時効まであと1年… 14年前の強制わいせつ傷害 53歳男を逮捕 女性の車に乗り込み犯行 「覚えていません」容疑否認 愛知・美浜町

14年前、愛知県美浜町で面識のない女性にナイフを突きつけ、わいせつな行為をしてけがをさせたとして53歳の男が逮捕されました。
逮捕されたのは美浜町河和に住むアルバイト、神谷友広容疑者(53)です。警察によりますと神谷容疑者は14年前の2011年9月、美浜町の駐車場で面識のない25歳の女性の車の後部座席に乗り込んで身を潜め、女性が乗り込んだところをナイフを突きつけ、体を触るなどのわいせつな行為をした上、女性に全治一週間のけがをさせた強制わいせつ傷害の疑いが持たれています。
強制わいせつ傷害の公訴時効は15年で、警察が改めて証拠品の精査などを行ったところ容疑者が浮上。警察の調べに神谷容疑者は「覚えていません」と容疑を否認しているということで、警察が当時の詳しい状況や事件の経緯などを調べています。

NHK ドラマ撮影中の事故を公表 戦場シーン撮影用の火薬使った装置が誤作動 1人が鼓膜の一部損傷

NHKは7日、ドラマの撮影現場で事故が発生したことを発表した。

NHKによると、4月2日午後7時40分ごろ、京都府京丹波町の京丹波町ロケーション施設で行われていた「NHKスペシャル 終戦80年ドラマ『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』(NHK・NHKエンタープライズ・リキプロジェクト・ポニーキャニオン・東京テアトルの共同制作)の撮影で、戦場シーンで準備していた音と煙を出すための火薬を使った装置が、撮影前に誤って作動する事故が発生した。

撮影現場の安全管理を担当していた制作会社・リキプロジェクトによると、この事故で、周辺にいたアクション専門の出演者5人が、耳鳴りなどの症状を訴えて病院で診察を受け、このうち1人が左耳の鼓膜の一部を損傷するケガをしたという。

NHKは「撮影現場での安全管理を徹底し、再発防止に努めてまいります」コメントした。

同ドラマは、猪瀬直樹氏の「昭和16年夏の敗戦」(中央公論新社刊)を原案に、石井裕也氏が脚本と演出を担当。池松壮亮が主演を務める。

大阪府堺市の建物火災 年齢性別不明の遺体見つかる 複数に延焼して消防隊員など4人ケガ

大阪府堺市で起きている建物火災、1人が死亡し、ケガをした人は消防士を含む4人いることがわかりました。
消防によりますと、7日午後3時ごろ、堺市中区大野芝町の住宅で火事があり付近の数軒に延焼、消防車など計32台、計112人が消火活動をしています。
消防はこの火事で、年齢・性別不明の1人の遺体が見つかったと発表しました。
また、けが人は4人いるということです。80代の男性、80代の女性、60代の男性の3人は気道熱傷(やけど)の疑いで、20代の消防士が消火活動中に手首を負傷したということです。
火災現場のすぐ近くには南堺病院があり、病院によりますと、現在のところ病院建物への延焼はありませんが、患者の避難など緊急対応の準備をしているということです。
現場は南海高野線初芝駅から約1キロの位置にある住宅街です。

大船渡の山林火災鎮火 発生から41日目、再燃の可能性なしと判断

岩手県大船渡市で発生した大規模山林火災で、市は7日、鎮火を宣言した。発生から41日目の同日、市などが上空からヘリで確認し、再び燃焼する可能性がなくなったと判断した。焼失面積は市全体の9%にあたる約2900ヘクタールで、平成以降の国内の林野火災で最大となった。1人が亡くなり、建物被害は221棟に上った。
火災は2月26日午後1時過ぎ、大船渡市南部の漁港付近からの119番で判明し、記録的な少雨による乾燥や強風で急速に燃え広がった。自衛隊や15都道県のヘリなどが消火に当たったが、焼失面積は1992年の北海道釧路市で起きた山林火災の1030ヘクタールを超えた。3月9日に延焼の危険性がない鎮圧状態と判断され、消防が再燃の可能性を調べていた。
大船渡市は最大で市民約4600人に避難指示を出し、4日時点で約200人が避難生活を余儀なくされている。【奥田伸一】

