逮捕 勤務先の旭山動物園の焼却施設に運び込み…職員の逮捕を受け今津寛介旭川市長「心より深くお詫び」とコメント
北海道旭川市で勤務先の動物園内の施設に妻の遺体を運び込み、焼却するなどしたとして、死体損壊の疑いで33歳の男が30日、逮捕されました。
逮捕されたのは、旭川市職員で旭山動物園職員の鈴木達也容疑者33歳です。
鈴木容疑者は、3月31日ごろ、旭川市東旭川町の旭山動物園の施設に妻の由衣さん33歳の遺体を運びこみ、焼却するなどして遺体を損壊した疑いが持たれています。
警察によりますと、鈴木容疑者は、逮捕前の任意の事情聴取に対し「園内の焼却炉に妻の遺体を遺棄し、数時間かけて燃やした」という趣旨の話をしているということで、警察は焼却炉からは遺体の一部を発見したと明らかにしました。
取り調べに対し、鈴木容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているということです。
また任意の事情聴取で、鈴木容疑者は由衣さんの殺害についてもほのめかしているということで、警察が事件のいきさつなどを詳しく調べています。
鈴木容疑者の逮捕を受けて、旭川市の今津寛介市長は30日夜、以下のコメントを発表しました。
今津寛介旭川市長「心より深くお詫び」とコメント
本日、旭山動物園職員が死体損壊の容疑で逮捕されました。
本件により市民の皆様並びに全国の皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、心より深くお詫び申し上げます。
現段階で警察による捜査が進められており、本市といたしましても引き続き捜査に全面的に協力してまいります。
アニメ美術監督・海老澤一男さん死去 ナウシカ、鬼滅、ルパンなど国民的作品で背景美術担当
アニメ制作会社「ufotable(ユーフォーテーブル)」は30日、公式サイトを更新。同社美術スタッフで、アニメ美術監督の海老澤一男さんが14日に死去したことを公表した。
同社公式サイトで「弊社にて長年にわたりご尽力いただいておりました、美術スタッフの 海老澤一男 殿が、4月14日に逝去いたしました」と報告。
葬儀については、同社にて4月20日に執り行い、「諸般の事情により、ご香典、ご供花、ご弔問の儀は固く辞退させていただきます」と伝えた。
海老澤さんは、日本のアニメ黎明期より背景美術を手掛けており、1969年放送の「ひみつのアッコちゃん」第1話の背景で美術スタッフとしてデビュー。映画「ルパン三世 ルパンVS複製人間」、「風の谷のナウシカ」、「魔女の宅急便」等で背景を担当した。
ufotableでは、同社が手がける人気作「鬼滅の刃」シリーズで背景美術を手がけていた。
町長が2月から意識不明、議会が不信任案を提出へ…「本人の名誉のために不信任という言葉を使わない議案名を考えている」
2月の公務中に倒れ、意識不明の状態が続く秋田県八郎潟町の畠山菊夫町長(72)について、町議会は4月28日、不信任決議案を提出することを決めた。今月8日に開会予定の臨時会で審議する。
町によると、町長は2月に同県井川町での会議に出席中、脳出血を起こして搬送された。緊急手術を受けたが、意識は戻っていない。町は小野良幸副町長を職務代理者に置いて対応してきたが、4月20日付で町長の妻から柳田裕平議長宛てに「町長の職を続けることは困難。処遇は町議会に一任する」といった内容の要請書が届いた。
これを受け、町議会は28日に議員全員協議会を開催。町側からは、町長が任期中に職を辞するには、地方自治法などの規定で本人の意思表示が必要だが、病気で意思表示できない場合の規定がなかったとの説明があり、最も迅速に町長職を辞する手段として不信任決議案を提出することを全会一致で決めた。
決議案が可決されれば、同法の規定で畠山町長は19日に自動失職し、その後、50日以内に町長選が行われる見込み。
小野副町長は「不信任決議しか方法がなく、苦渋の決断だった」と話す。柳田議長は「町長本人の名誉のためにも不信任という言葉を使わない議案名を議員たちと考えている」と話した。
全国町村議会議長会(東京都)によると、病気の町長へ不信任決議案が提出されるのは全国的にも珍しいという。
旭川市長「旭山動物園はかつてない危機」、職員「妻の遺体を焼却炉に遺棄」供述で開園延期…「こわい」とキャンセルも
北海道旭川市の旭山動物園が、夏季営業の開始を当初予定していた29日から5月1日に延期したことを受け、同園を訪れるツアーの中止やキャンセルなどの影響が出始めている。同園の30歳代男性職員が行方不明の妻を巡って道警から任意の事情聴取を受け、「遺体を動物園の焼却炉に遺棄した」と話したことから捜査が続いており、旅行会社や地元関係者に不安も広がっている。(臼井塁、鍋倉永憲)
