白井秀征容疑者(28)が川崎市の岡崎彩咲陽さん(20)に対する殺人容疑で再逮捕された12日、遺族は「当然だ」と冷静に受け止める一方、これまでの警察の対応について改めて批判した。
事件直前、岡崎さんと共に生活していた祖母(68)は「いくら訴えても捜査をしてくれなかった」と神奈川県警への怒りをあらわにした。
別の親族の女性(75)は再逮捕を「当たり前だ」と淡々と話し、捜査の進展を願った。岡崎さんが行方不明になる以前を思い出し、白井容疑者に付きまといについて強く抗議すると刺激しかねないと考え、警察に頼るしかなかったなどと振り返った。 [時事通信社]
万博折り返し 伸び悩む来場者数、猛暑も影響か 黒字達成は不透明
大阪・関西万博は13日に開幕から3カ月となり、10月13日までの半年間の会期の折り返しを迎える。来場者数には伸び悩みの傾向がみられ、運営費の黒字達成も不透明な状況が続く。
一般の来場者数は11日時点で991万6276人(6日以降は速報値)となっている。12日に1000万人の大台に乗ったとみられる。これまでの最多は6月28日の18万4990人だった。この日は夜に花火の打ち上げがあり、帰宅しようとした約100人がシャトルバスに乗れず、タクシーで帰る事態が起きた。
客足は6月上旬ごろまでは伸びていたが、その後は1週間平均で12万~13万人台を推移し、横ばいが続いた。近畿地方が梅雨明けして猛暑が続く7月は、10万人台を割り込む日も目立っている。
入場券の販売枚数も4日時点で1554万1579枚となった。万博の運営費の赤字と黒字の分かれ目となる損益分岐点(約1800万枚)に届くかどうかは予断を許さない状況だ。
過去の万博では、会期末が近づくにつれて来場者数が伸びる傾向にある。レジオネラ属菌が検出された問題を受けて6月上旬から中止されていた水上ショーが7月11日から再開され、12、13両日のブルーインパルスの展示飛行などをきっかけに、停滞感を打開できるかが鍵になる。【長沼辰哉、高瀬浩平】
乗客家族「魂を連れて帰りたい」 知床・洋上慰霊13日実施へ
北海道・知床半島沖で2022年4月、乗客乗員計26人が死亡、行方不明となった観光船沈没事故で、行方不明者の家族2人が12日、現場海域での洋上慰霊を前に、港がある斜里町で報道陣の取材に応じ「魂を連れて帰りたい」などと思いを語った。13日に現場に向けて出港する予定。
関係者によると、乗客家族らがまとまって洋上慰霊をするのは初めて。福岡県久留米市出身の小柳宝大さん=当時(34)=の父親は以前、民間の観光船に乗り、沈没現場付近で他の乗客を気にしながら献花をしたことがあるという。「今回は他の乗客のことを気にせず、思い切り息子の名前を呼べる。『来たよ』と言いたい」と話した。
参政党代表の発言に各地で抗議 「選挙を差別に使うな」
参院選の街頭演説で「高齢の女性は子どもを産めない」と述べた参政党の神谷宗幣代表に抗議する集会が12日、川崎市で開かれた。同様の集会は6日以降、各地で開催されている。13日も大阪市などで計画されている。
JR川崎駅前で開かれた集会には約50人が参加し「女の価値を産む、産まないで決めるな」「選挙を差別に利用するな」などと書かれたプラカードを掲げた。
神谷氏は3日の第一声で「女性の社会進出は良いことだけど、子どもを産めるのは若い女性しかない」などと発言。女性を中心に批判的な意見が相次いだが、その後も同様の主張を続けている。
元Jリーガーの教諭逮捕=元教え子へのストーカー容疑―静岡県警
元教え子の女子高生に面会を要求するメッセージをSNSで繰り返し送信したとして、静岡県警は12日、元Jリーガーで静岡市立中学校教諭の鍋田亜人夢容疑者(34)=同市葵区瀬名川=をストーカー規制法違反容疑で逮捕した。容疑を認めているという。
逮捕容疑は5月中旬~6月下旬、元教え子の女子高生に「会いたい」などのメッセージを繰り返し送信した疑い。
県警や市教育委員会によると、6月26日に女子高生の保護者から市に相談があり発覚。鍋田容疑者はほかにも、胸のサイズを聞き出したり、体の画像を要求したりしていたという。
鍋田容疑者は2010~14年にJリーグの清水エスパルスやアビスパ福岡に在籍していた。
中村百見・静岡市教育長の話 子どもたちの心のケアを最優先に対応する。教職員の綱紀粛正を図り、信頼回復に努める。 [時事通信社]
北海道・奥尻島で犠牲者慰霊 南西沖地震から32年
北海道と青森県で計230人の死者・行方不明者を出した1993年の北海道南西沖地震から12日で32年となり、津波により甚大な被害が出た北海道・奥尻島で犠牲者の慰霊行事が開かれた。