同性婚訴訟 大阪高裁の判決を不服として原告側が上告「憲法違反とする最高裁の統一的な判断を勝ち取る」

同性婚が法律で認められないのは憲法違反として、同性カップルが国に賠償を求めている裁判。大阪高裁の、憲法違反と判断したものの賠償の訴えを退けた判決を不服として、原告側が上告しました。
◇「同性婚認めないのは憲法違反」と国提訴も…一審は”合憲”判断
香川県や京都府などに住む同性カップル3組は、「民法や戸籍法などで同性婚が認められないのは『法の下の平等』を保障する憲法14条1項と、『婚姻の自由』を定めた24条1項、『個人の尊厳』と『両性の本質的平等』を定めた24条2項に違反する」として、国に対し1人あたり100万円の損害賠償を求めています。
一審の大阪地裁は2022年6月、「社会状況の変化によっては同性カップルに関する何らの法的措置も取られない立法不作為が、将来的に違憲となる可能性がある」と指摘しました。
一方で、憲法24条の婚姻は男女間の関係のみを定めたもので、同性婚を禁止してはいないものの、同性婚を含んでいないと認定。
「同性カップルが受ける不利益は他の制度で相当程度解消されている」として法の下の平等を定める14条1項にも違反せず”合憲”と判断して訴えを退けました。
◇二審は逆転で”憲法違反”しかし賠償の訴えは退ける
原告が控訴して、今年3月25日、大阪高裁が判断しました。同性婚を認めないのは「同性カップルの人格的利益を著しく損い不合理な差別を生む」と指摘。
「同性カップルのみ、法律婚以外の制度を設けると新たな差別を生む危惧がぬぐえない」として、法の下の平等などを定めた”憲法に反する”と認め、一審の判断を覆しました。
一方、「最高裁の統一判断が示されておらず、現時点では立法不作為が違法とはいえない」などとして、賠償の訴えは退けていました。
◇原告側が上告「早急な立法解決を実現することを目標」
原告側の弁護団は4月7日、この二審判決を不服として最高裁に上告したということです。
弁護団は、二審判決が同性婚を認めないことを”憲法違反”と判断したことなどについては高く評価した一方、「”憲法違反”とする最高裁の統一的な判断を勝ち取ること、早急な立法解決を実現することを目標に最高裁の審理に臨む」としています。
同様の裁判をめぐっては、大阪高裁を含む5件の二審判決がすべて”憲法違反”と判断していて、今後、最高裁の判断が注目されます。

石破首相、直接会談で打開目指す=長期戦覚悟、8日に政府対策本部―トランプ関税

石破茂首相はトランプ米大統領との7日の電話会談を踏まえ、関税措置の見直しをトランプ氏に直接働き掛けるため、早期の訪米を目指す方針だ。日本政府内では長期戦も覚悟せざるを得ないとの見方が強まっており、首相と全閣僚で構成する総合対策本部を8日朝に開き、国内対策の検討を本格化させる。
首相は7日の参院決算委員会で「国難とも言うべき事態だ。必要なら(電話会談に加えて)なるべく早く訪米したい」と表明。「その時に、どうするかをパッケージにした形で持っていく」と述べ、対米投資案や「非関税障壁」見直し案をまとめてトランプ氏に説明したいとの考えを示した。
首相は2月のトランプ氏との初会談の際、対米投資を1兆ドル(約146兆円)規模に拡大すると伝達した。政府内では米アラスカ州での石油・天然ガス開発など協力を具体化する案が出ている。
首相は決算委で「誤りは誤りとしてきちんと正す」とも語った。トランプ政権が主張する日本による輸入米への700%の関税は事実誤認だと指摘し、米国が日本車に追加関税を課さないことは2019年の安倍晋三首相(当時)とトランプ氏の会談で確認されていると説明する方針だ。 [時事通信社]

首相、旧統一教会側と面会認める 赤旗報道「新事実でない」

石破茂首相は7日の参院決算委員会で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と関係が深いとされる世界日報の社長と自身が面会していたとの共産党機関紙「しんぶん赤旗」の報道が事実だと認めた。「世界日報に、私に関する記事が掲載されたのは間違いない事実だ」と述べた。2022年の自民党調査に報告済みだとして「新たな事実が明らかになったわけではない」と強調した。
6日付の赤旗日曜版は、12年と15年の世界日報に石破氏と社長らの座談会が写真付きで掲載されたと報じた。質問した共産の山下芳生氏は「信者獲得に利用されたと反省し、真相を解明すべきだ」と求め、首相は「真摯に受け止める」と応じた。