「稼ぎ頭のツアーで、影響は大きい」。札幌市内にある旅行会社の女性担当者はそう嘆く。
市が延期を発表したのは27日。同社は29、30日に予定していた同園や富良野・美瑛エリアの観光地を巡るバスツアー計2本を中止し、予約客への連絡や返金などの対応に追われた。予約は道外の客を中心に、満席に近い計約80人に上っていたが、目玉である同園なしにツアーは成立せず、中止せざるを得ないと判断したという。
5月以降に行うツアーの予約についても、「こわい」などの理由によるキャンセルがあったという。担当者は「今後1~2か月は状況を注視したい」と話している。
道内バス大手・北海道中央バス(小樽市)も、同園とJR札幌駅を結ぶ定期観光バスを運行している。29、30日に予約のあった約30人には運行中止を伝え、支払われた代金は返したという。同社の担当者は「旭山動物園は道内でも人気の施設。営業開始を再延期せず、予定通りに開園してほしい」と気をもんでいる。
一方、動物園の地元・旭川市では、営業開始の延期幅が2日にとどまったことへの安堵(あんど)とともに、イメージ悪化を心配する声も上がる。園近くの飲食店で働く60歳代の女性は「例年5月の大型連休が一番の繁忙期。オープンの日が決まってよかったが、捜査が収束するまで悪いイメージが完全に拭えないのではないか」と不安を口にした。
市長改めて陳謝「憤り禁じ得ず」
旭川市の今津寛介市長は28日、臨時の記者会見を開き、「重大な事態が発生し、心より深くおわび申し上げます」と改めて陳謝した。
今津市長は営業開始延期について、「捜査に全面協力する中で、来園者を迎える準備に時間を要した」と説明。年間の来園者が約130万人に上る同園を「地域経済、観光を牽引(けんいん)する道北の中心施設で、命の大切さを伝えてきた」とし、道警に対する男性職員の話が裏付けられた場合、「どのような影響を及ぼすか容易に考えられる。憤りを禁じ得ない」と語った。市や園のイメージダウンや風評被害も大きいとし、「信頼を取り戻す取り組みを進めたい」と述べた。
また、当初営業予定だった29、30日に向け、園内の飲食店や売店が事前に調達した食材の費用や従業員の人件費の補償を検討する考えも明らかにした。
市には「旭山動物園は旭川の宝です」「開園を心待ちにしています」といった応援のメッセージが約1000件寄せられているという。今津市長は「動物園はかつてない危機に直面しているが、足を運んでいただき、動物たちや職員、動物園、地域を応援していただきたい」と呼びかけた。
「結果を示せばいいだけ」こども家庭庁“解体論”に三原じゅん子氏が反論も国民冷ややか
4月27日に開かれた参院予算委員会。自民党の三原じゅん子・前こども政策担当相が、SNSなどで見られるこども家庭庁の“解体論”に反論した。
こども家庭庁のスローガン
こども家庭庁は「こどもまんなか」をスローガンに発足し、4月1日で丸3年が経過。三原氏は「『こどもまんなか社会』の実現に向けて総合調整をおこなう司令塔として、機能を担う省庁として2023年に創設され、やっと丸3年がたちました」と切り出すと、これまでにおこなってきた施策について説明を始めた。
「三原氏によると子ども大綱の制定にこども未来戦略の策定、これには加速化プランも含まれます。そして子ども・子育て支援法の改正や子ども性暴力防止法の制定、被虐待児への対応強化などを内容とする児童福祉法の改正などをおこなってきたとのこと。他には保育士の人材確保にも取り組み、一つ一つの施策で一定の成果をあげてきたと主張しています」(地方紙政治部記者)
さらに三原氏は「創設からの3年間、成立、決定した多くの政策が準備期間を経て、ようやく本格的に始まってきている」と述べ、予算が当初の4.8兆円から今年度は7.5兆円になったとアピールした。予算の大幅な増額はそれだけ、こども家庭庁が重要視されているということなのだろうか。
続けて「SNSを中心にこども家庭庁解体論などの批判の声が上がっている。解体して新生児1人1000万円ずつ配った方がいいのではないかと、そんな声も上がっている」と、SNSなどで叫ばれている“解体論”に言及した三原氏。26年度予算に盛り込まれた施策は「どれも大切で、決してなくせるものではない」と主張し、SNSの声に反論した。
三原氏は「政府が目指す『こどもまんなか社会』の実現はまだ道半ばだ。しっかり前に進めて欲しい」と高市首相へ投げかけ、首相も「こども家庭庁が中心になって調整をおこないながら、総合的な政策を実施していく視点が大事だ」と応じている。
毎年5兆円近くの予算で何を?