午後6時ごろ、島南部の初松前地区にある慰霊碑には遺族らが集い、祭壇に手を合わせた。アルバイト従業員阿部節子さん(78)の夫は漁師で、船を上げようと浜に行き、波にさらわれた。「悲しくて仕事も手に付かなかった。ちょうどアワビ漁の季節だった」と懐かしそうに海を見つめた。午後7時ごろには青苗地区でも祭壇が設けられ、焼香と灯籠流しが行われた。
11日には奥尻町立青苗小で、地震と津波を想定した避難訓練が行われた。
モンゴル訪問中の天皇陛下「歴史文化、自然に触れた1週間」
モンゴル訪問中の天皇陛下は12日、この日の訪問先のホスタイ国立公園で報道陣の取材に応じ「豊かな歴史文化、素晴らしい自然に触れることができた1週間だったと思います」と話された。13日に帰国する。
陛下は8日、戦後に抑留先のモンゴルで亡くなった日本人の慰霊碑に供花。祖国に帰れなかった戦争の犠牲者を悼んだ。陛下は「政府庁舎などの建設に従事し厳しい環境にありながら、自分の仕事に力を尽くし、モンゴル国民から尊敬を集めていると聞いています。心ならずも故郷を遠く離れた地で亡くなられた方を雅子とともに慰霊し、そのご苦労に思いを致しました」と話した。
慰霊碑を訪ねた日の夜、フレルスフ大統領夫妻主催の晩さん会で陛下は、自身のビオラで国立馬頭琴交響楽団の演奏に加わり、ともに「浜辺の歌」を奏でた。望郷の歌が聴衆にどう響いたと思うかと尋ねられ、「モンゴルで亡くなられた方々の心に響けば大変うれしいことです」と述べた。
12日、陛下は皇后雅子さまと、ウランバートル近郊で国民的スポーツの祭典「ナーダム」の競馬競技を観戦した。モンゴルの競馬は20キロほどの草原を疾走する。馬への負担を軽減するため騎手は10歳前後の子供が務める。
抜けるような青空の下、両陛下は大統領夫妻とともにゴール手前の草原に40分ほど立ち、ラストスパートで駆け抜ける5歳馬のレースを見つめた。天皇陛下はコンパクトカメラで動画を撮り、雅子さまは双眼鏡をのぞき、ナーダムの花形競技を堪能していた。
その後、ウランバートル中心部から約100キロ西のホスタイ国立公園に足を延ばした。公園は自然界では絶滅したとされる最古の野生馬「モウコノウマ(タヒ)」の保護に取り組んでいる。ダシプレブ所長から、タヒが乱獲などで絶滅危機に陥った原因などについて説明を受け、「生息地はどのような場所ですか」などと尋ねていた。両陛下は大型スポーツタイプ多目的車(SUV)に乗り込んで広大な公園敷地の奥地に生息するタヒを探索し、群れを見つけたという。
宮内庁幹部によると、両陛下は11日に臨んだ開会式を含め、ナーダムについて「モンゴルの歴史や伝統に根ざした自らの文化に、モンゴルの人たちが誇りを持っていることがよく感じられました」と印象を述べた。【ウランバートル山田奈緒】
現場に洗剤、床拭いた跡=証拠隠滅図ったか―東京・新宿の死体遺棄事件・警視庁
東京都新宿区新宿のマンションの浴室で職業不詳成瀬壮一郎さん(35)の遺体が見つかった事件で、現場から塩素系の洗剤が見つかり、床を拭き取ったような跡もあったことが11日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査1課は死体遺棄容疑で逮捕された、いずれも職業不詳の北誠一(30)、梨本俊弘(31)両容疑者が証拠隠滅を図ったとみている。
捜査関係者によると、現場となった1Kのマンション内には液体の塩素系漂白剤が残され、居室スペースの床には血痕などを拭き取ったような跡があった。成瀬さんは頭部を鈍器のようなもので複数回殴られて死亡したとみられ、遺体の頭部にはポリ袋がかぶせられていた。
同課によると、両容疑者は地元が同じ友人で、梨本容疑者は「北容疑者から部屋の片付けを手伝ってほしいと頼まれ、断れなかった」と供述している。防犯カメラの映像から、2人は6月24日にさいたま市内の量販店で段ボールやブルーシートを購入した後、マンションに出入りしていたことが判明。同27日も新宿区内でマスクを買った後、マンションを訪れていた。同課は24日までに成瀬さんが死亡したとみている。
北容疑者は成瀬さんらと共同でアダルトビデオ(AV)の撮影や風俗関係の事業をしており、梨本容疑者は成瀬さんと面識はなかったとみられる。同課は2人が成瀬さんの死亡の経緯も知っているとみて、詳しい状況を調べている。 [時事通信社]
住宅街にクマが二度出没…付近には小学校や中学校も 警察が警戒強める 北海道福島町
2025年7月10日、福島町月崎でクマ1頭が目撃されました。
7月10日午後7時すぎ、福島町月崎の道道532号付近の住宅街で、家の中にいる人から「大きめのクマがいる」と警察に通報がありました。
警察によりますと、住宅の外で体長1~2メートルほどのクマ1頭が走り去る姿を目撃したということです。
通報から約15分後、目撃者は再び家の中からクマを目撃し、付近をパトロールしていた警察官に連絡しました。