機長、運航中に異常察知か 事故調「不時着の可能性」 医療ヘリ事故

長崎・壱岐島沖で6日、患者や医師ら6人を乗せた医療搬送用のヘリコプターが転覆した状態で見つかった事故で、ヘリの男性機長(66)が唐津海上保安部(佐賀県)の任意の事情聴取に対し、緊急着水時に使用するフロート(浮き具)を「手動で作動させた」と説明していることが関係者への取材で判明した。事故前に何らかの異常を察知し、安全態勢を取ったとみられる。こうした状況を踏まえ、7日午後から調査を始めた国の運輸安全委員会の航空事故調査官は報道陣の取材に「不時着した可能性が高い」との見解を示した。
また、唐津海保は7日、心肺停止となっていた搭乗者2人の死亡が確認され、死者は計3人になったと発表した。ヘリで搬送中だった女性患者の本石ミツ子さん(86)は6日夜に死亡が確認されていた。新たに発表された2人は医師の荒川渓(けい)さん(34)と、付き添いで搭乗していた本石さんの息子、和吉さん(68)。
第7管区海上保安本部(北九州市)などによると、ヘリは離島の長崎県対馬市から福岡和白病院(福岡市東区)に向けて6日午後1時半に離陸。約1時間20分後に「消息不明」との通報があった。7管などが捜索し、午後5時過ぎに壱岐島の北端から北東約27キロの海上で転覆した状態のヘリを発見。6人を救助した。ヘリからの遭難信号発信は確認されていなかったという。
意識があった男性機長、男性整備士(67)、女性看護師(28)の3人は、機体下で膨らんだフロートにしがみついていた。関係者によると、事故機のフロートは操縦席近くにあるレバーを引くとガスが噴射されて膨らむ仕組み。男性機長が作動させた理由は明らかになっていないが、何らかの異変を事前に察知して不時着水を試みた可能性が高いとみて唐津海保や航空事故調査官らが事故原因を調べている。
また、6人は発見時、全員が救命胴衣を着用していなかったことも関係者への取材で新たに判明した。福岡和白病院から委託を受けて運航していたエス・ジー・シー佐賀航空(佐賀市)では機内の座席下に救命胴衣を配備していたが、通常は着用せずに運航していたという。
航空法に基づく細則は、洋上を運航するヘリについては飛行時の状況に応じて救命胴衣を着用することを一部義務化している。ただ、救急搬送など医療上の理由で困難な場合は対象外だ。佐賀航空は細則に基づき、片方のエンジンが止まった場合に「救命胴衣を着用する」との運航規定を設けていた。今回が規定に当たる状況だったかは現時点で明らかになっていないが、救命胴衣を着用していれば生存率が高まった可能性はある。
唐津海保は業務上過失致死傷などの疑いもあるとみて捜査を進める方針。【金将来、栗栖由喜、川畑岳志、井土映美】
運行会社、昨夏にも死亡事故
福岡和白病院(福岡市東区)から委託を受けて医療搬送用のヘリコプターを運航していたエス・ジー・シー佐賀航空(佐賀市)は2024年7月にも別のヘリで死亡事故を起こしており、病院側は患者搬送の委託を一時、停止していた。佐賀航空から「安全」と説明され、約5カ月前に再開したばかりだったが、今回の事故に直面した。
病院によると、ヘリでは年間80件ほど患者を搬送していたという。だが、佐賀航空が運航する別のヘリが24年7月に福岡県柳川市で墜落し、操縦士と整備士の2人が死亡する事故が発生。これを病院側は問題視し、運航の委託をいったん停止した。佐賀航空は病院に対し、柳川市で事故を起こしたヘリとは違う機体で安全性に問題がないと説明。病院の富永隆治院長も搭乗し、安定して飛行できたことから24年11月中旬ごろに運航を再開した。
佐賀航空によると、事故機の男性機長は総飛行時間が3692時間に上るベテラン。機体は13年に製造され、トラブルによる修理などはなかった。事故2日前の定期点検や出発前の点検でも機体に異常は確認されず、機長の健康状態にも問題はなかったという。
佐賀航空所有の機体を巡っては、過去にも墜落や不時着など複数の事故が起きている。04年12月には佐賀県で墜落事故を起こし、搭乗者3人が死亡。08年7月にも同社が保管・整備を請け負っていたヘリが長崎県の大村湾に墜落し、3人が死傷していた。
7日に記者会見を開いた佐賀航空の宮原幸徳・統括航空事業本部長は「3名の尊い命を失う結果となり深くおわび申し上げる」と謝罪した。【成松秋穂、西貴晴】