「今いる子どもに対する支援や少子化対策は非常に重要です。しかしこれまでの準備期間3年の間、毎年5兆円近くの予算を使って一体何をしてきたのかがよくわからないというのが現実です。一体何にお金を使ったのでしょうか。
三原氏は“成果を上げてきた”と言っていますが、少子化は止まりませんし虐待やイジメなど子どもを取り巻く悲惨なニュースも跡を絶ちません。そういった意味で子ども家庭庁に対して、《不透明だ》という意見は根強いようです」(前出・地方紙政治部記者)
実際にネット上の声を見ると、
《まずどの政策にどれだけ予算を使って、どれだけの成果が上がったか説明して欲しい》
《結果を出して示せばいいだけなのに、それをしないから不透明だって言われるんだよ》
《大体この庁の大臣は何をしてるの?なんか的外れなことばっかりやってるイメージ》
《ちゃんと機能していれば必要だと思うけど、三原さんが何もやってこなかったから“解体論”が出るんじゃないの?》
とやはり批判的な声は多い。
予算=国民の血税である。どうか成果ある施策を実行して欲しいものだ。
「フルネームで呼ばれた瞬間、全部信じた」あと少しで“ニセ警察官詐欺”被害に… 800万円を用意した70代女性の告白
4月22日、新潟県警三条警察署。 カメラの前に現れた70代の女性は、どこにでもいる“普通のお母さん”だった。 彼女はメモを見ながら、この1か月を振り返った―
電話の相手は、郵便局員を名乗っていた。 「中国から荷物が届いています。パスポートやキャッシュカードが入っています」
身に覚えのない話だった。 だが、相手は女性のフルネームを知っていた。
「その瞬間、全部信じてしまったんです」
電話はやがて、大阪府警を名乗る男へとつながる。 「あなたの口座が犯罪に使われている」 「潔白を証明するために、資産を確認させてほしい」
70代の女性は、“捜査”に協力しなければならないと思い込んだ。
なぜ、人はここまで信じてしまうのか。
新潟県三条市の70代女性が語った、“ニセ警察官詐欺”の一部始終。 その証言には、誰もが被害者になり得る現実があった。
「なんでかな、とは思ったけど、詐欺とは結びつかなかった」
事件の始まりは、3月31日だった。 女性の自宅に、大阪の郵便局員を名乗る男から電話がかかってきた。
「中国から荷物が届いています。パスポートやキャッシュカードが入っています。取りに来られますか」
身に覚えのない話だった。 「そんなものはありません」と答えると、男はこう続けた。
「詐欺の可能性があるので電話を回します。0を押してください」
言われるままに電話を操作すると、今度は警察官を名乗る男が出た。
「詐欺で逮捕した人物の家から、あなた名義のキャッシュカードが見つかりました。被害者は19人。あなたの口座に5000万円が入っている可能性があります」
突然、自分が犯罪に関わっているかもしれないと言われた。
「なんで自分にそんな悪いことの心当たりが全然ないのに、なんでかな、という気持ちばかりでした」
驚きと不安の中で、女性は相手の話を疑うことができなかった。 何より、大きかったのは最初の一言だったという。
「電話を取った時に、フルネームで名前を言われたんです。それで、もう全部信じ切ってしまって…」
きっかけは、ほんのささいなことだった。 苗字だけではない。下の名前まで正確に呼ばれたことで、女性は「本物だ」と思い込んだ。
後から振り返れば、不審な点はいくつもあった。
荷物が届いているなら、住所は分かるはずなのに、なぜ聞くのか。 なぜ大阪府警が、自分の資産を調べる必要があるのか。
それでも、その時は「詐欺」という言葉が頭に浮かばなかった。 「なんでかな、とは思ったけど、詐欺とは全然合致しなかったんです」
在宅捜査、定時連絡、秘密保持― 生活を支配された11日間
大阪まで行くことはできないと伝えると、相手は「在宅捜査を行います」と告げた。 LINEのビデオ通話を使い、自宅にいながら捜査を進めるという説明だった。