現場付近は住宅街で、約200メートルの距離には小学校や中学校もあるエリアです。
警察は住宅付近で夜を徹してパトロールを続けるなど、警戒を強めています。
国会軽視の三原じゅん子、少子化対策より“閣僚の椅子”と“若さ”に執着…大臣支えるのは“2人の先輩議員”
政府が7兆円超を投じたこども家庭庁だが国民からは「解体しろ!」の声が多数。そんな中、三原大臣の不適切な行動が取り沙汰されてーー。大臣に就任してからいったい何をしていたのか。それは少子化対策とは程遠いようでーー。
少子化対策の特効薬とはいえないものが多い
三原じゅん子内閣府特命担当大臣をめぐり、辞任騒ぎが巻き起こっている。
「国会を抜け出して、美容整形クリニックに行っていたことが一部週刊誌で報じられました。しかもその日は“禁足”令が出されていた。わざわざそんなときに行く必要ある?と大騒動となっているんです」(スポーツ紙記者)
禁足とは、審議や採決に備え、国会の周辺で議員らを待機させる措置のこと。そんなときに3時間もかけて自身のアンチエイジングに励んでいたのだ。国民の反感を買うのは当たり前だろう。予算7.3兆円を投じた「こども家庭庁」での仕事はどうなっているのだろうか。
’24年の出生数が初めて70万人を割り込んだばかり。少子化対策は待ったなしの状況なのに三原大臣が進めている政策を見てみると、トンチンカンとしかいえないものばかりで─。
こども家庭庁が意気揚々と掲げ、’26年からスタートする「子ども・子育て支援金制度」が「独身税」と例えられ、批判を浴びている。
「これは独身者や子どもがいない人も、子育て支援のために実質的な金銭的負担を求められることになります。独身税とはうまい言い回しで、この制度は少子化に歯止めをかけることを目的とし、子育て世帯を支援する給付金を確保するために創設される新たな制度、という名目のもとに取れるところから税金を取ろうということなんです。
この支援金は医療保険制度を通じて、加入者全体から徴収される形になっています。年齢や家庭の状況にかかわらず、すべての公的医療保険加入者が支払い対象になっているため、子どもがいない独身者の中には“子育てをしていないのに負担するのは不公平”と不満の声が上がっています」(政治ジャーナリスト)
三原大臣は“独身税と言い換えることは間違っている”と反論したものの、莫大な予算があるのになぜ国民から徴収しようとするのか。こども家庭庁を解体して財源に充てるべき、と指摘されるのも無理はないだろう。
「三原さんが現在進めている少子化対策は児童手当の拡充や育児休業制度の改善のほか、保育士の処遇改善など。少子化対策の特効薬とはいえないものが多い」
と永田町関係者。
5月にテレビ出演した際、少子化対策がうまくいっているのかを問われた三原大臣は「対策がうまくいっているのかと言われれば、そうではないということは本当に申し訳ない」と、効果が出ていないことを自ら認め、謝罪している。
見ている方向性がズレている
「なんとしても少子化を食い止める、という信念がまったくない。だから保育士や育児休業などと、すでに子どもが生まれてからの政策に飛びつく。そうではなくて、どうやったら子どもを産みたいと思える社会になるのか、が問われているのに。見ている方向性がズレている」(同・永田町関係者、以下同)
政策と出生率の因果関係を分析するのが先ではないだろうか。確固たる信念もなければ、学ぶ姿勢もないように見える三原大臣。なぜ大臣にまで上りつめたのか。そこには2人の人物の後ろ盾があったという。
「いまいち何がしたいのか見えてこない三原さんが“姉貴”と慕っているのが、野田聖子元内閣府特命担当大臣の存在。三原さんが女優時代から付き合いがあり、政界入りを後押ししたのも野田さん。
’21年に野田さんが少子化対策・男女共同参画の担当大臣に就任したときも三原さんを大臣補佐官に起用したほど。三原さんが注目されるきっかけとなった『乳がん・子宮頸がん検診受診促進議員連盟』参画も野田さんのアイデアだったとか。ですから“三原が何をしたいかを見たければ野田聖子を見よ”と言っている人もいるほど」
もう1人、躍進のきっかけとなったのが、菅義偉元首相だという。
「三原さんの地元は神奈川で、菅さんの選挙区でもある。その神奈川人脈を生かして菅政権時代の’20年に、厚生労働副大臣に抜擢され、新型コロナワクチン接種の推進などを担当し菅さんに評価されていました。’22年の参院選でも、菅さんが三原さんの応援演説に入って当選を後押ししている。人脈づくりの活動には熱心に勤しむので、党内からの評価は高い」
少子化対策への熱意もなく、興味があるのは閣僚のイスと自らの若さ維持というのであれば大臣失格と言われても仕方がない。せめてひとつでも国民の役に立つ政策があれば─。