通報の市議「非常に危険」 万博会場でメタンガス検知、対策強化へ

大阪・関西万博の会場内で6日、引火すれば爆発のおそれがある濃度のメタンガスが検知され、日本国際博覧会協会は7日、現場を報道陣に公開した。メタンガスは、会場西側のグリーンワールド(GW)工区にある電気設備の地下ピット(空間)で検知された。
万博協会によると、6日午後4時半ごろ、ピットを保護するマンホール内で、引火すれば爆発を起こしうる最低濃度(5vol%)を超えるメタンガスを検知した。消防などが周囲20メートル四方の範囲で立ち入りを規制し、マンホールのふたを開けて換気したところ、30分後に、労働安全衛生規則で定める基準値(1・5vol%)を下回った。6日朝に測定した時には検知されなかった。
会場の人工島・夢洲(ゆめしま)は埋め立て地で、一部は廃棄物で造成された場所があり、可燃性のメタンガスが発生している。GW工区内では2024年3月、トイレ床下の配管ピットにメタンガスがたまり、爆発事故が発生。万博協会が32億円を投じ、換気装置を設置するなどの対策を進めていた。
万博協会は今後、さらに換気を強化するため、マンホールのふたを常に開け、人が立ち入らないよう柵を設ける。また、メタンガスを測定する頻度を毎日1回から3回に、場所も2カ所から7カ所に増やす。万博協会の高科淳副事務総長は「本番に向けて追加の対策が必要であれば、しっかりと対応したい」と述べた。
一方、6日にメタンガスの検知に気付き、消防に通報した大阪府守口市の寺本健太市議(共産党)が7日、毎日新聞の取材に応じた。寺本市議は元消防士で、現場付近にキッチンカーがあったと証言した。寺本市議は「誰かがコンセントの抜き差しをして火花が散ったり、火のついたたばこを投げ入れたりしたら、非常に危険だった」と話した。
寺本市議は6日、万博のテストラン(リハーサル)に参加。自ら借りた検知器を持参して会場内を視察していた午後3時ごろ、GW工区のマンホールの近くでメタンガスを検知した。その後、会場内のスタッフや防災センターへ報告したが、速やかな対応がなく、午後4時に消防へ通報した。
万博協会が6日朝に現場で測定した時は、メタンガスは検知されなかったことから、寺本市議は「短時間で濃度が上昇するほど、多くのメタンガスが出ていることになる」と危惧した。【岡崎英遠、面川美栄】

「帰ってきてほしい」 3人死亡の医療ヘリ事故、悲嘆の声相次ぐ

長崎・壱岐島沖で起きた医療搬送用ヘリコプターの事故は、搬送中に犠牲となった患者の本石ミツ子さん(86)や付き添っていた息子の和吉さん(68)の知人、離島医療に携わる医療関係者らに衝撃を与えた。
「ものすごくいい人でした。帰ってきてほしい」。和吉さんを知る長崎県対馬市の70代女性は言葉少なに語った。
周辺住民らによると、ミツ子さんの家は代々農家で、和吉さんは母親から継いだ田畑で農業を営む傍ら、建築関係の仕事に励んでいた。女性によると、畑を耕したい時や台風で庭木が倒れた時など、和吉さんに頼めばすぐに駆け付けて手伝ってくれたといい「集落の困り事を何でもやってくれた。本当に働き者で親孝行な人だった」と惜しんだ。
ミツ子さんの近所に住む90代の男性はニュースで事故を知ったという。「突然のことで驚きが一番。本気でさみしい」と肩を落とした。
男性はミツ子さんと互いの家庭菜園で取れた野菜を届け合う仲で、数週間前にも庭で取れたキャベツやブロッコリーをミツ子さんに届けたところだった。「花が好きな人で、庭で育てた花がいつも玄関に飾ってあった。とても感じが良かったのに」と絶句。離島の医療を支えてきたヘリの事故にショックを隠せず、「私の娘もお産の時にお世話になった。これまでたくさんの人の命を救ってきたヘリでこんな事故があるとは、言葉にならない」と漏らした。
「大変ショックでした」。長崎県の離島・五島列島で医療に携わる一方、後進の育成にも取り組んできた長崎大離島医療研究所長の前田隆浩教授は悲嘆を隠さない。
前田教授によると、離島には一般的に常勤医が少ない上、必要な専門医療が提供できない場合はヘリや高速船などで患者を搬送する必要があるという。
前田教授は亡くなった医師の荒川渓さん(34)について「リスクをいとわずあえて救急ヘリ搬送に携わっていたのは、離島の人々に貢献したいという非常に高い志を持っておられたからだと思う」とたたえた。
その上で、日本の医療の現状について「人口減少の段階に入る中で、専門医療がそろっていない地域は今後さらに増える可能性がある。その中で患者をどのように搬送するのかは全国共通の課題だ」と指摘した。
事故が起きたヘリの機体は白く、「ホワイトバード」と呼ばれていた。ミツ子さんの搬送元だった長崎県対馬病院(対馬市)の担当者は取材に「ホワイトバードは離島医療には必要な存在だっただけに、大変残念な結果だ。まさかこういう事故が起こるとは予想もしていなかった」と声を落とした。対馬市医療対策課の担当者も「ホワイトバードはありがたい存在だった。今後の対応は検討中だ」と話した。【山口響、竹林静、平川昌範】