「在宅捜査なんて聞いたことも見たこともなかったから、『何ですか?』と聞いたんです」
すると、「検察のカミヤ検事とも相談して進める」「あなたの潔白を証明するために必要だ」と繰り返された。
最初だけ、画面には相手の顔が映った。 だが、その後はほとんど顔を見せることはなかった。
「なんで顔が半分しか映らないのかな、とは思ったけど、その時はそれ以上、疑わなかった」
相手に求められたのは、通帳や資産の確認だった。
どこの金融機関に口座があるのか。 残高はいくらあるのか。 定期預金はどれくらいあるのか。
「通帳はどこにありますか、と聞かれて、あそこです、ここですって、全部答えてしまいました」
さらに、女性には2つの“ルール”が課された。
ひとつは「秘密保持」。 もうひとつは「定時連絡」だった。
「誰にも言うな」 3時間ごとのLINE“定時報告”
「これは極秘の捜査だから、絶対に誰にも言わないでください」 そう何度も念を押された。
家族にも、友人にも、誰にも話してはいけない。 誰かと会った時も、その内容を伝えてはいけない。
そして、起床時から3時間おきに、現在地や行動予定をLINEで報告するよう指示された。
朝起きたら「何時何分、自宅にいます」 「長男が2階にいます」 「これからお茶を飲みます」
そんな日常の細かな行動まで、逐一伝えた。
午前9時、正午、午後3時、6時、9時―。
「特別な予定があるわけでもないから、疑いもしなかったんです。ただ、真面目にやらなきゃと思って」
“逃亡すると困るから” そう説明され、女性は約1週間、この生活を続けた。
今振り返れば、完全に行動を支配されていた。 それでも当時は、自分が騙されているとは思わなかった。 「一生懸命、私のために潔白を証明してくれているんだと思っていました」
「リフォームということにしましょう」― 800万円を引き出すまで
事件が大きく動いたのは、4月に入り数日たった後だった。
相手は女性にこう指示した。 「定期預金を普通預金に移してください。紙幣の調査をするので、1日200万円ずつ引き出してください」
理由は「あなたの口座に犯罪資金が流れていないか確認するため」だという。 女性は、言われるままに郵便局へ向かった。
もともと1日に引き出せる上限額は決まっていたが、「上限を上げてもらってください」と指示され、その手続きまで行った。
「そう言われても、全然疑っていなかったんです。詐欺なんていう考えもなくて」
1回ではなく、何日かに分けて。 毎日同じ窓口だと目立つからと、利用する場所まで指定された。
金融機関の窓口では、大きな金額を動かす理由を聞かれる。 その“答え”まで、犯人は用意していた。
「お祝い」 「子どもへの生前贈与」 「リフォーム」
いくつか候補を示された中で、女性が「そんなので通るのかしら」と不安を口にすると、相手はこう言った。
「じゃあ、リフォームということにしましょう」
4日間で引き出した現金は、あわせて800万円にのぼった。
金融機関で見せるための“ニセのリフォーム請求書”も
さらに、リフォーム会社の請求書まで送られてきた。 「コンビニでコピーしてください」と指示され、その紙を窓口で見せた。
だが、金融機関の窓口で担当者は首をかしげた。 「この会社はありません」
その一言に、女性も一瞬、不審さを覚えた。
それでも、その場では 「データが古いからでしょうかね」 という何気ないやり取りで終わり、引き出しは続いた。
4日間で引き出した現金は、あわせて800万円にのぼった。 だが、現金を誰かに渡す話は、まだなかった。
「金庫にしまっておいてください。写真を送ってください」
そう言われ、自宅の金庫に保管し、その写真まで送った。
さらに、「自白書」のようなものまで書かされた。 自分の生い立ちや生活を振り返り、「信用してもらえるように」と文章にする。
「これじゃちょっと足りないかな」 そう言われると、相手と一緒に内容を考えながら書き直した。
「本当に、一生懸命、私のためにやってくれているんだと思っていました」
親身になって話を聞いてくれた“ニセ警察官”。 今では信じられないことだが、その時の女性にとっては、それが“本物の捜査”だった。
本物の警察官が来ても「偽物かもしれない」と思った
犯人グループは、最後まで女性を外の世界から切り離そうとしていた。 「警察を名乗る人が2人くらい行くかもしれないけど、絶対に信用しないでください。普通の態度で接してください」
そう何度も念を押されていた。
金融機関からの情報提供を受け、本物の警察官が女性の自宅を訪れた時も、女性はすぐには信じることができなかった。 「刑事さんが来ても、本物の刑事さんかなって疑っていました」
むしろ、犯人から聞かされていた通り、「やっぱり来た」という感覚の方が強かったという。
警察官から「絶対に詐欺です」と何度も説得されても、すぐには頭が追いつかなかった。
実害こそなかったものの、女性の心には『信じ切っていた』という深い衝撃が残った。 どこで、どうして自分が“マインドコントロール”されていたのか。 女性自身、今もはっきりとは分からない。
「ずっと、絶対これは詐欺じゃないと思っていたから。『なんで?』と思うことはいっぱいあったんだけど、その“なんで”が詐欺には合致しなかったんです」
あと少し遅ければ、現金は犯人の手に渡っていたかもしれない。
取材の最後、女性は同じような電話を受けるかもしれない人たちへ、こう語った。
「やっぱり、人に言わないでと言われても、誰かに相談しなきゃダメだなと思います。警察だって『言うな』なんて言わないと思うから」
「誰にも言うな、というのは、逆に言ったほうがいい。知らない電話は取らないほうがいいし、変だと思ったら、一度受話器を置いて、冷静に考えないとダメだと思います」
テレビや新聞で、特殊詐欺のニュースを見ていた。
「まさか自分が」 そう思っていた。 だからこそ、気づけなかった。
「フルネームで呼ばれた瞬間、全部信じてしまった」
その言葉は、特殊詐欺が決して“特別な誰か”の話ではないことを、静かに突きつけている。
《解体した21歳女性の遺体を煮る》「殺人衝動で他のことが考えられなくなる」斎藤純被告が明かした「小学生の時からの願望」【埼玉・頭蓋骨殺人公判】
さいたま市大宮区内のマンションの一室から、棚に置かれた頭蓋骨などが見つかったとして、同部屋に住む斎藤純被告(逮捕当時31歳)が逮捕された衝撃的な事件。
承諾殺人罪、窃盗罪にて起訴され、さいたま地裁で行われた第1回公判で、斎藤被告は被害者の承諾の上、殺害したことを認めた。そして、この承諾殺人による被害者は当時21歳だった女性・Aさん、同じく22歳だった女性・Bさんの2名であることが明らかになった。
Aさんの被害は、斎藤被告の家から見つかった人骨からも明らかになっていた。しかし、自宅で亡くなっていたBさんの事件は平成27年の捜査当時、神奈川県警が自殺と判断していたことも発覚している。第1回公判では、斎藤被告が解体したAさんの遺体を煮ていたことが明かされるなど、猟奇的な犯行態様が明らかになっていた。
4月27日に行われた第2回公判では、斎藤被告本人に対する被告人質問が行われた。3時間半開かれた公判で語られたその内容は、現実に起きた事件なのかと疑いたくなるような、事件内容そのものとは違う底冷えするものであった。傍聴を行った裁判ライターの普通氏がレポートする。【全3回の第1回。※本記事には一部ショッキングな内容が含まれます】
殺人衝動で「他のことが考えられなくなる」
注目度の高い今回の公判では、傍聴者が探知機で身体チェックを受けるセキュリティの厳重さだった。
法廷で被告人質問を受けた斎藤被告は、おぞましい事件とは裏腹に、顔は真っすぐ正面を向き、論理的にスラスラと話す様子が印象的だった。その様子は「本当に反省しているのか」と感じる人もいるかもしれないし、「正直にすべてを明らかにする姿勢」と感じる人もいるかもしれない。
弁護人から2件の承諾殺人の動機、心情について問われた斎藤被告。「小さいころからある、殺人衝動に動機づけられてるのが大部分」と答える。 その衝動を感じたのは小学生中高学年ころといい、日によりムラはあるものの、酷いときは「他のことを考えられないくらい」と表現するほどであった。
ただ、その感情を望んでいたわけではなく、「わずらわしくて、不快なもの」だったという。自身でもその異常性に気付きながらも、内容が内容だけに両親、友人、病院などに相談できなかったと主張した。以降は、弁護人からなされた質問を中心にやり取りをまとめた内容である。
中学生時代に同級生を刃物で
学生時代は殺人衝動を満たすために、周囲を散歩しながら、行き当たりばったり知らない人の後ろについて忍び寄ることなどを繰り返していたという。
「太ったな」発言でセクハラ認定された愛知の自称“あま市の暴れん坊将軍”松下昭憲市議に、今度は市職員らへのパワハラ疑惑が浮上 議会にアンケート結果と録音データが提出されていた
愛知県あま市議会は4月6日、松下昭憲・市議(78)が女性市議に「太ったな」といった発言をするなどのセクハラ行為をしたと認定し、条例に基づき議員名を公表した。
だが、翌週末に行なわれたあま市長選で現職の村上浩司氏(63)を破って元市議の八島堅志氏(39)が初当選したことが、一部の職員を震えさせているという。市長選で敗れた村上氏がこう語る。
「当選した八島氏を支持したのが八島氏と2人会派を組んでいた松下議員でした。2010年に私が初代市長となったが、その頃から松下議員の市職員へのパワハラを繰り返す言動を問題視してきました。昨年、市職員にハラスメントの実態調査を行ない、結果を12月に議会に提出。松下議員のパワハラを示す録音データも複数提出しました」
調査には、「殴ったろっかお前」「退職届を準備しとけよ」といった発言とともに、松下市議から「恫喝」「不当要求」などをされたという回答が複数あった。一部の職員を名指しして、松下市議が応援する八島氏が市長になったら「全部飛ばしたる」「全員入れ替えたるで。クビにする」などと発言する音声も確認された。
松下市議に電話で直撃すると、セクハラ認定には「太っとる奴に太っとると言って悪いか!?」と返答。パワハラ疑惑について訊くと「まず、(アンケート回答した職員は)名を名乗れよ。『殴ったる』なんて言うわけねぇよ!『馬鹿野郎』は言っとるけど、それは盗聴(録音)しようとしたから怒ったわけ。アンタ(本誌記者)らみたいな若いのは自分の権利ばっかり主張して仕事を全然やらんやないか!」などと答えた。
公式ホームページで自ら”あま市の暴れん坊将軍”と称すが、暴れ方は大丈夫か──。関連記事では、セクハラ問題やパワハラ疑惑、議会に提出された音声の存在などについて、松下氏を直撃した際のやりとりの詳細、音声データを公開している。
▼▼▼関連記事▼▼▼
【詳しくは…】《音声データを公開》「太っとる奴に太っとると言って悪いか!?」「『殴ったる』なんて言うわけねぇよ!」パワハラ疑惑で本人直撃
※週刊ポスト2026年5月8・15日号
岩手・山林火災発生から1週間 まとまった雨も…鎮圧に至らず
岩手県大槌町の山林火災は、発生から29日で1週間です。消火活動や雨の影響で火の勢いは弱まりましたが、鎮圧には至っていません。
大槌町の中心部から中継です。
28日の昼過ぎから断続的に雨が降っている大槌町ですが、今もぱらぱらと雨が降っています。
山林を見てみますと、雨の影響か、火の手や延焼は確認できず、煙の量が少なくなっているように見えます。そして、町中に漂っていた焦げ臭いにおいもやわらいでいるように感じます。
先週22日、大槌町の小鎚地区と吉里吉里地区で発生した山林火災は、これまでにおよそ1633ヘクタールを焼き、町の人口のおよそ3割にあたる3257人に「避難指示」が出されています。町は「鎮圧」について慎重に判断する考えを示しています。
また「避難指示」については、「鎮圧後に解除するのが原則」とした上で、安全が確保できた地区から「部分的に解除する可能性もある」としています。
恵みの雨を受けて、鎮圧への期待が高まっています。